公園の親仔
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homuhomu_tabetai
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作者:KTUSrLvNo
33 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/01/09(水) 15:34:39.14 ID:KTUSrLvNo
公園。
様々な生物がいるこの場所で、懸命に暮らす、ある小さな命がありました。
仔ほむ「ホミーホミー」ヨチヨチ
ほむほむ「ホムホム」オイデ
仔ほむ「ホミィ♪」オカータン♪ ガバッ
ほむほむ「ホッムムゥ」コラコラ ナデナデ
仔ほむ「ホミャア///」ペロペロ
ほむほむ「ホムゥ///」ペロペロ
まるで親子のようにも見えますが、実は血の繋がりはありません。
・・・・・・一ヶ月前。
飼い主に捨てられ、途方に暮れたほむほむはこの公園にたどり着きました。
ひとまず食べ物を確保しようとゴミ捨て場に行きましたが、そこはすでに野良猫たちが占領しており、迂闊には近寄れませんでした。
即座に立ち去ろうとしますが、ある光景が目に入り足を止めました。
それは、ほむまど一家の惨殺死体。
おそらくは野良猫にやられたのでしょう。
まどまどは首と四肢が無く、ほむほむは妊娠したお腹を守るようにして息絶えており、側には小さな骨が散らばっています。子供のものでしょう。
恐怖に震え、明日は我が身と感じ取ったほむほむは今度こそ立ち去ろうとしましたが、やはりまた足を止めてしまいました。
死んだ親ほむの股から這い出してくるものがあったからです。
ホミュー・・・ホミュー・・・ モゾモゾ
その声は、小さくはありましたが力強く空気を震わせ、ほむほむの足を止めさせました。
我が身を養うのさえ大変なのに・・・
その考えを振りきったのは、母性本能というやつでしょうか。
そして現在。
あの母親が死んでも守ろうとした新たな命。小さな希望。
それを守って生きていくことで、ほむほむは捨てられたという絶望を忘れ去れそうな気がしていました。
幸い、生まれてすぐに保護されたために、仔ほむはほむほむを母親だと認識しているようなので、この日まで何も知らされず無邪気に生きることができました。
ほむほむ「ホムッ!ホムホム!」エサトッテクルカラ、ジットシテテネ!
仔ほむ「ホミャア」ワカッタ
日課の餌探しに出掛けるほむほむ。
野良猫の占領したゴミ捨て場は避け、新たに見つけた穴場に向かいます。
そこには外敵もおらず、何なく餌がとれました。
しかし、何やら今日は様子が違います。
業者A「あーあー、こんなに散らかして・・・」
業者B「さっさと片付けるか」
公園の清掃業者です。
ゴミ捨て場以外にゴミが捨てられているという公園利用者からの苦情を受け、管理している市から派遣されて来たようです。
公園が綺麗になるのは喜ばしいことですが、ほむほむにとっては死にも値する状況です。
ほむほむ「ホムァァァアア!!ホムホム!!」ヤメテ!!モッテカナイデ!!
業者A「あー? 野良ほむほむか、やっぱ餌がありゃ寄ってくるんだな」
業者B「ははっ、これやるからさっさと向こう行け」
ポイッ ドサッ
ほむほむの前に投げ出されたのは、ゴミの中から取り出された、腐ったみかん。
ほむほむにとってはご馳走である。
ほむほむ「ホムッ!」ビクッ!
ほむほむ「ホムゥゥゥウウウン♪」アリガトウ♪ コシフリフリ
業者A「ふざけてないでさっさとどっか行け!」
ほむほむ「ホビャアァァァァァ・・・」タタタタタタ・・・
業者A「ったく、お前もあんまり甘やかすなよ?」
業者B「へへっ、わりーわりー」
業者A「さ、とっとと終わらせるか」
業者B「ああ」
ザッザッザッ
ザッザッザッ
業者A「・・・なぁ」
業者B「・・・ん?」
業者A「この様子じゃあ、また近いうちにほむほむ駆除してくれって依頼来るんじゃないか?」
業者B「まぁな・・・何か結構住み着いてるっぽいし」
業者A「だからさ、今のうちに・・・」
業者B「・・・・・・・・・」
業者B「・・・そうだな。また来るのも面倒だし」
―――――ほむほむの家。
ほむほむ「ホムホム!」タダイマ! テフリフリ
仔ほむ「ホミミィ♪」オカエリ! ヨチヨチヨチ
ほむほむ「ホムムゥ!ホムッ!」ゴチソウダヨ!ホラッ!
仔ほむ「ホミャミャア!!」オッキーイ!! キラキラ
腐っているとはいえ、甘い蜜柑。
義理の親子は貪りつきました。
そして、あっというまに皮だけになった蜜柑を布団に、いつの間にか眠りこけてしまうのでした。
ガサガサ・・・
ガサガサ・・・
ガサッ
業者B「あー・・・いたいた」
ほむほむ「ホムー・・・ホムー・・・」スヤスヤ
仔ほむ「ホミュー・・・ホミュー・・・」Zzz・・・
業者A「お前ほんとにほむほむ見つけるの上手いな。これでほぼ全部捕まえたんじゃないか?」
モゾモゾ・・・ ホミュー ホムムー マドカァー
モゾモゾ・・・
業者B「まぁな。さ、おいでおいでー」
ヒョイッ
ほむほむ「ホムー・・・ホム?」パチッ
ほむほむ「ホッ!?ホムァアァァァアァァァァ!!?」バタバタバタバタ
業者B「おいおい、暴れんなよ」
仔ほむ「ホミュー・・・!?」パチッ
仔ほむ「ホミャァアァァァアァァアァァァァァ!!?ホミャミャァァアァァアァァァア!!!!」オカーサン!?オカァサァアァァァン!!
業者A「ちっ!騒ぐから小さい方が起きちまったじゃねぇか」
ほむほむ「ホムァアァァァァア!!!ホムゥウウゥゥゥ!!!」コドモォォオオオ!!!ニゲテェェエエエ!!!
仔ほむ「ホミュミュウ・・・」ドウヤッテニゲタライイノ・・・
段ボールの中で暮らしていた親子。
出入り口はありますが、仔ほむがうっかり出ていくのを防ぐため、その場所はほむほむしか知りませんでした。
業者B「わっ!ちょっ!暴れんなって!・・・あ」
ブチュウ!!!ブチブチィ!!!
ほむほむ「ホビャァアァァァアァァァァァァァアアアアアァァァ!!!!」ブシャァアァァァァァ!!!!
断末魔と共に、自分の頭上で潰される母親。
仔ほむにとっては二度目の別離でしたが、それを体験するのはこれが初めて。
降り注ぐ鮮血を浴びながら、その場に立ち尽くしてしまいました。
業者B「ぎゃああ!!潰しちまった!汚ねぇ!」
業者A「おいおい・・・。肉片の掃除も面倒だし、今日はもう帰ろうぜ」
業者B「でも、まだ仔ほむが・・・」
業者A「こいつ一匹、ほっときゃすぐに死ぬだろ。
第一、こんな肉片まみれのやつ触るの嫌だし」
業者B「うう、すまねぇ」
・・・・・・・・・
・・・・・・
脅威が去った後も、仔ほむはそこに立っていました。
母親の血と肉が散らばる我が家に。
昼過ぎにほむほむが餌を探しに行って、今はすでに日が傾く時間帯。
赤々とした夕日が、希望の輝きを失った仔ほむの目を照らしていました。
終わりです。
- この後だよ!この後!
- 逞しく生きて死ね仔ほむ
- good
- コレは飯がウマくなる話だな
- いろいろ続きが想像できそうな良作
たくましく生きろと言いたいけど多分死ぬだろうな仔ほむ