「浜面仕上(はまづらしあげ)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

浜面仕上(はまづらしあげ) - (2019/02/12 (火) 20:27:58) の編集履歴(バックアップ)


【種別】
人名

【初出】
SS

【CV】
日野聡

【解説】
スキルアウトの一員だった少年。無能力者(レベル0)。書類上の能力名はあるが本人も覚えていない。
駒場利徳亡き後、組織内でNo.2だった浜面は彼の後を継いで(継がされて)スキルアウトのボスになった。
本人は貧乏クジを押しつけられたと感じていたが、
スキルアウト時代の仲間である半蔵は彼に対して、
「実際に嫌ってるヤツなんてほとんどいない」「お前を待ってるヤツもいる」と評したことから、
単純にリーダーを押し付けられたわけでもなく、それなりに人望はあったようである。
学園都市上層部の依頼で御坂美鈴の命を狙うが、上条当麻に撃破される。
髪はぼさぼさの茶髪、服装はジャージの上に下はジーパンというラフな格好をしている。
鼻にピアスをしているのが特徴だったが、上条との戦闘により千切れ飛んでおり今はしていない模様。

エイワスに三種類のヒーローの一種「誰にも選ばれず、資質らしいものを何一つ持っていなくても
たった一人の大切な者のためにヒーローになれる者」と評され、上条当麻一方通行と並び名実ともに『第3の主人公』となった。

バニーさんのエロ動画を誤送信したことから、何かと絹旗にバニー好きの変態としてからかわれている。
浜面的にはバニーも好きだが、水着みたいな格好が水着の似合わない場所で見られるアンバランスさが素晴らしいだけなので、
モーターショーのコンパニオンでも大丈夫とのこと。
過去に夜の街で黄泉川愛穂に14回捕まり留置場にぶちこまれた過去を持つため、
彼女に対して好意的な感情はないらしい。
(だが彼女に補導された際に「相談相手になってやる」と言われ渡された電話番号は残っていた)

戦闘面では能力を持つ上条や一方通行と違い、
銃器や車両など、その場にあるもので創意工夫しながら戦う人間らしい戦い方をする。
そのため上記の二人と比べて活動できる領域は広いものの、力不足は否めず、いざという時の打開性も弱い。
だが新約では、ファイブオーバードラゴンライダーといった駆動鎧を駆ることで、一定以上の戦力として活躍している。
また、銃火器や機械といった「異能の力を一切用いない純粋な武力」は幻想殺しが通用しないこともあり、上条が最も苦手な部類の攻撃に入る。
反面、一方通行に対しては一度能力を発動されてしまえば鉛弾であろうが駆動鎧であろうが手も足も出なくなってしまう。
これにより「上条>一方通行>浜面>上条」というジャンケンのような三竦みのパワーバランスが出来上がっており、作中でもそれを意識した描写が度々見受けられる。

だが、浜面の真価とは戦闘力ではなく「盤上に存在することによる不思議な影響力」にある。
浜面がアレイスターに始末されかけた理由は「レベル5を独力で撃破した計画にも想定されていないイレギュラー因子」であることであったが、
作中では何度もその行動により大きな盤上をひっくり返す一因に繋がっている。
何度か事件に関係した一方通行もその異常性を認めており、
「俺も体験してみて分かった。...あいつホント何のために存在してやがるンだ?
砂粒みてェな存在感のくせして、こォなっちまうと盤の動きがどこでバグってフリーズするか分かったモンじゃねェ。
まるでソースコードの中で間違った記述をいったん見つけたはずなのに、
画面をスクロールして戻ると見つけられなくなるみてェな気持ちの悪さだ。
どォでも良いくせに放っておくと致命的なエラーとやらに化けかけねねェ」
と述べ、クリファパズル545からも
「犯罪計画設計者にとってのイレギュラー因子、予期せぬ目撃者、目に見えぬ病巣。
浜面仕上っていうのはソースコードに紛れ込み、エラーがエラーを呼ぶとんでもねえ野郎なのかもしれません」
と、その異常性を評価されている。
ブライスロードの戦いを越えて幻想殺しを受け継いだ上条とも、
能力開発を受けて最高の頭脳を手に入れた一方通行とも違う、極めて特異な存在と言える。

また、ピッキングの腕前はかなりのものらしくスキルアウト時代は彼が移動手段を確保していた。
本人に自覚はないが腕は神業的で、学園都市最新鋭バイクである『ドラゴンライダー』の精巧なアナログ鍵をも解錠している。
運転技術には自信があるようで、乗用車は勿論建設重機も動かせる。
スキルアウトにスカウトされたのも、建設重機を利用したATM荒しにその技術が必要だったのが理由。
アイテムでも運転手をしており、彼女らの移動手段はもっぱら彼がピッキングで調達した盗難車となっている。
余談だが車の運転はできるが免許はもっていない。(曰く「必要なのはカードじゃない、技術だ」)

基本的にはヘタレだが、15巻以降は滝壺の為なら尋常ならざる行動力と勇気を発揮できるようになった。
その範囲は20巻から、滝壺を中心として少しずつ広がってきている。
大切な物をなりふり構わず全力で守ろうとするその姿勢が、見ず知らずの他人を動かすことも多い。
ディグルヴグリッキンアックア丈澤道彦等)
その分、大切な者に対し危害を加えようとする敵には容赦がなく、学園都市暗部の追手から素養格付の情報を引き出すために拷問すら行ったことも。

【作中での行動】
上条に敗れた後は学園都市の暗部に墜ちたらしく、
10月9日時点では『アイテム』の下部組織に所属し、下働きとして雑用や運転手を行う毎日を過ごしていた。
しかしその仕事を行っていくうちに、人の命の軽さにショックを受け、
無能力者の命はどうしてこうも安くなってしまったのかと考え、落ち込んでいた。
が、暗部同士の抗争の中で、無能力者の自分を守るため大能力者の滝壺理后が超能力者の垣根帝督に立ち向かったこと、
そして上条の言葉を思い出したことを切っ掛けに、滝壺を守る為に能力者や学園都市の暗部と立ち向かう決意をする。
第三学区での『スクール』との戦闘で垣根に滝壺の体が限界であることを告げられ、
もう『アイテム』に関らせないようにと逃亡し、気絶した彼女を黄泉川に預けた。
その後、浜面と滝壺を追ってきた麦野沈利を機転と拳銃と男の意地で倒し、
本当の意味でレベル0がレベル5を一人で打倒するという快挙を成し遂げた。

10月17日には、入院していた滝壺のお見舞いに絹旗と二人で訪れた。
しかし、滝壺が当日退院だったため、個室サロンを貸し切り退院祝いの開催を企画。
その際の絹旗との会話から、スキルアウトには戻らずに潜伏していたらしい事が判る。
時間潰しにC級映画(監督:ビバリー=シースルー)を鑑賞した後、
絹旗に対し15巻における暗部抗争で壊滅した組織の残存勢力を集めた新チームとして、
迎電部隊残党の掃討を命じられたが、
絹旗は一人でノルマを達成してしまえば、新チームに戻らずとも文句は出ないものだ、
として浜面を巻き込み、彼はしぶしぶながらも調達した車で出発したが、突如『六枚羽』の追撃を受ける。
最大時速マッハ2.5というトンデモ兵器にも、発煙筒を使ったフレアなど絹旗の機転で辛くもこれを退けるが、
車がクラッシュした影響で絹旗とはぐれてしまい、更に偶然にも滝壺が待つ個室サロンが元迎電部隊の残党に占拠された事をドレスの少女に電話で告げられる。
単独でも彼女を救うため遊覧用のヘリをジャック(最終的には事情を汲んで協力して貰った)し、
20メートル弱の高さから、パラシュートなしに飛び降りるという荒業をやってのけて侵入。
滝壺の元まで何とか辿り着くが、そこで彼女の容体を確かめていた一方通行と遭遇。
一方通行には、イイ悪党と評され、彼が滝壺に危害を加えようとしていると誤解しために戦闘を開始するも、まったく歯が立たず自分の無力さを痛感させられる。
だが、滝壺が浜面を救おうとしているのを見た一方通行が情けを掛け、見逃された。

体調不良がぶりかえした滝壺を抱えて逃走を図るが、
今度は猟犬部隊と、アイテムスクール残党で結成された暗部組織寄せ集め部隊の襲撃を受ける。
アレイスターのプランによれば、
本来彼は15巻の一件で死んでいたはずらしく、加えて無能力者の身でありながら
虎の子である超能力者を単独で撃破するなど、さしものアレイスターにとっても無視できない
『許容範囲外のイレギュラー因子』と化しつつあるために存在の抹消を狙われたためである。
六枚羽』をわざわざ浜面一人に対して差し向けるなど、過剰とも言える排除行動を行ったのもアレイスター及び彼ら。
更に、瀕死の重傷から蘇った麦野にも追撃され、滝壺共々第二三学区にまで追い込まれてしまう。
原子崩し』の圧倒的な力に追い詰められるが、今回も周辺の機材や設備を駆使して何とか勝利を掴むことに成功。
しかし、学園都市の部隊による追撃はまだ続いていると絹旗から知らされ、そこから逃げるために超音速旅客機での脱出を画策。
最後はどういう意思かは分からないが、麦野の援護もあり、地下にある戦闘機試験場から超音速旅客機に乗って
滝壺とともに自動操縦で離陸した。さすがに飛行機を着陸させる技術は持っていなかったようで
しばらくの移動の後、二人でパラシュート降下を敢行。偶然か必然か、そこはエリザリーナ独立国同盟の上空であった。

ロシアではプライベーティアから集落を守ったり一方通行に出会ったりと紆余曲折あったが、
エリザリーナの力を借りて滝壺の治療に成功。再度襲撃してきた麦野とも全力の説得で和解した。
そして学園都市の追手から素養格付という命綱を入手することで、滝壺・麦野共々学園都市への帰還に成功した。

帰還後は新生『アイテム』の正規構成員になり前と変わらぬ下っ端ライフを送りつつも、
鍵開けの能力をロードサービス等の方面に使えないかと勉強を始めるなど、滝壺との関係を守るための行動を始めている。
そんな中でフレンダの妹であるフレメアに出会い、彼女が「闇」に狙われていることを知り、同じくフレメアと関係性を持つ一方通行と共に新入生に立ち向かう。
そして黒夜を撃破するがフレメアを隠しているビルに窒素爆槍を撃ち込まれかけるも、駆けつけた上条により事なきをえる。

上条と再会した後、レイヴィニアから曰く「世界を覆うもう一つの法則」、魔術サイドの情報を得る。
その後、ラジオゾンデ要塞の降下に際しては、上条を援護して落下位置の変更に一役買った。
11月10日、上条らと共にハワイに向かい、魔術結社グレムリン」の計画阻止に奔走。
一端覧祭では、フロイライン=クロイトゥーネおよび復活した垣根帝督の襲撃に巻き込まれる。
フロイラインの人の脳を捕食する「機能」を止めるため、サンドリヨンを彼女の「材料」がある「アイテム」のシェアハウスまで連れて行き、事態収拾の一端を担った。
同じく11月に、薬味久子が仕掛けた『人的資源』プロジェクトに巻き込まれ、連絡が取れなくなったフレメアを絹旗と共に捜索する最中に薬味と遭遇。
薬味の相手を絹旗に任せ、黒夜と協同してフレメアを狙っていた恋査と交戦するも敗北。
現れた上条に助けられ、彼にフレメアの救出を託した。

12月1日には第二学区で暗部としての仕事ではなく、より綺麗な生活を続けるため
かつて「新入生」からフレメアを助けるために使用したドラゴンライダーを元にした試作機の試運転をステファニーとともに行っていた。
その後、ステファニーと共に仕事で運搬着(パワーリフター)を装着し第一五学区ダイヤノイドに訪れるが
サンジェルマンのダイヤノイド襲撃に巻き込まれる。
サンジェルマンが「アイテム」のメンバーと接触しようとしているのを見てサンジェルマンと戦おうとするも
魔神の脅威を知る上条当麻が止めに入り、彼の方法では「アイテム」を助けるには間に合わないとして運搬着を装着して上条当麻と戦いを行い
上条当麻を下してサンジェルマンのもとへ向かう。しかしサンジェルマン上条当麻に襲い掛かっているのを見て上条当麻の救出を行い
そこで藍花悦という少年がフレンダの友人であることを知る。上条当麻とともにフレンダの隠し部屋を見つけ、そこにあった隠しカメラから藍花とサンジェルマンの会話を聞き
上条当麻がいなかったせいでフレンダ死んだとする言葉に理不尽と自分たちの努力を否定するものを感じ怒りを覚える。自ら復讐の矢面に立とうとする上条を退け
アイテム」としてその場にいた自分に責任があると自分が藍花のもとへ向かう。
そこで藍花の復讐を受けようとしたときに上条がフレンダのプレゼントを見せたことで加納神華の名前を思い出した加納とともにサンジェルマンに立ち向かった。
アイテム」の面々や上条当麻達と共にサンジェルマンの軍勢と立ち向かい、これを撃破する。

12月3日の防犯オリエンテーションでは悪人面が祟ったのか、人質役にもかかわらず犯人役と勘違いされてフレメアに捕まる。
その時上条を追って爆走する僧正に轢かれかけたが、防犯カメラの情報から危機を察知したアネリが機転を利かせたことで難を逃れている。
翌日には上条とのつながりから「絶滅犯去鳴に接触されるが、彼女が望んでいた目的に合致する存在ではなかったことから交戦には至らなかった。

新約16巻では町中でランニング中にエレメントの騒動に遭遇、必死で逃げ回りその後は不明だがカブトムシ05の今回の行動と性格を考えるに恐らくカブトムシ05に回収されアイテム共々無事だったと思われる。

新約19巻。府蘭をアバターにしていたコロンゾンから朝に目をつけられて予備の書庫を装着させられるが、次第に浜面が邪魔になったA.O.フランキスカに付け狙われる。
逃走の過程で警備員と一方通行にも追跡されて一息をついていた頃にリリスを保護する。
フルフェイスだったことが災いし滝壺から浜面と理解されずアイテムの戦闘担当二人からも追撃され、そしてミスをして警備員に包囲された時リリスを人質と勘違いされていることを利用して投降。無事リリスは保護されるが、連行された直後にA.O.フランキスカが襲撃したためリリスをつれて脱出。

(主に情けない)言動や行動からフルフェイスでも滝壺から浜面と認識され、アイテムと合流。そこで着せられているスーツが書庫と推理。
直後の襲撃で決着と書庫のデータを復活させるべく討伐を決意。戦闘の最中追い詰められるも守護してきた赤子のリリスにより救出。
そして真打のアレイスターにより書庫争奪戦は決着。

そして『己の感情に従い、悲劇の元凶でも守護する』上条当麻と『悲劇を無為にしないため、全ての元凶に引導をつける』一方通行の対峙に50vs50の均衡を崩す最後の一票として介入。
大熱波で失われた素養格付とそれ以上の保険を求めてアレイスターに交渉。
彼がこれを承諾した後、一方通行に落とし前を約束した彼とイギリスの決戦に参加。
パンツ一丁の姿からとりあえず服を着るべく準備を始める。

とある科学の超電磁砲では、第28話のタイトル絵、微笑む滝壺と背中合わせで彼と思われるジャージの少年が後ろ姿で描かれている。
その後、第78話にて『アイテム』の下っ端として正式に登場した。

【備考】
作者の鎌池は、SSを執筆していた頃から「こいつが活躍したら読者も驚くだろうな」と
構想しており、事実多くの読者にとって一介の敵キャラクターに過ぎない浜面の主人公格への抜擢は予想外の出来事であった。
前述にもあるように浜面は「単なる雑魚キャラポジションから自力で這い上がってヒーロー」となった主人公であり、それが浜面の大きな特徴である。
鎌池曰く、上条や一方通行などの他キャラクターは「勝たなければ話を進められない」「負けたら悲惨なことになる」という
条件設定の上で戦うのが基本であるが、浜面はそれらへのアンチテーゼとして
「負けても話を進められる」「地べたを這いずって泣きじゃくってでも前に進めるキャラクター」として生み出されたという。