妖怪の山の麓にあるはずの河童のアジトを目指して川沿いを歩き続けていた
河城にとり。
今のところ、特に他の参加者と遭遇することも無く進むことが出来ている。
そのことに多少の安堵を覚えつつ、彼女は警戒状態で移動を続けている。
この会場には先程の異形のような凶暴な怪物がいるだけではなく、天狗や鬼などの強大な妖怪も少なからず存在するのだ。
そして、支給された記憶DISCで認識した未知の存在―――『スタンド使い』。
スタンド使いの実力は未知数だが、少なくとも記憶の中で確認出来たのは何れも一筋縄では行かなそうな猛者達ばかりだった。
もしもそんな連中――強大な妖怪やスタンド使い――が殺し合いに乗っていたとして、私がそいつらに遭遇したとしたら。
火炎放射器と自分程度の力で対処出来るのかも疑わしい。
いや、対処出来たとしてもこちらの負傷は避けられないだろう。消耗は可能な限り抑えておきたい。
それ故に、『乗っている』参加者との接触は出来るだけ避けたかった。当然のことだが。
地図を広げて大体の現在位置を確認するにとり。
川から少し離れた地点には祠が見受けられる。此処はE-3、といった所だろうか。
状況を確認しようと周囲を見渡した彼女は、目にしたくも無い物を発見することになる。
(うわ……、)
にとりは『それ』を目にした途端、眉を顰め表情を軽く歪めた。
一瞬動きが止まったが、恐る恐ると彼女は『それ』に近寄って状態を見てみる。
祠の付近に転がっていたのは、二つの無惨な死体だ。
一つは首を失った大男の死体。何というか、相当の巨躯だ。大天狗以上の巨体かもしれない。
近くに生首が転がっているのを見る限り、切断でもされたか。
もう一つの死体は命蓮寺にいたネズミの妖怪の死体だ。名前は確か…
ナズーリン、だったな。
頭部の傷を見る辺り、飛び道具か何かで射殺されたのだろう。
死体だけではなく、切断されたらしき『片腕』までもが側に転がっている。
大男もナズーリンも腕の欠損は見受けられない。
彼ら以外の死体も確認出来ない辺り、此処で片腕を失った奴が会場の何処かに逃げ延びているのか。
(…もう『おっ始めてる』連中が居るんだな)
唾を飲み込み、冷や汗を頬から垂らしながらにとりは心中で思う。
二つの死体を目撃したこと、死体の側に二人のデイパックが存在しないこと。
現場の状況から認識したこと、それは『殺し合いは既に成り立っている』という事実。
そう、会場内で参加者同士によるバトル・ロワイアルが始まっているということだ。
(『乗っている奴』がこの二人を殺して、デイパックを回収したんだろう)
まだゲーム開始から数時間程度だと言うのに、殺し合いが既に勃発しているのだ。
それもこんな大男の首を撥ねられるような奴や、妖怪を狙い撃って確実に殺せるような奴がいる。
そう考えるだけで、彼女の中の緊迫感や焦燥感は自然に増していった。
(この会場にはこんな大男まで殺してる奴が居る。
それどころか、ナズーリンって奴は曲がりなりにも妖怪だ。
肉体的には人間よりも強い筈。…そんな奴が、こうしてスデに殺されてやがるんだ)
にとりはその事実を再認識したことで必要以上の緊張を胸に抱いていた。
積極的に乗るつもりはないが、生存の為には他者を殺害することも構わない。
だが、実際の所こんな「命を賭けた争い」を行った経験など皆無と言ってもいい。
長い間、にとりは妖怪の山という組織社会の恩恵を受けて暢気に暮らしていた。
人間に退治されそうになったことなんて殆ど無いし、命の危機に晒されたことも全くと言っていい程無い。
そんな彼女がまざまざと『暴力の痕跡』と『妖怪の死』を見せつけられ、少なからず動揺を覚えるのは自然なことだ。
(全く…『秋の神様』が見せしめになった時は一応冷静で居られたってのに…。)
右手の親指の爪を噛み、軽い苛立ちを覚えながらにとりは思う。
彼女が僅かとは言え恐怖を感じたのは、殺し合いへの忌避感からではない。
ナズーリンという妖怪の死によって『自分のような妖怪でさえ死と隣り合わせの状況に置かれている』という現実を改めて認識させられたからだ。
自分は妖怪だ。だが、此処はその『妖怪』ですら数時間足らずで死ぬような場所なのだ。
恐らく終盤まで生き残るのは天狗や鬼といった強者共。そんな中、自分はどうか。
私はあくまで技術に長ける河童。発明品を奪われては全力を発揮出来ないし、地上での身体能力も高いとは言えない。
正直言って、私は妖怪だと弱い方だ。
だからこそ頭を振り絞って生き残る為の術を考えなくてはならないの。
まぁ、自慢の発明品が詰め込まれた通背が見つかれば多少は何とかなりそうだが。
(褌締め直さなくっちゃあな…ビビってばっかじゃ生きてられない)
にとりは側に転がり落ちていた西洋剣を回収しながら思う。
現状の目的地は、妖怪の山の麓、玄武の沢―――あるかも解らない河童のアジト。
工具や機材が置いてあることを願っているが、無ければ上手いこと身の振り方を考えなければいけなくなる。
このDISCで得られた情報も駆使して、何とか生き残る算段を打たなければ。
「あの~…」
積み重ねていた思考に割り込むかの様に、背後から声が聞こえてくる。
ビクッと一瞬驚いた様に身体が跳ね上がりそうになるが、すぐに冷静さを保ってはにとりは振り返った。
周囲への警戒を怠り、他の参加者が接近してたことに気付けなかったという事実を少しだけ恥じつつ。
「『河城にとり』さん…ですよね?」
彼女が振り返った先にいたのは、自分と然程変わらない背丈の少年だった。
少し表情が強ばっているのは恐らく近くに転がっていた無惨な死体を目撃したからだろう。
ともかく、にとりは得体の知れない少年に話し掛けられたことで僅かに眉を顰めつつ応対する。
「……。そうだけど…誰だ、あんた?」
「僕、
広瀬康一って言います。殺し合いには乗っていません…だから、安心してください」
『広瀬康一』と名乗った少年は柔和な表情を作ってそう答えた。
随分無警戒に近づいてきたな、と私は何気なく指摘してみる。
そうしてみると康一は「死体の側に居るにとりの姿を発見し、少し離れた地点から様子を伺っていた」と語った。
現場の状況や死体を見ていた際の反応から『二人に手を下した人物ではない』と判断して接触を試みたという。
先程まで表情が強ばっていたのを隠し切れてなかった癖に、柔らかな態度を作ったのはこちらに警戒心を与えない様にしている為だろうか。
動揺と緊張が見え見えだ。それでいて、こうやって無理に穏やかな物腰で話しかけてきている。
まるで無力な子供に対して対応を行ってるかのように見えるのが癪である。
軽い苛立ちを感じつつも、出会った直後に疑問を抱いた点について問いかける。
「…康一とやら。お前何で私の名前を知ってたんだ?」
怪訝そうに目を細めながら問いを投げかけるにとりに対し、康一は少し返答に悩む様に答えた。
「その…確か、にとりさん。『東方心綺楼』ってパソコンのゲームに出演してましたよね?それをプレイして…」
「―――おい、ちょっと待った!東方……心綺楼?って、何だよそれ」
『パソコンのゲーム』『東方心綺楼』。
唐突に現れた聞き慣れない単語ににとりは首を傾げる。
(一応パソコン本体はあの半妖の物売りの所で見たことはあったが)
康一はにとりの反応を見て、どこか意外そうに驚いた素振りを見せている。
「えっ…!?にとりさん、心綺楼のこと知らないんですか?」
「んなもんハナから知らないよ。……あと敬語やさん付けはしなくていいよ、何かこそばゆいし」
軽く眉を顰めつつ、疑念を抱くような表情でそう口にするにとり。
明らかに『東方心綺楼』を知らない様子の彼女に対し、康一はデイパックから畳まれた紙を取り出す。
そして彼は、その掌の上で紙を開き―――支給されたノートPCを両手の上に乗せた。
「えっと、それじゃあ…にとりちゃん…でいいかな。さっき言った『東方心綺楼』って、これのことなんだけど――――」
◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆
大蝦蟇の祠の裏側に隠れ潜む様に座り込み、康一とにとりはノートPCに写る『東方心綺楼』のゲーム画面を見ていた。
にとりは祠を背もたれ代わりにし、足を伸ばして地べたに座り両脚の上にPCを置いている。
彼女はゲームパッドを握り締め、驚愕の表情で画面を食い入る様に見つめていた―――
(…何だ、これ)
カチャカチャとゲームパッドのボタンを何度も押して『ゲーム』をプレイするにとり。
大まかな遊び方、操作方法は康一に教えて貰った。
(何だよこれ!?…どうゆうことだよッ!?)
疑問と驚愕、動揺や混乱といった感情がその胸の内に次々と沸き上がる。
信じられない、と言わんばかりの表情を浮かべながらゲームをプレイし続ける。
間違いない。忘れる筈もない。この物語は、『あの時』のことだ。
「…に、にとりちゃん?」
唖然としたように画面を見るにとりに問いかける康一。
しかし画面に釘付けになる彼女の耳に彼の声は届いていない。
それもそのはずだ。彼女が認識した事実は、ただただ理解の範疇を超えていた。
(―――なんで『あの異変』が!?なんで、私達が……!)
―――画面に映っているのは、『河城にとり』自身だ。
それだけではない。
博麗霊夢、
霧雨魔理沙、聖白蓮、
豊聡耳神子――――
『あのお祭り騒ぎ』の時の異変と全く同じ物語が、この『東方心綺楼』とやらで作中劇として巻き起こっているのだ!
(…少し落ち着け!落ち着け私…!冷静になって、『東方心綺楼』について分析するんだ…!)
ゲームを進める度に混乱が重なり続ける心中を自覚したにとりは、内心でそう呟きながら深呼吸をする。
そうだ、こうも焦ってばかりじゃ何も解らない!
もっと落ち着け、私…素数数えてでも何でもいいから、落ち着くんだ…!
一体この『東方心綺楼』とは、何なのか―――!
何とか冷静な視点を意識し続けてゲームをプレイし続けるにとり―――。
そうしているうちに、彼女はあることに気付いた。
《弱いじゃん。何で偉そうにしてんのさ。》
「…………。」
《縁日の屋台なんて騙される方が悪いんじゃん》
「…………。」
《ショバ代払ってるんだから文句言うなよ》
「…………。」
(……ひん曲がってんな私……)
ゲーム内の『河城にとり』が口にする粗暴かつ卑劣(?)な台詞の数々である。
それを目の当たりにしたにとり本人は真顔になってそんなことを思っていた。
「にとりちゃん、本当にこのゲームのこと…何も知らないの?」
「知らないも何も、パソコンとやらにもゲームとやらにも触れた経験なんて無いよ。
そもそも、こんなもの誰が作ったんだ…?」
何ともいえぬ表情を浮かべながらゲームパッドを弄くるにとり。
康一は少しばかり歯切れが悪そうに考え込みつつ、再び問いかけてみることにする。
(何だかんだでゲームをしっかり楽しんでいるようにも見えることはそっとしておいた)
「もしかして、この女の子達とも知り合いじゃなかったりする?
ゲームに出演してるから、芸能プロダクションのアイドルの子か何かかと思ってたけど…」
「いや、知り合いだよ。…さっきから思ったんだけどさ…何かお前、勘違いしてたりしないか?」
「え…?」
「お前、アイドルとかゲームに出演とか言ってるけどさ」
ふっと、にとりが康一の顔を真っ直ぐに見つめながら口を開いた。
「これは全て『幻想郷で実際に起こった出来事』なんだよ」
―――その一言と共に、にとりは『事実』を伝えた。
幻想郷の、妖怪達の実在を。
『東方心綺楼』が御伽話ではなく、実際に起こった異変であることを。
同時にゲームに出演する少女達が本当に『異能の力を操る存在』であることを。
自分自身も人間ではなく、ゲームで紹介されている通りに河童の妖怪であることを。
(…まぁ、いいよな。このくらい)
当初にとりは『東方心綺楼を利用して猫を被ってみようか』とも考えていた。
どうやら康一はこのゲームに出演するキャラのことを『アイドルの子か何か』かと思っていたらしい。
それを利用して『無力な少女』を装い、彼の庇護を受けて暫く盾を確保しようとも考えたが…
この会場には幻想郷の住民が何人も巻き込まれている。そいつらと出会えば、すぐにボロが出るのは確実だ。
そうなった場合、康一が『嘘を吐いていた私』に不信感を抱き始める可能性だってある。
だから渋々本当のことを全て話したのだ。
こうして真実を明かした方が信頼を得られるかもしれない、ということもある。
幻想郷にまつわる話を聞かせれた康一は、最初は信じられないと言わんばかりに驚愕の表情を見せていた。
しかし彼は次第ににとりから得られた情報を咀嚼し始める。
平凡な外見とは不相応に、落ち着き払った様子で彼女の話を聞きだしていたのだ。
「…お前、なんだか飲み込み早いな。むしろそっちの方がやりやすくて有り難いけどさ」
「まぁね。何というか、僕自身も『不思議な出来事』にはちょっと慣れてて…」
「不思議な出来事?」
「何というか、僕も普通の高校生ってワケじゃあないんだ。…確かこの会場だと、普通の人でも『見える』はずだよね」
そう言った康一がすっと立ち上がり、ほんの少しだけにとりと距離を取って身構える。
その様子を見たにとりは疑問符を頭に浮かべるが、すぐにその表情が真剣な物へと変わる―――
「――――『エコーズ Act3』ッ!!」
康一の側に出現したのは、彼とほぼ同じ体格の人型のビジョンッ!
それは彼の精神の具現化。生命エネルギーが形作られた存在。
そのビジョンからは小柄な体格には不釣り合いな程の溢れ出さんばかりのパワーが感じ取れる。
広瀬康一は、ただの高校生ではない。精神のビジョン『スタンド』を操る『スタンド使い』である―――!
にとりは康一が顕現させたスタンドを目の当たりにし、驚愕を隠せぬ様子を見せる。
何故ならば――――
(こいつ…『新手のスタンド使い』だったのかッ!?)
彼女はスタンドを『知っていた』からだ。
支給品『F・Fの記憶DISC』で得られた情報で、スタンドの概念を大まかに知っていたのだ。
先程の異形もスタンド使い。同時に、記憶DISCの内容から複数のスタンド使いの存在も知ることが出来た。
『
空条徐倫』『
空条承太郎』『
エルメェス・コステロ』『
ウェザー・リポート』『
エンリコ・プッチ』。
能力の詳細は『F・Fが見聞きした限りの情報』だけだが、スタンド使いであることは確実なこの5人は名簿にも記載されている。
そして、この『広瀬康一』もスタンド使いだという。
恐らく私と接触する前に様子を伺っていた際も、このエコーズとかいうスタンドを使って監視していたのかもしれない。
「驚くのも、無理は無いかな…。僕は『スタンド』っていう能力を持っているんだ」
「スタンド…。」
にとりが驚いていたのは未知の能力を目の当たりにしたからではない。
『スタンド使いがこの会場には複数存在する』ことを半ば確信したからだ。
康一は私の反応を見てか、スタンドの概念について大まかに語った(殆どがDISCで既に得ている情報ばかりだったが)。
同時に『
東方仗助』ら名簿に記載されている複数のスタンド使いの存在も伝えてくれた。
その中でも『
吉良吉影』という男は『触れたものを爆弾に変える能力』を持つ凶悪な殺人鬼だということも。
(『空条承太郎』…)
にとりは思考する。康一が語っていたスタンド使いの一人である『空条承太郎』という男に関しては、記憶DISCで存在を知っている。
空条徐倫の父親であり、『スタープラチナ』というスタンドを持っている最強のスタンド使いとのこと。
(尤も、F・Fもその能力の詳細については全く知らなかったようだが)
どうやら康一はその承太郎と共に闘ったことがあるらしい。
流石に康一も吉良以外のスタンド能力については話さなかったが、少なくともこんなゲームに乗るような者達ではないということは確かだと言う。
「スタンド使い……ねぇ……。」
顎に手を添えながらにとりは思考をする。
明らかになったの複数のスタンド使いの存在。
それぞれが固有の能力を持つだけではなく、『スタンドに正面から対抗出来るのはスタンドのみ』という厄介な性質を持っている。
フー・ファイターズとやらは何とか撃退出来たが、そんな連中とはあまりやり合いたくはない。
ある意味で単純な『力』の強い高位の妖怪共よりも厄介だ。
やり合うくらいならこいつのような「お人好しのスタンド使い」を利用し、協力関係を結ぶのがいい。
万が一殺し合いに乗ったスタンド使いと出会ってしまった場合もスタンド使いの仲間がいるだけで相当マシになる。
―――場合によっては、戦闘を押し付けて上手いこと離脱するも出来るかもしれない。
だったら、『確実に信頼出来るスタンド使い』同士を引き合わせて同盟を組ませた方がいいかもしれない。
(ま、ちょっと迷ったけど… DISCの情報も、一応共有しておくかな)
にとりは記憶DISCで知った人物の情報を開示することにした。
スタンド使いの同盟者は増やしておいて損は無いだろう。
会場からの脱出出来る見込みが強いのならば、そのまま同盟者達と共に対主催の方針を貫き通せば良い。
もし不可能だったとして。最悪の場合、同盟者達が疲弊している所を不意打ちや漁父の利で仕留めて優勝を狙うか…。
どちらに転がろうとも、自分は生き残る為の算段を立てるだけである。
◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆
「康一、本当にいいの?」
「勿論だよ。にとりちゃんが行きたいっていうのなら、着いていくよ」
記憶DISCで得られた人物の情報を伝えた後、二人は川を沿って妖怪の山の方角へと向かうことになった。
デイパックから記憶DISCを取り出し、彼に一度記憶DISCを挿入して貰うことで情報を与えた。
康一は承太郎の娘のことを始めとする数多くの情報に驚きを隠せない様子を見せていたが、当然の反応だろう。
情報交換を終え、にとりは『妖怪の山の麓にある玄武の沢に行きたい』と言った。
玄武の沢にあるはずの河童のアジトの存在の有無を確かめたかったからだ。
もしもアジトがあればそこで工具や機械を蒐集出来るかもしれない。
それ故ににとりは一度康一に聞いてみたが、彼は快く承諾してそのまま川沿いを進むことになったのだ。
「悪いね。わざわざこんなことに付き合わせちゃって…」
「いいよ、気にしないで。もしものことがあれば、僕が頑張るからさ」
「…こー見えて、私だってちょっとは戦えるんだぞ?まぁ、スタンド使いが相手だったら康一に頼むことになりそうだけどね」
川沿いを進みながら、他愛も無い会話を続ける二人。
康一の顔に浮かぶのは柔らかい笑み。
そんな彼と言葉を交わすにとりは、内心で生還の為の算段を思考する。
にとりは康一への仲間意識など持っていない。
あるのはただ「いいお人好しを捕まえられた」程度の感情。
彼の人脈、DISCで知った人物を利用すれば暫くは安全に生存出来るかもしれない。
勿論、相応の身の振り方も考えなくてはならなくなりそうだが。
このまま上手いこと『スタンド使い様』の庇護を受け続けたい所だが。
さて、どうなることやらね。
【E-3 川沿い(名居守の祠付近)/黎明】
【河城にとり@東方風神録】
[状態]:精神的疲労(小)、軽度の混乱、全身打撲(軽度)
[装備]:火炎放射器
[道具]:基本支給品、LUCK&PLUCKの剣@ジョジョ第1部、F・Fの記憶DISC(最終版)
[思考・状況]
基本行動方針:生存最優先
1:とりあえず当面は康一に盾になって貰いつつ、妖怪の山の麓にあるはずの河童のアジトへ向かう。
2:自分から殺し合いはしないが、危険が減るなら殺害も視野に
3:知人や利用できそうな参加者がいればある程度は協力する
4:通背を初めとする河童製のアイテムがほしい
5:『東方心綺楼』って、一体何なんだ…?
6:吉良吉影を警戒。
[備考]
※参戦時期は東方心綺楼にとりルート終了後です。
※F・Fの記憶DISC(最終版)を一度読みました。
スタンド『フー・ファイターズ』の性質をある程度把握しました。
また、スタンドの大まかな概念やルールを知ることが出来ました。
他にどれだけ情報を得たのかは後の書き手さんにお任せします。
※
タルカス、ナズーリンの遺体の側に落ちていた「LUCK&PLUCKの剣@ジョジョ第1部」を回収しました。
※幻想郷の住民以外の参加者の大半はスタンド使いではないかと推測しています。
【広瀬康一@第4部 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:健康
[装備]:なし(服装は学生服)
[道具]:基本支給品、不明支給品×1(ジョジョ・東方の物品・確認済み)、ゲーム用ノートパソコン@現実
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いを止める。
1:河城にとりを守る。にとりと共に河童のアジトへ向かう。
2:仲間(仗助、億泰、露伴、承太郎、ジョセフ)と合流する。
3:吉良吉影を止める。
4:東方心綺楼の登場人物の少女たちを守る。
5:エンリコ・プッチ、フー・ファイターズに警戒。
6:空条徐倫、エルメェス・コステロ、ウェザー・リポートと接触したら対話を試みる。
[備考]
※参戦時期は吉良吉影を一度取り逃がした後(第4部『シアーハートアタック(11)終了後』)です。
※スタンド能力『エコーズ』に課せられた制限は今のところ不明ですが、Act1~Act3までの切り替えは行えます。
※最初のホールで、霧雨魔理沙の後ろ姿を見かけています。
※『東方心綺楼』参戦者の外見と名前を覚えました。(
秦こころも含む)
この物語が幻想郷で実際に起きた出来事であることを知りました。
※F・Fの記憶DISCを読みました。時間のズレに気付いていますが、考察は保留にしています。
最終更新:2014年03月17日 19:49