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作者:C6qsX0Y10

467 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/03(日) 23:29:14.71 ID:C6qsX0Y10


ほむ肉屋の前に、一匹のほむほむが佇んでいます。
野良でしょうか、薄汚れたなりをしています。
けれど、胸に五百円玉を抱えているところを見ると、ご主人様にお使いを言いつけられた飼いほむなのかも知れません。

そもそも、ほむほむがほむ肉屋の前にいることがちょっと不思議です。
ゴミ漁りにあぶれ、空腹を持て余して拾ったお金で食料を買いに来たのでしょうか。
ほむ肉は、ほかの動物の肉にくらべたら、とても安いです。
ほむほむでも、拾ったお金で買えることでしょう。
背に腹は代えられず、たとえ共食いになっても、死ぬよりはマシと考えているのかも知れません。

人に踏み殺されないよう、車に轢かれたりしないように気をつけながら、ほむほむは道を横断してほむ肉屋に向かいました。

ちょうどほむほむがお店に入った時、制服を着た二人の女の子が来店しました。
ピンクの髪の可愛い女の子と、青い髪の素敵なスタイルの女の子でした。

「まどかんちも、今夜はほむ肉なの?」

「うん。パパに頼まれたの。さやかちゃんとこも?」

「うちは庶民ですから。安いほむ肉を美味しく頂きます」

「ウェヒヒヒ・・・ほむ肉、美味しいよね」

「見滝原人のソウルフードだよ、ほむ肉は!」

ほむほむはじっとガラスケースの中の肉を覗き込みます。
鼻をひくひくさせて、クンクンとにおいを嗅いでいます。
店内をうろうろし、ガラスケースの端から端までを行き来した後、ほむほむがほむひき肉と、ほむ肝を指さしました。
お店の人に五百円を差し出し、ほむほむは「ホム、ホムホムホム、ホムム」と言いました。

「ねぇ…さやかちゃん。ほむほむがほむ肉買おうとしてるよ?」

「生意気な!えい」

青い髪の女の子が、ほむほむのお尻を蹴り飛ばしました。
ほむほむはホビャ!と一声叫んでガラスケースに激突しました。

野良のほむほむには、人間に反抗的なものがいます。
けれど、このほむほむは理不尽な暴力には馴れている様子でした。
すべてを諦めた様な、死んだ目をしています。

腰を擦りながら起き上がると、謝るように後じさりして、買い物の順番を人間に譲りました。

女の子たちが買い物を終えて立ち去った後、ほむほむは改めて注文を繰り返しました。
店の人は首を傾げ、怪訝な顔をしながらも、ほむほむが指差すひき肉とほむ肝を包んでくれました。

繰り返しますが、ほむ肉はとても安いです。
五百円も払えば、人間でもお腹いっぱいの量になります。
でも、ほむほむが受け取ったのは、ほむほむでも運べるくらいの、少ない量でした。
お釣りはありません。お肉を売ってくれたとは云え、お店の人はちょっと意地悪だったのでしょうか。
客であっても、ほむほむ相手ですから馬鹿にしていたのかも知れません。

それでもほむほむは文句を言いません。
言ったところで、ひどい目にあうだけだと骨身に染みているのです。
ただ頭を下げ、包みを受け取って店を出ました。





トテトテトテ

テテテテテテテテテ

トテトテトテ……テテテテテ……

お肉の包みを大事そうに抱えて、ほむほむが歩いて行きます。
奪われてはなるものかと、胸にギュッと抱え込んでいます。
人通りの絶えた河川敷に差し掛かると、ほむほむは包みの中身が気になるのか、立ち止まりました。

そして、ゆっくり包みをほどくと、クンクンにおいを嗅ぎ始めました。
お肉が気になって仕方がない様子です。
念入りににおいを嗅いで、うなずきます。

ほむ肉の上に、ポタリ…とヨダレが落ちました。

いえいえ、よく見るとヨダレではありません。
それは涙でした。

「ホ・・・ホムム、ホムゥゥゥ!!!ホビャァァァァァ!!!!」

ほむほむの叫びが響き渡りました。

わたしの仔ほむちゃん!!!
仔ほむちゃん……
こんな姿になって!!!
わたしの宝だった…仔ほむちゃん……

人間の言葉にしたら、そんな叫びになります。

ほむほむは、ほむ肉を抱きしめて号泣しました。

そう、それは一週間前の事でした。
人間に巣を襲われ、仔どもたちが連れ去られてしまったのです。
手を広げ、家族を守ろうとしたまどまどは、その場で手足を引き千切られて殺されました。

ただ一人、逃げ延びたほむほむ。
必死になって、仔どもたちの行方を探しました。
死に物狂いでした。
最愛のまどまどの死を目にしても、仔どもたちを救いたい一心で耐えました。

そして、彷徨の末に……人間の住む街中で、仔どものにおいに行き当たりました。

仔どもたちはもう、生きてはいませんでした。
でも……
でも!!!

かつて、愛くるしい仔ほむであったひき肉……まどまどとの愛の営みが生み出した、仔まどちゃんだった肝……

ほむほむは肉片を抱きしめ……ぎゅっとぎゅっと強く胸に抱きしめました。

おうちに、かえろうね





感想

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  • 容赦の無い感じに震える、書いた人の発想と腕には脱帽だ
  • これでこそほむまど、これが似合うんだよな
    このほむほむに白まどあてがって仔が出来たらミンチにして食べさせてやりたいわ
  • 素晴らしい!至極の一品
  • 素晴らしい 素晴らしい
  • 滑稽なようで悲しい話。「おうち」はこの世のどこかかそれとも番達の魂が待つあの世か…
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