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七月の雪。第一話【 -始まり- 】

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朝、私は今日は一人で登校していた。
つかさが宿題をやっていなかったので
かがみと二人で手伝うから、先に行っててと、朝、つかさから電話が来た時は思わず笑いそうになった。
朝からう騒々しい駅の階段を上がって、丁度開いていた、電車のドアに駆け込む。
「ふう~、セーフ。」
もう少しで閉じるところだったので、少し焦った。
けど、窓から見える都会の景色に少し心が和んだ気がした。
今日は一人かぁ・・・・・・。たまにはいいかな。
そんなことを思いながら電車にゆられて、窓の向こうの駆け足で変わる景色を眺めていた。
すると、向こうの席にゆたかくらいの年の女の子と、その子の母親らしき人が座っているのが見えた。
高校1年生。
まだ入学式が昨日のことの様に感じてしまう初々しかった頃。
1年の時ってなんかあったっけ?
脳の記憶の引き出しを手当たり次第探ってみる。
すると、一つだけ少し色褪せた、それでいて美しい輝きを放った記憶を見つけた。
あぁ、そうだ・・・・・・。かがみと私の関係が変わってきたころだ――――――


―――――――― 時はさかのぼり、高校一年の7月。夏真っ盛りのむし暑い時期だ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あっつい~」
日中最高気温34℃の7月のある日。私はつかさとみゆきさんの横で大の字になって寝転がっていた。
今、夏休みの宿題をかがみの部屋でやっているんだけど・・・。
「Zzz・・・」
つかさ寝てるし。

第一話 【 -始まり- 】

「暑くて、暑くて、脳味噌が溶けてしまいそうですよ、かがみんや。」
手を団扇にしてパタパタさせながら話しかける。
「ほんとに暑さに弱いわよね~、こなたは。」
横からダメ押しのツッコミをいれるかがみ。ホントかがみのツッコミは素早く的確だ。
しかも、もう宿題を終わらせてラノベを読んでいるあたり、嫉妬しそうな完璧ぶりだ。
「そりゃぁ、扇風機のすぐ傍で本読んでる人はいいよね~」
痛いところを突かれたからか、なぜか頬を赤らめるかがみ。かがみが顔を赤くすると
ツンデレの『デレ』の部分を見たような気がして、得した気分になるのは私だけだろうか。

「こんなに暑いのに、宿題が山のようにあると暑さが倍になる気がするよ~」
私の横でいつ起きたのか、つかさが眉をハの字にして話に入る。
テーブルの上で寝ていたからか、右側の頬が少し平らになっている。
「休みの中で出る宿題は多いですからね。特に夏休みは多いですね。」
その横で宿題を私達に会う前に終わらせて私とつかさに宿題を貸しているみゆきさんが言った。きちんと正座して座布団の上に座っている。
「ねえ、ところでさぁ。みんなは春夏秋冬の中でどの季節が一番好き?」
この暑苦しい話題を変えるために、指を立てて、少し首を傾けてから話題を変えた。
「私は、夏かな~。やっぱり暑くてもこなちゃんとかと海に行くのは楽しいもん♪」
楽しそうにつかさが話す。
「私は春ですね。入学式や、入社等、始まりの季節なので、心機一転して物事に望めるからです。」
みゆきさんは、どことなく春の感じがしててピッタリだね。
「私は秋かな。読書の秋とかで本を読む時間が増えるしね。」
まあ、大半ラノベだろうけど・・・。
「かがみの場合は『食欲の秋』になりそうだね。」
横で薄笑いをする私。
「うるさい! そういうあんたはどうなのよ?」
最近気になってることを言われて焦るかがみ。
焦ってるかがみんも萌え~
「わたし?わたしは冬だよ♪」
「冬?今夏だからでしょ。どうせ冬になったら『夏がいい』とか言うんでしょ?」
かがみはイシシと笑いながら、答えた。
「いや、それは違うんだけど・・・・・・」
「じゃあ、何よ?」
私は人差し指で頬をプニプニさせながら答えた。
「冬は雪が降ってプロ野球中継がなくなるじゃん?深夜アニメの録画がずれないんだよ。」
「あんたって、本当に期待を裏切らないわね・・・・・・」
横で苦笑いしながらかがみが言う。
「それと、もう一つあるんだけど。」
「何よ?」
「う~ん、笑わない?」
「笑わないわよ。」
「中学のときにとっても仲が良かった友達がいてね。
んで、ある日私が『冬が好きだー、雪が見たいー』って言ったんだ。
そしたら、その友達が画用紙を小さく三角に切った雪作ってくれたんだ。
それから、冬が好きになったのだよ、かがみん♪」
そう言うと、ちょっと感心したようにかがみが言う。
「ふ~ん、意外とちゃんとした理由があるのね。」
意外と、ってそれは結構失礼ですよ~、かがみ。

「よし、さっさと終わらせな。」
そう言うとかがみは私とつかさの間に入り、質問されてもOKな体制に入った。
「そだね。」
「うん!」
「みなさん、頑張って下さい。」





―――――――――――
ようやくみんな、宿題が終り玄関で帰る準備をしていた。
「じゃあ明日も行くからね♪」
靴のつまさきをトントンさせながら言った。
「うん、分かった。けど、もう宿題写させないわよ」
ビシッと指で私を指しながらかがみは言った。
「うっ・・・(汗」
「あの、私、明日は行けないんです。」
みゆきさんが申し訳なさそうに言った。
「そうなの?」
「そっか、ゆきちゃん歯医者さんに行くんだっけ。」
「はい、昨日晩御飯を食べていたらいきなり痛み出してきて・・・・・・。」
「早く治しときなさいよ?」
かがみの言葉にみゆきさんははいと笑顔で返した。
「それじゃあまた明日ね。」
「さようなら。」
「んじゃね~」
二人で並んで帰る。
かがみが私の後姿を見えなくなるまで、恋する乙女の目で見つめていたことに
私は気付かなかった。

―――――――――――――――――








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