499 名前:始末記[sage] 投稿日:2016/04/08(金) 06:41:24.32 ID:vQiTkTBh
「申し遅れました。
私は同委員会の事務局長を務めます青塚栄司と申します。」
「これはご丁寧にどうも。」
私は同委員会の事務局長を務めます青塚栄司と申します。」
「これはご丁寧にどうも。」
丸山一尉に名刺を渡してきたのは30代後半のスーツを来た中年だった。
小綺麗にしているので、若者達に混じっていても気が付かなかった。
但しその雰囲気はNGOの職員というより政治家の秘書のようだった。
そう値踏みする丸山の様子を察したのか、青塚は正体を明かす。
小綺麗にしているので、若者達に混じっていても気が付かなかった。
但しその雰囲気はNGOの職員というより政治家の秘書のようだった。
そう値踏みする丸山の様子を察したのか、青塚は正体を明かす。
「薄々、判っておられるようですが、私は同委員会を後援する参議院議員北村大地先生の私設秘書の一人でもあります。
同委員会に対するお目付け役でもあります。」
同委員会に対するお目付け役でもあります。」
北村議員は野党のタカ派の政治家である。
曰く、王国に対しての賠償の年貢取り立てが手緩い。
曰くケンタウルスとの紛争の犠牲者は交渉時における総督府の不手際が原因である
といった責任追求を訴えている人物である。
本人は親自衛隊議員らしいが、自衛隊側からは面倒な人物だと思われている。
曰く、王国に対しての賠償の年貢取り立てが手緩い。
曰くケンタウルスとの紛争の犠牲者は交渉時における総督府の不手際が原因である
といった責任追求を訴えている人物である。
本人は親自衛隊議員らしいが、自衛隊側からは面倒な人物だと思われている。
「なるほど、納得がいきました。
しかし、近藤先生のあの様子だと議員先生が後援するのにあまりメリットはなさそうですな。」
「さすがに我々も最初から上手くいくとは考えてませんでした。
議会制民主主義の前に大陸の住民の教育が先決なのは理解しています。
そこでまずは教育の行き届いた人間を就任させる自治体の長を住民の直接投票によって選挙する公選制の普及を第一段階だと考えています。
いずれは自治領主から規模に合わせて知事や市長と呼称も変えれるようにするのが理想です。」
「名前を変えれば入れ物が変わったと認識させやすいですからな。
例え単なる誤解でも。」
しかし、近藤先生のあの様子だと議員先生が後援するのにあまりメリットはなさそうですな。」
「さすがに我々も最初から上手くいくとは考えてませんでした。
議会制民主主義の前に大陸の住民の教育が先決なのは理解しています。
そこでまずは教育の行き届いた人間を就任させる自治体の長を住民の直接投票によって選挙する公選制の普及を第一段階だと考えています。
いずれは自治領主から規模に合わせて知事や市長と呼称も変えれるようにするのが理想です。」
「名前を変えれば入れ物が変わったと認識させやすいですからな。
例え単なる誤解でも。」
丸山の皮肉を込めた指摘に青塚も頷く。
否定する気は無いようだ。
否定する気は無いようだ。
「ですが最初の一回目はまだ帝国が崩壊した直後で日本に対する反発も大きく選挙妨害や投票所が衝撃されるなどと、選挙自体を中止して撤退するなど無様なものでした。」
丸山にも覚えがある。
皇都大空襲や帝国海軍の撃滅。
その後の掃討戦で多数の帝国貴族、士族、兵士達が死亡した。
その遺族達の反発の大きさが日本が大陸を間接統治、或いは割譲させた区域から大陸民の追放を決意させた理由でもある。
考えてみれば当然だ。
自分達の国を崩壊させた相手にいきなり好感を持つはずがない。
特に大陸西部は主戦派の有力貴族の多かった地域であり、皇都大空襲では皇都に多数の貴族やその私兵軍が集結していてそのまま帰ってこなかった。
主戦派貴族は多数改易され、融和派の多かった大陸東部の貴族を転封させて反日勢力の弱体化を試みている。
現状でこの地域の牽制は新香港に丸投げしている。
このような地域での第一回目の失敗は想定の範囲だったのだろう。
皇都大空襲や帝国海軍の撃滅。
その後の掃討戦で多数の帝国貴族、士族、兵士達が死亡した。
その遺族達の反発の大きさが日本が大陸を間接統治、或いは割譲させた区域から大陸民の追放を決意させた理由でもある。
考えてみれば当然だ。
自分達の国を崩壊させた相手にいきなり好感を持つはずがない。
特に大陸西部は主戦派の有力貴族の多かった地域であり、皇都大空襲では皇都に多数の貴族やその私兵軍が集結していてそのまま帰ってこなかった。
主戦派貴族は多数改易され、融和派の多かった大陸東部の貴族を転封させて反日勢力の弱体化を試みている。
現状でこの地域の牽制は新香港に丸投げしている。
このような地域での第一回目の失敗は想定の範囲だったのだろう。
「二回目の選挙はその翌年。
国王の勅命をもとに指定された男爵領で選挙が実施されました。
結果は男爵と腹違いの弟が当選しました。
しかし、結果に不満を持つ男爵が兵を率いて当選者とその支持者を襲撃し、血を血で洗う御家騒動に発展しました。
男爵も当選者も死亡し、男爵領はお取り潰しの憂き目に・・・
我々も抗争に巻き込まれて男爵領を脱出しました。」
国王の勅命をもとに指定された男爵領で選挙が実施されました。
結果は男爵と腹違いの弟が当選しました。
しかし、結果に不満を持つ男爵が兵を率いて当選者とその支持者を襲撃し、血を血で洗う御家騒動に発展しました。
男爵も当選者も死亡し、男爵領はお取り潰しの憂き目に・・・
我々も抗争に巻き込まれて男爵領を脱出しました。」
丸山一尉、だんだん聞くのが怖くなってきた。
「三回目は?」
「三回目はある意味成功したと言えるかもしれません。
当選したの光と正義の教団の司祭で、多数派の信者の支持のもと他教団の弾圧や改宗を求める法案を作り実行しました。
そして、やり過ぎました。
狂信者とその教団に抵抗する為に他の教団が団結。
宗教戦争が始まりました。
そんななか、邪悪と認定を受けた星と知恵の教団の司祭の娘が処刑されることになりました。
そこに颯爽と現れたのは領主を引退させられていた男爵の息子です。
光と正義の教団の司祭を剣で斬り捨て、親友の良識派の神官を光と正義の教団の司祭に就任させて事態を納めました。
そして、幼なじみの星と知恵の教団の少女と結婚。
跪く領民達の懇願により、領主として就任し、二人は幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし。」
当選したの光と正義の教団の司祭で、多数派の信者の支持のもと他教団の弾圧や改宗を求める法案を作り実行しました。
そして、やり過ぎました。
狂信者とその教団に抵抗する為に他の教団が団結。
宗教戦争が始まりました。
そんななか、邪悪と認定を受けた星と知恵の教団の司祭の娘が処刑されることになりました。
そこに颯爽と現れたのは領主を引退させられていた男爵の息子です。
光と正義の教団の司祭を剣で斬り捨て、親友の良識派の神官を光と正義の教団の司祭に就任させて事態を納めました。
そして、幼なじみの星と知恵の教団の少女と結婚。
跪く領民達の懇願により、領主として就任し、二人は幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし。」
「選挙って何だったんでしょうね。」
青塚は自分達の負の記録なのに興が乗ったのか語りたがりになっている。
「そして、極め付けが」
「あの、この話はまたの機会に。
そろそろ近藤先生が限界みたいです。
私も任務がありますので・・・」
「あの、この話はまたの機会に。
そろそろ近藤先生が限界みたいです。
私も任務がありますので・・・」
青塚の後ろから顔面蒼白で今にも気を失いそうな近藤女史がスタッフに支えられて連れ出されている。
「ああ、これは長話を失礼しました。
明日は住民代表を百名ばかり集めて説明会を行いますのでよろしくお願いします。
なにぶん毎回何故か選挙の度に紛争になってしまうので、総督府側が今回初めて貴方方を我々の付けたのですから。」
明日は住民代表を百名ばかり集めて説明会を行いますのでよろしくお願いします。
なにぶん毎回何故か選挙の度に紛争になってしまうので、総督府側が今回初めて貴方方を我々の付けたのですから。」
丸山一尉は苦虫を潰したような顔を隠さない。
今までの話はほとんど聞いたこともなかった。
大陸西部は新香港に丸投げしているところがあるが、さすがに紛争に発展していて総督府が把握していないはずがなかった。
今までの話はほとんど聞いたこともなかった。
大陸西部は新香港に丸投げしているところがあるが、さすがに紛争に発展していて総督府が把握していないはずがなかった。
『総督府もわざと隠しているのか?』
確証はなかった。
総督府は民主主義の影響を最小に抑える為にあまり交通の要所ではない過疎化した領土で選挙を行うよう指定している。
面倒だから当分帰ってくるなという意味でもある。
とにかく今は目の前の任務をこなさないといけない。
明日の説明会には住民の1%以上が集まるらしい。
警備に専念しなければならないだろう。
NGOの面々から解放された丸山一尉は砦の櫓に登って近くの村を眺める。
総督府は民主主義の影響を最小に抑える為にあまり交通の要所ではない過疎化した領土で選挙を行うよう指定している。
面倒だから当分帰ってくるなという意味でもある。
とにかく今は目の前の任務をこなさないといけない。
明日の説明会には住民の1%以上が集まるらしい。
警備に専念しなければならないだろう。
NGOの面々から解放された丸山一尉は砦の櫓に登って近くの村を眺める。
「隊長、我々は明日からどうしますか?
普通科以外は設営の任務が残ってますが我々は・・・」
普通科以外は設営の任務が残ってますが我々は・・・」
副隊長の福原二尉が尋ねてくる。
最低限の警備任務を除けば大半の隊員は暇だった。
最低限の警備任務を除けば大半の隊員は暇だった。
「そうだな・・・
明日は説明会の警備はあるが、明後日からは訓練と愛される自衛隊として近隣の住民と親睦を深めてくれ。
住民に何か手伝えることはないかと聞き出すことは忘れずにな。」
大陸西部での住民との親睦は大事な任務の一つだった。
明日は説明会の警備はあるが、明後日からは訓練と愛される自衛隊として近隣の住民と親睦を深めてくれ。
住民に何か手伝えることはないかと聞き出すことは忘れずにな。」
大陸西部での住民との親睦は大事な任務の一つだった。
アンフォニー
マイラ嬢を客人として迎えたアンフォニー代官所では、現在実施している開発地区の視察などの便宜を諮っていた。
いすゞのファーゴの後部座席にマイラとヒルダを乗せて、助手席の斉藤が解説をしている。
運転席にはこのアンフォニーで財務を担当している後藤が座っている。
ファーゴは二頭の馬に曳かれているので馭者の役割をしている。
後藤が同行しているのは決算が終わったばかりで一番暇だったからだ。
だがヒルダ達と御一緒出来るならこ褒美と嬉々としている。
いすゞのファーゴの後部座席にマイラとヒルダを乗せて、助手席の斉藤が解説をしている。
運転席にはこのアンフォニーで財務を担当している後藤が座っている。
ファーゴは二頭の馬に曳かれているので馭者の役割をしている。
後藤が同行しているのは決算が終わったばかりで一番暇だったからだ。
だがヒルダ達と御一緒出来るならこ褒美と嬉々としている。
さらにグルティア竜騎兵が2騎が護衛と監視に付いている。
結婚を嫌がるマイラが逃げ出さない為にだ。
だがとうのマイラは逃げ出すどころではなかった。
結婚を嫌がるマイラが逃げ出さない為にだ。
だがとうのマイラは逃げ出すどころではなかった。
「成功したらしたで既得権益とぶつかります。
その点、この地は新興の開拓地みたいなものですから、統治機関である我々の圧力でどうにかなります。
他の領地だったら社会構造とか常識的通念が立ち塞がってきます。
その意味では我々は運がよかった。」
その点、この地は新興の開拓地みたいなものですから、統治機関である我々の圧力でどうにかなります。
他の領地だったら社会構造とか常識的通念が立ち塞がってきます。
その意味では我々は運がよかった。」
暗に既存の利権との調整を怠ったマイラに対する指摘が二時間ばかり続いている。
すでに彼女は息をしていない。
すでに彼女は息をしていない。
「斉藤さん、もうそのへんで・・・マイラさんのHPはもう0です。」
後藤がたしなめてヒルダも止めに入る。
すでに白目を向いているマイラの顔を湿らしたハンカチで拭いてあげている。
すでに白目を向いているマイラの顔を湿らしたハンカチで拭いてあげている。
「さ、斉藤?
貴方、わりと他の娘には手厳しいのね。」
貴方、わりと他の娘には手厳しいのね。」
「はい、私はヒルダ様一筋ですので
ところでマイラ様は御自分のファンからスタッフを募らなかったので?
そうしたらもう少し忠告してくれる人間がいたと思いますが?」
ところでマイラ様は御自分のファンからスタッフを募らなかったので?
そうしたらもう少し忠告してくれる人間がいたと思いますが?」
気をとり直したマイラは反論する。
「日本人をスタッフとして連れていったら、それこそ既得権益とぶつかったわよ。
仮にも侯爵家。
格下げになってもプライドは無駄に高かったのよ。
新京にスタッフ置いても連絡を取る機械が持ち出せないじゃない。
手紙なら往復で1ヶ月掛かるわ。
まあ、最近はグルティアにも石和黒駒一家が叔父の食客に入って、盗賊ギルドを粛清してたわ。
彼等を通せばもう少し早くなるかもだけど、マッシモ叔父は私を追い出そうとする急先鋒よ。
繋ぎを取るなんて無理だわ。」
仮にも侯爵家。
格下げになってもプライドは無駄に高かったのよ。
新京にスタッフ置いても連絡を取る機械が持ち出せないじゃない。
手紙なら往復で1ヶ月掛かるわ。
まあ、最近はグルティアにも石和黒駒一家が叔父の食客に入って、盗賊ギルドを粛清してたわ。
彼等を通せばもう少し早くなるかもだけど、マッシモ叔父は私を追い出そうとする急先鋒よ。
繋ぎを取るなんて無理だわ。」
打開策を見つけることが出来ないうちに目的地に到着した。
「ここがアンフォニー炭鉱。
総督府からは二号炭鉱などと呼ばれてますがね。
他にも亜鉛と鉛の二号鉱山。
銅の三号鉱山がありますが、この二号炭鉱こそがアンフォニーでは最大の規模です。」
総督府からは二号炭鉱などと呼ばれてますがね。
他にも亜鉛と鉛の二号鉱山。
銅の三号鉱山がありますが、この二号炭鉱こそがアンフォニーでは最大の規模です。」
アンフォニー炭鉱は露天掘りが採用されている。
坑道を作らず地表から直接、地下に向かって掘り進める方式だ。
地表から渦を巻くように掘り進めている。
そして採掘された石炭を運ぶ為にレールが敷かれてトロッコで運び出されている。
そこでは日本人技術者の指導の元、大勢の大陸人が働いていた。
日本人の技術者は老齢の者が多い。
かつての炭鉱労働者達が第二の人生とばかりに家族を連れて、後進を育成しつつ再び採掘の仕事に就いたのだ。
坑道を作らず地表から直接、地下に向かって掘り進める方式だ。
地表から渦を巻くように掘り進めている。
そして採掘された石炭を運ぶ為にレールが敷かれてトロッコで運び出されている。
そこでは日本人技術者の指導の元、大勢の大陸人が働いていた。
日本人の技術者は老齢の者が多い。
かつての炭鉱労働者達が第二の人生とばかりに家族を連れて、後進を育成しつつ再び採掘の仕事に就いたのだ。
「炭鉱自体の利益は我々に供与されません。
ですがそこで働いている人間が得た収入が、生活を支える住宅、店舗、病院などに費やされます。
その利権はアンフォニーの財政を支える大事な収益になっています。」
ですがそこで働いている人間が得た収入が、生活を支える住宅、店舗、病院などに費やされます。
その利権はアンフォニーの財政を支える大事な収益になっています。」
トロッコから零れ落ちた石炭を眺めてマイラが驚嘆している。
「これが石炭。
いえ、見たことはあるのです。
鍛冶屋が使ってるのはグルティアでも同じですからね。
北部では薪のかわりに使われますし。
でもこれほど大規模に採掘されてるとは思いませんでした。」
いえ、見たことはあるのです。
鍛冶屋が使ってるのはグルティアでも同じですからね。
北部では薪のかわりに使われますし。
でもこれほど大規模に採掘されてるとは思いませんでした。」
ヒルダも同様に手に取っている。
深窓の令嬢方には縁の無かった光景だろう。
だが代官である斉藤や炭鉱で働く日本人技術者達には不満があった。
重機を持ち込むわけにはいかないので、屈強な男達がツルハシやシャベルで炭層を掘り崩してトロッコに積まれていく。
馬や人力によるトロッコの輸送力にも問題があるので、その改善も今後の課題だ。
火薬を使った爆砕も大陸技術流出法の規制に阻まれ行われていない。
斉藤の想定や技術者の経験より炭鉱の規模が大きくなっていないのだ。
マイラが連れてきた中型角竜ゲルダーを見て、竜にトロッコを曳かせるの有りだなと斉藤は考えていた。
グルティアは中型竜の数少ない生産地である。
経済が悪化しているグルティアからなら安く買い叩けるかもと画策している。
深窓の令嬢方には縁の無かった光景だろう。
だが代官である斉藤や炭鉱で働く日本人技術者達には不満があった。
重機を持ち込むわけにはいかないので、屈強な男達がツルハシやシャベルで炭層を掘り崩してトロッコに積まれていく。
馬や人力によるトロッコの輸送力にも問題があるので、その改善も今後の課題だ。
火薬を使った爆砕も大陸技術流出法の規制に阻まれ行われていない。
斉藤の想定や技術者の経験より炭鉱の規模が大きくなっていないのだ。
マイラが連れてきた中型角竜ゲルダーを見て、竜にトロッコを曳かせるの有りだなと斉藤は考えていた。
グルティアは中型竜の数少ない生産地である。
経済が悪化しているグルティアからなら安く買い叩けるかもと画策している。
「斉藤、また悪い顔してるわね。」
「また悪いこと考えてるんですよきっと。」
「意地悪そうだものね、あの人。」
「また悪いこと考えてるんですよきっと。」
「意地悪そうだものね、あの人。」
ヒルダ、後藤、マイラからの評価は散々だった。
この炭鉱から運び出された石炭はドン・ペドロ火力発電所で使用される。
ドン・ペドロ火力発電所は、百済、スコータイ、ブリタニア、呂栄、サイゴン、ドン・ペドロ、アルベルトの地球系南部7都市に電力を供給している。
ドン・ペドロ火力発電所は、百済、スコータイ、ブリタニア、呂栄、サイゴン、ドン・ペドロ、アルベルトの地球系南部7都市に電力を供給している。
「この炭鉱だけでは要求される供給を満たせていません。
重機や火薬の規制が生産量の拡大を妨げています。」
重機や火薬の規制が生産量の拡大を妨げています。」
斉藤がヒルダに目配せすると、ヒルダがマイラの手を取った。
「だからマイラも五月に百済で行われる地球系国家首脳会議通称『G9』、今年からは『G10』だったかしら?
貴方も私達と参加するのよ。」
貴方も私達と参加するのよ。」
首脳間の交渉だけでなく、せっかく集まる首脳や閣僚、高級官僚達と繋がりを持ちたい貴族や商人達も集まってくる。
ヒルダ達もそれに混じるつもりだった。
目標は大陸技術流出法の規制の緩和を各都市国家や各貴族に働き掛けて連携し、日本に圧力を掛けることだった。
ヒルダ達もそれに混じるつもりだった。
目標は大陸技術流出法の規制の緩和を各都市国家や各貴族に働き掛けて連携し、日本に圧力を掛けることだった。