古代日本の自然観について―土橋寛『日本語に探る古代信仰』を読んで―
0. 背景
大学受験の頃、政治への関心から天皇制や第二次世界大戦時のことについて少し調べていた。やがてそこからシフトして、日本の歴史や自分のルーツといったものに興味を持つようになった。
大学に入って、思想系の講義を受けると、「日本的自然観」という言葉がよくでてきたが、講義の内容から自分の中で納得することはできなかった。それはなぜかというと、おそらくその「日本的自然観」が多分に「仏教的」だったからではないかと思う。私は仏教に対して外来の宗教というイメージを持っていたので、仏教的でない自然観が、仏教が入ってくる以前に当然あっただろうと思っていた。
そこで亀山先生が『日本語に探る古代信仰』を貸していただいたので、ひとまずこの本から自然観に関係すると考えられる箇所をまとめてみて、これからの足がかりにしようと考えた。
大学に入って、思想系の講義を受けると、「日本的自然観」という言葉がよくでてきたが、講義の内容から自分の中で納得することはできなかった。それはなぜかというと、おそらくその「日本的自然観」が多分に「仏教的」だったからではないかと思う。私は仏教に対して外来の宗教というイメージを持っていたので、仏教的でない自然観が、仏教が入ってくる以前に当然あっただろうと思っていた。
そこで亀山先生が『日本語に探る古代信仰』を貸していただいたので、ひとまずこの本から自然観に関係すると考えられる箇所をまとめてみて、これからの足がかりにしようと考えた。
1. 本書の構成
I. 呪術・宗教と霊魂観念―日本語は語る―
(一)原始宗教に関する諸問題
(二)霊魂(タマ)と生命(イノチ)
(三)神聖とはなにか―「イ」「ユ」をめぐって―
II. 呪物崇拝(フェティシズム)と呪力信仰(マナイズム)
(一)自然と人間
(二)花見、山見の呪術的意義
(三)白鳥、鷺、白馬の呪力信仰
(四)邪眼と慈眼
(五)呪物崇拝と呪的、宗教的儀礼
(六)三種の神宝
III. 日本の神と霊力
(一)カミとモノ・オニ
(二)神社の祭神と司祭者
(三)神名の核をなす霊力
(四)神名の核にならない霊力
IV. コトバの呪術と宗教
(一)呪詞とその起源
(二)言語呪術としてのウケヒ
(三)祝詞―神にイノル言葉―
(一)原始宗教に関する諸問題
(二)霊魂(タマ)と生命(イノチ)
(三)神聖とはなにか―「イ」「ユ」をめぐって―
II. 呪物崇拝(フェティシズム)と呪力信仰(マナイズム)
(一)自然と人間
(二)花見、山見の呪術的意義
(三)白鳥、鷺、白馬の呪力信仰
(四)邪眼と慈眼
(五)呪物崇拝と呪的、宗教的儀礼
(六)三種の神宝
III. 日本の神と霊力
(一)カミとモノ・オニ
(二)神社の祭神と司祭者
(三)神名の核をなす霊力
(四)神名の核にならない霊力
IV. コトバの呪術と宗教
(一)呪詞とその起源
(二)言語呪術としてのウケヒ
(三)祝詞―神にイノル言葉―
2. 内容
呪術:人間が自然物や他者を直接的にコントロールすることによって、願望を遂げようとする行為
宗教:超自然的な存在としての神・仏の力に頼って、間接的に願望を遂げようとする行為
霊魂…呪術・宗教の両方に関係
①遊離魂、自由霊:身体と独立に存在、死後も存在 ex)夢、幻
②身体霊、生命霊:身体と結びついている、死と共に滅びる
③霊質、霊力、呪力:人間以外の自然物、人工物に存在
①遊離魂、自由霊:身体と独立に存在、死後も存在 ex)夢、幻
②身体霊、生命霊:身体と結びついている、死と共に滅びる
③霊質、霊力、呪力:人間以外の自然物、人工物に存在
「魂振り」と「魂鎮め」
魂振り:タマ(霊力、生命力)を振り動かす;弱った霊魂に霊力を注ぎ込んで回復させる
魂鎮め:身体から離れた遊離魂を身体の中に鎮める(中国式)
魂振り:タマ(霊力、生命力)を振り動かす;弱った霊魂に霊力を注ぎ込んで回復させる
魂鎮め:身体から離れた遊離魂を身体の中に鎮める(中国式)
花見・山見の呪術的意義
…生命力を強化したり、赤ん坊を泣き止ませたりする目的で自然物を「見る」
(花や青葉に人の生命力を強化するタマフリの呪力があると考えた)
活花、庭園
…生命力を強化したり、赤ん坊を泣き止ませたりする目的で自然物を「見る」
(花や青葉に人の生命力を強化するタマフリの呪力があると考えた)
活花、庭園
白鳥・鷺などの水鳥が霊力を持つ(白鳥:ヤマトタケルノミコト)
3. 考えたこと
(・調べるのが大変そう)
- 単純に面白い、が…
- 現代人が考えるような形での「自然観」というものが古代にあったのか
- 「日本固有」を追求しても意味はない
- 現代の日本人とつながりはあるのか
- 手塚治虫を読み直したい
4. 参考文献
土橋寛『日本語に探る古代信仰』 1990年、中公新書
