ほむほむと草刈機とゆとり教育と
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homuhomu_tabetai
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作者:18iroaqn0
660 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県)[sage] 投稿日:2011/10/07(金) 20:37:13.47 ID:18iroaqn0
あ~、仕事もない日曜日に何で俺が草刈りなんてしなきゃならないんだよ…。
奥さんと娘は二人でどこかに遊びに行っちゃってるし、俺だって休みたいのにさ。
…まぁ、文句ばっか言ってても何も始まらないし、さっさと終わらせちゃいますか!
「草刈機、起動っ!!」
<草むらの中>
仔ほむ「ホミュ~ホミュミュ~♪」イイテンキダネ♪
仔まど「マデョ~ホミュラチャン!」オヒサマガ キモチイイヨ~
親ほむ「ホムゥー、ホムホム♪」コドモタチ、ゲンキイイネ♪
親まど「マドマドォ、ウェヒヒヒw」コドモタチ、カワイイネ?
ホミュー♪ ミャデョー♪ マドカァー/// ホムラチャーン///
草刈機「ブルァァァァァァァァ」
仔ほむ「ホミュ?」ナンノオト?
仔まど「マデョ~?」アッチカラキコエルヨ?
仔ほむ「ホミュニュ~、ホミュホミュ」ミテクルネ
仔まど「マ、ミャデョ?」ダイジョウブナノ?
ヒョイ テクテク
草刈機「ブルァァァァァァァアアア!!」マタ、ツマラヌモノヲ キッテシマッタ…。
仔ほむ「ホ……?」エッ……?
<草むらの中 終わり>
ピシャー ホ、ホミャァァァァアアアアア!!
おわっ!! 何だ? 今なんか顔についたような…血?
草刈機を止めて、下を見てみると怪我をした仔ほむとその家族らしきものがいた。
ほむほむ「ホビャァァアア!!」コドモガー!!
まどまど「マドーッ!! マドマドォオオ!!」シッカリシテ、ワタシノコドモ!!
仔ほむ「ホ、ホビ…ホミュ……」ウデトアシガ…イタイヨ…
仔まど「ミャデョー! ミャデョー!!」オネエチャン、シナナイデ!!
…ヤバいなぁ、どうやら草刈機で仔ほむを切ってしまったらしい。
見てみると、片腕は完全に切断されて足にも深い傷を負っているようだ。
急いで治療しないと命にかかわるかも…。
ほむほむ「ホムーッ! ホムーッゥ!!」オイッ! ハヤクビョウインニツレテイケ!!
まどまど「マドマギッ!!」ビョウイン モッテコイ!!
仔まど「マデョーン!」オネエチャーン!
仔ほむ「ホ……ミ…ュ」イタイヨ…
車は奥さんが乗って出ていったしなぁ…。
歩いていける距離に動物病院もない。
ほむほむのことで救急車を呼んだなんて話も聞かないし…。
近所にほむほむを飼ってる人の話も聞いたことがない。
応急処置くらいなら俺にでも出来るはずだ。
よしっ! 俺が治療するしかないな!!
「ほむほむ、俺が絶対に助けてやるからな!!」
<家の中へ移動します。>
仔ほむ「マ…ド……キャー」オネガイ、タスケテ…
ほむほむ一家を家に招き入れ、俺は治療を開始した。
右腕は完全に切断されていて、右足が皮一枚で繋がってる状態か。
まずは消毒をしないとな…。
人間用の消毒液はどこに……クソッ! 救急箱は何処にあるんだよ!!
消毒消毒……アルコール消毒でもいいんだっけか?
そう言えば、冷凍庫にウォッカ(スピリタス)があったな。
俺は急いで冷凍庫からウォッカを取り出し、コップに注ぎ、仔ほむをその中に入れた。
仔ほむ「ホ…………」
仔ほむ「ホビャァァァァァァァアアアアアアア!?」バシャバシャ!! イタイ! シミルヨ!! オボレチャウッ!?
仔ほむ「ホビャ? ホビャビャビャ!? ホミャアアァアァ!!」クチノナカモアツイ! タスケテ! オカーサン!!
まどまど「ホムラチャーン!!」ドウシタノ? コドモー!!
ほむほむ「ホムゥーーー!!」オイ、コドモニナニヲシタ!!
仔まど「ミャド…? ミャドォ?」タスケテクレルンジャナイノ!?
ほむほむ達が何か叫んでいるようだ。
消毒する際は酷く染みて傷口が痛いものだからな…我慢してもらわないと。
しかし、さっきから鳴き声が少しうるさいな。
治療に専念するために、家族の方々には別室に待機していただこう。
確か娘が飼っているあんあんとさやさやのケージがあったはずだ。
その中にいてもらえたら俺も集中して仔ほむの治療が出来るはずだ。
「あんあん、さやさや! こいつらを頼む。」
あんあん「アン?」ナニ? ゴシュジン?
さやさや「サヤァ?」ゴハンクレルノ?
ほむほむ一家「ホ、ホ…マ、マドォ…!」イ、イヤ、コナイデ…!
あん・さや「サヤカー! キョウコー!!」アリガトウ、ゴシュジン!!
ほむほむ一家「ホ、ホビャァァアア!! マドカァ!! ホムラチャーン!! 」イヤイヤ! ダシテ、ココカラダシテ!!
グシャッ!! バリバリッ ブチッ!! アーン♪ サヤァサヤサヤァ♡ ホ…ミィ…ミャ…ォーン…
よし、消毒を終えたら止血して傷口を塞がないとな。
腕は完全に切断されているから縫合しないといけないし…。
縫合? 縫合なんてどうやってやるんだ? 学生時代にこんなの習ったか?
クソ! そもそも学校でカエルの解剖すらした記憶もないわ! こうなったら…。
「アロンアルファ最強説をここに提唱します。」
ほむほむ、我慢してくれよ…。
仔ほむ「ホミュー………」カラダガオモイ…。
仔ほむ「ホミュゥゥーン…?」ナンダカ、ネムクナッテキチャッタ…?
仔ほむ「ホ…ホミュホミュ、マデョキャァア-…」オヤスミナサイ、オカーサン、イモウト…
仔ほむ「」
仔ほむの元気が見るからに無くなってきてる。
アロンアルファで腕と足をくっつけ、セロテープで固定。
その上から包帯を巻いて…治療完了!
あと俺に出来ることは、栄養を摂らせて安静にすることくらいかな?
一日様子を見て、体調が悪そうだったら病院に連れていけばいいだろうし。
「ほむほむ家族に知らせに行くか!」
ほむほむ「」リョウウデ、リョウアシ クビ セツダン
まどまど「」オナカ、キリヒラカレ
仔まど「」ゼンシン アザダラケ
なんだよ? これは…? せっかく仔ほむは助かったっていうのにっ…!!
悲しみにくれる中、俺はあることを思い出していた。
『ほむほむは情に厚く、非常に仲間思いである』と。
おそらく、このほむほむとまどまどは自分の仔が助からないと思い、一家心中をしたのだ。
死にゆく仔に、『ひとりぼっちじゃないよ』と一緒に逝くために。
しばらくすると、あんあん達のケージの横で茫然自失としていた俺に声が掛けられた。
さやさや「サヤァ? サヤサヤ!」ゴシュジン、ドウシタノ?
あんあん「アンアン! クーカイ?」ゲンキダセヨ! イッショニイテヤルカラサ
落ち込んでいた事に気がついたのか、あんあん達が俺に向かって鳴いている。
励ましてくれてるのか…?
あんあん、さやさやの鳴き声に耳を傾けていたら、気がつけば夕方になっていた。
あんあん達のおかげで気も楽になってきていた。
夕日がとっても眩しい。
ポタッ…ポタッ…。
おかしいな? 綺麗な夕日が見えてるってのに…雨が降ってきたのか?
確認しようとしたが、目がよく見えない。 おかしいな…?
ポタッ…ポタポタッ…。
そうか、雨じゃなくて涙か。 今、俺は泣いてるんだな…。
夕日が目に染みる。 こんなセリフを言うことなんて絶対にないと思っていた。
古臭いドラマの中にしかないセリフだとバカにしてたのに…。
「夕日が眩しいのがいけないんだ。」
マドォ~ ホムホムゥ♪ ミャロカァ♡
ほむほむ達の声が聞こえる…。
『仔どもを助けてくれてありがとう。』
俺にはそう言ってるように聞こえた。
明日、仕事を休んで仔ほむを病院に連れて行こう。
怪我が治ったら精一杯可愛がってやろう。
死んでしまった親の分まで。
「夕焼けの翌日は晴れ」ということわざがあるらしい。
きっと明日は良い天気になるだろう。
こんなに綺麗な夕日が見えているのだから----。
終わり
- なぜほむほむを助けなければならないのか
なぜさやあんに制裁を下さないのか
そこがゆとりってことなのか - これはゆとりとかじゃなくただのバカの話なんじゃwww