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【ホラ吹き教授の異世界講座】

専門家に聞かれると怒られるかもしれないので、あくまでもここだけの話にしていただきたい。
つまり、これから話すのは、異世界を巡って来た個人的感想という事です。
さて、これまで異世界の国家や神、種族について論じてきましたが、いよいよその細部についてです。
様々な人々の暮らしを思い描くに真っ先に思い浮かぶのが、そう、食についてです。
これまでも多少は述べてまいりましたが、今回の講義は食の中でも食材に焦点をあてていきます。

まずは主食について。
皆さんが主食と聞いて思い浮かべるのは米や小麦かと思いますが、異世界でもやはり主食は穀物です。
近年いくつかの穀物は世界をまたいで取引されているところですが、基本的には向こうには地球の穀物はありません。
にも関わらず、ミズハミシマや大延国では米が、イストモスやクルスベルグでは麦が食されています。
これは一体何故でしょう。
答えは簡単です。それは『翻訳精霊が、最もその物に近い単語を選択したから』なのです。
実際にはミズハミシマの昆米と日本のコメは近いものの全く異なる植物ですし、
イストモスやクルスベルグの銀麦も、地球の大麦や小麦とは異なります。
その他、ドニー・ドニーは海洋国家らしく主食の穀物の位置づけは存在しなかったり、
マセ・バズークのように蜜を主食と定める国もあり、この辺りは国によって扱いが様々です。

次に農作物について。
不思議に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実のところ異世界には地球にある作物とほぼ同等の物が揃っています。
トマトを食べたい?それではオルニテトマトを食べてください。
ジャガイモを食べたい?それならば洲豹果を食べればよろしい。
キャベツを食べたい?それならエルヴンリーフをオススメします。
とまあ、斯様に同じような野菜があるのです。
専門家ではないので、仮説として聞いていただきたいのですが、これは平行進化なのではないかという事です。
異なった種において似通った方向の進化が見られる現象を指す言葉ですが、世界を隔ててもそういった現象が起こったのではないかと。
もっと乱暴な事を言えば、これはヒトにも当てはまるのではないでしょうか。
地球人と亜人ではあまりに外見に隔たりがあるにも関わらず、性交渉、あるいはその先の繁殖まで可能だという事実がその証拠です。
話がそれてしまいましたが、一言でまとめれば、異世界も野菜が豊富に揃っているという事です。
特にエリスタリアでそれが顕著に見られます。神の方針がそれに適合したのでしょう。
オルニトも痩せた土地柄の割には農作物が豊富に揃っています。
ドニー・ドニーなどは国土に恵まれないにも関わらず、貿易を通じてむしろ野菜が豊富に流通しています。
ラ・ムールは気象の影響か沿岸部やオアシス以外ではあまり生鮮食品は流通せず、農作物に関しては香辛料が中心に流通しています。
流通量で言えば大延国の右に出る国はありません。食の大国の面目躍如ですね。

次に畜産業や漁業について。
先ほど話した農作物の例からすれば、当然ウシやウマに準じた生き物がいるだろうと想像できるかと思います。
そのものの生き物はいませんが、そのニッチにいる生き物は存在します。
翻訳上「竜」あるいは「獣」と呼ばれるグループの様々な生き物がそれにあたります。
この「竜」とは、亜神や古神の龍や竜とは異なる存在です。
無理やり地球の言葉になおせば、「恐竜」が最もニュアンスに近いと言えます。
家畜としての活用法については地球のそれに近いものがあります。
通称で「羊」と呼ばれる生き物は、イストモスに多く分布し、古くからケンタウロスや狗人に飼育されてきました。
「猪」は地球で言うブタにあたりますが、肉用として大延国を中心に飼育されています。
「牛」や「三刺竜」「剣竜」などは、肉用や労働力として古くから各国で飼育されてきたそうです。
ウマのような機動力ある生き物としては「ワイバーン」や「グリフォン」などがあげられます。
これもその姿から翻訳精霊が最も近いものをチョイスした名前となります。
漁業で得られる海の幸も、植物と同様に平行進化の末であろうか、地球に似通った生き物が豊富に存在します。
魚や貝などは、多少は姿形は異なるものの、そう違和感なく思える事でしょう。
もっとも、亜神ムーヴ・ディアークのような信じがたいほど巨大なものも海にはいるので、地球そのものという訳でも無さそうです。
さて、そろそろ講義の時間も終わりに差し掛かりました。
ここまでのところで何か質問はありませんか?
え?スラヴィアの食生活ですって?
なるほど。これはまったく今回の話では参考になりませんねぇ


  • 色んな国の色んな亜人が食卓で茶碗や箸でご飯を食べている様子を想像するとわむ -- (とっしー) 2012-10-16 02:07:36
  • 考察系のSSを並べていくとどんどん世界が見えてくる。かなり形ができあがってきたと思う -- (としあき) 2012-10-21 16:20:50
  • 「翻訳精霊」ってゲート神による翻訳加護を代行する精霊さんだよね。プチ神霊みたいなものかな? -- (名無しさん) 2012-10-30 20:30:19
  • 簡潔な異世界の紹介だが興味深い点はいくつかあった。地球における近いものに翻訳されるのはとても高性能なのでは? -- (名無しさん) 2013-02-16 18:01:07
  • 異世界の動植物はどういうもの?という疑問を簡潔に説明してくれました。翻訳加護の解釈と進化のあり方に思わず納得 -- (名無しさん) 2015-02-23 23:20:12
  • 翻訳加護ってイレゲ最大の御都合要素だなって思うんだけど不思議と違和感ないんだよね。ガタイの大きな種族は仕事量も大きいから食糧確保できてんのかな -- (名無しさん) 2015-07-29 00:41:05
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最終更新:2014年08月31日 01:52