黒曜リナリス

「――御機嫌よう。リナリスといいます。お名前を伺っても?」

登場話

第一部

  • 「黒曜、リナリス その1」
  • 「黒曜、リナリス その2」
+ ――またお会いできますか?(ネタバレ有り)

第二部

  • 「黄都 その4」
  • 「黄都 その9」
  • 「クタ白銀街 その1」
  • 「第六試合 その1」
  • 「第六試合 その2」
  • 「第六試合 その4」
  • 「第八試合 その3」
  • 「第八試合 その4」

第三部

  • 「願い その1」
  • 「願い その2」

略歴

  • 読み:こくようリナリス
  • 種族:血鬼(ヴァンパイア)

CV - 東山奈央
イターキ高山都市の住人数を確認する依頼を受けた少年、六分儀のシロクが出会った謎めいた美少女。
鬱蒼と茂る森の奥、黒薔薇が咲き誇る大きな屋敷に、父―― “黒曜” レハートと二人で住まうという彼女から手紙を受け取ったシロクだが、依頼主である千里鏡のエヌからは非情な真実を告げられる。

レハート、リナリスは人族の敵である血鬼(ヴァンパイア)であること。
リナリスの手によって彼自身が既に従鬼(コープス)と化していること。
……第十三卿エヌの目的が、 彼女達 (“黒曜の瞳”)の討伐であること。

複雑な想いを胸に抱えながらもリナリスの館までエヌ率いる野戦兵団を案内するシロクだが、結局のところ、言葉一つ交わすことはできず館は燃え落ち、血鬼(ヴァンパイア)は討伐された。

+ 今のシロクの心にあるのは、庭園に立つ彼女の美しい姿だけだ。(ネタバレ有り)

「そして全ては秘密の内に」


一度も日差しを浴びた事のないような、硝子のように透き通る純白の肌。
令嬢然とした繊細な指先。剣どころか、鉈すらその手に握ったことはなかろう。

彼女は、戦士ではなかった――だが。


それは見えざる指先で蜘蛛糸を引く、周到と狡知の力を持つ。
それは常識の下では予期できぬ、あり得ざる変異を経た感染経路を獲得している。
それは最大の組織が地平全土より集めた、究極無比なる精鋭の部隊を率いている。
深い闇中に潜む一つの意志にて統率された、最悪の諜報群体である。

+ Web版
それは見えざる指先で蜘蛛糸を引く、周到と狡知の力を持つ。
それは誰一人対抗策を打てぬ、新たな感染経路を得た疫病変異種である。
それは最大の組織が地平全土より集めた、究極無比なる精鋭の部隊を持つ。
深い闇中に潜む一つの意志にて統率された、最悪の諜報群体である。
+ アニメ版
それは見えざる指先で蜘蛛糸を引く、周到と狡知の力を持つ。
それは常識では予期できぬ、あり得ざる変異を経た感染経路を獲得している。
それは最大の組織が地平全土より集めた究極無比なる精鋭部隊を率いている。
深い闇中に潜む一つの意志で統一された最悪の諜報群体である―――。

  • クラス:斥候(スカウト)


――リナリスは生きていた。
千里鏡のエヌの名を彼女は知っていた。
シロクに手紙を渡すことで、エヌの元に情報が伝わることを看破していた。

シロクを故意に感染させることで血鬼(ヴァンパイア)の存在を示し、真の感染手段……空気感染(・・・・)を隠し通した。

そのために千里鏡のエヌを従鬼(コープス)と化し、六合上覧への出場を果たした。

その目的はただ一つ。
黒曜レハートの死亡を認められない彼女は、その妄執のため、再び“黒曜の瞳”に栄光を取り戻そうとしている。
それは戦乱の時代への逆行に他ならない。

人物

父レハートに代わり、史上最大の諜報ギルド“黒曜の瞳”を率いている。
生まれつき病弱だかそれ故に儚い麗しさを放ち、どのような人物であろうと敬語で話し礼儀正しく振る舞う、如何にもお嬢様然とした性格の持ち主。
+ アニメ版においては――
アニメ版においては、年相応の無邪気さも感じられる、少女として可愛らしく魅力的な印象も有していた。
だがその一方で、利用できる物は何でも利用し、障害となり得る存在はいかなる手段を持ってしても必ず排除する、“黒曜の瞳”盟主の名に恥じぬ狡猾さを兼ね備えている。

能力

感染支配

血鬼(ヴァンパイア)。彼らの正体は“病”の逸脱種。脳の思考の力を借りた病原生物であり、傷口や粘膜の接触から血液感染させる病原体(ウイルス)自体が本体と言える。
そして働き蜂が女王の指令で動くと同様の仕組みで、感染者を母体のフェロモンに逆らえぬ奴隷と化す。

黒曜リナリスはそのなかでも空気感染という最悪の感染経路を獲得した病原体である。

また感染力そのものも既知の血鬼(ヴァンパイア)のそれより飛躍的に高まっており、これまでの常識ではありえない、たった一滴の血液での瞬間的な感染を可能とする。
そしてこれまた以前の例では考えられない、極めて強力かつ具体的な感染者の操作を行うことができる。
リナリスが獲得しているのは、変異による高い命令能力に驚異的な同時並列思考能力とレハートの代に積み上げてきた洗脳・行動操作技術を掛け合わせたもので、極めて強力かつ様々な状況下でそれに応じた洗脳・行動操作を可能とするものである。
この「想定外」が生み出す一瞬の隙こそが最大の武器であり、同時に秘密を暴かれれば最後、対処が可能な『既知の脅威』でしかないというアキレス腱となる。
+ ただし――(ネタバレ注意)
ただし、その一瞬の隙さえあれば体液を有するあらゆる生命体を介して急激に感染を爆発させ、人族社会を滅亡へと容易にいざなうことすら可能な、まさしく怪物である。
それが起きていないのはひとえに、彼女の目的が人族滅亡でも世界の支配でもなく、自身の愛する“黒曜の瞳”の存続であるからに他ならない。

諜報能力

血鬼(ヴァンパイア)およびその奴隷たる従鬼(コープス)たちは、本人の身体能力以上の特殊能力を持たない。
しかしながらその特性ゆえ、斥候集団として比類なき力を持っている。
彼女たちは情報漏洩、裏切り、意志伝達の齟齬といった集団行動の弊害を全て克服している。
しかも、彼ら従鬼(コープス)達は決して意思や思考能力の無い傀儡ではなく、それぞれが思考し、状況を判断し、主人たる血鬼(リナリス)に意見を提案することができる。“黒曜の瞳”の構成員は、無数の思考・判断中枢を有する群体として機能している。
さらには相手の戦闘員・諜報員等を問答無用で洗脳(物理)することが可能であり、まさに情報戦における反則的(チート)能力者といえるだろう。
リナリス本人は普段は表に出ず屍鬼(コープス)を通して情報を集め行動を決める頭脳としての役割を果たしているが、相対しただけで相手を感染・従鬼(コープス)化ののち即座に行動指令を出せる・本人の思考速度や観察眼が恐ろしく優れているなど、斥候としてもっとも強力なのは彼女自身である。

しかしながら、リナリス自身の身体能力は普通の少女以下である。
通常血鬼(ヴァンパイア)というものは見目麗しい外見と同時に極めて優れた身体能力を持っているのだが、こと彼女においては感染力・支配力に全ての能力をつぎ込んだかのように脆弱な身体能力しか持ち合わせていない。

???

+ 書籍版Ⅹネタバレ
自己変異。
リナリス自身の意思で引き起こす、病原体の新たな変異。
この能力の影響によって血魔(クルースニク)の破綻・暴走が引き起こされた可能性が遠い鉤爪のユノによって指摘された。

その考察の後、現実と相対したリナリスは実際に自身の病原を変異させることになる。
書籍版Ⅹ時点ではその変異の詳細は不明であるが、抗血清を打っているはず(・・・・・・・・・・・)戒心のクウロが即座に全力の離脱を選択せざるを得ないような、支配よりも致命的な何か(・・)である。



なお、遠い鉤爪のユノと出会った際、「影積みリノーレ」と名乗っている。
「私が黒曜であるはずがない」、「まだ、二つ目の名を持っておりません。」という本人の弁や、彼女の父が黒曜を名乗っていた様子から、リナリスはまだ二つ名を持っていない可能性がある。


「そうでなければ、私たちは生きていけないのですから」


容姿

十八の齢に近い外見。
硝子のように透き通る純白の肌と対比をなす黒髪。俯くその黒髪から覗く、滑らかな項。
憂いを帯びた長い睫毛、美しい金色の瞳。形の良い眉。
豊かな乳房。すらりと伸びる細い手足と令嬢然とした繊細な指先。

幻をすら疑う美しさ。胸を締め付けられるほど、あるいはため息が出るほどだと表現される。
闇の中でも輝く宝石のような、白くまばゆい美貌。

その美しさは、血鬼と従鬼の支配関係をも超越して、蠱惑的に対象を魅了するほどである。

余談

そのバストは豊満であった。


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最終更新:2025年05月07日 00:06