不思議な思い出
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作者:FOgT25BE0
540 名前:不思議な思い出[sage saga] 投稿日:2012/08/15(水) 20:45:33.58 ID:FOgT25BE0
毎年この時期が来ると、あの夏の不思議な体験を思い出す
忘れもしない、あれはまだ俺が小学生の頃だ
田舎のばーちゃん家に来ていた俺は、地元の子たちと一緒に虫取りへ繰り出した
都会育ちだったので最初のうちはヘマばっかりだったけど、何日かするうちに網の使い方もうまくなって、すっかり地元に溶け込むようになっていった
そんなある日、俺たちはたまたま森の中でほむほむの集団を見つけた
そのほむほむたちはなにやら節をつけてホムホムと鳴きながら、奇妙な動きで輪をなしながらぐるぐる回っていたのをよく覚えてる
初めて見る光景に驚いていた俺は、地元の子からそれが「ほむ踊り」なるものだと教えてもらった
なんでもほむ踊りとは、ほむほむたちが先祖の霊を送り出すために行う儀式のようなものだと言う
みんなは見慣れているのかすぐに他の虫を探しに行ったけど、俺はついほむ踊りの輪に石を投げこんでしまった
その頃の俺にとってほむほむはゴキブリみたいな害虫と同じ存在だったから、いっちょまえに人間じみた儀式なんてやってるのがむしゃくしゃしたんだと思う
石は暢気に踊っていた数匹のほむほむを直撃、頭や上半身をグシャッと潰すことに成功した
たちまちほむ踊りの輪は大混乱に陥った
あるほむほむは涙と鼻水まみれの顔で潰れた仲間の肉片こねまわし、あるほむほむは慌てふためいて他の仲間と正面衝突したりすっ転んだり
面白くなってきた俺は足元の小石をもう2、3個拾うと、肉片をこねている奴やすっ転んでもがいてる奴に狙いを定めて投げつけてみた
勿論これも命中し、一瞬でそいつらも肉片に変わった
パニックはさらに拡大し、もはやなんのための集まりだったのかも分からないくらいほむほむたちは逃げ惑っている
俺が投げた石のせいでせっかくのほむ踊りは台無しとなり、霊を送る儀式の場で霊が増える結果となった
それを見た幼い俺は満足し、悠々と地元の友達たちを追ってその場を去ったのだった
問題の出来事はその日の深夜に起きた
もうすぐ明け方という頃、トイレに起きた俺は妙な気配を感じて庭に出たんだ
すると、軒下からワラワラと無数のほむほむたちが湧きだして、俺の方へ群がってくるではないか
見るとそいつらは頭が潰れていたり手足がねじれていたりと、明らかに生きたほむほむではない
俺は思わず悲鳴を上げようとしたが、金縛りにかかった時みたいに声が出なくなり、ただ口がぱくぱく動くだけ
奇怪な動きで軒下から踊りながら迫るほむほむたちに、追い詰められた俺は庭の木に登ってそいつらをやり過ごそうとした
ところがそいつらは、五体不満足なその身体で軽々と木に登り俺を追ってくる
明らかに普通のほむほむとは違う妙な気迫に恐怖した俺は、もうダメだと木にしがみついて目を瞑った
その時、ホビャアァァァッ!!という聞きなれた悲鳴が俺の耳に飛び込んできた
見ると、微かに上り始めた朝日が木に上っていたほむほむたちを照らし、それを浴びた奴から順に骨になって落下していくではないか
見る見るうちにほむほむの群れは木から転げ落ちていき、そのマヌケな悲鳴に勇気づけられた俺は日を避けて近づこうとするほむほむを上から蹴り落していった
地面に落ちたほむほむはホビャアマドガァ!!と断末魔をあげながら、芋虫のようにのたうっってそのうち動かなくなる
そして俺が木から降りる頃には、既にほむほむの死骸は砂みたいになって消えてしまっていた
まるでたった今まで繰り広げられていた光景は全て夢だったとでも言うように
あの経験がきっかけとなって、俺はほむほむに纏わる伝承や民俗に興味を持つようになった
そして現在、大学でほむほむ民俗学について研究している次第だ
しかし四国に伝わると言う「ほむ神」や遠野の「ほむはげ」とは違い、あの日俺が体験したような出来事はどんな文献にも出てこない
勿論あの日からもばーちゃん家には何度か行ったけど、あんな体験をしたのは今の所あの日だけだ
俺はこの体験を「死霊のほむ踊り」と名付け、生涯にわたって研究していくつもりである
この体験を聞いてくれてるみんなも、もし何か情報があったらぜひ連絡してほしい
(終わり)
ジャンル:ほむ種の居る日常