亀山ゼミ 文献『場所の現象学―没場所性を越えて』Edward Relphk
〈場所〉が日に日に失われ、〈没場所性〉が支配する現代。しかし昔をなつかしむのでなく、いま、ここに、場所のセンス再生の可能性を探る、人間主義地理学からのアプローチ。
〈場所〉が日に日に失われ、〈没場所性〉が支配する現代。しかし昔をなつかしむのでなく、いま、ここに、場所のセンス再生の可能性を探る、人間主義地理学からのアプローチ。
第1章 場所および地理学の現象学的基礎
■人間的である:意味のある場所で生活すること→場所の重要性
■場所の概念:場所の探求はそれを通して私たち全てが場所を知り、かつ作り出せるような経験の全領域に関わらねばならない。
■場所の概念:場所の探求はそれを通して私たち全てが場所を知り、かつ作り出せるような経験の全領域に関わらねばならない。
第2章 空間と場所
連続した範囲の中の空間タイプ
1.原初的空間(=生物学的空間) 空間=場所
2.知覚空間→personal placeに分化する。
3.実存空間(=public places)→地理的空間(世俗的な空間を含む)/聖なる空間(前近代的)
(#)建築・計画空間→現代;実存空間ではない ルネッサンス;実存空間
4.認識空間:思考空間≒理論的空間
抽象的空間:経験しえないもの。原子構造。
理論空間:都市計画をするときに関わってくる。
■個々人の場所―公共的な場所のコンテクスト
知覚空間の中の直接経験 実存空間
連続した範囲の中の空間タイプ
1.原初的空間(=生物学的空間) 空間=場所
2.知覚空間→personal placeに分化する。
3.実存空間(=public places)→地理的空間(世俗的な空間を含む)/聖なる空間(前近代的)
(#)建築・計画空間→現代;実存空間ではない ルネッサンス;実存空間
4.認識空間:思考空間≒理論的空間
抽象的空間:経験しえないもの。原子構造。
理論空間:都市計画をするときに関わってくる。
■個々人の場所―公共的な場所のコンテクスト
知覚空間の中の直接経験 実存空間
第3章 場所の本質
■場所の意味の源泉や本質を明らかにするために…場所を多面的な顔を持つ経験の現象の一つとして捉え、位置や経験や個人的な関わりなどの場所の様々な特性を検討する。
1. 場所と位置―関わりしあるが、場所の本質ではない。
2.場所時計感―場所は物理的で視覚的な形態、「景観」を持つ。←しかし場所の経験の全てを景観の経験として理解することはできない。
3.場所と時間―時間は私たちの場所についての経験の一部である。←しかし時間は場所の経験に影響を及ぼす次元であるに過ぎない。
4.場所と共同(コミュニティ)―共同社会と場所との関係は、一方が他方のアイデンティティを補強しあう強いもの。→景観:共有される信念や価値観と人々の間の関わりの表現
場所はパブリックである。:人々が彼らの場所であり、また場所こそがそこの人々なのだ。
■場所の本質は意識の志向性に存在する。
第4章 場所のアイデンティティ
□場所のアイデンティティとは?
私たちの場所経験に影響を与えまたそれによって影響されるような、場所経験の基本特性。場所間の相違を認識することだけではなく、違いの中に共通性を発見するという基本的な行為。構成要素:物質的要素、人間の活動、意味←これとは別に、場所の扇子、土地の気風
■場所の意味の源泉や本質を明らかにするために…場所を多面的な顔を持つ経験の現象の一つとして捉え、位置や経験や個人的な関わりなどの場所の様々な特性を検討する。
1. 場所と位置―関わりしあるが、場所の本質ではない。
2.場所時計感―場所は物理的で視覚的な形態、「景観」を持つ。←しかし場所の経験の全てを景観の経験として理解することはできない。
3.場所と時間―時間は私たちの場所についての経験の一部である。←しかし時間は場所の経験に影響を及ぼす次元であるに過ぎない。
4.場所と共同(コミュニティ)―共同社会と場所との関係は、一方が他方のアイデンティティを補強しあう強いもの。→景観:共有される信念や価値観と人々の間の関わりの表現
場所はパブリックである。:人々が彼らの場所であり、また場所こそがそこの人々なのだ。
■場所の本質は意識の志向性に存在する。
第4章 場所のアイデンティティ
□場所のアイデンティティとは?
私たちの場所経験に影響を与えまたそれによって影響されるような、場所経験の基本特性。場所間の相違を認識することだけではなく、違いの中に共通性を発見するという基本的な行為。構成要素:物質的要素、人間の活動、意味←これとは別に、場所の扇子、土地の気風
場所のアイデンティティだけでなく、個人やその集団がその場所に対して持つアイデンティティが重要。特に彼らが場所を「部内者」として経験するのか、「部外者」として経験するのか。
□場所の経験の仕方
①実存的外側性;全ての場所からの根深い疎外
②客観的外側性;概念や位置として扱われる場所
③付随的外側性;場所が単に他の活動のための背景となる。
□場所の経験の仕方
①実存的外側性;全ての場所からの根深い疎外
②客観的外側性;概念や位置として扱われる場所
③付随的外側性;場所が単に他の活動のための背景となる。
④代償的内側性;小説やその他の媒体を通じた場所経験
⑤行動的内側性;場所にただ物理的に存在すること
⑥感情移入的内在性;場所への感情的参加と関わり。
⑦実存的内側性;場所への完全で無意識的な関わり。
□場所のイメージ
経験や態度や記憶あるいは直接的寛恕の産物であるところの心的映像。場所のアイデンティティの基礎。
個人的イメージ/共同体的イメージ
共同社会的―村社会的 / 集団的―近代的
□場所のアイデンティティの育成と保全
場所のアイデンティティ;アイデンティティのない場所は存在しない。
物理的形態や観察可能な外見と主体の態度の切り離しがたい組み合わせによって決まる。
同化と調節、および知識の社会化の相互の組み合わせの表現。←この三つが変化してもアイデンティティは最低限必要な私信を与え続ける。
第5章 場所のセンスと本物の場所づくり
□場所のセンスとは?
それなしには何もすることができない。場所と一帯である感覚。
□場所に対する本物性
(1) 自立・自律
(2)無意識的な場所のセンス―世界の意味と共同体関係
(3)場所のアイデンティティの直接で純粋な態度
場所の認識/場所との無意識的な一体
□場所作り
本物の場所作り
無意識―本物の場所のセンス / 無意識―計画的
×単一目的、機能性→没場所性へ
○レファランスポイント
第6章 没場所性
□偽物性
無意識で主観的―キッチュ 例)住まい、観光
□没場所性;どの場所も外見ばかりか雰囲気まで同じようになってしまい、場所のアイデンティティがどれも同じような当たり障りのない経験しか与えられなくなるほど弱められてしまうこと。
←1.マス・コミュニケーション 2.大衆文化―別世界指向の場所、ディズニー化、博物館化、未来化、サブとピア大企業、中央集権、経済システムとの関係。
□場所に対する偽物の態度
1.テクニックに関係した態度―場所は公共の利益に沿って操作できるものと理解され、昨日や技術に関わる特性や可能性だけが評価される。
2.キッチュに関係した態度―場所はたくらまれたステレオタイプの表層的で大衆的な価値においてのみ経験され、創り出される。
第7章 現代の景観経験
□景観についての過去と現在の相違点
景観と自然から人間が切り離された「管理された消費の官僚主義社会」→理屈だけの不条理で混乱した今日の景観
□現代の景観
1.効率
2.不条理―経験との断絶
3.日常性―私的・所与
4.合理的景観cf)場所経験の秩序の混乱
5.単純な景観←記号(神話);虚構の観念、イデオロギー
→→→総じて単一的・画一的
⑤行動的内側性;場所にただ物理的に存在すること
⑥感情移入的内在性;場所への感情的参加と関わり。
⑦実存的内側性;場所への完全で無意識的な関わり。
□場所のイメージ
経験や態度や記憶あるいは直接的寛恕の産物であるところの心的映像。場所のアイデンティティの基礎。
個人的イメージ/共同体的イメージ
共同社会的―村社会的 / 集団的―近代的
□場所のアイデンティティの育成と保全
場所のアイデンティティ;アイデンティティのない場所は存在しない。
物理的形態や観察可能な外見と主体の態度の切り離しがたい組み合わせによって決まる。
同化と調節、および知識の社会化の相互の組み合わせの表現。←この三つが変化してもアイデンティティは最低限必要な私信を与え続ける。
第5章 場所のセンスと本物の場所づくり
□場所のセンスとは?
それなしには何もすることができない。場所と一帯である感覚。
□場所に対する本物性
(1) 自立・自律
(2)無意識的な場所のセンス―世界の意味と共同体関係
(3)場所のアイデンティティの直接で純粋な態度
場所の認識/場所との無意識的な一体
□場所作り
本物の場所作り
無意識―本物の場所のセンス / 無意識―計画的
×単一目的、機能性→没場所性へ
○レファランスポイント
第6章 没場所性
□偽物性
無意識で主観的―キッチュ 例)住まい、観光
□没場所性;どの場所も外見ばかりか雰囲気まで同じようになってしまい、場所のアイデンティティがどれも同じような当たり障りのない経験しか与えられなくなるほど弱められてしまうこと。
←1.マス・コミュニケーション 2.大衆文化―別世界指向の場所、ディズニー化、博物館化、未来化、サブとピア大企業、中央集権、経済システムとの関係。
□場所に対する偽物の態度
1.テクニックに関係した態度―場所は公共の利益に沿って操作できるものと理解され、昨日や技術に関わる特性や可能性だけが評価される。
2.キッチュに関係した態度―場所はたくらまれたステレオタイプの表層的で大衆的な価値においてのみ経験され、創り出される。
第7章 現代の景観経験
□景観についての過去と現在の相違点
景観と自然から人間が切り離された「管理された消費の官僚主義社会」→理屈だけの不条理で混乱した今日の景観
□現代の景観
1.効率
2.不条理―経験との断絶
3.日常性―私的・所与
4.合理的景観cf)場所経験の秩序の混乱
5.単純な景観←記号(神話);虚構の観念、イデオロギー
→→→総じて単一的・画一的
今日の景観の文化的な異議は「神話」の異議以上のものではない。没場所性は今日の景観の経本質的な一部であり、今日の景観が創り出したもの。
□現在の景観
マイナス面―奥深さ、多様さを書き、過去のチリを根こそぎにしようとしている。
プラス面―一般に心地良い、まったく効率的な地理を持つ
第8章 場所のゆくえ
□没場所性
没場所性の主な二つの根源「テクニーク」と中央権力に退行しても無駄であり、不可能である。ますます没場所的な姿勢になる。
←場所のセンスの再生が必要:博物館化ではなく、没場所性を乗りこえる。
←周到な努力と、意識的な本物性に似た「脱権威」の啓発が必要。
多様な場所を想像するためには:各々の場所は異なり、それぞれの場所作りはその価値によって決定されるべきであり、外見上は類似した場合でもまったく異なった答えが必要かもしれない。
□現在の景観
マイナス面―奥深さ、多様さを書き、過去のチリを根こそぎにしようとしている。
プラス面―一般に心地良い、まったく効率的な地理を持つ
第8章 場所のゆくえ
□没場所性
没場所性の主な二つの根源「テクニーク」と中央権力に退行しても無駄であり、不可能である。ますます没場所的な姿勢になる。
←場所のセンスの再生が必要:博物館化ではなく、没場所性を乗りこえる。
←周到な努力と、意識的な本物性に似た「脱権威」の啓発が必要。
多様な場所を想像するためには:各々の場所は異なり、それぞれの場所作りはその価値によって決定されるべきであり、外見上は類似した場合でもまったく異なった答えが必要かもしれない。
★「根もと(ルーツ)」や場所への配慮をはぐくむ条件を整えることは可能。