その4
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homuhomu_tabetai
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…はへ?…なんか…とんでもない言葉を…聞いた…ような…????
…つ…番になる? …誰が? …誰と?? …え?? …えぇっ???
仔ほむの頭に?マークが実際に浮かんだかもしれない。
「…私は…あなたなら…いいかな…って思った…///」
若まどは消え入りそうな声で言った…。先程の言葉を思い返して照れてしまったようだ。
『…ボッ…』
仔ほむの顔がそんな音を立てたかと思うぐらいに真っ赤に染まる…。
…え? …いやいやいやちょっと持ってちょっと待って!!!! …いきなりそんなこと言われても…
こっちにだって…こころの準備ってモノがー!!!!
…いや…さ…たしかに…美まどだけど…さ///
改めて若まどを見ると…母や姉も美まどだったが、それに勝るとも劣らない美まどである。
姉は文句を言うかもしれないが…母親達なら認めるだろう。
…ちなみに…仔ほむは自分がなかなかの美ほむだということには気づいていない。
母(ほむほむ)は「美」よりも「剛」という感じであった。
「…もしかして…私じゃ…ダメなのかな…それとも…もう他に…」
今度は若まどが泣き出しそうな顔をしている。
「ない!! ないないないない!! それはない!!!!」
「好き!! 大好き!!!!」
…心の声が本当の声になって出てしまった…。正直者だ…。それに気づいてまた顔を真っ赤にする。
…それから二匹はゆっくり見つめあうと…どちらからともなく抱き合い…お互いの身体を絡ませてゆく…。
~ここで時間を昨日の夜に巻き戻さねばならない~
ガチャガチャン
「T久~!! 来たよ~!! 疲れた~!!」
J子が合鍵を使って入ってきた。チャイムなど存在すら忘れている。
「…あ…J子さん…いらっしゃい。」
T久の様子がおかしいことにJ子は気がつく。
やばっ!? …今日の講演…失敗だった!? …もぉ~!! 先生ぇ~!! 頼んだのにぃ~!!!
…やっぱ一緒に行くべきだったなぁ…K子のやろ~っ!!
…などと考えているのはおくびにも出さず…。
「…どうしたのさ? ふさぎ込んじまって…? 珍しくT久から部屋に来てくれなんてメッセージだったから期待してたのに…さ///」
少し科を作る…大学生とは思えない色気が漂う…。しかしT久はそのままだ。
…怒ってるよー…かなり怒ってるよー!!
…T久って…怒ると怖いんだよー…仕方ない…ね…素直に謝るか…
「あ…あのさ… 「J子さん、ありがとう」
…へっ!? …へっ??
謝ろうとしたら先に礼を言われたので、J子は面食らってしまった。
「…今日の講演をたぶん…僕は一生忘れないよ…ありがとう。」
「僕に内緒にしてたのは、ちょっと残念に思ったけど…。」
「でも感謝の方が大きいのは本当だよ。」
そこまで聞いてJ子は胸をなでおろす。T久は言っていい嘘と悪い嘘を弁えているからだ。相手を困らすような嘘は絶対につかない。
「…よかったよ。正直、怒ってるって思ったからさ。」
「怒ってないよ。ちょっと考え事してただけだよ。」
T久は講演で起こった事、感じた事を包み隠さずJ子に話した…。
「…気に入ってくれてよかった…。…まぁ、いつまでも隠しとおせるモンでもないし…バレたらそん時ゃそん時って思ってたからね。」
「しっかし先生は相変わらずだなぁ!! あんなの食べるなんて気が知れないよ!! でも、ま…感謝感謝/// さすが先生だ!!」
「…で? おみやげは? …!? もうやっちゃった?」
「ああ、隣の部屋にいるよ。かわいいもんだよね。」
「残してくれたんだ! …かわいいって…おみやげが? …よっし!! K子からのストレスをちょくら晴らしてくる!!」
J子が指を鳴らしながら部屋を出ようとするのをT久は引き止める。
「それなんだけど、ちょっと聞いてくれないかな?」
J子は不満顔だ。ほ虐はJ子の二番目に効果的なストレス解消法だからだ。
「えー…なにー?」
一番目が話し始めた…。
「僕、今朝ちょっと遅れてきただろう? 実は学校に来る途中で仔…いや、もう何日かで若ほむになるほむほむに食べ物を渡してきたんだよ。」
…J子は黙って聞くことにした…。正直、野良に餌をやるとすぐつけあがる。その場で潰すのが一番だ…と思っても喋らない。
『T久がこれだけ熱心に話すのは、料理のことぐらいしかなかったのに…今日は珍しいこと尽くめだなぁ…』
T久はあの仔ほむの事も全て話した。…話し終わる。
「それで、僕はM市の人間じゃないから彼らの言葉がわからない。感情はなんとなくわかるけど、ほ虐をもっと理解するためにはやっぱり言葉なんだ。」
「…ん~、たしかにそれはあるかもな…『やめて…助けて…』って言葉を聞くとそれだけでもストレスがなくなる気がするよ。」
「やっぱりね。そこでさっきの仔ほむなんだ。もうすっかり僕に懐いてるんだよ。それに…試したいこともあって。」
「マジ!?…いや…T久なら…ありえるな…なんか不思議な暖かさっていうか…そういうのがあるから…。」
「…あたしもそれにやられた口だ/// 信じる///」
「J子さん/// 照れるなぁ///」
「…話続ける!///」
真面目な表情に戻って説明を続ける。
「…それで、J子さんはほむ種の言葉がわかるよね? だから通訳になってもらいたいんだ。」
「…はい!?」
「おみやげは若まどだったんだよ。その若まどを懐かせてさっきの仔ほむと番にしたいんだ。懐かせた方がいろいろな言葉を喋るだろ?」
「新たに二匹のほむまどを懐かせるより早いはずだしね。幸いおみやげは仲間の悲鳴は聞いたものの、僕の顔や声は知らないはず。」
「あの箱の中にいたらそうだろうな。」
「近くで先生と話したけど、僕はほとんど喋ってないしね。…まぁ、若まどに関してはどっちでもいい。なにも覚えてない方が騙しやすいんだけどね。」
「それで番になったら飼いほむまどにする。仔ほむは巣から離れたくないって言うかもしれないけど、巣は通学路にあるから登校時に連れて行けばいい。」
「僕らが学校から帰るときにまたつれて帰って、部屋でほむ種の言葉の勉強だね。最初は一番オーソドックスな『ほむほむ語』と『まどまど語』から頼みます。」ペコリ
J子はT久の説明に対し…大きなため息をついた…。
「…あきれた! そこまで計算ずくだったんだ!? …この人コワい…」
「いやぁたまたまだよ/// …おっともう一つ、絶対にこの二匹は虐待禁止だからね。僕が言葉を覚えるまでは。」
「はいはいわかりましたよっ…と。…番の子どもも? ほっといたら増えて増えて止まらなくなるって!!」
「それが一番の問題だけど…大丈夫。言葉を覚えるのにそんなかからないと思うから。ほむ種の語彙って少ないだろう?」
「基本的な単語はたしかに多くないよ…気にした事も無かったけどさ。それにT久、頭いいし…。」
「あたしの行ってる学部だって楽勝だったはずなのに…バカ!!」
「ごめんごめん。だけど僕の柄じゃないんだもん。」
「少しさびしいっ///」
「これからは先生のところで会えるじゃない。あと校外授業でもね。」
「…それもそうだな…番には長生きしてもらった方がいいのか…?」
…J子は真剣に悩みだした…。
「さやあん、まみまみにひとひと…まだいるから大丈夫だよ。最近はおりきりなんてのも出るって聞いたしね。」
「それもそうか!!」
「それじゃ僕は若まどの様子を見てくるから。ちょっと待っててね。」
「了解。早く来ないとストレスで暴れるかもよ~///」
「それは困るなぁ…///」
「…あとさ…T久はその仔ほむにホントに特別な感情は…ないのかい?」
「え? 単なる動物だよ。野良の犬猫がかわいそうだから餌をあげるのと同じだけど? どうしたの?」
「…聞いてみただけ…。なんだか大事にしてるみたいだったからさ…」
「ん~…たしかに大事だよ。僕に『ほ虐』と『ほ食』の新しい可能性を与えてくれる存在になるかもしれないからね…」
~ここから仔ほむの巣に時間は戻る~
…寝床の上で二匹は抱き合ったままゆっくりとした時間を過ごしている…。
ほむ服、まど服は乱れたままだ。完全に脱いでしまうと死んでしまう…。
…今はこの服一枚の厚さももどかしい…
仔ほむはそう思った…。
仔ほむ…いや…もう若ほむである。(※ 便宜上、仔ほむと呼ぶ )
仔ほむは若まどに声をかけた。
「ホミュン/// ホミュー///」「マドマド…///」
言葉はまだ幼いがもうそれはお互い気にもならない。
「…若まど…大好きよ…」
「…私もよ…」
それで全て伝わった…。…喜びを感じながら、いつの間にか眠ってしまった…。
「…キュルルル…」
…眠っていると仔ほむの腹が鳴った…若まどもそれを聞いて目を覚ました…微笑がこぼれる。
…ふふふ…
…///
…まだまだ色気より食い気が勝っているのだろうか? 仔ほむは恥ずかしかった。
かなりの時間、眠っていたようだ…腹が鳴るのも無理はない。
二匹は起きだして食事をする事にした。まだまだ食べ物は残っている。
仔ほむはまた玉子焼きに…若まどは顔ほどもあるエビに噛り付いた。
やはりおいしい…。
…お互いに無言…食事をする事で冷静になり、照れてしまっていた。まだ若い二匹である…初めての経験だった。
静寂を破ったのは若まどだった。
「…マドマドマド…」
「…もうすぐご主人様が帰ってくる時間…さっき帰らなきゃいけないって言ったのはホントなの…」
寂しそうにつぶやく…。
…忘れてた…帰っちゃうんだ…さびしい…
…帰っちゃったらまた家に独りぼっちになっちゃうよ…
…時間を止められたら…いいのに…
…離れたくないよ…
仔ほむは下を向いたまま黙っている…時間だけが過ぎてゆく…。
…!? …そうだ…若まどのご主人様は…あの人間さんだ!!
若まどを連れて帰らないように頼んでみようか? …うん! そうしよう!!
優しい人間さんだから…お願いを聞いてくれたら…いいな…
…でも…若まどが帰りたいって言ったら…どうしよう…
ぐるぐる考えが回る…そして重要な事に気づいた…。
…人間さんって…わたしの言葉…わからないんだったー!!!! あー…!!!!!
…終わった…あきらめよう…
…無理に引き止められないもんね…
仔ほむはまた泣きそうになる…。
…ひらめいた!!
…引き止めるのがダメなら…わたしが行けばいいんだ…
うん…言葉が通じても通じなくても人間さんと若まどに迷惑かけたくない…
寝る場所は…若まどと同じところでいいし…食べ物は持っていけばいい…
…ずっと人間さんに着いて行けば…何がしたいかわかってくれる…よね?
それで…朝になったらまた人間さんについて家に戻れば大丈夫…
今日は朝に会えなかったけど…若まどを連れてきてくれたし…
…きっと…急いでたんだ…
仔ほむはそう思う事にした。