自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

短編『油井を視察』

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Turo428

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戦略資源開発庁長官は、神賜島第一油田にある油井を視察していた。
「開発は順調のようだな」
「まだ設備は不完全で、吸い上げる量も限られていますが、あと1~2ヶ月もすれば開発は軌道に乗るでしょう」
「当面は原油を本国に輸送しての生産になりますが、いずれは神賜島で
 重油やガソリンの生産も可能なように設備を拡張していきます」
「石油の品質面ではどうかな?」
「非常に良質の石油ですね。本国の精錬設備の問題もありますから、
 ガソリンなどもアメリカ製の最高品質とまでは行きませんが」
「ほう、92オクタンガソリンも楽に手に入るかな」
「92オクタンならばすぐにも。国内の精錬設備の技術開発が進めば、恒常的に
 95オクタン以上も狙えるでしょう。100オクタンガソリンの量産も夢ではありません。
 既に研究室レベルでは、100オクタンを超える新型ガソリンの研究も行われています。
 10年後くらいまでには、110から120オクタンのガソリンもある程度量産の目途が付くかと」
「それは大いに結構。戦略資源開発には政府も支出を惜しまないだろうだろうからな」
「その点は助かります。何せ、ゼロからの油田開発は莫大な費用がかかりますから」
「うむ。それは私も重々承知だ。引き続き、油田の開発に尽力して欲しい」
「はい、長官!」

戦略資源開発庁長官は考える。
この島には石油や石炭は勿論、金属資源や宝石類、天然ゴムが腐るほどある。
資源の消費量が跳ね上がる戦時を基準にしても、100年や200年では使いきれないほどの量だ。
「天佑と言わずして、何と形容すれば良いやら……」
近いうちに鉄道も敷かれる事が決定している。
大規模港湾設備の建設にも、数社が競争入札している。
資源開発が順調に進めば、軍需だけでなく民需も大いに潤うだろう。
産業の米とも言われる鉄鉱石や、血液とも形容される石油が無尽蔵にあるのだ。
レアメタルも豊富だ。プラチナやタングステン、さらに最近になってウランの埋蔵も確認された。

ウラン、それは原子核分裂を使用した高性能爆弾の実用化に不可欠な元素だった……。





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