自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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44 名前:F世界猿 投稿日: 2004/06/18(金) 21:08 [ qUq6iUEM ]

    それから何時間たったであろうか、数日とも、数年とも感じられるような時間であった。
    しかし時計は星が消えたその瞬間から時間が一秒もたっていないことを表していた。
    残酷にも人間の文明においてありえないことを文明の粋が証明したのだ。

45 名前:F世界猿 投稿日: 2004/06/18(金) 21:09 [ qUq6iUEM ]
    この事故に自衛隊員達は実戦を経験していない危機に弱い部隊と散々馬鹿にされてきた自衛隊の今までの風評を覆し、比較的おちついて対処した。
    しかしそれも自衛隊史上、いや、人類史上初めての経験に疲れ切った彼らにはどうでも良いことであった。
    空には星が戻り、狩野の元にもレーダーの復帰などの明るい報告が次々と飛び込んできた。
    先ほど宮野も隊員達の労をねぎらうために艦橋から出て行った。
    「レーダー類回復しました。」
    「僚艦、全艦健在!死傷者はなし!」
    狩野は安堵のため息をついた、仲間が無事、これほど喜ばしいことはあるまい。
    まあ福地だけが極度の興奮と恐怖で失神してしまったが。

46 名前:F世界猿 投稿日: 2004/06/18(金) 21:09 [ qUq6iUEM ]
    「まだ衛星は回復しないのか?」
    「はい、というよりもまったく反応がありません。」
    もう慣れてしまったのかまったく事務的に言うCIC。
    「と言うことは当然GPSも―――」
    「使えません。」
    狩野が言い終えるよりも早く言われ狩野は苦笑し、艦橋内には笑いが起こった。
    しかしそう笑ってばかりもいられない、GPSが使えないのだ。

47 名前:F世界猿 投稿日: 2004/06/18(金) 21:10 [ qUq6iUEM ]
    「とりあえず本国に連絡する―――」
    「司令、本国、佐世保基地から通信です。」
    ―今日はずいぶんと先手を取られる日だな―
    と思いつつも本国が無事なことに安堵する。嵐で片付けるには大規模だが何かの間違いだったのだろう。
    「はい、イージス艦「こんごう」艦長、狩野海将補です。」
    「狩野海将補か、そちらは無事か!?」
    「はい、日本でも何かあったのですか?」
    「いや、それが―――」
    基地からの通信を要約するとこうであった。
    ・本土でも艦隊と同じように真っ暗闇に閉ざされた。
    ・戻ったは良いが急に海外との連絡が取れなくなった。
    ・日本領空内の飛行機は向こうの管制官の応答も無いのでとりあえず戻した。
    ・海上保安庁に見回らせているが日本領海内は特に異変は無い。
    ・衛星の反応が無い(こちらも知っている)
    ・急に大規模な核戦争でも起こったのかと思ったが、放射能の反応も無い。
    ・そして

48 名前:F世界猿 投稿日: 2004/06/18(金) 21:10 [ qUq6iUEM ]
    「そして?」
    「そちらでも分かるはずだ、空を見てみたまえ。」
    「は?」
    空に星は戻ってきた、とい報告を受けている、何を今更、と言うものなのだが。
    「し、司令!」
    沈黙の巨獣、と一部部下の間で呼ばれてさえいる宮野が慌てたような声を上げる。
    「どうしたのかね宮野副長。」
    「それが甲板に出たところ…」
    動揺を抑えきれないと言った調子で宮野は続けた。
    「月が、血のように赤いのです、そして自分は天体観測が趣味なのですが…。」
    月が紅いことよりもこの巨体が天体観測が趣味と言うほうが意外なのだが。…と思わず声に出しそうになる。
    「星座が一つも一致しないどころか北極星すらありません!」
    「そうか。」
    立て続けに起こる信じられない事態に対し急に冷静になってきた自分を感じる狩野であった

49 名前:F世界猿 投稿日: 2004/06/18(金) 21:10 [ qUq6iUEM ]
    「そちらでも見たようだな。」
    「はい。それでこの事態に対する政府の結論は?」
    夜で民衆の間で大規模な騒ぎになっていないのが唯一の救いだが、と前置きして次の言葉は紡がれた。

    「内閣は、この日本は地球以外のどこかに転移した。と言う結論を出した。」

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