1 環境思想の大分類
一般的な環境思想の大分類(ピンショーとミューア以来)
・人間のために自然を「保全」していこうとする
・自然はそれ自体が価値をもつものとして「保存」していこう、人間は自然の一部にすぎない
→「環境保護」思想の中で「せりあげ」が進行、細分化して定義
一般的な環境思想の大分類(ピンショーとミューア以来)
・人間のために自然を「保全」していこうとする
・自然はそれ自体が価値をもつものとして「保存」していこう、人間は自然の一部にすぎない
→「環境保護」思想の中で「せりあげ」が進行、細分化して定義
※自然保護に含まれる概念
保全:対象の持続的な利用
保存:現状維持(そのためには人為的・自然的営力も排除、逆に人為を加えることも)
保護(厳正保護):一切の人為的影響を排除
保全:対象の持続的な利用
保存:現状維持(そのためには人為的・自然的営力も排除、逆に人為を加えることも)
保護(厳正保護):一切の人為的影響を排除
●ウォーイック・フォックスによる主な分類法
マルクス:保護派vs.エコロジー派
ウォースター:帝政派vs.田園派
ローザック:打算派vs.秘跡派
リフキン:工学/テクノロジー論派vs.エコロジー/共感論
オリオーダン:技術中心論vs.自然中心論
ドレングソン:テクノクラシー論vs.個人/惑星論(個星論)
ミーカ:人間中心派vs.全体論派
ブクチン:環境主義vs.ソーシャル・エコロジー
トールミン:人間中心論vs.宇宙論
グランジ:配当論vs.基礎論
ロッドマン:資源保護論/自然保護論/モラル拡張論/エコロジカルな感性
マルクス:保護派vs.エコロジー派
ウォースター:帝政派vs.田園派
ローザック:打算派vs.秘跡派
リフキン:工学/テクノロジー論派vs.エコロジー/共感論
オリオーダン:技術中心論vs.自然中心論
ドレングソン:テクノクラシー論vs.個人/惑星論(個星論)
ミーカ:人間中心派vs.全体論派
ブクチン:環境主義vs.ソーシャル・エコロジー
トールミン:人間中心論vs.宇宙論
グランジ:配当論vs.基礎論
ロッドマン:資源保護論/自然保護論/モラル拡張論/エコロジカルな感性
●他の分類法
ローリ・アン・スラップ:ネオ・マルサス主義・生命中心主義的傾向と社会派エコロジー的傾向
キャロリン・マーチャント:自己中心的な倫理と人間中心的な倫理とエコセントリックな倫理
ローリ・アン・スラップ:ネオ・マルサス主義・生命中心主義的傾向と社会派エコロジー的傾向
キャロリン・マーチャント:自己中心的な倫理と人間中心的な倫理とエコセントリックな倫理
●環境保護を分析する指標
機能主義的・多元主義的見方とマルクス的見方
決定論と自由意志論
機能主義的・多元主義的見方とマルクス的見方
決定論と自由意志論
●3つの対立軸
フランソワ・ベルナール・ユイグ:楽観的エコロジーと悲観的エコロジー
急進派と改革派
左翼と右翼
※用語自体、様々な環境思想家が別々な所説で使っている
2.豊饒主義
※環境思想とエコロジー思想、人間中心主義とテクノセントリズムはそれぞれ別物
フランソワ・ベルナール・ユイグ:楽観的エコロジーと悲観的エコロジー
急進派と改革派
左翼と右翼
※用語自体、様々な環境思想家が別々な所説で使っている
2.豊饒主義
※環境思想とエコロジー思想、人間中心主義とテクノセントリズムはそれぞれ別物
- エコセントリズム:問題の根源にあるのは何かを問いかけるもの
既存の体制・社会・価値観などを問い直す
- テクノセントリズム:既存の社会・経済スタイルの中で、既存の政府が政策を実施
→違いは、既存の体制を維持するかどうか
●テクノセントリズムについて(ぺパー)
- テクノセントリズムは科学信仰と自然克服の枠組みの延長上にある
ヨーロッパの伝統的思想=自然克服
→デカルトとベーコンが正当化=近代ヨーロッパの主流的な思想
→時代の要請によって自然克服概念は捨てるも、思考様式はそのまま→テクノセントリズム
→デカルトとベーコンが正当化=近代ヨーロッパの主流的な思想
→時代の要請によって自然克服概念は捨てるも、思考様式はそのまま→テクノセントリズム
- テクノセントリズムの分類
コーンコピアンズ(=豊饒主義)と環境管理派
●豊饒主義 ※豊饒主義は環境思想として体系化されたものではない
・根本的に自然を豊かなものとみなす
・環境に対する見方は楽観的
ハーマン・カーン
・根本的に自然を豊かなものとみなす
・環境に対する見方は楽観的
ハーマン・カーン
- 「進化はテクノロジー進化」
・経済成長が現行の形で加速することは可能
- 環境問題はじきに科学技術が解決、そのために経済発達が必要
フィリップ・エイベルソン
- 時間とエネルギーがあれば原材料の希少性への対処は可能
※アダム・スミスらの価値主観的選好に科学・市場万能主義との類似性を見るが、
スミスらの思想はエコロジー思想の形成にも影響を与えた(ペパー)
ハーディン・B・C・ディプス
スミスらの思想はエコロジー思想の形成にも影響を与えた(ペパー)
ハーディン・B・C・ディプス
- 産業生態学
・資源は商品になったあと、産業廃棄物になるのではなく再利用される
・技術の発展により商品は小型化、物質的性格を失う
・「緑の資本主義」の範疇?
・技術の発展により商品は小型化、物質的性格を失う
・「緑の資本主義」の範疇?
3.環境管理主義各様の主張
テクノセントリストか否かの判断はかなり難解
テクノセントリストか否かの判断はかなり難解
どうでもよい。 110608
例 エイモリー・B・ロビンス=ポリティカル・エコロジーに近い思想
⇔ソフト・エネルギー・パスを主張
⇒技術による環境問題の解決=テクノセントリズム、ではない
エルキントン、フラー、パスモアはエコセントリズム的な主張をしている
ミューア(エコセントリズムの祖)は大幅な社会の変革を推進していない
ネスはテクノセントリズムとの共闘の必要性を言っている
⇔ソフト・エネルギー・パスを主張
⇒技術による環境問題の解決=テクノセントリズム、ではない
エルキントン、フラー、パスモアはエコセントリズム的な主張をしている
ミューア(エコセントリズムの祖)は大幅な社会の変革を推進していない
ネスはテクノセントリズムとの共闘の必要性を言っている
●環境管理派
・環境への配慮をしながら現在への生活を維持
・持続可能な成長
ジョン・エルキントン、トム・バーク
・節約だけでなく、技術的に自然を守っていく=環境テクノロジー
・新しい資本主義=「緑の資本主義」
生まれていない未来の世代に責任を持つ「環境企業家」
環境に配慮した商品を好む「グリーン・コンシューマリズム」
自由市場経済と環境テクノロジーの調和した世界
→市場調整力が環境テクノロジーを進ませる
⇔消費を前提にするのではなく、消費そのものを減らすべき(サンディー・アーヴィン)
↑消費者選好だけではいけない、節約に関する記述もたくさん(エルキントン)
・環境への配慮をしながら現在への生活を維持
・持続可能な成長
ジョン・エルキントン、トム・バーク
・節約だけでなく、技術的に自然を守っていく=環境テクノロジー
・新しい資本主義=「緑の資本主義」
生まれていない未来の世代に責任を持つ「環境企業家」
環境に配慮した商品を好む「グリーン・コンシューマリズム」
自由市場経済と環境テクノロジーの調和した世界
→市場調整力が環境テクノロジーを進ませる
⇔消費を前提にするのではなく、消費そのものを減らすべき(サンディー・アーヴィン)
↑消費者選好だけではいけない、節約に関する記述もたくさん(エルキントン)
以上は現代において主流の立場だろう。私たち自身もこの立場にあるため、容易に納得してしまう可能性があり、注意すべき。 また、この立場には長期的な視野がかけているのではないか?110608
バックミンスター・フラー
・人間とは「電気機械的還元植物」
・人間とは「電気機械的還元植物」
昔の日本人にも、人間存在を植物に比して考えるということがあったらしい 110609
・「超物質的な現象が物質を支配できる」※超物質的な現象=知性
・現在の問題点は専門化の進行。専門化では別の環境に適応できない
・「宇宙船地球号」のマニュアルを作成する必要がある=科学技術の方向変更
・現在の問題点は専門化の進行。専門化では別の環境に適応できない
・「宇宙船地球号」のマニュアルを作成する必要がある=科学技術の方向変更
「宇宙船地球号」はボールディングから 110608
「フラーは環境の敵ではなく、人類の擁護者」(ビル・マッキンベン)
※基本的には未来に対する楽観論が支配する風潮が時代背景としてある
「フラーのビジョンは、はかなくそしてはるか彼方に消えてしまったようだ」
〔ヘイゼル・ヘンダーソン〕
ジョン・パスモア
・様々なエコロジー思想の批判
従来からある倫理・道徳の拡大で現状への問題対応は可能
=隣人に対して迷惑となる行為だけはつつしむべき
→新しい道徳を創出する必要はない
※急進的なエコロジストが考える問題点とは異なる
・自然を守る理由=直接的な「未来世代」のため
・環境問題の根本原因は「貪欲と近眼視」
・「生への畏敬」(アルベルト・シュヴァイツァー)
※基本的には未来に対する楽観論が支配する風潮が時代背景としてある
「フラーのビジョンは、はかなくそしてはるか彼方に消えてしまったようだ」
〔ヘイゼル・ヘンダーソン〕
ジョン・パスモア
・様々なエコロジー思想の批判
従来からある倫理・道徳の拡大で現状への問題対応は可能
=隣人に対して迷惑となる行為だけはつつしむべき
→新しい道徳を創出する必要はない
※急進的なエコロジストが考える問題点とは異なる
・自然を守る理由=直接的な「未来世代」のため
・環境問題の根本原因は「貪欲と近眼視」
・「生への畏敬」(アルベルト・シュヴァイツァー)
- 人間は「自然のスチュワード(管理者)」
→「不必要に破壊するのは間違いだと断じる伝統」
↑どうやって「間違いだと断じる」かが問題なのでは? 110608
⇔エコセントリズム:テクノセントリズムは所詮は現状の危機を根本的に解決するものではない
4.自然のスチュワード
ルネ・デュボス
・エコセントリズムの範疇に入るが、一種の人間中心主義
・場所の特性を重視、地域生態系を生命のシステム論的に眺める
・スチュワード精神や人口の景観を評価、人間の自由意志や科学力を重視
・本当の環境というものは自らの感覚によって知覚できる環境
人口の景観=場所の精神が生み出した人間精神によるもの
※環境神学の前提ももっている
レオポルドの理論を精緻化した人物(ナッシュ)
ルネ・デュボス
・エコセントリズムの範疇に入るが、一種の人間中心主義
・場所の特性を重視、地域生態系を生命のシステム論的に眺める
・スチュワード精神や人口の景観を評価、人間の自由意志や科学力を重視
・本当の環境というものは自らの感覚によって知覚できる環境
人口の景観=場所の精神が生み出した人間精神によるもの
※環境神学の前提ももっている
レオポルドの理論を精緻化した人物(ナッシュ)