その3

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homuhomu_tabetai

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   ■



後日

ほむほむ「ホム…ホム…」ゴロゴロ
まどまど「マドォ……」ボヤーッ


まどか「ふたりとも、起きて!」


ほむほむ「ホムゥーン……?」
まどまど「マドマドォ…?」


仔ほむ「ホミュン!」

まどか「じゃーん! 仔ほむだよ! 親を亡くしてひとり道端で倒れてた所を拾ってきたの!
    パパに頼んだら、仔作りはダメだけどもう一匹だけなら飼ってもいいって!」


ほむほむ「ホム…?」エ…?

まどまど「マァ…?」コドモ…?

仔ほむ「ホミュッ!」ヨロシクネ! ピョコピョコ

ほむほむ「ホマァ………」コドモ…ポロポロ

まどまど「マドォ…ホムラチャァァン……」メソメソ シクシク

仔ほむ「ホミュミュ~~♪」オカーサーン♪ トテテ


まどか「ウェヒヒッ、涙まで流しちゃって、とっても嬉しそうだね~ それじゃ取っておきの高級ほむフード持ってくるから待っててね」タタタッ



仔ほむ「ホミャァ~♪ ホミュミュゥ♪」オカァサン♪アソンデアソンデ♪

ほむまど「「ホム…… マド……」」コドモ… 

仔ほむ「ホミャ?」オカァサン?



   ■





まどか「お待たせ~……って、えっ!!!?」ガシャーン!!!


ほむほむ「ホム!ホムン!!」ハラパン ドスッ!!
まどまど「マド!マドッ!!」ゲシッ! ゲシッ!!
仔ほむ「ホミャッ!? ホッ…ホビイイイィィィッ!!!!?」オカアサン!? ドウシテエエエエッ!!?


まどか「な……何してるの!? その仔はあなた達の仔供なんだよ!!」


ほむほむ「ホームンッ!!」ウデヒキチギリ
まどまど「マド…マド…!!」カミノケヒッパリ
仔ほむ「ホビイイイィィィィィッ!!!!ホビャァァァァァァァッッ!!!!」イタイヨオッ!!!オカァサン!!!


まどか「どうして!? あんなに欲しがってた仔供なのに!!」


ほむほむ「ホムホーッ!!」メツブシ ブチッ!
仔ほむ「ビャァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」


まどか「もうやめてよっ!! ふたりともどうして!!?」

まどまど「マードンッ!」ガブリッ!!

まどか「い…痛っ!! 痛いよまどまど!! ぱ、パパーっ!!!」ダダッ


仔ほむ「ホ……ビィ……ァ……」オカァ…サン…… ピクピク



   ■



ガチャ
まどか「そんな……」

知久「クッ……遅かったか……」


ほむほむ「ホムホムッ!」ガブッ!ガブリッ!
まどまど「マドマドッ!」ムシャコラムシャコラ
仔ほむ「」ホネカラン……






知久「僕としたことがとんだミスだ……
   『ほむスキン』……過去の遺物とばかり思っていたが……」

まどか「ねぇ、お父さん! どういうことなの!!? 何であれだけ欲しがっていた仔供を殺しちゃったの??」

知久「ほむまどの避妊は難しい……
   か弱く外敵も多い彼らにとって、仲間の数を増やす仔作りはかけがえのない大切な行為なんだ。
   野生では仔供の数が群の中でのステータスになっている程にね。
   そんな彼らから仔作りの能力を奪うというのは、時として大きな負担となってしまう……」

まどか「じゃあ、そのストレスから仔供を殺しちゃったの……?」

知久「いや…例え素人療治であったとしても、普通、避妊だけでこんなにストレスを溜め込むことはありえないよ。
   今回の最大の不幸は、避妊に『ほむスキン』を用いたことにある――」

まどか「え…………」

知久「仔作りができないというのはほむ種としての尊厳を踏み躙られるようなものだ。
   『ほむスキン』はそんな己の不能さ・無力さを執拗に自覚させるという、最も最悪な形で彼らにトラウマを植え付けたんだ。
   幸せそうな仔供を見ただけでトラウマが蘇り――

      強い憎しみや、殺意の衝動に駆られるようになっていたとしても、何もおかしくないよ」


まどか「――――ッ!!!??
     じゃあ、今のあの子たちは仔供は欲しい、でも他人の仔供は憎いって二つの感情の間で板挟みになってるってことなの!!?」

知久「あぁ……そして純粋で繊細な性格ゆえに、そのどちらにも抗うことはできない」

まどか「そんな…私はただ、無闇に仔供を増やして欲しくなかっただけなのに――」

知久「まどかの所為じゃないよ……これは不慮の事故だったんだ…… 
   『ほむスキン』――元々はほむ種の性教育用に開発された器具だったんだけど、見ての通り欠陥が発覚して回収騒ぎ……
   現在じゃ精神的虐待用アイテムとして一部好事家の間で高値で取引されているような代物なんだ」

まどか「そんな恐ろしいものを…わたし……どうしよう……」

知久「いや…これは僕のミスなんだ……僕がちゃんと正しい避妊の方法を教えていれば、こんなことには……」


ほむほむ「ホムッ!ホムゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」シネッ!シネッ! ゲシゲシ
まどまど「マドォォォォォ…! ゴドモ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙…!」ガルルル…
仔ほむ「」コロンコロン……


まどか「ね、ねえパパ! 今からでもいいから何か元に戻す方法はないの!?」

知久「『ほむスキン』の正規販売はすでに中止しているから、専用のはがし液は入手できるか分からないし…
   仮に剥がせたとしても、一度深く刻み込まれてしまったトラウマまで消せるわけじゃない。
   このまま飼い続けて、時が解決してくれるのを気長に待つしかないよ……」

まどか「どうしてこんなことに……こんなのってないよ…あんまりだよ……」ポロポロ


ほむほむ「ホムゥゥゥゥゥ…ホムゥゥゥゥ…」コドモ…コドモォ… メソメソ
まどまど「マドォォォォ…マドォォォォォ…」コドモ…コドモホシイヨォ… シクシク
仔ほむ「」コロリ…


                                  おわり



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