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ここだけ異能のある世界ウィキ

アルプス

最終更新:2024年12月14日 08:00

匿名ユーザー

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概要

異能世界におけるアルプス山脈のこと、またはアルプス山脈に対する山岳信仰のことを指す。
多種多様なエネミー達やアルプス山脈への山岳信仰を持った信仰者達が生息している魔境。湧き上がるアルプスパワーを取り込んだ事による強化が人、エネミー問わず行われておりかなり過酷な環境となっている。
そして山頂に近づくにつれて発生するアルプスパワーの濃度が大きくなる性質がある。
また、アルプスのダークサイドが侵略を行い『この地をアルプスである』と侵略し宣言した地はアルプスの信仰が集まり平地であろうが海底であろうが、何故かアルプスパワーを噴出するエリアに変わる。ここら辺の原理はよく分かってない。

追記予定あり

アルプスパワーとは?

アルプスパワーもマリアナパワーも多少の差異あれど根本的には同じ物であり、そこには元は山岳信仰とかが源流にある

アルプス山脈やマリアナ海溝、アンデス山脈、ヒマラヤ山脈といった異能関連あるパワースポットで発生する自然エネルギーを取り込み、それを自身のモノとすることで異能力の拡張及び身体能力の強化、そして疲労回復、神経痛、筋肉痛、肩こり、腰痛、ストレス解消、便秘、神経まひ、リウマチ性疾患、健康増進、美肌効果などが効果として期待できる
実際アルプスシャーク四天王がこの力を使う時に身体が一回り大きくなったりするのもこの力の影響
力を使うと背後にアルプス山脈などの幻影が浮かんでくる

そう言ったパワーを自身の体内に吸収する為には心身を鍛えるそれ相応の修行が必要であり、その過程で自身の心の中にあるアルプスを見つめ直す必要がある
要するに精神的な対話みたいなやつですね
ただし、生まれながら自然エネルギーを容易く取り込める類いの才能を持った人もいるにはいる

アルプスパワーにはダークサイドとライトサイドがあり、力に溺れアルプスの力で私欲を満たして世界をアルプスで支配しようとするのがダークサイド
なんかその場のノリと勢いで雷っぽいのも出せる
アルプスと共に生き、その力を調和の為に使用するのがライトサイドになります
アルプスは全てを受け入れるのです……

ここら辺は区別してあるけど、実際のところ思想の問題なので行使してる力自体には然程違いはなかったりする

アルプス宇宙創世論


まず世界の始まりにはアルプスがあった。神はアルプスと共にあった。神は自身の中のアルプスを世界に具現化させることにした。
そうして神は言った。「アルプスあれ」
そしてアルプス山脈が誕生した。

宇宙が誕生する前からアルプス山脈はあった。アルプス山脈は偉大かつ重大な価値を秘めるものである。そのため、アルプス山脈を保護するために、貴重品を箱にしまい込むようにしてアルプス山脈を覆うようにして宇宙ができた。
そしてアルプス山脈に保護カバーを付けるように地球が誕生した。地球はアルプス山脈を護るために産まれたのだ。

こうして世界が出来上がったのだ
故に世界の中心はアルプスにあるということが示された。これをアルプス宇宙創世論と呼ぶ。

アルプス経典の内容



アルプス流結界術

概要

2代目アルプス総師範が考案し、3代目アルプス総師範が完成させた防御用の結界術。アルプス独自の結界術ではあるが、簡易結界のそれと原理が酷似している。

ただし、簡易結界とは異なり防御異能やバリアの中和などには使えない。あくまで防御に重点をおいた結界である。

簡易結界ほど防御性能は高くなく、直接比較した場合簡易より早くに結界が砕けてしまう。つまり簡易の下位互換である。ただしアルプスパワーを使用する相手に対しては簡易より耐久性と防御能力が高くなる。使い所が超限定的。

つまりアルプスパワーを使用する相手に対してはアルプス流結界が有効だが、通常の相手であれば簡易の方が優秀という区分になる。要するにアルプス環境下でのみ活躍するご当地結界のようなものだ。

アルプスで修行することで習得可能。ハイネはこれを身に付ける前に地上に行ってしまった。クラーラはたぶん身に付けている?

発動方法

能力を集中させた右足で連続した独自のステップを踏む事でドーム状にアルプスパワーを宿した薄紫色の防御結界が展開される。

効果

  • アルプスパワーが使用されてる心領結界に付与されている必中必殺効果の中和

  • 結界による防御力の増加

  • 相手のアルプスパワーに反応して防御性能を向上させる

要するに、『アルプスパワーを使う相手の心領結界の必中必殺を中和する。そうでない相手にはただの結界でしかない。ただし、アルプスパワーを使う相手が敵ならば普通の簡易よりも剥がされにくく硬くなる』ということです。

アルプス大結界

アルプス山脈に貼られたアルプスパワー混じりの巨大結界。アルプス山脈の景観を損わない無色透明な造りになっているが、その本来の色は高濃度アルプスパワーを示す紫色。色合いだけは透明へと変更されているがその結界としての性質もアルプスパワー濃度も最高クラス。

これは初めてアルプス山脈に到達した人間達である初代総師範を含む『始まりのアルプス』達の手によって貼られた結界であり、結界術とアルプスパワーを融合させた造りとなっている。

また、アルプス総師範は定期的にこの結界に綻びが生まれていないか点検をし、その都度アルプスの免許皆伝メンバー達と共にその結果の維持と張り直して補強する事が業務として定められている。

この結界の内部にアルプス総本山に所属しているアルプスの修行者たちは生活している。

この結界の内外での出入り自体は許可を取らずとも誰しも簡単に行える。ただし、アルプスに害意を持って侵入を試みる者は弾かれる仕組みが施されている。そのためドイツ軍は直接侵入できず、予め中にいるダークサイドのメンバーから初代暗黒卿の遺体を受け取るしかなかった。

人の住む俗世と神域であるアルプス山脈を切り分ける意味合いも有しており、この結界を用いて世界を区切ることで俗世との繋がりを断ち、アルプスの内部で生活する者をアルプスとより深く結び付けより自身をアルプスと同調させることを可能にしている。つまり没頭して信仰と修行に打ち込めるということを意味する。

また、副次効果として結界内部での人やエネミーのアルプスパワー行使に関して補助を与える効果を持つ。このため、この結界内での修行者はアルプスパワーの取り込みを行い易く使用可能量も増える。そしてアルプスパワー行使の際に結界外で使用する場合と比べて大きく性能が引き上げられる。身体能力増加率、異能拡張率、回復力、どれをとっても結界外よりも高い性能で使用可能。それゆえにアルプス山脈で多少厳しい修行を行なっても問題ないという利点もある。

各地の自然エネルギーが湧き上がるパワースポットでも同様の効果を持つ結界がそれぞれ信仰者の手によって貼られている。


アルプス昔話


第1章 始まりのアルプス




その昔、アルプスでヤギを飼ったり狩りをしながら生活するとある民族の中に1人の男が現れた。

彼はある日夢でアルプス山脈から光を受け取る夢を見る。そして目が覚めるとその男は身体能力、異能力の強化、回復能力などを扱える異能とは異なる特殊な力を扱えるようになっていた。これをアルプス山脈からの恵みと考え、男はその力をアルプスパワーと名付けたのだった。

アルプスパワーを手に入した男は敬虔なアルプス信徒となった。夢で見たアルプスの戒律を守り、アルプスを心より崇拝し、アルプスを愛し、アルプスに毎日祈りを捧げた。そして何よりアルプスの力を正しく使えるように修行を一才怠らなかった。

しばらくして、アルプスパワーを用いてエネミー戦や力仕事、他者への治癒などで活躍した男は仲間を導き民族の長となった。

男が民族の長となった時を境に人々は男に憧れ、人に恵みと試練を与える雄大なアルプス山脈に心酔した。彼らもまたアルプスを信仰するようになったのだ。そして男は部族の長という名だけではなく『初代アルプス総師範』という名も名乗るようになった。



こうして生まれたアルプス信仰部族を人は『始まりのアルプス』と呼んだ。


第2章 アルプスパワー修行編




『始まりのアルプス』と呼ばれる彼らがまず最初に行ったことはアルプスについて総師範から教えを授かることだった。

アルプスから授かれる力はあくまで副次的な物でしかない。大切なのはアルプスを信仰する心だ。総師範の元、『始まりのアルプス』達は懸命にアルプスを学んだ。その中には総師範の実の弟の姿もあった。

アルプスパワーを受け取るには、心・技・体がバランスよくある一定水準まで高められていなければならない。そうでなければ取り込みに失敗するか、アルプスパワーに逆に飲み込まれてしまい身体がはち切れるかのどちらかなのだ。

彼らはアルプスの教えを胸に、アルプスパワーを受け取るに相応しい存在になろうとアルプスの麓で日夜努力を重ねた。

そして数年の訓練の結果、彼らは皆アルプスパワーの習得に成功したのだった。弟も他より遅れていたものの、最終的には無事アルプスパワーを身に付けることに成功した。



そんな彼らが目指すもの、それはアルプス山脈の頂きだ。彼らは準備を整えると、アルプス攻略へと向かうのであった。


第3章 アルプス山脈攻略編



アルプスへの信仰を魂に、アルプスの教えを精神に、アルプスパワーを肉体に宿した彼らはアルプス山脈の頂点、すなわち小槍へと目指すべく準備を整えて登山を始めた。

道は激しく厳しかった。アルプス山脈はアンデスやヒマラヤなどと比べると比較的穏やかな山脈であり交易路としても利用されたことがある。しかしそれはあくまで通り抜ける場合であり、山を登り切る事ではない。

ましてやアルプスパワーをその身に宿した強力なアルプスエネミー達との交戦を行いながらの登山は、普通のそれとは難易度が桁違いである。さらにそこに高山病や怪我、病気なども考慮するとアルプス山脈攻略は一筋縄では行かなかった。

彼らは総師範をリーダーとし、ある一定階層攻略する度にベースキャンプを作成。そこを拠点として次のステージに上がれるように修行を行ってアルプスパワーの取り込み量や親和性を高めながら山登りを続けた。

多くの脱落者が出た。耐えきれず逃げ出す者もいた。キャンプ内で新たな命を授かる事もあった。そして何度も戦うエネミーの好敵手とも出会えた。特にアルプス・チェンソーエネミーと総師範は意気投合して何度も手合わせを行った。2人は種族の垣根を超えて友と呼べる間柄になった。



そして彼らはついに20年以上の年月を掛けてアルプス山脈頂上付近にまで辿り着く事に成功した。

しかしそれは最後の番人との死闘の始まりを意味していた。



第4章 アルプス・ユグドラシルエネミーとの死闘




アルプス山脈の小槍を陣取るのはアルプス・ユグドラシルエネミー。強敵なのは理解していたが、『始まりのアルプス』達もまたここまでの死闘を潜り抜けてきた強者達、自分たちなら勝てると確信して勝負を挑んだ。



結果は惨敗だった。



アルプスの樹木系エネミーを支配するそのエネミーは『生命を生み出す』という能力でアルプスエネミーの軍団を作り上げていたのだ。

圧倒的な物量差で本体に届く事もできずに何人も殺された。彼らは撤退を余儀なくされた。

このまま戦ってもアルプス・ユグドラシルエネミーに対して勝ち目はない。生き残った彼らは1つ下の階層にて作戦を練る。

その作戦とは『他のアルプスエネミーに援護を頼む』ことだった。

ユグドラシルエネミーは強力だが、その分アルプスパワーを独占している。他のエネミー達もそれを不満に思っている筈だ。そうでなくとも今頂点に君臨しているあのエネミーを引き摺り落としたいと考えるエネミーは必ずいる筈だと。

そうして彼らは一時階層を下ろしてエネミー達の勧誘を行った。意外とメンバーはしっかりと集まってきた。その中には好敵手とも言えるチェンソーエネミーの姿もあった。そして集まったエネミー・人間連合軍をもう一度総師範の元で鍛え直し、戦闘が得意でない者、まだ若い者、怪我人などをキャンプに残して再挑戦へと向かったのだった。



第5章 決戦アルプス・ユグドラシルエネミー




アルプス・ユグドラシルエネミーとの決戦は熾烈を極めた。ユグドラシルエネミーの異能の最大の利点は『クールタイムや制限、代償のようなデメリットらしいデメリットがないこと』。これによりユグドラシルエネミーは手下が倒されても無尽蔵に補充が可能なのだ。



だからこそ連合軍が練った作戦はシンプルだった。『連合軍の中の実力上位メンバーのみをユグドラシルエネミーの元になんとしても送り込み速攻で伐採する』。それはあまりに脳筋の戦略だった。



だが意外にそれが功を奏し、少数精鋭部隊は他のメンバーが手下の足止めを行っている間にユグドラシル本体へと辿り着く事に成功した。

しかしユグドラシルエネミーは本体もケタ違いに強かった。1人、また1人と精鋭部隊の仲間が倒れていく。その後ろでは足止めをしている仲間たちの悲鳴と絶叫が聞こえてくる。もう時間は残されていない。そして遂に総師範の弟までもがユグドラシルの猛攻の前に倒れてしまった。



もう打つ手はないのか?諦めかけた総師範にユグドラシルの枝の一撃が迫る。

しかしその攻撃が総師範を貫く事はなかった。

最後まで生き残っていたアルプス・チェンソーエネミーが割って入り攻撃から総師範を庇ったのだ。

死に際のチェンソーエネミーから託されたチェンソーを握りしめて総師範は立ち上がる。今までどれほど訓練を重ねても扱えなかった異能の極地。ここに来て覚醒した総師範がアルプスパワーを乗せた心領結界を発動して、ユグドラシルエネミーとのタイマンへと身を踊らせた

第6章 激闘の結末そして闇への誘い



総師範の異能は『融合分解』

ある程度制約はあれどあらゆる物を自身と融合させ、あらゆる物を分解し分離する事が出来る強力な異能だ。それらは結界として現出した結果、敵を強制的に分解しつつ、結界内の世界そのものと融合するというとんでもない拡張を見せる事になる。

結界の押し合いを行おうとするが、身体がドンドン分解されていき結界の維持が間に合わないユグドラシルエネミーへと空間と融合して瞬間移動の真似事をした総師範が迫る。そして遂に激戦の決着として、『アルプスパワーを吸収して切れ味を上げる』という能力を持つ託されたチェーンソーを振るい、ユグドラシルエネミーを伐採する事に成功したのだった。



戦いが終わり、ユグドラシルエネミーの生み出した生命は全て消滅していく。ユグドラシルエネミー討伐後、すぐに治療を行った事が功を奏して人、エネミー問わず何人もの命が助かった。その中には総師範の弟もいた。



……しかし犠牲は大きかった。この戦いで多くの人やエネミーを失った。その中には共に精鋭部隊として隣に立った総師範の妻もいた。彼女は総師範とのまだ幼い子供を残したまま死亡した。



ユグドラシルエネミーが討伐された事で、山頂付近のエリアは総師範達に解放された。そこに拠点を作り、それを『アルプス総本山』と呼称する事に決めた。ユグドラシルエネミーの遺体は切り刻み紙にする事で『アルプス経典』へと加工されたのだった。



こうして多くの犠牲を払いながらもアルプス山脈の頂点を手に入れた『始まりのアルプス』達。しかし総師範の心の中にあったのは達成感でも喜びでもなく深い悲しみだった。伴侶を失った悲しみ、強敵を失った悲しみ、大切な弟子達を失った悲しみ……。



総師範は考えた。

「俺がもっと強ければ、もっと皆を鍛えてやれれば、もっとアルプスパワーをこの身に宿していれば、もっと犠牲は少なかったのでは?友は俺を庇う事はなかったのでは?弟は重傷を負わずに済んだのでは?妻は俺と子を残して死ぬ事はなかったのでは?……もっとアルプスの力が必要だ」

総師範は力を求め、ダークサイドの道へと堕ちていく……。アルプスパワーのダークサイドは仲間を助けたいという想いから生まれた側面なのだ。



第7章 分裂するアルプス




強くなる事に固執し過ぎる兄を見て心配になる弟。何度も総師範たる兄の助けになろうと接触を試みた。しかし彼の想いは届かず、兄はその身と精神を徐々にダークサイドへと浸して行った。



そしてそれからしばらくして総師範は『全世界アルプス化計画』を宣言する。それはこの世界をアルプスパワーを持って侵略し、全てをアルプスで塗り潰してしまうという計画だった。敬愛するアルプスを世界に広める事ができ、尚且つアルプスが広がる事で広域から採取可能になったことでアルプスパワーの向上が見込まれる。総師範からすれば一石二鳥の計画で、皆も当然賛同してくれるものだと思い込んでいた。



しかしその結果、アルプスは2つに割れた。



弟を筆頭に『全世界アルプス化計画』は『アルプスは全てを受け入れる』といったアルプス信仰の基本原理を無視するものであると批判したグループ。



そして総師範に賛同して『全世界アルプス化計画』を望み力を手に入れることを欲するグループ。



この2つにアルプスは分かれてしまったのだ。

弟がリーダーを務める計画に反対するグループを『ライトサイド』、初代総師範による計画推進派グループを『ダークサイド』と呼ぶようになり、以降2つのグループは拠点を別にして対立。総師範はこれより自身のことを『暗黒卿』と呼称するようになった。そして何度も抗争を繰り広げていく事になる。



第8章 光闇アルプス仁義なき戦い




拠点を別ち対立するライトサイドとダークサイド。しかし当初の争いは小競り合いや議論程度であり、決して血に塗れた物ではなかった。ライトサイド筆頭の弟も、ダークサイド筆頭の暗黒卿も、同じアルプス同士で争うことを望んでいなかったのだ。

流れが変わったのはアルプスが2分割されてしばらく経った後のこと。小競り合いが続く中、怒りに支配されライトサイド所属の新入りをダークサイド所属の新入りが誤ってアルプスから突き落としてしまったのが始まりだった。弟子を殺されたライトサイド所属のメンバーは怒り、報復として下手人であるダークサイドの新入りを始末した。しかしこれに怒りを示したのが、殺されたダークサイドの新入りと仲が良かったダークサイドメンバー。彼らの憎悪と怒りは止まる事なくライトサイドへと向けられ復讐が行われた。

こうなってしまえば、もうどちらが先に手を出したなど関係ない。

かつては仲間を護りたいと考え力を欲した暗黒卿も、元の兄に戻って欲しいと願っていた弟も、度重なる抗争によって弟子や仲間を失うたびに憎しみに染まっていった。もはや当初の目的を見失い、2つの派閥はお互いを滅ぼす事しか考えられなくなっていた。



まさに世は血で血を洗うアルプス大戦争時代。アルプス山脈は連日赤く染まり続けた。



第9章 兄vs弟




3年以上にも渡る抗争の末、ダークサイドはライトサイドに対して劣勢となっていた。起死回生の一手を打つべく、暗黒卿は自らライトサイドのリーダーである弟を討つべく出陣する。弟もまた、暗黒卿を倒しこの戦いに終止符を打とうと一対一の決闘を受け入れる。

戦いはかつて『始まりのアルプス』たちがアルプス・ユグドラシルエネミーを仕留めたアルプス山脈の頂上付近で行われた。



一体何処で間違えてしまったのか、かつて仲の良い兄弟だった2人はお互いに憎しみ合いながら殺し合う。暗黒卿は異産のチェーンソーと『融合分解』の異能を駆使して、一撃一撃が必殺となる攻撃で弟を仕留めようとする。弟もまた、『5秒間の時間操作』の異能で5秒巻き戻し、5秒時間を止め、5秒時間を速めて、ユグドラシルエネミーから入手した異産『ユグドラシルロッド』の体力回復効果で継戦能力を維持しながら即死を回避し続ける。アルプスの元でお互い何度も手合わせを行なった。お互いの手の内は知り尽くしている。この戦いは三日三晩途切れる事なく続いた。



そして3日目にして遂にお互いが異能の極地を用いて最後の決着を付けようとする。



第10章 兄弟対決決着 二代目総師範の誕生




暗黒卿の発動した心領結界、その効果は融合能力の拡張と結界内の敵の分解。その圧倒的な殺傷能力により弟は分解された……かのように思われた。しかし弟が結界内で分解される事はなかった。

弟もまた兄とは別の異能の極地に辿り着いていたのだ。

『異能極点』

極点に至った時間操作能力を使用し、本来なら自分の時間以外操作できないという制約を突破。世界そのものの時間を10秒停止させる。

分解の必中効果が届く前に兄の元へと走り寄る弟。手に握りしめられたユグドラシルロッドで兄の脳を砕き、この戦いに終止符を打とうとする。しかし暗黒卿にして初代アルプス総師範たる兄はそれすらも読んでいた。融合能力により自身とチェーンソーを融合させてチェーンによる結界と地面に生やしたトゲによるカウンターを仕掛けていたのだ。



無策で突っ込めば命はない。だが作戦を考えていられる程に停止した時間は残されていない。このまま手を拱いていれば時間停止が破られて分解されてしまう。弟は咄嗟に限界を超えて自身に対する時間操作を使用。時間停止を維持しつつ、自身のスピードは時間操作で倍速に、自身の体に生じる傷は半分のスピードに。異能極点とはいえ明らかに無理のある使用。弟は異能の反動として脳に甚大なダメージを負ってしまったものの、兄の罠と防御を乗り越えて遂に兄の頭をユグドラシルロッドで貫いた。



全てが終わった後、弟は兄の亡骸を抱きしめる。その胸にあるのは暗黒卿を討った達成感などではなく深い悲しみと虚無感。ダークサイドに対する憎しみに囚われていた弟は、兄を討って正気に戻ってしまった。こんなことをしても何の意味もないという事に気がついてしまった。



なぜこんな事になってしまったのか?何処で間違えたのか?もっと違う道はなかったのか?そう問いかけてももう兄は答えてくれない。弟は兄をアルプス山脈頂上に埋葬した。



そして兄を討った弟は2代目アルプス総師範を名乗るようになり、ダークサイドとの戦いに終止符を打ったのだった。そして2代目は後にアルプスの教えに『アルプスを信仰するものは心を憎しみに委ねてはならない』との条文を追加。憎悪に身を任せる事に対して極めて否定的な立場を取った。



第11章 復活の初代暗黒卿




初代暗黒卿が死んで数年。もはやアルプス山脈にダークサイドは存在しない、そう思われていた。暗黒卿の死を契機にダークサイド達は壊滅した。そしてアルプス山脈は表面上は以前のような穏やかな日々を取り戻していた。



しかしある日突然アルプス山脈頂上付近で見た事もない巨大なサメ型エネミーが誕生した。そのサメ型エネミーは空を飛び、6つの首を持つ異形の姿をしている悪魔の如き恐ろしいエネミーだ。そして何より驚かせたのは、そのエネミーの纏うアルプスパワーが桁違いであったこと。そしてそのアルプスパワーは滅んだ筈のダークサイドの物であったことだ。彼は自身をアルプス・ヘキサヘッドメガロドンエネミーと名乗った。



事の次第を聞いた2代目総師範はすぐさまそのエネミーの元へと駆け付ける。そんな2代目の姿を見てエネミーは「老いたな、愚かな弟よ」と嗤う。2代目は確信した。このエネミーはかつて自分が手に掛けた初代暗黒卿の兄が転生したものであると。



異形の姿とはいえ兄の復活に気がついた2代目は今度こそ和解の道を探ろうとする。姿形は変われども兄は兄。生前成せなかった和解を今度こそ果たそうと必死で自身の後悔を、想いを、復活した兄へと弟は伝える。今度こそ共に手を取り合おうと、兄へと手を差し伸べる。



エネミーと化した兄の返事は非常なものだった。弟の腹は雷撃により抉られ、差し出した腕は食いちぎりられた。和解は出来ない。かつての優しかった兄はもう死んでいる。ここに居るのはただただ力だけを求める初代暗黒卿の妄執でしかないのだ。なぜ力を求めたのか……そんな事はとうの昔に忘れてしまった。考えすら及ばない。



斯くして、復活した初代暗黒卿と2代目総師範の戦いが始まった。

第12章 アルプス・ヘキサヘッドメガロドンエネミーの襲来



決着は一瞬にして付いた。

エネミー化して異能及び身体能力共に向上した暗黒卿と、生前の暗黒卿との戦いで後遺症を負ってしまい戦いを退いていた2代目。どちらに軍配が上がるかは考えるまでもない。勝負の展開は一方的な物となり、結界を使うまでもなくヘキサヘッドメガロドンエネミーが2代目を蹂躙し尽くした。最後まで兄に正気に戻るように訴え続けた2代目はあっさりと噛み砕かれ殺されてしまった。弟の死骸を噛み砕き咀嚼しながらヘキサヘッドメガロドンエネミーは涙を流す。なぜ自分が泣いているのか理由も分からないまま……。やがて涙も枯れ果て、兄であった筈の人物は、始まりのアルプスは、初代総師範は、もはや完全なる怪物に成り果てた。



2代目総師範の死によってアルプスは暗雲に包まれた。ヘキサヘッドメガロドンエネミーは自身に挑みかかる者を人、エネミー問わず悉く打ち滅ぼし殲滅し尽くした。そうして敵対者を殺し尽くしたヘキサヘッドメガロドンエネミーがアルプスの頂点に君臨し、アルプスはダークサイドによって支配されたのだった。



……しかしまだライトサイドの希望は滅んでいなかった。



第13章 残された希望




ヘキサヘッドメガロドンエネミーによって2代目を殺され、彼の所属していたライトサイドは壊滅した。気骨のある人やエネミーは真っ先に向かって行き殺されてしまった。もはや蘇った初代暗黒卿に敵う者は居ない……そう思われていた。



しかしまだ希望は潰えていなかった。



アルプスには隠されし洞窟がある。

2代目の死の数年後、その中で1人の少年がアルプスの修行を行っていた。彼は2代目の養子でありながらもヘキサヘッドメガロドンエネミーに挑まなかった唯一の人物である。それは一重に彼が未熟であるから力を蓄えることを優先したという事に加え、他の潜伏を選んだライトサイドのメンバーが彼を挑ませなかったからだ。実際それは正しかった。もし挑んでいれば万に一つも勝ち目がなく確実に敗北していた筈だ。生き残ったライトサイドのメンバー達は彼に「お前の父はヘキサヘッドメガロドンエネミーに殺されたんだ」と伝えて育てていた。



少年は類い稀なるアルプスの才能を発揮して、生き残り達から戦闘技術を習得していく。生き残ったライトサイドの人やライトサイド所属のエネミー達は彼に賭けることにした。今の自分たちではおそらくヘキサヘッドメガロドンエネミーを倒す事はできない。だが、彼ならば……。彼らは各々が持ち得る全てを青年に叩き込んでいく。少年は彼らの教えを吸収してすくすくと育ち、自身にさまざまな事を教えてくれる彼らを心から尊敬していた。特にその中の1人である『始まりのアルプス』の生き残りにして2代目の直弟子である人物は『師匠』と呼ぶほどに慕っていた。



こうして修行期間にさらに数年。少年は青年へと成長し、アルプス山脈をヘキサヘッドメガロドンエネミーから取り戻すべく仲間達と共に動き始めた。

第14章 アルプス奪還編




遂に仲間達と共に動き始めた青年。しかしアルプス山脈をヘキサヘッドメガロドンエネミーから奪還するには一筋縄では行かない。まずはヘキサヘッドメガロドンエネミーの手下達を始末しなければならないのだ。

ヘキサヘッドメガロドンエネミーの手下達……4体の空を飛ぶサメ型エネミーでありその名を『アルプスシャーク四天王』と呼んだ。


1体目『アルプス・アンデッドシャークエネミー』

2体目『アルプス・デーモンシャークエネミー』

3体目『アルプス・キャッスルシャークエネミー』

4体目『アルプス・ストームシャークエネミー』


この4体のエネミーがヘキサヘッドメガロドンエネミー直属の部下となる。このエネミーが生まれたのは、アルプス山脈でアルプスエネミーが誕生する際にヘキサヘッドメガロドンエネミーの存在がその性質に影響を与えたからである。それほどまでにヘキサヘッドメガロドンエネミーは強力なのだ。

第15章 アルプスシャーク四天王攻略編




作戦はシンプルだ。この時の為に備えてかき集めた仲間と共にアルプスシャーク四天王を撃破し、潜り抜けたメンバーでヘキサヘッドメガロドンエネミーをも討伐する。それは奇しくもかつて初代総師範がユグドラシルエネミーに対して行った作戦と同じ物だった。皮肉な事にかつて自分が敵に対して行った作戦を、今度は自分が受けるハメになったのだ。

青年と仲間達はアルプスの頂上を目指して駆け上がる。



まず最初に立ち塞がったのは第1のアルプスシャーク四天王、アンデッドシャークエネミー。アンデッドシャークエネミーの異能はシンプルかつ強力な『不死身』。決して死ぬことがないというとんでもない能力を持っていた。だがこの能力には明確な弱点がある。『死ぬことがない』だけで再生などの能力は持っていないのだ。回復は全てアルプスパワーに依存している。故に攻略方法は簡単に見つかった。まず数人の仲間がアンデッドシャークを受け持って青年達の道を切り拓いた。



次に現れたのはデーモンシャークエネミー。悪魔の如き翼を生やした漆黒のサメ型エネミーであり『悪魔化』の異能を持っている。純粋な戦闘能力が高いエネミーであり、ただでさえ強力なサメエネミーの身体能力に異能で悪魔の力がプラスされてしまうのだ。更に数人の仲間、特に力自慢のメンバー達がここで足止めの為に離脱した。



アルプスシャーク四天王3番手として現れたのは背中に城を背負った姿が特徴的なキャッスルシャークエネミー。『アルプス風雲城』の異能を持ったこのエネミーは、瞬時に鉄壁の防衛機構を兼ね備えた城を作り上げることが出来る異能力を持っている。これによりヘキサヘッドメガロドンエネミーへの道を塞がれた青年は一時的にとはいえこのエネミーとの交戦を余儀なくされる。空から降ってくる城に潰され、城の防御機構に攻撃され、城内部の罠が発動し、仲間達は次々と倒されていく。しかし、師匠がアルプス風雲城を自身のアルプスパワーと異能力で内部から粉砕する事に成功した。



最後に現れたのはストームシャークエネミー。異能で発生させた竜巻と共に襲撃してきた最後のアルプスシャーク四天王だ。性格的に青年と気が合い、正々堂々と一騎討ちを行った結果撃破に成功。その後生き残ったこのエネミーを仲間に加えることに成功した。



かくしてアルプスシャーク四天王を撃破した青年達は決戦の場であるアルプス山脈の小槍へと向かう。そして遂にそこでヘキサヘッドメガロドンエネミーとの邂逅を果たすのだった。



第16章 師匠の死




遂に相見えるヘキサヘッドメガロドンエネミーと青年達。だが青年が戦いに赴く前に師匠とその仲間達が、ヘキサヘッドメガロドンエネミーの前に立ち塞がる。

師匠は理解していた。もはや年老いた自分ではヘキサヘッドメガロドンエネミーに勝つ事は出来ないと。だからこそ自身の命を投げ打ってでもヘキサヘッドメガロドンエネミーの実力を青年の目に直接焼き付けておく必要があると。



師匠の異能力は『空間転移』。一度マーキングをした場所へと一瞬にして空間跳躍を行う異能だ。師匠はヘキサヘッドメガロドンエネミーの攻撃を巧みな位置どりで回避しながら攻撃を加える。そして仲間達は師匠をサポートに徹した動きをしていた。

瞬間移動により有利に立ち回る師匠と仲間。しかし一筋縄では行かないのが初代暗黒卿のヘキサヘッドメガロドンエネミー。融合の異能を使用して自身と大地を融合し、まず飛行能力を持たない人とエネミーを食い尽くしてサポートを削り取る。次に地面から自身を分解して飛翔。更に自身を分解して6体のメガロドンエネミーに分身すると、空に逃げた師匠以外のメンバーを1人残らず噛み殺してしまった。

1人残された師匠の前に再融合したヘキサヘッドメガロドンエネミーが立ち塞がる。援護なし、正真正銘のタイマンバトル。師匠は異能の極地、『結界武装』を発動させて作り上げた巨大な太刀で遂にヘキサヘッドメガロドンエネミーを異次元に吹き飛ばす事に成功した。



………かの様に思われた。ヘキサヘッドメガロドンエネミーは結界武装に切り裂かれる前に自身が融合していた別エネミーを身代わりに吐き出したのだ。これにより飛ばされたのは身代わりであり本体は無事。師匠は最後まで諦めずに奮闘したが、両手両足をもぎ取られて頭を噛み砕かれて死亡した。



第17章 明かされる真実




師匠の死に唇を噛む青年。師匠の言いつけを守り助太刀は行わなかった。その結果師匠を死なせてしまったのだ。自身への不甲斐なさとヘキサヘッドメガロドンエネミーへの憎悪と怒りで心中は溢れかえっていた。しかし憎しみに心が支配される事はない。『憎しみに身を委ねてはならない』大切な父である2代目からの教えを忠実に守っているのだ。だがそんな青年に対してヘキサヘッドメガロドンエネミーから衝撃の真実が伝えられる。



「I'm your father」



「Nooooooo!!!!!!!!」



青年の父親は2代目ではなく初代暗黒卿だったのだ。2代目は自身が殺してしまった兄の代わりにその息子を育てていたのだ。

衝撃の真実に動けなくなる青年。そんな彼にヘキサヘッドメガロドンエネミーはダークサイドへの勧誘を行う。血の繋がりは何よりも濃いのだと。苦悩する青年。自分の実の父がこんな化け物だった事のショックと、その父親が育ての親と師匠を殺したという事実。そして誰も自身の親について教えてくれなかった事についての不信。処理しきれない情報に固まってしまった青年にヘキサヘッドメガロドンエネミーは1日だけ考える時間を与えると、自身の玉座であるアルプスの小槍を護るように結界を展開して悠々と戻って行った。



第18章 決戦前夜




ヘキサヘッドメガロドンエネミーに見逃された青年とその仲間達。師匠とヘキサヘッドメガロドンエネミーとの戦いで仲間の大部分を失い、もはや数える程しかメンバーは残っていなかった。彼らは1つ下のキャンプに降りて傷を癒して決戦に向けて武装を整えていた。その中には、もはや人間の中では最後の『始まりのアルプス』にして『雷神』の異名を持つ『マスター・アルプス』の存在もあった。

青年はマスター・アルプスに問いかける。「父は暗黒卿によって殺されたのではなかったのか?」「なぜその事を黙っていたのか?」「それを知れば俺がダークサイドに向かうと思っていたのか?」と。

マスター・アルプスは答えた。「お前の父、初代アルプス総師範は立派なアルプスであった。しかし先の大戦により心をダークサイドに蝕まれてしまった。そして総師範は死に、暗黒卿が生まれたのだ。暗黒卿が殺したというのは嘘ではない。その事を黙っていたのは一重にお前を苦しめたくなかったからだ。2代目はお前を実の息子のように可愛がっていた。同時に父親を奪ってしまった事を心から悔やんでいた。お前が成長した後に真実を告げるつもりだったのだろう。2代目亡き今、彼から直接聞く事はもはや叶わないが……それでも2代目は間違いなくお前を愛していた」

皆が寝静まった後も青年は考え続けた。実の父親か、育ての父親か、ライトサイドかダークサイドか……どちらかを選択しなければならない。



こうしてアルプスに朝日が昇り決戦の日が訪れた。



第19章 アルプス山脈最終決戦




アルプス山脈の小槍に貼られた結界が解かれてヘキサヘッドメガロドンエネミーがその姿を現す。父が子を迎え入れるようにヒレを広げると青年に、息子に、我が元に来いと再び勧誘をかける。



青年の答えはノーだった。父親であった2代目を殺された怒りでもなく、師匠を殺された憎しみでもなく、ヘキサヘッドメガロドンエネミーに対する憐れみから抱擁を拒絶する。何もかも忘れ、護ろうとした物さえも忘れてしまった今の姿は見るに耐えない醜悪だと言い切った。

息子の理解できない行動に苛立ちを覚えるヘキサヘッドメガロドンエネミー。考える時間は与えた筈だがな……と溜息を吐くと咆哮。ダークサイドのアルプスパワーによる雷撃を決戦の狼煙とした。



青年は今は亡き師匠達から受け継いだ異産をフル装備していた。

持ち主の筋力を向上させパワーを増加させるガントレット『F・P・G』

意思が折れない限り使用者の耐久力と防御性能を上げるアミュレット型異産『鋼の意志は砕けない』

踏み込みを強化して蹴りと移動速度を上昇させる『盗人の長靴』

ヘキサヘッドメガロドンエネミーによって殺害された師匠が身に付けていたマント型の異産『エアクッションローブ』その能力は応用性の高い空気制御能力。

2代目総師範が使用していた自動リジェネ能力を付与する『ユグドラシルロッド』

そしてアルプス山脈初代総師範が戦友から受け継いだ異産『アルプスチェーンソー』



これらをフル装備してヘキサヘッドメガロドンエネミーに仲間達と挑み掛かる。

だがヘキサヘッドメガロドンエネミーは強かった。顎の一噛みで、尻尾の一振りで、次々に仲間達は地面に倒れ伏していく。青年は相棒たるストームシャークエネミーに騎乗しながら、ストームシャークエネミーが作り出す竜巻と共にアルプスチェーンソーによる攻撃を仕掛け続けていた。しかしまだ足りない。ヘキサヘッドメガロドンエネミーは硬すぎる。多少の傷を負わせる事が出来ても奴の持つ膨大なアルプスパワーの自然治癒で回復してしまう。



仲間達は覚悟を決めた。どのみちここで負ければ自分達に命はない。ならばこの命を未来にアルプスで芽吹く命に捧げようと。

覚悟を決めた彼らは文字通り決死の攻撃をヘキサヘッドメガロドンエネミーに叩きつけていく。ある者は食いちぎられながらもヘキサヘッドメガロドンエネミーの胃の中で自爆し、ある者は首だけになって尚喉元に齧り付き、またある者は雷のような速度で動き自らの命と引き換えに1つの首を落としてみせた。命と引き換えに高火力攻撃を叩き込む。そして全てを青年に託す。そして遂にこの場に立っているのはストームシャークエネミーと青年のみとなった。

青年は仲間達の死に涙しながらも決して攻撃の手は緩めない。仲間達が与えた傷を広げるようにストームシャークエネミーと共に追撃し続ける。



6つある内の5つの首が切り飛ばされるたヘキサヘッドメガロドンエネミー。しかしてその顔に浮かぶのは歓喜の笑み。今、この追い詰められた状況が彼にとっては楽しくて仕方ないのだ。これを乗り越えれば自身は更なる高みに辿り着ける。際限なく力を求める悪鬼と化したヘキサヘッドメガロドンエネミーは、初代暗黒卿は、心領結界を発動して決着を付けに行く。

第20章 因縁の決着




青年とストームシャークエネミーを取り込む初代暗黒卿の心領結界。その力は強力無比。かつてアルプス・ユグドラシルエネミーを屠ったように、2代目総師範を嬲ったように、青年とストームシャークエネミーに『分解』と『融合』の力が襲い掛かる。ストームシャークエネミーも青年も心領結界を展開することは出来ない。万事休すかと思われた。

しかし、青年とストームシャークエネミーを護るようにアルプスパワーを宿した結界が展開される。青年が右足で連続した独自のステップを踏む事で防御結界が展開されたのだ。これはアルプス流結界術。2代目総師範が考案し、師匠が実践的に作り上げ、青年が完成させたアルプス独自の防御結界。それは簡易結界のそれと原理が酷似しており領域の異能の中和に役立ったのだ。

『分解』の能力をやり過ごして時間を稼ぐ防御重視の結界術。これは2代目が兄を殺してしまった事を後悔して作り上げられた物だ。あの時、『分解』を躱して話をする時間があれば、あの時、10秒以上の時間があれば、もしかしたら兄は死ななくて済んだかもしれないのに。そんな後悔が2代目にこの結界を考案させた。もし、自分達のような事が起こった時に悲劇を繰り返さないように。

その切なる願いが青年を救った。



攻撃が必中しない。初めての現象に驚愕する初代暗黒卿。その隙に異産でスピードをブーストしたストームシャークエネミーに乗った青年が迫る。そして目の前に迫った青年が初代暗黒卿に対して掌を向ける。

ここまでの戦いで青年は一度たりとも異能力を使用していない。初代暗黒卿も青年の異能には常に警戒を割いていた。この局面で解放する異能。きっと強力な物に違いない。そう確信した初代暗黒卿は体の前面にアルプスパワーを集めて異能に対する防御力を上げる。どんな攻撃であろうが耐え切り噛み砕いて見せると豪語する。



だが青年の手からは何の異能も発動しない。そう、青年は『無能力者』だ。最後の動きは初代暗黒卿に対するブラフ。異能防御を上げるためにアルプスパワーを発動させるためのブラフだ。ストームシャークエネミーの風に乗りアルプスチェーンソーを起動させて振り翳す。このチェーンソーの能力は初代暗黒卿が、初代総師範が、1番よく知っている。



『アルプスパワーを吸収して切れ味を上げる』



アルプス・ヘキサヘッドメガロドンエネミーは、初代暗黒卿は、自身の息子の操る戦友の異産により真っ二つに切り裂かれたのだった。



第21章 戦いのその後


アルプス・ヘキサヘッドメガロドンエネミーを撃破に成功するも、その犠牲は大きかった。青年やストームシャーク自体も重症で多くの仲間を失ったがそれでも全てを失った訳ではない。青年はヘキサヘッドメガロドンエネミーの死骸をアルプス山脈の頂上に埋めて埋葬した。そしてまだ生きている仲間達の元へと向かった。

こうしてアルプス山脈を覆う暗雲は晴れ、元のアルプス山脈を取り戻したのだった。

青年は、この件を機に3代目アルプス総師範を名乗りアルプス山脈の守護に生涯尽力したという。

しかしヘキサヘッドメガロドンエネミーが支配していた間にアルプスのダークサイドは増えてしまっていた。彼らもまたライトサイドの目を忍んでひっそりと後世まで続いていったのだ。

こうして長い戦いは終幕を迎えたが、これ自体長いアルプス山脈の歴史のほんの一切れの出来事に過ぎない。アルプスは永遠に続いていくのだ。

Fin

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