ウルトラマサイ 第9話
【最終試験 審査員サイド】
「よーう、お前ら元気してっかアヒィ!」
「ズラ、アゴ、ダル、ゲストさん方と仲良くやってる?」
「ズラ、アゴ、ダル、ゲストさん方と仲良くやってる?」
「おおっ、我が国の英雄であり大先輩方ではありませんか。
ええ、ええ。それはもうここに来てくださったゲスト審査員の方々とはキッチリと
意識を通じ合っておりますよ。私のこの七三分けの様にキッチリと」
ええ、ええ。それはもうここに来てくださったゲスト審査員の方々とはキッチリと
意識を通じ合っておりますよ。私のこの七三分けの様にキッチリと」
揉み手をして二人に返事をする腰の低い男。
「ズラ、それセンター分けなってるしwちゃんと被れw」
「おっと、失礼。…でもこれは頭から直に生えている本物ですよ」
「なwいwわ」
「おっと、失礼。…でもこれは頭から直に生えている本物ですよ」
「なwいwわ」
ズラナンデスはアマド姉弟の姉、アンティエ・アマドの指摘に従い
自分の頭部を引っ張って髪の分け目を七三の位置に直す。
自分の頭部を引っ張って髪の分け目を七三の位置に直す。
「面白い…狂気の沙汰ほど面白い…」
「アゴ、まーたてめえは自分の世界に入ってよぉ!試験はちゃんとやれよぉ!」
「ククク、最終試験に残った新人の半分以上はDTS経験無し…。
奴らの無知故の行動に俺は興味が尽きないッ…」
「アゴ、まーたてめえは自分の世界に入ってよぉ!試験はちゃんとやれよぉ!」
「ククク、最終試験に残った新人の半分以上はDTS経験無し…。
奴らの無知故の行動に俺は興味が尽きないッ…」
自らのアゴをヤスリで擦りながらニヤニヤとしているアゴナガーイ。
エモンドの忠告も馬耳東風といった感じだ。
エモンドの忠告も馬耳東風といった感じだ。
「ウォォ~ン、俺の演技見てくれましたか?骨折して運ばれる姿を見せて参加者がバカしない様に
してやりましたぜ!モチロン俺の足はこの通り何ともなく…ギャゴーン!折れてないけどすっげ痛えー!」
してやりましたぜ!モチロン俺の足はこの通り何ともなく…ギャゴーン!折れてないけどすっげ痛えー!」
鎌瀬犬一は鎌瀬犬一だし、消去法が採用される。
「ズラ、ゲストさんに挨拶するから紹介しな」
「わ、私だけがでございますか?」
「キャラが多過ぎると処理に困るだろウヒョウヒョゥ!それにお前以外はアレだしよお」
「たしかにアレでございますね。では少々、髪の毛の先程お待ちください。
ゲスト審査員の皆様ー、ご紹介したい方がおりますので来ていただけますかー?」
「わ、私だけがでございますか?」
「キャラが多過ぎると処理に困るだろウヒョウヒョゥ!それにお前以外はアレだしよお」
「たしかにアレでございますね。では少々、髪の毛の先程お待ちください。
ゲスト審査員の皆様ー、ご紹介したい方がおりますので来ていただけますかー?」
ズラナンデスがゲストの控えている扉を3回ノックすると扉が開き、
円筒状の物体が眼前に迫って来た。
円筒状の物体が眼前に迫って来た。
「…?」
「おーはよーうございまーす!」
「おーはよーうございまーす!」
ドッコォォォォォン!!!!
挨拶と共に円筒の先から爆音と煙が上がりズラナンデスの頭部に乗っていた物質が部屋の反対側まですっ飛ぶ。
即座に猛ダッシュで落下点に走るズラナンデス。煙が晴れると扉の前には
バズーカを構えた女性が立っていた。
即座に猛ダッシュで落下点に走るズラナンデス。煙が晴れると扉の前には
バズーカを構えた女性が立っていた。
「レゼルヴェの軍人さん達目覚めはいかが?あら?こっちの男女は…」
「我が国のエースで我ら新兵の指導者でもあるアンティエ・アマド大尉とエモンド・アマド中尉でございます。
アンティエ大尉、こちらのパーティーグッズのバズーカぶっぱなしたのが
O.M.SのCランクチームのリーダージュン・Gさんです」
「ん、バズーカは一流格闘は三流のジュンちゃん、もうすぐ40歳でっす。よろしく」
「ヒャハヒャッ、面白いババアじゃねえか。なあ姉ちゃん!」
「そーだね」
「我が国のエースで我ら新兵の指導者でもあるアンティエ・アマド大尉とエモンド・アマド中尉でございます。
アンティエ大尉、こちらのパーティーグッズのバズーカぶっぱなしたのが
O.M.SのCランクチームのリーダージュン・Gさんです」
「ん、バズーカは一流格闘は三流のジュンちゃん、もうすぐ40歳でっす。よろしく」
「ヒャハヒャッ、面白いババアじゃねえか。なあ姉ちゃん!」
「そーだね」
ジュンとの挨拶が済んだその時、扉の向こう側から次々と男が出てくる。
白い高級な差し歯を見せ笑顔が輝く青年。目元だけが開いたハチマキ状の布で顔の上半分を隠した青年。
タッパーに入ったカツ丼を持ったままこちらに来たコート姿の中年男。
頭に迷彩柄のバンダナを巻いた小柄な青年。
白い高級な差し歯を見せ笑顔が輝く青年。目元だけが開いたハチマキ状の布で顔の上半分を隠した青年。
タッパーに入ったカツ丼を持ったままこちらに来たコート姿の中年男。
頭に迷彩柄のバンダナを巻いた小柄な青年。
「ジュンさんまーたバズーカ使ったのか?」
「…あ、初めまして。ワイルドカードの一員のネイキッドです」
「一次試験のカツ丼どうです?おひとつ」
「うわぁ、この煙は火事かよ!バクシーシバクシーシ!…え?違うの?」
「…あ、初めまして。ワイルドカードの一員のネイキッドです」
「一次試験のカツ丼どうです?おひとつ」
「うわぁ、この煙は火事かよ!バクシーシバクシーシ!…え?違うの?」
全員と顔を合わせ、これまでの試験への協力の礼を言った後、アマド姉弟は出ていこうとする。
「じゃあね。ズラナンデス、最後の試験頑張りなよ。帰ってきたら結果聞くから」
「えっ、最終試験見学はしていかないので?」
「俺たちゃオサと一緒に出撃準備状態で待機だぜアヒィ!今日か明日あたりに
アムステラのペッペケ野郎どもが出てきそうだからなぁ!」
「そうですか。では、ご武運を。私も未だ民間人に毛が生えた程度ですが、いつかお二人の背を守り戦える様に精進致します」
「えっ、最終試験見学はしていかないので?」
「俺たちゃオサと一緒に出撃準備状態で待機だぜアヒィ!今日か明日あたりに
アムステラのペッペケ野郎どもが出てきそうだからなぁ!」
「そうですか。では、ご武運を。私も未だ民間人に毛が生えた程度ですが、いつかお二人の背を守り戦える様に精進致します」
出ていく二人をズラナンデスは敬礼の姿勢で見送った。
◇◇◇
【失格者視点】
二次試験の合格者は僅か16名。
この極端な絞込みに文句の声も上がりそうだったが、選ばれた16名は全員が
かなりの身体能力とカツ丼調理能力を持っていた事が周知だった為文句は出ることは無かった。
ブブラカもその納得をせざるを得ない一人だった。
この極端な絞込みに文句の声も上がりそうだったが、選ばれた16名は全員が
かなりの身体能力とカツ丼調理能力を持っていた事が周知だった為文句は出ることは無かった。
ブブラカもその納得をせざるを得ない一人だった。
「やっぱり、10代20代に混ざって、元薬中が勝ち残るのは無理か」
口ではどうしてもパイロットになりたいと言ってはいたが、本当は最初からこうなるという諦めはあった。
自分にとって大切なのはこれを受け止めた上で今後の身の振り方を決めること。
ブブラカは二次試験の結果発表後に受け取った就職先候補のプリントに目を通す。
自分にとって大切なのはこれを受け止めた上で今後の身の振り方を決めること。
ブブラカは二次試験の結果発表後に受け取った就職先候補のプリントに目を通す。
「お前さんはどこで働く気じゃい?」
荷物をまとめ終わったウォルテガが声を掛ける。
この部屋で不合格になったのは彼ら二人、16人中3人がこの部屋から選ばれたというのも結構凄い話だが。
この部屋で不合格になったのは彼ら二人、16人中3人がこの部屋から選ばれたというのも結構凄い話だが。
「兵器工場か、整備の職業訓練。俺は、ロボットの傍で、働きたいから」
「そうか、まあ頑張れ」
「そうか、まあ頑張れ」
ウォルテガは自分に渡された就職斡旋のプリントを見ようともせず、
着替えの入ったカバンを手にして出ていこうとする。
着替えの入ったカバンを手にして出ていこうとする。
「最終試験、応援に、いかないのか」
「すまんな、家族にメールしたらパイロットになれないなら早くノルウェー帰ってこいと
返信が来てな。ワシは一足先に帰らせてもらうよ。全く、ワシにとっては妻こそアムステラより怖いわい」
「すまんな、家族にメールしたらパイロットになれないなら早くノルウェー帰ってこいと
返信が来てな。ワシは一足先に帰らせてもらうよ。全く、ワシにとっては妻こそアムステラより怖いわい」
そう言い、年寄り向けの簡素な作りの携帯を振って見せる。
「…あ」
「どうしたブブラカ?」
「どうしたブブラカ?」
ブブラカは気づいてしまった。気づいてはいけない事に。
そしてブブラカは聞いてしまう。聞いてはいけない事を。
そしてブブラカは聞いてしまう。聞いてはいけない事を。
「ウォルテガさん、その携帯、ノルウェーまで、メール遅れないんじゃあ」
「ほう…気づかれてしまったか」
「ほう…気づかれてしまったか」
ブブラカが最終試験の見学に来なかったのはこの一言が原因である。
ウォルテガの手によって変わり果てたブブラカとムチャウが再会するのはこれより五日後の事となる。
ウォルテガの手によって変わり果てたブブラカとムチャウが再会するのはこれより五日後の事となる。
◇◇◇
【最終試験受験者視点】
「ハッチ確認よーし!計器確認よーし!作動キー確認よーし!スイッチ確認よーし!」
「「ハッチ確認よーし!計器確認よーし!作動キー確認よーし!スイッチ確認よーし!」」
「「ハッチ確認よーし!計器確認よーし!作動キー確認よーし!スイッチ確認よーし!」」
ジュダの点検の声に合わせ見よう見まねでムチャウとバッドは修斗の各部位に指を指していく。
最終試験では16人の生き残り受験者全員が修斗の基本操作を練習した後、試験官8人との団体戦を行い
ここでの活躍とこれまでの累計点でパイロット候補としての合否が決定する。
彼らは今まさに出撃の直前だった。
最終試験では16人の生き残り受験者全員が修斗の基本操作を練習した後、試験官8人との団体戦を行い
ここでの活躍とこれまでの累計点でパイロット候補としての合否が決定する。
彼らは今まさに出撃の直前だった。
「ジュダ、俺達も武器を持った方が良かったんじゃあ」
「馬鹿っ、声がデカイみょん!初心者で修斗ならこの方がいいんだよ」ヒソヒソ
「馬鹿っ、声がデカイみょん!初心者で修斗ならこの方がいいんだよ」ヒソヒソ
バッドの口を塞ぎながらジュダが二人に囁く。
ムチャウ達以外の他の受験者は全員がマシンガンやチタン合金の剣を片手あるいは両手に装備している。
確かにDTSは人間の動きを模倣するシステムだから武器装備にも適していると思われているが―、
ムチャウ達以外の他の受験者は全員がマシンガンやチタン合金の剣を片手あるいは両手に装備している。
確かにDTSは人間の動きを模倣するシステムだから武器装備にも適していると思われているが―、
「試験官側が用意したあの武器は全部罠に決まっている。いいか、あの銃器はどれも連合量産機用に
作られたものなんだぞ。最速のジャブを打つ為の修斗の腕でそんなの担げるわけがない!」
「あいつら普通に担いで、そんで構えてるじゃねえか。見てみろよ」
「なにぃ!」
作られたものなんだぞ。最速のジャブを打つ為の修斗の腕でそんなの担げるわけがない!」
「あいつら普通に担いで、そんで構えてるじゃねえか。見てみろよ」
「なにぃ!」
ジュダが他の参加者達のグループを見ると、和気あいあいと互いに選んだ武器を確認し
素早く構えたり的に撃って見せていた。
素早く構えたり的に撃って見せていた。
「イーノ君、そんな装備で大丈夫か?」
「大丈夫だ問題無い」
「大丈夫だ問題無い」
受験番号666番、イタリアから来たイーノ・セラフィがショットガンを適正距離にある的に放つと
散弾は見事に的の周囲に着弾した。
散弾は見事に的の周囲に着弾した。
「どすこーい!どすこーい!」
受験番号999番、面接を「どすこーい」と「ごっつあんです」だけで乗り切った体重300キロオーバーの巨漢
アマチュア相撲戦士肉ノ山が乗る修斗が長槍をブンブン振り回す。
アマチュア相撲戦士肉ノ山が乗る修斗が長槍をブンブン振り回す。
「どうするんだよ、もう皆よさそうな武器持っていって単発型のピストルや刃のついてない鉄の棒とか
微妙なのぐらいしか残ってないぞ」
「こ、こんなっバカな!私は修斗は素手がベストって軍で習ったんだみょん!
実際に武器持ったノーマル修斗の動き見たのはこれが初めてだけど…」
「お前が薬中でゴロゴロしてる間に修斗もバージョンアップしたんじゃねえの?」
「そ、そうかも…。二人とも、ゴメン」
微妙なのぐらいしか残ってないぞ」
「こ、こんなっバカな!私は修斗は素手がベストって軍で習ったんだみょん!
実際に武器持ったノーマル修斗の動き見たのはこれが初めてだけど…」
「お前が薬中でゴロゴロしてる間に修斗もバージョンアップしたんじゃねえの?」
「そ、そうかも…。二人とも、ゴメン」
(間もなく最終試験を開始します。受験者は出撃位置にて待機し、見学者は所定の位置から
出ないようにしてください。繰り返します。間もなく最終試験を開始します…)
出ないようにしてください。繰り返します。間もなく最終試験を開始します…)
ムチャウ達は仕方なく携帯用のサブウェポンを一個ずつ持ってスタート位置に走る。
カウントダウン終了と共に最終試験開始のブザーが鳴り響き、
カウントダウン終了と共に最終試験開始のブザーが鳴り響き、
「おーはーよーうございまーす!!!」
通信機を通して女の声が耳に突き刺さってきた!そして―、
ペカァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!
「うおっ、まぶし!」
試験開幕と同時にスタート地点が閃光に包まれた。
「そーしーて、さーよーならー!」
周囲にいくつかの着弾音、直後修斗に次々と状態異常が襲いかかる。
レーダーに敵の信号が何百も現れて真っ赤に埋めつくされる。
通信機が使用不能になり、辺りにガラスを引っ掻いた様な音が響きわたり
近距離での通話も不能になる。さらには二発目の閃光が眩く空を照らし、
当たりは白い光に包まれた。
レーダーに敵の信号が何百も現れて真っ赤に埋めつくされる。
通信機が使用不能になり、辺りにガラスを引っ掻いた様な音が響きわたり
近距離での通話も不能になる。さらには二発目の閃光が眩く空を照らし、
当たりは白い光に包まれた。
「…!…!(ムチャウ!ついでにジュダ、聞こえたら返事してくれ!」
バッドはここまで一緒に来た二人に声を送ろうとするが届いた様子は全く無い、
無論それは相手も同じだということ、そのはずだったのだがー。
無論それは相手も同じだということ、そのはずだったのだがー。
「バッドォォォォォ!聞こえてたらこっち来い!敵の位置多分分かったぞぉ!」
信じられないことにムチャウの声が届いてきた、どんな手を使ったか分からないが
声の方に近づいてムチャウの修斗を発見する。
声の方に近づいてムチャウの修斗を発見する。
「ハ、ははは。全く、大した野生人間だよお前は!」
ムチャウはコックピットを開放し、そこから地声でバッドを呼んでいた。
強引だが単純、文明機器に頼ってこなかった彼だからこそ最も早くたどり着いた答えだった。
そのムチャウの機体の足にしがみついて震えているのは多分ジュダの修斗だとバッドは推察し、
それは大当りだった。バッドも修斗のコックピットを開けて、拡声器を手にムチャウに話しかける。
強引だが単純、文明機器に頼ってこなかった彼だからこそ最も早くたどり着いた答えだった。
そのムチャウの機体の足にしがみついて震えているのは多分ジュダの修斗だとバッドは推察し、
それは大当りだった。バッドも修斗のコックピットを開けて、拡声器を手にムチャウに話しかける。
「で、敵さんの位置分かったって?」
「ああ、最初のピカーの時影がこっち側に伸びたから、発射してきたのはあっち側だ」
「んじゃあ、どうせレーダーは真っ赤っかだし、マサイの戦士の感に従いますか」
「ああ、最初のピカーの時影がこっち側に伸びたから、発射してきたのはあっち側だ」
「んじゃあ、どうせレーダーは真っ赤っかだし、マサイの戦士の感に従いますか」
バッドの提案に対して意見は2:1に割れた。ジュダはオドオドしながら反論を述べる。
「あのー、できれば私は、ジャマー系弾頭排除の方がいいかなって」
「お前もくるんだよジュダ!こんだけの補助弾装備の敵機体なら、接近すれば
俺達が有利、そうだろ?」
「いやいやいや!絶対傍に接近戦得意な奴がペアでいるって!前回の紹介の中で
妨害砲撃出来そうなのはオシリスから来た隊長のヤツぐらいだから傍には
あのマルーが乗る修牙が待ってる可能性大だみょん!」
「お前もくるんだよジュダ!こんだけの補助弾装備の敵機体なら、接近すれば
俺達が有利、そうだろ?」
「いやいやいや!絶対傍に接近戦得意な奴がペアでいるって!前回の紹介の中で
妨害砲撃出来そうなのはオシリスから来た隊長のヤツぐらいだから傍には
あのマルーが乗る修牙が待ってる可能性大だみょん!」
断固として突撃を拒否するジュダ、バッドはてめーそれでも元軍人かと殴りたい衝動に駆られたが、
ムチャウが妥協案を出して無駄な共倒れは避けられる。
ムチャウが妥協案を出して無駄な共倒れは避けられる。
「よし、それじゃあここでさようならだ。俺達は大将首を取りに行く。ジュダはピカーとキンキンと
マッカッカをなんとかする。バッドもそれでいいか?」
「…ああ、それでいい」
マッカッカをなんとかする。バッドもそれでいいか?」
「…ああ、それでいい」
ムチャウ達が去って行きジュダはホッと胸をなで下ろす。
バッドは多分負けるだろうが、ムチャウのあの超人的身体能力なら例え素手だろうと
銃器以上の立派な武器になるはず。そう考えた所で、ジュダは間違いに気づく。
バッドは多分負けるだろうが、ムチャウのあの超人的身体能力なら例え素手だろうと
銃器以上の立派な武器になるはず。そう考えた所で、ジュダは間違いに気づく。
「あ…、ああっ、やっぱりダメだみょん!ムチャウの力じゃあこのテストで勝つ事は出来ない!
下手したらバッドより酷い結果になるぞ!もっと早く気づいていれば!!」
下手したらバッドより酷い結果になるぞ!もっと早く気づいていれば!!」
ジュダの後悔とは関係なく戦闘時間は過ぎ去っていく。
二人は敵がいたと思われる方向へいち早く駆け抜け、妨害弾の効果域を突破する。
辺りが通常の視界になったその時、ムチャウ風に言うならピカーが直った時、
正面に現れたのはカスタム5型でもそれを守る修牙でも無かった。
ワイルドカード第三の男、ネイキッドの乗るデスプレイヤー!
二人は敵がいたと思われる方向へいち早く駆け抜け、妨害弾の効果域を突破する。
辺りが通常の視界になったその時、ムチャウ風に言うならピカーが直った時、
正面に現れたのはカスタム5型でもそれを守る修牙でも無かった。
ワイルドカード第三の男、ネイキッドの乗るデスプレイヤー!
「ここに来れただけでも貴方達には高評価となるでしょう。
だから、やられても気を落とさないで下さい。さあ、まずは脱出者へのプレゼントタイムだ」
だから、やられても気を落とさないで下さい。さあ、まずは脱出者へのプレゼントタイムだ」
ドドッドン!!
デスプレイヤーの肩からミサイルが飛び出し真っ直ぐ二人に迫る。
「うひょお!」
バッドはその場に伏せて何とかミサイルを避け、
「こんなものっ、トアッ!」
ムチャウは速度を落とさず前進しミサイルを宙返りしてかわ、そうと、して
チュドコーン!
「何っ」
ムチャウ機にミサイルが命中し下半身が黒く染まる。模擬戦用の弾故に
破裂したペイントに染まっただけであるが、しっかりとダメージはカウントされ、
走行機能が擬似的に低下される。
破裂したペイントに染まっただけであるが、しっかりとダメージはカウントされ、
走行機能が擬似的に低下される。
「ムチャウ、何してんだよお前!」
「いや…確かに飛び越えたはずだ。デーテーエスというものは俺の動きを修斗に再現させるんじゃ無かったのか?」
「現に食らってるぞ!…前だ、ムチャウ!」
「いや…確かに飛び越えたはずだ。デーテーエスというものは俺の動きを修斗に再現させるんじゃ無かったのか?」
「現に食らってるぞ!…前だ、ムチャウ!」
困惑するムチャウにデスプレイヤーが肉薄する。
両肩に砲門を構えた遠距離戦タイプだと思われたその外見が変化し、
砲門が内部に収納され両手から二本のブレードが飛び出し、修斗の胸をエックス型に切り裂こうとする。
両肩に砲門を構えた遠距離戦タイプだと思われたその外見が変化し、
砲門が内部に収納され両手から二本のブレードが飛び出し、修斗の胸をエックス型に切り裂こうとする。
「まず、これで一人」
「くっ、させるかっ!」
「くっ、させるかっ!」
ムチャウはリンボーダンスの達人並みに体を反らし、斬撃をやり過ごした後、
サマーソルトキックで反撃するように動く。修斗もムチャウの動きに従い胸を反らせるが、
中途半端に体が上を向いた所で動きが停止する。
サマーソルトキックで反撃するように動く。修斗もムチャウの動きに従い胸を反らせるが、
中途半端に体が上を向いた所で動きが停止する。
「な、何で…」
無論、これでデスプレイヤーの攻撃を避けたり防いだり出来るはずも無く、
二回切られるた直後修斗のカメラが黒く染まり、ダメージ限界による強制停止を搭乗者に告げる。
ムチャウは最終試験の最初の脱落者となったのだ。
二回切られるた直後修斗のカメラが黒く染まり、ダメージ限界による強制停止を搭乗者に告げる。
ムチャウは最終試験の最初の脱落者となったのだ。
「タイのナックモエ使い達は己の拳技が特殊かつ常人の反応を超えているが故に
修斗に反映されず、苦戦を強いられたという話がある。ムチャウのあの無軌道な超反応が
ノーマル修斗に再現できるハズがないみょん。多分、敵に会った途端硬直してボッコボコに―」
修斗に反映されず、苦戦を強いられたという話がある。ムチャウのあの無軌道な超反応が
ノーマル修斗に再現できるハズがないみょん。多分、敵に会った途端硬直してボッコボコに―」
ジュダの呟きは誰にも届くことは無かった。
マサイの戦士ムチャウ・ザイネン24歳。彼のパイロット候補試験挑戦はここで終了となる。
最後の最後でつまづいた彼の試験結果はどうなるのか、そしてこの後の戦いで彼はどうなるのか。
光を抜けた先の闇で今は休め、涙は修斗の中に隠して。
最後の最後でつまづいた彼の試験結果はどうなるのか、そしてこの後の戦いで彼はどうなるのか。
光を抜けた先の闇で今は休め、涙は修斗の中に隠して。