粗食

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作者:7aoKDvZao

304 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 19:05:36.85 ID:7aoKDvZao




一人暮らしの男の寂しい生活……

朝起きて冷蔵庫を空けたらロクな食材が残っていない…

最後にスーパーに買出しに行ってから一週間も経っているのだから当たり前か……

今日の朝飯はわびしい納豆ご飯だ……




納豆をプラスチック容器から取り出してタッパーに開ける…

その中に更に生卵1つと刻みネギとキムチを適量トッピング……

最後にほむほむを添えてきっちりと蓋をする……

ホミャアアアアアアアアアア!!!!!ホムウウウウウウウゥゥゥ!!!!!

密閉空間で納豆とその他の調味料の混ざり合った臭気を直に嗅ぎ、ほむほむがタッパーの中で暴れ回る……

そうすることによってほむほむの体に納豆が纏わり付く……

ほむほむは体に付着した納豆を拭い落とそうと転げ回って納豆と各種調味料を上手に絡めてくれる……

これは長年の一人暮らしで培った栄養バランスの取れた手抜き料理の一つだ……

ほむほむが朝食の下準備をしてくれている間に冷凍保存しておいたご飯を電子レンジで解凍してしまおう……




程よく温まった白米を茶碗に移して、納豆の入ったタッパーに視線をやった……

ホ.....ホ.....

全身に納豆が絡みついたほむほむがぐったりと横たわってタッパーの底に沈んでいる……

これ豆知識になるが、ほむほむをタッパーの中に投下してから蓋を開けるまでに最低5~6分は時間を置いたほうがいい……

蓋を開けるタイミングが早すぎると納豆まみれのほむほむがタッパーから飛び出して辺り一面を汚染してしまうのだ‥…

ほむほむがタッパーの中で疲れ果てて力なく突っ伏していたら蓋を開けてもらって差し支えない……

私はパカッ…とタッパーの蓋を開けた……

納豆とキムチが混ざり合った何とも言えない刺激臭が鼻腔をくすぐる……

最後の仕上げにほむほむを箸で何度か突き刺してやる……ほむほむの体を少し崩して出汁を納豆と混ぜるのだ……

ザクッ…ザクッ… ホビャアアアアアアアアア!!!! ザクッ…ザクッ… マドカアアアアアアアアアアア!!!!

何ヶ所か穴を開けたほむほむを箸でこねくり回して出来上がり……質素であるが今日の朝食の完成だ……

いただきます……

箸で割いたほむほむの片足と納豆を、ほかほかのご飯に乗せて一口……

美味い……が何かもう一味足らないな……

チューブ状のあんあん辛子をほむほむの傷口に塗り込む……

ホンギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

ほむほむは涙をポロポロと零しながら泣き叫ぶが既に暴れる元気はないらしい……

仕方が無いので先程と同様ほむほむを箸でこねくり回して、納豆を一口咀嚼する……

美味い……やはり辛子は納豆と相性がいいな……

明日納豆ご飯を作る時は、最初からほむほむの口の中に辛子を流し込んでおこう……




既にタッパーの中身は空になり、茶碗には残り僅かな白米と…四肢を失ったまま、かろうじて生き長らえているほむほむがコロンと転がっているだけだ……

私は最後の一口は、ほむほむの頭部を一思いに噛み砕いて食べると決めている……ほむほむは脳みそが一番美味いからな……

白米と共にほむほむを口に運ぶ……まずはほむほむ舌で転がして嬲り、軽く甘噛みして旨味を引き出してやる……

ころころ…… ホビャアアアアアアアアアアアアア!!!! コリコリ…… ホア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!! 

程よく脂が乗った…それでいて癖のないしっとりとした肉の旨味と、果汁のように滴る体液のほのかな甘みが舌全体をじんわりと包み込んで調和する……

そろそろ食事を締めくくる頃合だろう…舌先でほむほむの頭部を探り当て、思い切り両の歯で擦り潰してやる……

コキャリッ…… マドギャッ!! クチャクチャ……  ゴックン……

ごちそうさまでした……




ふう……今日もご飯が美味かった……

僅かな満足感に浸りながら時計に目をやると既に8時を回っていることに気付く……出勤の準備をしなければならない時間だ……

今日も明日もコンビニのレジ打ちか……いつになったらこの底辺の生活から抜け出せるのだろう……

私は憂鬱な気分に沈みながら、無精ヒゲを剃るために洗面所へ向かった……


終わり


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