QB「珍しいね、ほむほむだ」マミ「か…可愛い!!」マミーン
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homuhomu_tabetai
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作者:JBFxqW30o
118 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage] 投稿日:2011/08/07(日) 15:05:27.45 ID:JBFxqW30o
夕飯の買い物からの帰り道、僕とマミは道路の端っこでうずくまっている小動物を見つけた。
マミ「あの子……何かしら?」
QB「野良ねずみか何かじゃないかい?放っておきなよマミ」
そう言った僕の言葉を無視し、マミは小動物の元へと駆け寄って行った。
やれやれ、僕は早く帰ってマミの手料理を食べたいんだけどね。
マミ「何この……何?キュゥべえ、この子が何て生き物だか分かる?」
小動物の前でしゃがんで様子を見ていたマミが僕にそう呼びかけた。
こんな住宅街に新種の生物がいるなんて事があるだろうか?
マミが戻って来るのを待っていた僕だったが、知的好奇心に誘われてその小動物の元へ近付いた。
QB「珍しいね、ほむほむだ」
マミは知らないようだったが、僕は小動物を見て即座にその正体を理解した。
マミ「ほむほむ?」
QB「ああ、それもまだ幼体のほむほむのようだね。どうやらかなり衰弱しているようだ」
仔ほむ「ホミャア……」
マミ「か…可愛い!!」マミーン
仔ほむほむを見て何故か衝撃を受けているマミを尻目に、僕はほむほむについての説明を続けた。
QB「ほむほむというのはかつて繁殖していた小動物さ。主に食用として家畜利用されていた動物でね。
育てるのが簡単で美味で栄養価たっぷり。そのことから家畜として非常に人気があったんだ。
昔はセミやバッタと同じくらいそこら中に生息していたんだけど、
産業革命以降の乱獲と森林伐採で個体数が激減して以降めっきり見かけなくなってしまった。
昔は僕もほむほむの踊り食いを楽しんだモノさ」
そこまで解説したところで何故か非難がましい視線を感じた。
視線の先を追うと、仔ほむほむを抱きしめたマミが顔を紅潮させて睨んでいた。どうやら怒っているらしい。
マミ「こんな可愛い子を食べるなんて……キュゥべえ、あなたどうかしてるわ」
仔ほむ「ホミュゥ……」
QB「わけがわからないよ。ほむほむなんてただの家畜じゃないか」
マミ、君は他の家畜―――豚や牛や鶏の肉―――を普段何の抵抗もなく食べているじゃないか。
昨晩プロ顔負けの赤ワインソースのポークソテーをご馳走してくれたのは一体誰だい?
どうして今更、ほむほむに対してだけ引け目を感じたりするのやら……やっぱり理解できないよ、人間の価値観は。
マミ「キュゥべえ!!」
QB「やれやれ、僕が悪かったよ」
マミの稚拙なほむほむ愛護論を論破することは容易かったが、そんなことをしてもマミの機嫌を損ねて面倒なだけだろう。
ノルマ達成に関係のあることでもなし、今回はマミの意見に追従しておくことにする。
マミ「ところでこの子、大分弱っているようだけど……病院に連れていった方がいいかしら?」
仔ほむ「ホミュ……」
QB「今時ほむほむを扱っている動物病院なんてそう無いと思うよ。それより空腹の方を何とかしてあげた方がいいと思うけどね」
仔ほむ「ホミュー……」キュルルルー
その仔ほむはどうやら何日間も食事を摂っていない様子だった。
本来ほむほむが持つ、花を咲かせたばかりの桜のような頬は痩せこけ青白く染まり、濡れた烏の羽のようなあでやかな髪は一切の艶を無くし、
服の上からでも一目で分かる形の良い豊かな胸はあたかも洗濯板のように見るも無残な扇平状に――ああ、胸が無いのは元からだったね。
マミ「何か食べさせてあげなくちゃね!キュゥべえ、ほむほむってバターロール食べるかしら?」
そう言って買い物袋から目ぼしい食料を取り出すマミ。
バターの食欲をさそう香ばしい匂いに反応した仔ほむはバターロールにすかさず飛びついて、ちょっと引くくらいの勢いで食べ始めた。
仔ほむ「ホミュッ!ホミュッ!」ハフッハフッ
マミ「かぁわいい~~~!!!///」パタパタ
QB「ほむほむは雑食だから基本的になんでも食べるよ……って聞いちゃいねえ」
見つけた当初はひどく衰弱していた仔ほむほむだったが、お腹いっぱい食べたらすぐに元気になったようだ。
流石はほむほむ、ゴキブリ並の生命力だね。
仔ほむ「ホミュー!ホミュッー!」スリスリ
マミ「きゃっ!もうっ///くすぐったいわよほむほむ///」クスクス
ちなみにこの仔ほむほむ、餓死寸前の時に食料をくれたマミに一瞬で懐いてしまったらしい。
現金な奴だ。お前はそれでも野生動物かと小一時間問い詰めたいね。
あ、別に仔ほむほむがマミと仲良くしてるのが羨ましいわけじゃないから勘違いしないようにね。
人間は自分の感情を世界共通のもののように、何にでも当てはめたがる情緒的な生き物だからね。念のため忠告しておくよ。
マミ「ねえほむほむ。私のおうちに来たら毎日お腹いっぱいご飯が食べれるし、毎日綺麗なお洋服を着られるわよ。一緒に来ない?」
仔ほむ「ホミュッ!」コクコク!
幼女をつけ狙う誘拐魔のような妄言を吐くマミに、仔ほむほむは二つ返事で頷いていた。
少し目を離しているうちに面倒な事態になっているようだった。
QB「マミ、君のマンションはペット禁止だろう?残念だけど……」
マミ「大丈夫よ。あなたもペットみたいなものじゃない」
非常に心外な発言であった。地球人なんかよりも遥かに発達した文明を持ち、宇宙の安寧のために人知れず日々奮闘している高度な知的生命体であるこの僕も
マミに言わせればノータリンのクソネズミと同列の存在らしい。ここ百年間でワースト3にランクインしてもいいくらいの屈辱だよ。クソッ
マミ「ほむほむぅ……今日は美味しいものいっっっぱい作ってあげるからね~」マミーン
仔ほむ「ホミュッ!ホミュッ!」バンザーイ
僕が頭の中で問答しているうちに、本格的に仔ほむほむを連れて帰る流れになっているようだった。
QB「そうやって油断させて、連れて帰って食べるんだね?今日の晩御飯楽しみにしてるよ」
仔ほむ「ホミュッ!?」ビクゥッ!
マミ「食 べ ま せ ん ッ !!どうしてそうあなたっていつもそう捻くれて(ry」
もはや僕が何を言ってもマミには馬の耳に念仏らしい。
ドブ臭い下等生物と同居するハメになるのは癪だが、まあいいか……マミも嬉しそうだし……
仔ほむ「ホム……マミー」
マミ「きゃーーっっ!!///聞いたっ!?///キュゥべえっ!?///今この子私の名前喋ったわっ!!///」マミーン
QB「……そうかい」
仔ほむ「マミーマミー」ギュー
マミ「かぁわぁいいーーーー!!!///」
QB「……良かったね」
終わり
マミさんのテンションがおかしい
- かわいい
- いい話だ、感動的だな。 続編も作って欲しいな!