終了条件1 「累」からの逃走 自動達成
終了条件2 「磯崎蘭」との合流
終了条件2 「磯崎蘭」との合流
強い吐き気がする。
苦しい、辛い、頭の中に、蛇が入ってくるような……
目が開けられない。開けても黒一色しかない。閉じて擦っても、なんの光もまたたかない。
ダメだ――意識が――のたうつ――
「ここは……」
殴られたように割れる頭を振りかぶりながら、磯崎蘭は木にもたれかかっていた。
ふらつきながらもなんとか二本の足で立ち、辺りを見渡す。
誰もいない。
「おーい!」と叫ぼうと口を開き、張りついたような喉の痛みに遮られ、しかしそれにより声を出すのをやめることが間に合う。
まだ意識は混濁しているが、「殺し合い」という言葉は、蘭の記憶にこびりついていた。
ふらつきながらもなんとか二本の足で立ち、辺りを見渡す。
誰もいない。
「おーい!」と叫ぼうと口を開き、張りついたような喉の痛みに遮られ、しかしそれにより声を出すのをやめることが間に合う。
まだ意識は混濁しているが、「殺し合い」という言葉は、蘭の記憶にこびりついていた。
(大きな声を出すのはダメだよね……でも。)
はっ、はっ、と荒れていた息を深呼吸でなだめながら、自分の置かれた状況を考える。まだよく回らない頭で行うそれは痺れるような頭痛を起こしたけれど、蘭は一つずつ落ち着いて考えようと努めた。
(さっきの感じは、タイムスリップとかの感じとはちょっと違う。どっちかっていうと瞬間移動の方が近かったかな。)
(うん。『さっきの』はタイムスリップじゃない。『その前の』がタイムスリップみたいだった。)
(思い出さなきゃ……私は、この景色を見たことがある気がする。そうだ! メモを取ろう。なにか書くものは……あ、あった! メモ? えーっと、『装備:商品NO.0 "大砲" 場所:作業小屋 説明:全長5.34メートル。重量18トン。口径890ミリメートル。速度約500メートル毎秒。砲弾装填済み。後部の導火線に着火するとこで発射可能。』……たぶん重要なものなのかな。)
(このメモからなにか読み取れないかな……うわっ! なに、これ、強い、嫌な感情が……)
(うん。『さっきの』はタイムスリップじゃない。『その前の』がタイムスリップみたいだった。)
(思い出さなきゃ……私は、この景色を見たことがある気がする。そうだ! メモを取ろう。なにか書くものは……あ、あった! メモ? えーっと、『装備:商品NO.0 "大砲" 場所:作業小屋 説明:全長5.34メートル。重量18トン。口径890ミリメートル。速度約500メートル毎秒。砲弾装填済み。後部の導火線に着火するとこで発射可能。』……たぶん重要なものなのかな。)
(このメモからなにか読み取れないかな……うわっ! なに、これ、強い、嫌な感情が……)
服のポケットにいつの間にか入っていたメモを手のひらに包み込み意識を集中させる蘭の額に、汗が浮く。
蘭のテレパシーは紙から不穏な気配を感じた。
蘭のテレパシーは紙から不穏な気配を感じた。
(あんまり触らないようにしよう。それよりメモだよメモ。えっと、ペン、ペン……筆箱とか持ってないよ。しょうがない、そのへんの石で。)
蘭はメモの裏に記憶を書いた。夢の中のことのようにおぼろげで書きながらもすぐに忘れていってしまうのを、急いで書く。
『6時に放送があって、翠が死んだって言ってた』
『森の中でクマに襲われた』
『学校で能力者の男の子に襲われた』
『体育館で男の人が死んでた』
『森の中でクマに襲われた』
『学校で能力者の男の子に襲われた』
『体育館で男の人が死んでた』
「えっと他には……うわー、思い出せないや。どんどん忘れていっちゃってる。」
蘭は頭をわしゃわしゃとすると難しい顔でメモを見返した。
「とにかくまずは翠を探さないと。森には入るとクマがいるから、この道を……こっちに行こう!」
自分を励ますように元気な声を出すと、蘭は林道を歩き始めた。
さて──実のところ、彼女は普通の人間ではない。
いわゆるエスパーと呼ばれる人種が彼女だ。そういう意味では、オープニングでツノウサギに反抗した東方仗助に近いものがある。事実、彼女には《クレイジー・ダイヤモンド》が見えていた。彼ほどには戦闘に長けもヴィジョンを生じさせるような超能力でもないものの、ことテレパシー能力に関しては彼女は非凡なものを持っている──そのせいで会場にも広がる赤い霧から主催者側の悪意を無意識に読み取ってしまいストレスを受けてもいるのだが。
そしてそんな彼女だからこそ、時間が巻き戻ったことに感づいた。
強いデジャブと、同じ行動をとったことが、霞んでいく記憶を繋ぎ止めた。そして一度思い出せば、断片的だがハッキリと定着する。
翠が死ぬ。
そう放送では言っていた。
本当かどうかはわからない。でも、そう言われたらすることは決まっている。翠を助ける。そのために、過去の未来を変える。
蘭は己の感覚に従いメモに書いてあった小屋とは反対方向へと歩く。
数分ほど歩いて出会ったのは、前のループでは蘭を追うも見失った富竹ジロウだった。
互いに姿を認めても、軽く会釈しただけで特に急ぐこともなく歩いて近づいた。
いわゆるエスパーと呼ばれる人種が彼女だ。そういう意味では、オープニングでツノウサギに反抗した東方仗助に近いものがある。事実、彼女には《クレイジー・ダイヤモンド》が見えていた。彼ほどには戦闘に長けもヴィジョンを生じさせるような超能力でもないものの、ことテレパシー能力に関しては彼女は非凡なものを持っている──そのせいで会場にも広がる赤い霧から主催者側の悪意を無意識に読み取ってしまいストレスを受けてもいるのだが。
そしてそんな彼女だからこそ、時間が巻き戻ったことに感づいた。
強いデジャブと、同じ行動をとったことが、霞んでいく記憶を繋ぎ止めた。そして一度思い出せば、断片的だがハッキリと定着する。
翠が死ぬ。
そう放送では言っていた。
本当かどうかはわからない。でも、そう言われたらすることは決まっている。翠を助ける。そのために、過去の未来を変える。
蘭は己の感覚に従いメモに書いてあった小屋とは反対方向へと歩く。
数分ほど歩いて出会ったのは、前のループでは蘭を追うも見失った富竹ジロウだった。
互いに姿を認めても、軽く会釈しただけで特に急ぐこともなく歩いて近づいた。
「こんばんは。すみません、ちょっといいですか?」
「こんばんは、っていうのもなんだかおかしいな。僕は富竹。フリーのカメラマンさ。」
「磯崎蘭です。それで、ちょっと変なことを聞いちゃうんですけど。」
「殺し合い……って、私達でする……わけないですよね?」
「こんばんは、っていうのもなんだかおかしいな。僕は富竹。フリーのカメラマンさ。」
「磯崎蘭です。それで、ちょっと変なことを聞いちゃうんですけど。」
「殺し合い……って、私達でする……わけないですよね?」
蘭の期待するような声に、富竹は一瞬口を開きかけすぐに告げた。
「残念だけど、これは現実らしい。どんな存在かはわからないが、僕達に殺し合いをさせたいようだよ。もちろん、僕にそんな気はないけどね。」
「私もです、富竹さん。」
「私もです、富竹さん。」
富竹の言葉に曇った蘭の顔が、すぐに明るいものになった。
「殺し合いなんて、したくてする人いないですよね。私、この殺し合いを止めたいんです。何ができるかはわかんないけど、でもイヤなんです。初めて会った人にこんなこと言うのは変かもしれないですけど、私と一緒にこんなことを止めるのを手伝ってもらえませんか?」
まさかいきなりこんな子に会うとはと、富竹は心の中で思った。
奇妙なデジャブに従い道を歩いていたが、途中で彼女を見つけたときは驚いた。背格好から知り合いの子供たちを想像して、別人だと気づいてからも保護するために蘭と接触したが、富竹が言いたかったことをだいたい全部言ってくれた。
奇妙なデジャブに従い道を歩いていたが、途中で彼女を見つけたときは驚いた。背格好から知り合いの子供たちを想像して、別人だと気づいてからも保護するために蘭と接触したが、富竹が言いたかったことをだいたい全部言ってくれた。
「もちろんだよ。いやあ、色々説得する言葉を考えてたけれど、そうさ、殺し合いなんてしたくてする人はいないさ。君みたいに真っ直ぐ思いを伝えれば、同じ気持ちになってくれる人も増えそうだ。僕はついていくよ。パニックで話を聞けない人を落ち着かせるのは大人の男の役割さ。」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
ペコリと頭を下げる蘭に、富竹は努めて大きな声で笑いかけた。
実際には、おそらく相当な割合で殺し合いに乗ると2人とも考えている。
だがそれでも、前向きな言葉と行動が大切であると2人は知っていた。
富竹は蘭を連れてもと来た道を戻った。メモに従い道を進んでいたが、森は危険だという蘭の言葉を受け入れた。もともとメモそのものを信じていたわけでもないし、同行者の意見は尊重する。
それに富竹も、何か森から嫌なものを感じていた。直感で危険だと判断し、同じ判断を直感で出した蘭を信じた。
実際には、おそらく相当な割合で殺し合いに乗ると2人とも考えている。
だがそれでも、前向きな言葉と行動が大切であると2人は知っていた。
富竹は蘭を連れてもと来た道を戻った。メモに従い道を進んでいたが、森は危険だという蘭の言葉を受け入れた。もともとメモそのものを信じていたわけでもないし、同行者の意見は尊重する。
それに富竹も、何か森から嫌なものを感じていた。直感で危険だと判断し、同じ判断を直感で出した蘭を信じた。
「資材置き場か。車もあるね。」
「電話とかは、無さそうですね。」
「そうだね、電線はあっても電話線は無いようだ。さて……少し手荒く行こう。」
「電話とかは、無さそうですね。」
「そうだね、電線はあっても電話線は無いようだ。さて……少し手荒く行こう。」
ゴッ!
「うわっ!」
「元の持ち主には悪いけど、非常事態だ。使えそうなものは利用させてもらおう。」
「元の持ち主には悪いけど、非常事態だ。使えそうなものは利用させてもらおう。」
森を抜けたところに小さな小屋があった。扉をぶち破ると、床には銃が転がっていた。
「カラシニコフに、こっちはプラスチック爆弾。殺し合いの主催者が用意したものか?」
「おじゃましまーす……富竹さん、それ、銃ですか?」
「ああ。爆弾もある。使えるかはわからないけれど、どうやら本気で殺し合わせたいようだね、あのウサギ……ウサギ、だったか?」
「おじゃましまーす……富竹さん、それ、銃ですか?」
「ああ。爆弾もある。使えるかはわからないけれど、どうやら本気で殺し合わせたいようだね、あのウサギ……ウサギ、だったか?」
どうにも記憶があいまいだ。何かの薬品の影響を受けていると富竹は結論づけた。
首尾よく車の鍵を見つけると、使えそうなものを表の軽トラに乗せて2人は走り出した。霧のせいでかなり視界は悪いが、公道を走れる程度の濃さだ。カメラマンで目には自身のある富竹ならどうということはない。5分ほど走らせるとすぐに町に出た。
首尾よく車の鍵を見つけると、使えそうなものを表の軽トラに乗せて2人は走り出した。霧のせいでかなり視界は悪いが、公道を走れる程度の濃さだ。カメラマンで目には自身のある富竹ならどうということはない。5分ほど走らせるとすぐに町に出た。
「あ、今あそこにだれかいました。」
(すごい感覚だな。)
(すごい感覚だな。)
とりあえず近場の学校に行こうと交差点を通り過ぎた時に、助手席の蘭が指を差した。すぐに停めてバックすると、交差点に止めて目を凝らす富竹。その目がしばらく動いて、民家の掃き出し窓が一つ開いていることに気づいた。
言われなければどころか言われてもまず気づかないであろう痕跡だ。いくら運転していないので余裕があったにせよ尋常なことではないと、富竹は蘭の勘に胸の内で舌を巻いた。
富竹は車を近場のコインパーキングに慎重に停める。あいにく持ち合わせがないので入り口に路駐だ。さきから子供の前で見せられないことばっかやってるなあと思ったが、くよくよしてもしかたがない。蘭を連れて、いちおうライフルを持って民家へと歩いた。
富竹としてはかなり不用心な振る舞いだが、同行している蘭を一人にさせるよりは現実的だと割り切った。車に残すのはリスクがあるし、蘭は本気の富竹の動きについてこれないだろう。なら堂々とした態度で民家へと向かったほうがいい。そこに隠れている人間にも好印象だろう。
と考えてはいるものの、やはり冷や汗をかかずにはいられない。自分のように銃や爆発物を所持している可能性はある。問答無用で撃たれる危険性は当然ある。はっきり言えばやばい。だが、その心配は杞憂に終わった。
突然ひょこっと少女が顔を出した。思わず足を止めた蘭と、逆に思わず足を早める富竹。「君までここにいるのか!」と驚きの声まで上げてしまう。
言われなければどころか言われてもまず気づかないであろう痕跡だ。いくら運転していないので余裕があったにせよ尋常なことではないと、富竹は蘭の勘に胸の内で舌を巻いた。
富竹は車を近場のコインパーキングに慎重に停める。あいにく持ち合わせがないので入り口に路駐だ。さきから子供の前で見せられないことばっかやってるなあと思ったが、くよくよしてもしかたがない。蘭を連れて、いちおうライフルを持って民家へと歩いた。
富竹としてはかなり不用心な振る舞いだが、同行している蘭を一人にさせるよりは現実的だと割り切った。車に残すのはリスクがあるし、蘭は本気の富竹の動きについてこれないだろう。なら堂々とした態度で民家へと向かったほうがいい。そこに隠れている人間にも好印象だろう。
と考えてはいるものの、やはり冷や汗をかかずにはいられない。自分のように銃や爆発物を所持している可能性はある。問答無用で撃たれる危険性は当然ある。はっきり言えばやばい。だが、その心配は杞憂に終わった。
突然ひょこっと少女が顔を出した。思わず足を止めた蘭と、逆に思わず足を早める富竹。「君までここにいるのか!」と驚きの声まで上げてしまう。
「富竹……? 本当に、生きてるの……?」
「梨花ちゃん。よかった無事で!」
「みー……って、全然よくないのです! なんでこんなことになったのです!」
「ああ、そうだ、本当にそうだ……!」
「梨花ちゃん。よかった無事で!」
「みー……って、全然よくないのです! なんでこんなことになったのです!」
「ああ、そうだ、本当にそうだ……!」
蘭が見つけた人影は、富竹が最も保護を願っていた古手梨花だった。
前のループで出会っていたからだろう、彼女の心の声を蘭はなんとか拾えたのだ。
前のループで出会っていたからだろう、彼女の心の声を蘭はなんとか拾えたのだ。
(良かった、梨花ちゃんはまだ無事だ。それなら。)
蘭はキョロキョロとあたりを見渡す。前のループでの梨花の話からすると、おそらくまだ一人いるはずだ。気配を感じた。後ろを振り向く、いない。
「上?」
「すごい勘だな。」
「すごい勘だな。」
蘭が見上げると、梨花が出てきた向かいの家の屋根の上に男の子がいた。手には拳銃を持ち、それを片手に構えたまま「よっ」と言うと軽々と飛ぶ。思わず声を上げる蘭の前で、男の子は庭の木を蹴り減速すると1回転して地面へと降り立った。
「富竹さんと、レナさん? 梨花ちゃんから話は聞いてます。おれは大場大翔です。」
「大翔、その人は違うのです。その人は──」
「大翔、その人は違うのです。その人は──」
言いかけた梨花と目が合う。その瞬間、蘭の中に見たことのない記憶が流れた。
社会の教科書で見たような田舎の町並み。
退屈だが長閑で平穏な世界の雰囲気。
いつもの部活メンバー、入江診療所、園崎家、祭具殿、注射針。
奇妙な祭事、『綿流し』、『オヤシロ様』、角の生えた梨花、『喉のかゆみ』
猛烈な痛みと──ひぐらしのなきごえ
社会の教科書で見たような田舎の町並み。
退屈だが長閑で平穏な世界の雰囲気。
いつもの部活メンバー、入江診療所、園崎家、祭具殿、注射針。
奇妙な祭事、『綿流し』、『オヤシロ様』、角の生えた梨花、『喉のかゆみ』
猛烈な痛みと──ひぐらしのなきごえ
(なに、これ……ううん、知ってる。)
(私は……この『思い出』を前に『見た』ことがある。)
「蘭ちゃん? どうかしたのかい?」
(私は……この『思い出』を前に『見た』ことがある。)
「蘭ちゃん? どうかしたのかい?」
様子に気づき声をかける富竹は視野に入らずに、蘭は梨花の瞳に吸い込まれるような感覚を覚えた。
そしてそれは梨花も同様であった。二人だけにしかわからない世界がある。
だから、蘭がテレパシーで呼びかけたのは自然なことだった。
そしてそれは梨花も同様であった。二人だけにしかわからない世界がある。
だから、蘭がテレパシーで呼びかけたのは自然なことだった。
『あなたは、私のことを覚えていますか?』
『ええ、ついさっきのことでしょう? 磯崎蘭さん?』
『ええ、ついさっきのことでしょう? 磯崎蘭さん?』
「蘭ちゃん! 大丈夫かっ。」
「あ……はい! すみません、ぼーっとしちゃって。そうだ、自己紹介がまだでしたよね。磯崎蘭です。」
(そうだ、大翔くんだ。良かった、まだどこも怪我してない。)
「あ……はい! すみません、ぼーっとしちゃって。そうだ、自己紹介がまだでしたよね。磯崎蘭です。」
(そうだ、大翔くんだ。良かった、まだどこも怪我してない。)
富竹に肩を触られて、蘭は頭に響いた梨花の声から注意を戻した。テレパシーを得意とする能力者である蘭ならば、短距離であれば素質のある梨花との会話も可能である。まして二人は、前のループの記憶を引き継いでいた。こちらに関しては蘭より梨花の方が適性があるが、梨花の記憶が蘭へとテレパシーで流れ込むことで2人のコミュニケーションはより支障なく行える。
富竹に促されて家へと上がることになった間も、話半分で聞きながら梨花とのテレパシーを再開した。
富竹に促されて家へと上がることになった間も、話半分で聞きながら梨花とのテレパシーを再開した。
『あなたの記憶はどこまである?』
『ほとんど忘れちゃってるよ。あの、梨花ちゃん、なんかキャラ変わった?』
『みー、なら普段通りにいくのですよ。』
『うわあ猫かぶってる。髪長い可愛い女の子の能力者ってなんでこうなんだろう。』
『1人しかいない例でレッテルを貼ったらダメですよ。名波翠さんとはテレパシーはできたのです?』
『ううん、何度やってもだめだった。たぶん、この霧のせいだと思う。』
『みー、さっきの放送の順番が死んだ順番なのなら、翠はまだ死んでいないはずなのです。心配かもしれないけれど、まずはミツルを止めるのを協力してほしいのです。』
『ミツルって誰だっけ?』
『学校で襲ってきた魔法使いです。まだ時間はあるけれど、アイツもボクたちみたいに記憶が残ってるかもしれないのです。急がないと明智さんだけじゃなく学校のみんなも薬も危ないのですよ。』
『ごめん、ぜんぜん憶えてない。』
『口で説明するのは面倒だからあとでテレパシーでボクの記憶を見るのです。とにかく急いで学校に行くのです。ただし、大翔は戦わせないようにするのです。ツノウサギたちを知っているのは大翔だけです、絶対に守ってください。』
『ほとんど忘れちゃってるよ。あの、梨花ちゃん、なんかキャラ変わった?』
『みー、なら普段通りにいくのですよ。』
『うわあ猫かぶってる。髪長い可愛い女の子の能力者ってなんでこうなんだろう。』
『1人しかいない例でレッテルを貼ったらダメですよ。名波翠さんとはテレパシーはできたのです?』
『ううん、何度やってもだめだった。たぶん、この霧のせいだと思う。』
『みー、さっきの放送の順番が死んだ順番なのなら、翠はまだ死んでいないはずなのです。心配かもしれないけれど、まずはミツルを止めるのを協力してほしいのです。』
『ミツルって誰だっけ?』
『学校で襲ってきた魔法使いです。まだ時間はあるけれど、アイツもボクたちみたいに記憶が残ってるかもしれないのです。急がないと明智さんだけじゃなく学校のみんなも薬も危ないのですよ。』
『ごめん、ぜんぜん憶えてない。』
『口で説明するのは面倒だからあとでテレパシーでボクの記憶を見るのです。とにかく急いで学校に行くのです。ただし、大翔は戦わせないようにするのです。ツノウサギたちを知っているのは大翔だけです、絶対に守ってください。』
蘭と梨花はテレパシーにより考察を進める。現在彼女たちは他の参加者に比べて圧倒的なアドバンテージがある。これからの6時間に起こることを知り、戦う敵の能力を知り、落ちている武器の場所を知り、そして主催につながる参加者の存在を知っている。
「富竹さん、なんか2人ともオレの話に適当な返事しかしないでずっと見つめ合ってるんだけど。」
寂しそうに言う大翔を放っておいて、梨花と蘭は大翔に危険なことをさせない作戦を練り始めた。
彼女たちは知らない。ここにいる大場大翔は彼女たちが知る大場大翔ではないことを。
前のループの大場大翔ではなく、半年ほど経ち、数多の経験ときざまれた鬼のしるしを持つ、別のタイミングの大場大翔を新しく参加させたということを。
そのことがどんなバタフライ・エフェクトを起こすのかを。
彼女たちは知らない。ここにいる大場大翔は彼女たちが知る大場大翔ではないことを。
前のループの大場大翔ではなく、半年ほど経ち、数多の経験ときざまれた鬼のしるしを持つ、別のタイミングの大場大翔を新しく参加させたということを。
そのことがどんなバタフライ・エフェクトを起こすのかを。
【0030前 森林地帯近くの住宅街】
【磯崎蘭@宇宙からの訪問者 テレパシー少女「蘭」事件ノート9(テレパシー少女「蘭」事件ノートシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、解決して家に帰る
●中目標
今度は翠を死なせない
●小目標
学校に行って明智さんをミツルから助ける
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、解決して家に帰る
●中目標
今度は翠を死なせない
●小目標
学校に行って明智さんをミツルから助ける
【富竹ジロウ@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
民間人を保護し、事態を把握する
●中目標
巻き込まれている知り合いを捜索する
●小目標
情報交換する
【目標】
●大目標
民間人を保護し、事態を把握する
●中目標
巻き込まれている知り合いを捜索する
●小目標
情報交換する
【大場大翔@絶望鬼ごっこ きざまれた鬼のしるし(絶望鬼ごっこシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
前回(出典原作)と同じ鬼のしわざなのか……!?
●小目標
情報交換する
【目標】
●大目標
前回(出典原作)と同じ鬼のしわざなのか……!?
●小目標
情報交換する
【古手梨花@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
今回のイレギュラーを利用して生き残る
●中目標
自分が雛見沢からいなくなった影響を考えて手を打つ
特殊な経験、または超常的な力を持つ参加者と合流する(でもあんまり突飛なのは勘弁)
●小目標
学校に行って明智をミツルから助ける
【目標】
●大目標
今回のイレギュラーを利用して生き残る
●中目標
自分が雛見沢からいなくなった影響を考えて手を打つ
特殊な経験、または超常的な力を持つ参加者と合流する(でもあんまり突飛なのは勘弁)
●小目標
学校に行って明智をミツルから助ける