703 名前:F猿 (BfxcIQ32) 投稿日: 2004/10/24(日) 23:30 [ kHqoVL5Q ]
投下終了です。
戦争編はそろそろかな…。
ついでに700ゲトー。
ご意見ご感想お待ちしております。
704 名前:S・F (7jLusqrY) 投稿日: 2004/10/25(月) 02:53 [ MSZ8PKC. ]
軽空母計画再始動キター!そしてキリ番アンド佐藤えらい!
恋愛劇はクライマックスの直前直後が一番。つまり今はまだ動く時ではない。
と言うわけで、ナイスストッパー佐藤。
フィリッピンが本来あるべき辺りに、日本とも「世界」とも全く異質な文明の
島が並んでいる・・・いいなあ。でもその辺の地図はどうなってるんでしょ?
国と戦争の板挟み、初期の頃曖昧に付いていったのが、こんな結果を生むとは。
セフェティナはまあ前線には出ないだろうけど、魔法戦担当なんだろうか?
705 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/25(月) 03:05 [ EXfmuxps ]
話の流れを読んでいないが人魚なんて出てこないかな?
706 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/25(月) 07:14 [ K1U79z9M ]
彼女の役割は対魔法アドバイザーなんでないの?
707 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/25(月) 09:39 [ K1U79z9M ]
長い休みから復活していつもの投稿ペースに戻ってきましたね。
何はともあれおめでとーございます。
708 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 18:56 [ q1rA4c46 ]
自衛隊とはあまり関係無いので、少々場所をお借りします。
こんな現象、あったら嫌だ
「雨、か。珍しいな」
テントを叩く軽い音を聞きつけ、三浦は装備の手入れをする手を止めた
開け放したテントの入口から、たっぷりと水気を含んだ風が吹き込んできた。
津波の傷跡がまだ生々しい森の、それでも徐々に回復してきた緑が雨粒を受け止め、集めて地面に落とす。
まだほんの2ヶ月ほどしか経っていないと言うのに、森林の回復力はめざましい。
日本の植生では考えられないほどの速度で、生長を続けている。
植物のサンプルを持って帰った学者達が、その耐久力に目を見張ったほどだ。
・・・・さすがに、『強酸にも殆ど侵されない強靭な物質に覆われている』とか、
『若葉の表皮細胞に大量の強アルカリを含む』というのは何かの間違いだろうが。
野営地となった広場には、しとしとと銀の軌跡を描いて、空から水滴が落ちてくる。
世界が変わっても、そう言った自然現象は変わらないらしい。
・・・・向こうに比べれば、大幅に頻度が落ちている。
こちらの世界に呼び込まれてから、数回しか雨天を経験していない。
709 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 18:58 [ q1rA4c46 ]
「客人、何か手伝える事は無いか?」
ぬっ、と藁の塊のような物が三浦の目の前に突き出された。
思わず仰け反ってしまったが、よくよく見ればこの世界の原住民の一人だ。
好奇心が強いのか、毎日の様に野営地を訪れる。
『何か手伝える事は無いか』と訊き回って断られ、尻尾を垂らして帰っていく姿を良く見かける。
・・・・その外見と行動とがあいまって、まるで犬のようだと隊員達に噂されているようだ。
立派な毛皮を持つせいか、あまり衣服という物を身に着けない彼らでも、雨に濡れるのは嬉しくないらしい。
今日は、蓑のような作りの雨具を身に着けていた。頭には、しっかりと笠に良く似た物を被っている。
一見藁を大雑把に束ねただけに見えるが・・・・、実際もその通りだったりする。
元々の植物が油分を多く含む為、防水性は中々に高い。
もっとも、含まれる油分のせいで大変燃えやすいのだが。
それに、がさがさと騒がしい事この上ない。
「特には、無いな」
三浦のにべも無い返答に、原住民はあっさりと踵を返した。
断られるのはもう既に慣れっこになっているようだ。
野営地に出入りしている間に覚えたのか、日本語でのコミュニケーションにも怪しい所は無い。
ふと、原住民が足を止めた。額の、複眼のような器官が雨雲を通した弱い日光を反射する。
「(言語形態が異なる為、表記不可)ん、伝える」
・・・・この世界の原住民は、なにやらデンパを受信できるらしい。
「もう既に知っているかもしれないが。これからの季節、たまに『痛い雨』が降る。
出来る限り、森の中、大きな木の下に居た方が良い」
一気にまくし立てると、原住民は再び歩き出した。
森の中に入ると、あっという間にその姿は見えなくなる。
「痛い雨? 一体何の事だ?」
三浦の疑問が解消されたのは、早くもその翌々日の事である。
710 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 19:01 [ q1rA4c46 ]
原住民の勧めどおりに野営地を移したのは、翌日の午前中。
野営地としていた広場のすぐ脇、森の中の下生えを刈り取って、無理矢理場所を作っての事。
まるで日本人が神でもある様に崇拝して来る原住民が、わざわざ忠告してきたのだ。
何か、もっともな理由があるのだろう。・・・・理由の説明は、まったく無かったが。
当然ながら、森の中には車両まで置くような場所の余裕が無い。
木を切り倒してしまえば駐車スペースも出来るだろうが、それでは森の中に入る意味が無くなってしまう。
今まで通り、昨日までの野営地に止めておく事になった。
そして、夜半。再びの降雨があったらしい。当直の者達が、交代の時にそう伝えてきた。
もっとも、森の中の野営地から出る事も無く、密生した木の葉に当たる雨音を聞いただけのようだが。
朝には、からりと晴れ上がっていた。
「森の中なら、雨具は必要無いかも知れないな」
そんな声を聞きながら、車を止めてあったはずの広場に向かう。
この森には、大きな生き物も居らず危険は少ない、はずであった。
広場にあったのは、車両の残骸、としか呼べないものだった。
まるで、何年間も放置されていたかのように、ぼろぼろにサビを浮かせている。
広場のあちこちには、異臭を放つ緑色の水溜りが出来ていた。
手入れの悪い水槽のように気味の悪い暗い緑に濁った水が、赤茶けた粘土質の土の上に溜まっている。
車両の方から流れてきたらしいサビ混じりの水と混ざり、名状しにくい色になっている物も多い。
「何だ、こりゃ?」
水に触れないよう注意しながら、得体の知れない水溜りを覗き込む。
つん、と鼻を突いた臭いは、何処と無く酢に似ていた。
合成酢をうっかり口に含んでしまった時よりも強い刺激が、舐めた訳でも無いのに口と鼻を直撃する。
「検査キット持って来ました!」
ガサガサと音を立てて、水質検査キットを開封する。
その水が、飲料水に適しているかどうかを調べる為の物だ。
・・・・どう見ても、体に良く無さそうなこれに使うのは気が引けるが、
他に水質検査に使える物が無いのだから仕方が無い。
711 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 19:02 [ q1rA4c46 ]
検査結果は、『強酸』。流石に、キットを用いた簡易検査ではその種類までは判らないが。
奇妙な事に、うっかり触れれば火傷してしまうような酸の中に、
藻のような苔のような黴のような、青緑の綿状の物が浮いている。
やはり植物の類らしく、サンプルを採取している間にも、急速にその体積を増やしていた。
水を吸って膨れている訳ではない。
棒状の物で引っ掛け、出来るだけ水気を切ってから入れたはずのスクリュー瓶の中でも、
いまだに生長を続けているのだから。
「今日はまた、随分と降ったなぁ」
場違いに暢気な声がした。がさがさと、原住民の雨具が擦れる音と共に。
わらわらと、森の中から沸くように現れた原住民の集団が、
手にした長い木の枝を箸のように使って黴の様な物を採取する。
「これは、一体?」
今の事態に対してなのか、この正体不明の『黴の様な物』に対してなのか。
自衛官達の中から質問が飛んだ。
「えーっと。『薬のコケ』で、意味あってるかな?」
彼らにとっての、薬草の一種であるらしい。
季節風に乗って飛んだ胞子が、雨雲の中で水分を得て増殖し、
地上に落ちてくるのだと説明した。
「何日か川で晒して、酒につけておくんだ。そのまま触ると、痛いけど」
・・・・どうやら、酸性雨の原因はこれのようだ。
712 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 19:06 [ q1rA4c46 ]
と、言う訳で。
『F世界に酸性雨が降るとしたら、その原因は何か?』を考えてみました。
降るんだったら、それに適応した植物があっても面白いかな、と。
森の中で酸性雨による被害が出なかったのは、樹冠部分のアルカリ性の葉っぱのおかげ、と。
713 名前:F猿 (BfxcIQ32) 投稿日: 2004/10/26(火) 01:06 [ kHqoVL5Q ]
どうも卓ゲ氏、いらっしゃいませ。
それにしても車も溶ける雨…ガクガクブルブル
さて、投下でもしましょうかね…。
投下終了です。
戦争編はそろそろかな…。
ついでに700ゲトー。
ご意見ご感想お待ちしております。
704 名前:S・F (7jLusqrY) 投稿日: 2004/10/25(月) 02:53 [ MSZ8PKC. ]
軽空母計画再始動キター!そしてキリ番アンド佐藤えらい!
恋愛劇はクライマックスの直前直後が一番。つまり今はまだ動く時ではない。
と言うわけで、ナイスストッパー佐藤。
フィリッピンが本来あるべき辺りに、日本とも「世界」とも全く異質な文明の
島が並んでいる・・・いいなあ。でもその辺の地図はどうなってるんでしょ?
国と戦争の板挟み、初期の頃曖昧に付いていったのが、こんな結果を生むとは。
セフェティナはまあ前線には出ないだろうけど、魔法戦担当なんだろうか?
705 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/25(月) 03:05 [ EXfmuxps ]
話の流れを読んでいないが人魚なんて出てこないかな?
706 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/25(月) 07:14 [ K1U79z9M ]
彼女の役割は対魔法アドバイザーなんでないの?
707 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/25(月) 09:39 [ K1U79z9M ]
長い休みから復活していつもの投稿ペースに戻ってきましたね。
何はともあれおめでとーございます。
708 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 18:56 [ q1rA4c46 ]
自衛隊とはあまり関係無いので、少々場所をお借りします。
こんな現象、あったら嫌だ
「雨、か。珍しいな」
テントを叩く軽い音を聞きつけ、三浦は装備の手入れをする手を止めた
開け放したテントの入口から、たっぷりと水気を含んだ風が吹き込んできた。
津波の傷跡がまだ生々しい森の、それでも徐々に回復してきた緑が雨粒を受け止め、集めて地面に落とす。
まだほんの2ヶ月ほどしか経っていないと言うのに、森林の回復力はめざましい。
日本の植生では考えられないほどの速度で、生長を続けている。
植物のサンプルを持って帰った学者達が、その耐久力に目を見張ったほどだ。
・・・・さすがに、『強酸にも殆ど侵されない強靭な物質に覆われている』とか、
『若葉の表皮細胞に大量の強アルカリを含む』というのは何かの間違いだろうが。
野営地となった広場には、しとしとと銀の軌跡を描いて、空から水滴が落ちてくる。
世界が変わっても、そう言った自然現象は変わらないらしい。
・・・・向こうに比べれば、大幅に頻度が落ちている。
こちらの世界に呼び込まれてから、数回しか雨天を経験していない。
709 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 18:58 [ q1rA4c46 ]
「客人、何か手伝える事は無いか?」
ぬっ、と藁の塊のような物が三浦の目の前に突き出された。
思わず仰け反ってしまったが、よくよく見ればこの世界の原住民の一人だ。
好奇心が強いのか、毎日の様に野営地を訪れる。
『何か手伝える事は無いか』と訊き回って断られ、尻尾を垂らして帰っていく姿を良く見かける。
・・・・その外見と行動とがあいまって、まるで犬のようだと隊員達に噂されているようだ。
立派な毛皮を持つせいか、あまり衣服という物を身に着けない彼らでも、雨に濡れるのは嬉しくないらしい。
今日は、蓑のような作りの雨具を身に着けていた。頭には、しっかりと笠に良く似た物を被っている。
一見藁を大雑把に束ねただけに見えるが・・・・、実際もその通りだったりする。
元々の植物が油分を多く含む為、防水性は中々に高い。
もっとも、含まれる油分のせいで大変燃えやすいのだが。
それに、がさがさと騒がしい事この上ない。
「特には、無いな」
三浦のにべも無い返答に、原住民はあっさりと踵を返した。
断られるのはもう既に慣れっこになっているようだ。
野営地に出入りしている間に覚えたのか、日本語でのコミュニケーションにも怪しい所は無い。
ふと、原住民が足を止めた。額の、複眼のような器官が雨雲を通した弱い日光を反射する。
「(言語形態が異なる為、表記不可)ん、伝える」
・・・・この世界の原住民は、なにやらデンパを受信できるらしい。
「もう既に知っているかもしれないが。これからの季節、たまに『痛い雨』が降る。
出来る限り、森の中、大きな木の下に居た方が良い」
一気にまくし立てると、原住民は再び歩き出した。
森の中に入ると、あっという間にその姿は見えなくなる。
「痛い雨? 一体何の事だ?」
三浦の疑問が解消されたのは、早くもその翌々日の事である。
710 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 19:01 [ q1rA4c46 ]
原住民の勧めどおりに野営地を移したのは、翌日の午前中。
野営地としていた広場のすぐ脇、森の中の下生えを刈り取って、無理矢理場所を作っての事。
まるで日本人が神でもある様に崇拝して来る原住民が、わざわざ忠告してきたのだ。
何か、もっともな理由があるのだろう。・・・・理由の説明は、まったく無かったが。
当然ながら、森の中には車両まで置くような場所の余裕が無い。
木を切り倒してしまえば駐車スペースも出来るだろうが、それでは森の中に入る意味が無くなってしまう。
今まで通り、昨日までの野営地に止めておく事になった。
そして、夜半。再びの降雨があったらしい。当直の者達が、交代の時にそう伝えてきた。
もっとも、森の中の野営地から出る事も無く、密生した木の葉に当たる雨音を聞いただけのようだが。
朝には、からりと晴れ上がっていた。
「森の中なら、雨具は必要無いかも知れないな」
そんな声を聞きながら、車を止めてあったはずの広場に向かう。
この森には、大きな生き物も居らず危険は少ない、はずであった。
広場にあったのは、車両の残骸、としか呼べないものだった。
まるで、何年間も放置されていたかのように、ぼろぼろにサビを浮かせている。
広場のあちこちには、異臭を放つ緑色の水溜りが出来ていた。
手入れの悪い水槽のように気味の悪い暗い緑に濁った水が、赤茶けた粘土質の土の上に溜まっている。
車両の方から流れてきたらしいサビ混じりの水と混ざり、名状しにくい色になっている物も多い。
「何だ、こりゃ?」
水に触れないよう注意しながら、得体の知れない水溜りを覗き込む。
つん、と鼻を突いた臭いは、何処と無く酢に似ていた。
合成酢をうっかり口に含んでしまった時よりも強い刺激が、舐めた訳でも無いのに口と鼻を直撃する。
「検査キット持って来ました!」
ガサガサと音を立てて、水質検査キットを開封する。
その水が、飲料水に適しているかどうかを調べる為の物だ。
・・・・どう見ても、体に良く無さそうなこれに使うのは気が引けるが、
他に水質検査に使える物が無いのだから仕方が無い。
711 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 19:02 [ q1rA4c46 ]
検査結果は、『強酸』。流石に、キットを用いた簡易検査ではその種類までは判らないが。
奇妙な事に、うっかり触れれば火傷してしまうような酸の中に、
藻のような苔のような黴のような、青緑の綿状の物が浮いている。
やはり植物の類らしく、サンプルを採取している間にも、急速にその体積を増やしていた。
水を吸って膨れている訳ではない。
棒状の物で引っ掛け、出来るだけ水気を切ってから入れたはずのスクリュー瓶の中でも、
いまだに生長を続けているのだから。
「今日はまた、随分と降ったなぁ」
場違いに暢気な声がした。がさがさと、原住民の雨具が擦れる音と共に。
わらわらと、森の中から沸くように現れた原住民の集団が、
手にした長い木の枝を箸のように使って黴の様な物を採取する。
「これは、一体?」
今の事態に対してなのか、この正体不明の『黴の様な物』に対してなのか。
自衛官達の中から質問が飛んだ。
「えーっと。『薬のコケ』で、意味あってるかな?」
彼らにとっての、薬草の一種であるらしい。
季節風に乗って飛んだ胞子が、雨雲の中で水分を得て増殖し、
地上に落ちてくるのだと説明した。
「何日か川で晒して、酒につけておくんだ。そのまま触ると、痛いけど」
・・・・どうやら、酸性雨の原因はこれのようだ。
712 名前:卓ゲ板から(略 (j0AhRKAw) 投稿日: 2004/10/25(月) 19:06 [ q1rA4c46 ]
と、言う訳で。
『F世界に酸性雨が降るとしたら、その原因は何か?』を考えてみました。
降るんだったら、それに適応した植物があっても面白いかな、と。
森の中で酸性雨による被害が出なかったのは、樹冠部分のアルカリ性の葉っぱのおかげ、と。
713 名前:F猿 (BfxcIQ32) 投稿日: 2004/10/26(火) 01:06 [ kHqoVL5Q ]
どうも卓ゲ氏、いらっしゃいませ。
それにしても車も溶ける雨…ガクガクブルブル
さて、投下でもしましょうかね…。