○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『医務室』
ジェーン☆乙姫(おつひめ)vs大蛇(おろち)勝美。
その試合をモニターで観戦している者。
その試合をモニターで観戦している者。
その中の3人。
“真の護身を知らしめたい!!”
『ブラック少林(しょうりん)』
『ブラック少林(しょうりん)』
“大蛇流のデンジャラスライオン”
『カロ籐 清登(かろとう きよと)』
『カロ籐 清登(かろとう きよと)』
“ザ・ジェノサイド”
『壊撃(かいげき)のユージン』
『壊撃(かいげき)のユージン』
3人の内…。
カロ籐がニヤニヤしながら、
少林にこう言う。
「おい、角中!」
「あれ、おめぇの、
『オリーブ&ポパイのほうれん草』じゃあねぇのか?」
少林は冷静に突っ込む。
「少林です。」
「あとポパイでも、ほうれん草でもありません。」
「オリーブガイナ脚(きゃく)です。」
ユージンは淡々と質問する。
「そう…言えば。
乙姫も『新世紀プロレス』の道場借りているんだった…な。」
「何?必殺キックを教えたりして??二人は付き合ってんの??」
カロ籐をニタリニタリと…。
「鍛えている女の“あそこの具合”は良いからなぁああ~~~。」
「俺も大蛇流の女子道場生と、ヤった時はよぉ…!」
「締まりが良くて、良い思いしたぜッ!!」
少林はつぶやく。
「しかし、マズイですね…。」
カロ籐はいやらしさ満点にこう問う。
「何だよ。乙姫の“ソコ”は“ガバガバ”だったのかよ…?キシシ!!」
少林は生真面目にこう言った。
「いえ、そう言う話ではありません。」
「私が乙姫に教えた『オリーブガイナ脚』は…。」
「本来の意味での『オリーブガイナ脚』を見失った状態で教授したモノ…。」
そして少林は冷や汗を掻きながら、こう言い放つ。
「やはりこう言う展開に…ッ!」
「乙姫…!これは私の責任ですね…ッ!!」
3人は再びモニターを見やる。
・
・
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○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』
第 2 0 話 「 こ の 技 は 実 在 す る ッ ! ! 」
原案・手拭
筆者・REO=カジワラ
筆者・REO=カジワラ
○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
片や!
“本業がレイヤーで修斗ファイトは趣味”
『ジェーン☆乙姫(おつひめ)』
搭乗修斗はッ!
『変幻衣装士(コスプレイヤー)』
ッ
ッ
片や!
“空手を終わらせた女”
『大蛇勝美』
搭乗機体はッ!
『F-44リベンジャー』
ッ
ッ
「変幻衣装士」はパワー寄りの“バランスタイプ”修斗。
「F-44リベンジャー」はやや盛りの“バランスタイプ”機体。
「変幻衣装士」の方が「F-44リベンジャー」より、やや大きい。
先手を打ったの「F-44リベンジャー」であった。
「変幻衣装士」の顔面に、大蛇流の代名詞『蛇輪(じゃりん)』。
音速で放たれた『蛇輪』は「変幻衣装士」の顔面に叩き込まれる…ッ!
そ
の
ハ
ズ
だ
っ
た
しかし、それは試合前から、罠を張っていた「乙姫」の策略であったッ!
勝美の攻撃を「変幻衣装士」の顔面への誘導させる。
自身最速の拳「直突き(日拳ストレート)」を使用する。
そして、パワー寄り故の「F-44リベンジャー」よりも長い『リーチ』。
ッ
ッ
それら全てが合わさり「変幻衣装士」の拳は「F-44リベンジャー」よりも
先に「F-44リベンジャー」の顔面をとらえる…ッ!!
ッ
そこから「変幻衣装士」は、ブラック少林から伝授された
『直伝・オリーブ☆ガイナ脚』を放った!!
ッ
一見「F-44リベンジャー」の頭部を狙った上段蹴りに見えたその蹴りは、
屈んで回避しようとした「F-44リベンジャー」の上を行き!
ッ
ッ
上部より頭部を狙う『上段振り下ろし蹴り』へと変化するッ!!
ッ
「F-44リベンジャー」は寸前のトコロで、
頭部を蹴りの軌道から外したが、左肩に被弾をしてしまう…ッ!
ド
サ
ッ
!
ダメージで、左膝(ひざ)をつき、片膝立ちの状態になる「F-44リベンジャー」ッ!!
そ
の
隙
に
!
『とある乙女の閃光魔術(シャイニングウィザード)』!
ッ
ッ
片膝立ちしている相手に対し、その片脚を踏み台にして
相手の膝上に乗り上がり、すぐさま相手の頭部・顔面を狙って
膝蹴りを繰り出すというプロレス技ッ。
相手の膝上に乗り上がり、すぐさま相手の頭部・顔面を狙って
膝蹴りを繰り出すというプロレス技ッ。
ッ
ッ
勝敗は決した!
天才・大蛇勝美…ッ!!
相手を見下してかかる悪癖が故に、
これにて敗戦終了かァーッ!!?
否
ァ
!
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
勝美はこう言う。
「乙姫。お前の敗因は『オリーブなんちゃら』と言う『蹴り』が“不完全”だったからだ。」
「もしもっと、この蹴りの精度が高かったら『F-44』の頭部に被弾したろうし…。」
「回避されたとしても、私の左肩のダメージは重く、次の『シャイニングなんとか』をまともに食らったろう。」
勝美は続ける。
「『頭突き』だよ。膝の骨よりも強固だからな、頭蓋骨(ずがいこつ)ってのは。」
「お前の『シャイニングなんとか』よりも早く、私の『音速の頭突き』がお前の膝に入ったんだッ…!」
「当たり所が悪く、自らの膝を痛めているハズだよな。乙姫ッ…!!」
そして勝美はこう言い放つ。
「おイタは終わりだ、ジェーン☆乙姫。」
「この試合終わりにしてやろう。私の勝利(かち)でなッ…。」
ッ
ッ
乙姫。
(確かに、膝にダメージはあるわ。)
(けど、かつみんもノーダメージではない。)
(それを理解しているから、挑発をしているハズ。)
な
ら
!
「自信たっぷりね。かつみん。」
勝美。
「ユリ・サカザキ語はどうした?」
乙姫。
「次の攻撃はユリ語じゃあなのよ。」
勝美。
「次の攻撃ッ…?」
乙姫。
「次の攻撃は…!」
ッ
ッ
「『 波 動 拳 』ッ ! ! 」
ッ
勝美。
「今度は『春日野さくら』か?節操無いな。」
乙姫。
「詳しいのね。普通なら『リュウケン』と言うのに。」
勝美。
「道場生がよく使っていたんでね。」
乙姫。
「それじゃあ、波動拳がどう言うモノかは知っているわね。」
勝美。
「まあな。」
乙姫。
「それじゃあ、波動拳いくわよ!!」
勝美。
「ッ…!!」
ッ
ッ
〇波動拳
組み合わせた両手から気弾を発射する。
気弾のビジュアルはゲームによって異なり、基本的には青白い火球のようなデザインだが
黄色い光球を撃ち出すもの、気弾の中に両手の形が見えるもの、身の丈ほどの大きさになっているものなどがある。
気弾のビジュアルはゲームによって異なり、基本的には青白い火球のようなデザインだが
黄色い光球を撃ち出すもの、気弾の中に両手の形が見えるもの、身の丈ほどの大きさになっているものなどがある。
「波動拳」のレバー入力の方法(1P側で下・右下・右)は『波動拳コマンド』と呼ばれ、
他社製を含めた格闘ゲーム全般の必殺技で多く採用されている。
他社製を含めた格闘ゲーム全般の必殺技で多く採用されている。
このコマンドは「波動拳」同様の発射・投擲により攻撃する技、もしくは真横に大きく突進移動する技に多い。
また、特に発射・投擲を行う技を指す、“飛び道具”という名称が使われた端緒の1つとして『ストII』でのこの技がある。
また、特に発射・投擲を行う技を指す、“飛び道具”という名称が使われた端緒の1つとして『ストII』でのこの技がある。
で
は
あ
る
が
乙姫。
(当然、この波動拳では無いわ…!)
(私が放つ『波動拳』は…ッ!!)
ッ
ッ
『 波 動 突 き ッ ! 』
ッ
〇波動突き
波動突き。またの名を波動拳。日本拳法独自の突き方。
波が行ったり来たりする動きをイメージしてる為、そのような名称になっている。
波が行ったり来たりする動きをイメージしてる為、そのような名称になっている。
突き方は開掌拳(かいしょうけん=拳を開いた状態)から
足首⇒腰⇒肩の回転を利用して突き出す。
足首⇒腰⇒肩の回転を利用して突き出す。
当たる瞬間に拳を握り、手首のスナップの力を加えて打ち込む。
イメージは実際に当てる部位よりも、もう一つ先に目標部位があるイメージで
打ち込む。このようにイメージする事で撃力が増す。
打ち込む。このようにイメージする事で撃力が増す。
そ
う
こ の 技 は 実 在 す る ッ ! !
ッ
ッ
乙姫。
(ゲームの波動拳が来ると思っている、かつみんに対し…!!)
ッ
グン!(波動突きの間合いに入る!!)
…ッ!(虚を突かれる、かつみん!!)
ッ!!(私は足首⇒腰⇒肩の回転を利用し…ッ!!)
バ ン ! !(「F-44リベンジャー」の顔面に拳を叩き込むッ!!)
ッ
ッ
勝美!
「このッ…!」
「ペテン師がッ…!!」
ッ
(『蛇輪』のバリエーションに『大蛇ノ輪(だいじゃのりん)』と言う、
強力な蛇輪である『大蛇輪』を、地面に放ちその際発生した衝撃波と
それに巻き込まれた破片を叩きつける“技”があるがッ…。)
ッ
ッ
(これは『あくまで突き』じゃあないかッ…!!)
ッ
後方へ移動する事で寸前にて、
波動突きを回避する勝美ッ!!
ッ
乙姫!
「この距離なら!!」
( 突 蹴 り が イ ケ る ! ! )
ド
ン
!
〇突蹴り(前蹴り)
槍をかい込んで突き徹すような突き蹴り、
かがんだ相手の胴部を蹴り上げる揚げ蹴り等、
拇指(ぼし)の下あたり(裏足)を当てる蹴りが多用される。
かがんだ相手の胴部を蹴り上げる揚げ蹴り等、
拇指(ぼし)の下あたり(裏足)を当てる蹴りが多用される。
突蹴りの名称は日本拳法独自の名称であり、
乙姫はこの突蹴りを得意としているッ。
乙姫はこの突蹴りを得意としているッ。
ッ
パ ァ ン ! !
乙姫!
「な…ッ!?」
ッ
ッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
勝美!!
「忘れちゃあいないか?」
「私は『音速で空手技を放てる』んだ。」
「虚を突かない攻撃なら、容易に迎撃出来る。」
大蛇勝美は言い放つッ!!
「前蹴りを放った脚のアキレス腱を蹴った。」
「しばらく、その足は動かせない。」
「お前は片膝をついた状態で止まるッ…!」
そ
し
て
!
「この連撃でお前を仕留める!乙姫!!」
ッ
ッ
パァァアアアアアアアン!!
(「F-44リベンジャー」の右前蹴りを「変幻衣装士」の水月(みぞおち)に叩き込むッ!!)
グ
ン
!
(蹴り込んだ水月を踏み台に、肩へ駆け上がり…!!
ッ
パァァアアアアアアアン!!
(「F-44リベンジャー」の右膝蹴りが「変幻衣装士」の顎(アゴ)を打ち上げッ!!)
ッ
ッ
グラァ…!!(仰向けに倒れ行く「変幻衣装士」に対しッ…!!)
ッ
ドッッッグッッッッ
シャァァァアアアア ア ア アア アア ア ア ! ! !
( 全 体 重 を 乗 せ た 肘 打 ち を 顔 面 に 叩 き 落 と す ッ … ! ! )
・
・
・
・
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〇蹴り込んだ水月を踏み台に肩へ駆け上がっての蹴り
蹴り込んだ水月を踏み台にして、肩へ駆け上がっての蹴り!
この実にSFチックな離れ技を使用する高名な空手家を、
作者が尊敬をする漫画家は知っている。
この実にSFチックな離れ技を使用する高名な空手家を、
作者が尊敬をする漫画家は知っている。
その漫画家は「空手家の希望により名は伏せる」としたが、
自己を発狂寸前まで追い込む荒行を条件に…!!
自己を発狂寸前まで追い込む荒行を条件に…!!
ッ
こ の 技 は 実 在 す る ッ ! !
ッ
そして勝美はこう言い放つ。
「『とある最終兵器の閃光大蛇(シャイニング・オロチ)』だッ…!」
「これぐらいやってくれなきゃな。シャイニングなんとかと言うなら。」
「終わりだな、乙姫。やはり私の勝利は揺るがなかった。」
ク
ル
リ
!
勝美は勝利を確信し…。
ザ
ッ
その場を後にした。
・
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・
・
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・
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・
・
ORGOGLIO最大トーナメント 準々決勝・第三試合
『ジェーン☆乙姫(おつひめ)』
日本拳法
乗機『変幻衣装士(コスプレイヤー)』
VS
『大蛇 勝美』
大蛇流空手
乗機『F-44リベンジャー』
勝者:『大蛇 勝美』
〇“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『女性用医務室』
ジェーン☆乙姫は寝かされていた。
膝。アキレス腱。顎。鼻。
湿布が貼ってあり、包帯が巻かれている。
「…。」
意識が戻り。
鈍痛と自身の敗北を噛み締める。
コンコン。
扉のノック音と。
「少林です。乙姫。」
聞き慣れた少林の声。
「いいよ。入って。」
乙姫はそう言う。
ガチャ。
少林は医務室に入った。
トットットット。
乙姫の側に寄る少林。
乙姫はこう言う。
「負けちゃったよ…。少林さん。」
少林は沈痛な面持ちでこう言う。
「私の…責任です…。」
「私がもっとちゃんとした
『オリーブガイナ脚』を教授出来ていたのなら…。」
乙姫はそんな少林を思いやり。
「ううん。少林さんは、私の為に、自分で一番の技を教えてくれたんでしょ?」
「感謝こそすれど、うらむ様な事は無いよ。」
少林は、己(おの)が気持ちを吐露する。
「戦友・近藤龍之介の敗北後、日本拳法が軽く見られる中…。」
「私は乙姫。同じ日本拳法家である、君に勝って欲しかった。」
「だから、オリーブガイナ脚を教授した。」
乙姫は笑みを浮かべながら。
「嬉しかったな。すっごく…。」
そう言う。
そして諦めた表情で。
「でも、強かった。かつみん。」
「仕方ないよね…。才能が違うモノ…。」
「仕方…ないよね…。」
と言った。
少林は…。
「仕方ないなど言ってはいけない乙姫。」
そう言う。
乙姫は。
「え…?」
と、あっけに取られる。
少林は続ける。
「乙姫。君が『新世紀プロレス』の道場で見せてくれた日本拳法の技の数々。
そのどれもが一朝一夕で、出来るモノではありませんでした。素晴らしいモノでした。」
「その技の一つ一つの為にも…ッ。『仕方ない』なんて言葉で片づけてはイケナイ。」
乙姫は顔面をくしゃくしゃにしながら。
「じゃあ…どうすれば良いの?」
「私、すっごく胸がモヤモヤするの…!!」
「仕方ないとでも思わないと…!」
「やりきれなくて仕方ないよ…!!」
少林は真剣な眼差しでこう言い放つ。
「泣けば…良い。」
「悔しくて。どうしようもなくて。無力が苦しい時。」
「人は…。泣けば良いんだ、姫子。」
乙姫は…。
「翼…さん。」
「ヒック…ヒック…ヒック…。」
「うぇぇぇええええええええええええん!!」
少林は…。
「…。」
少林は。
否(いいや)。
角中翼は、中島姫子を抱き寄せる。
翼の胸の内で泣きじゃくる姫子…。
翼は…。
心秘かに誓った。
もし…。
大蛇勝美と試合う時が来たならば…!
『全身全霊を持って打ち倒して見せる…!!』と。
そんな事は、つゆ知らず。
姫子は、ただただ泣きじゃくった。
ーーーーーー