【オーストリア某所】
「壁画の男は凶骨人と同じかも知れない。私はそう思ったんだよ」
落ちている毛を拾い集めながら、トワイス快王は私の質問に答えた。
「あの怪物がトワイス快王と同じ?」
「人に化ける蟻から派生したのが凶骨人、それは知っているだろう?」
「はい」
「人に化ける蟻から派生したのが凶骨人、それは知っているだろう?」
「はい」
人間に化けて文明を乗っ取る蟻がいる。ある日、一匹の蟻が変形に失敗し異形の存在となった。
人に成る事も蟻に戻る事も出来ないそれは人の技術を学び、人との間に子を作り、人に成ろうとした。
これが凶骨人の始まりと言われている。
これが凶骨人の始まりと言われている。
「つまり、あの壁面の男も蟻の変異種という事でしょうか?」
「まだ仮説に過ぎないがね。それを確かめる為に私とテッシン様とルルミーはここに来た」
「まだ仮説に過ぎないがね。それを確かめる為に私とテッシン様とルルミーはここに来た」
トワイス快王の考えが正しいなら、きっと壁面の男は蟻の一族の天才だったのだろう。凶骨人の先祖とは逆に、変形が自在で戦闘力も高かった彼はわざわざ人間に化けるなぞせず、己を保ったまま支配者として君臨しようと考えたのだ。
まあ、これも仮説に過ぎないか。その仮説を立証する為にも壁面の男の細胞が必要だ。私はオーストリア軍人に出会わない様警戒しながら周りに落ちている毛を拾い、もう一つ気になっていた事を質問する。
「トワイス快王、話は変わりますがその顔の怪我はどうしたんですか?」
「昨日プロレス観戦でヒートアップして、三人で喧嘩になった」
「壁面の男の仲間がいた場合に備えて集まったメンバーなのに、何無駄にダメージ負ってるんだこのバカ達は!」
「昨日プロレス観戦でヒートアップして、三人で喧嘩になった」
「壁面の男の仲間がいた場合に備えて集まったメンバーなのに、何無駄にダメージ負ってるんだこのバカ達は!」
思わず快王相手にタメ口でツッコミを入れてしまった。
「ギャハハハ!出たよツッコミ巨乳メガネ!」
「あの子はアレが無ければのう」
「あの子はアレが無ければのう」
少し離れた場所で毛を集めてた絆創膏だらけのテッシン様と顔面パンパンのルルミーが私を見て笑う。
「うっさい!ツッコまれる様な事してるそっちが悪い!というか、ルルミーはさっきから明らかに違う毛を集めてるな!」
私達が拾い集めた毛もほぼ全部がオーストリア人の毛だろう。だか、ルルミーが集めているのは確実に壁面の男のものではないと言い切れる。ルルミーが拾うのは全て白い毛だった。
「この中にジークの毛があるかもしれねーじゃんか!」
「着ぐるみマスコットの毛を拾って何になる!」
「着ぐるみマスコットの毛を拾って何になる!」
結局、見つかった毛はオーストリア人のばかりだったし、洞窟から二人目の壁面の男が出てくるなんて事も無かった。まあ、異状なしという事でこれはこれで良い結果である。トワイス快王とルルミーはそれぞれの戦場へと向かい、私もテッシン様と共にオーストリアを去る。
去ろうとしたのだが、
「ルルミーにトワイスにお爺さんじゃないかあ!」
知らないオッサンに呼び止められた。
「「「ゲエーッ、ルンバルト・タニヤマ!!」」」
「え?誰」
「え?誰」
私の疑問に答える事なく三人は別々の方向に走り出す。状況は理解出来ないが、私も逃げた方が良さそうなのでテッシン様の後を追う。
「テッシン様、あんな弱そうな相手から何で必死に逃げてるんですか?」
「奴はタニヤマ。簡単に言うと、この星の格闘技エンターテインメントを仕切っとる奴しゃ。そして、奴がオーストリアに居るならばその目的は恐らく」
「奴はタニヤマ。簡単に言うと、この星の格闘技エンターテインメントを仕切っとる奴しゃ。そして、奴がオーストリアに居るならばその目的は恐らく」
テッシン様が言うより先にオッサン本人が答えを叫びながら追ってくる。
「待って下さいよ〜、貴方達ならジークチャレンジで数字取れるから、是非!」
なるほど、ジークチャレンジの出演者探しか。
ジークチャレンジの事は壁画の男の情報を集めている時に知った。なんでも、そのコーナーでは調子乗ってる格闘家がゲストに呼ばれる事もあるとか。
ジークチャレンジの事は壁画の男の情報を集めている時に知った。なんでも、そのコーナーでは調子乗ってる格闘家がゲストに呼ばれる事もあるとか。
「そういえば、テッシン様もトワイス快王もルルミーもこの星の格闘技イベントに参加した事ありましたね」
「ワシはルルミーを止めに行っただけしゃよ。まあ、知る人ぞ知る謎のジジイとして覚えられてしまったがの」
「三人揃って何してるんですか!でも、今ここで捕まるとすっげえ面倒くさいのは理解しました」
「ワシはルルミーを止めに行っただけしゃよ。まあ、知る人ぞ知る謎のジジイとして覚えられてしまったがの」
「三人揃って何してるんですか!でも、今ここで捕まるとすっげえ面倒くさいのは理解しました」
私はテッシン様の後ろを走り続ける。しかし、前を走るテッシン様が突如ピタリと足を止めた。
「テッシン様、面倒くさい相手から逃げるんじゃなかったんですか?」
「どうやら、もう逃げる必要は無くなった様じゃ。あれを見よ」
「どうやら、もう逃げる必要は無くなった様じゃ。あれを見よ」
テッシン様の視線の先には道のど真ん中で土下座するタニヤマと、それに駆け寄るトワイス快王がいた。
快王何やってるんですか。
トワイス快王はタニヤマを抱き起こすと、二人でヒソヒソと話し合い、やがてカッチリと握手した。
快王何やってるんですか???
私達に背を向け快王とタニヤマは去っていく。あ、ルルミーが二人の背中を見ながらハンカチ振ってる。
「よし、ワシらも帰るぞ」
「いいんですか!?」
「よく考えたらこれはチャンスだったんじゃ。ワシらの誰かがタニヤマに捕まった方が都合が良い。トワイスはワシより先にそれに気づいたから自分から捕まったんじゃな」
「いいんですか!?」
「よく考えたらこれはチャンスだったんじゃ。ワシらの誰かがタニヤマに捕まった方が都合が良い。トワイスはワシより先にそれに気づいたから自分から捕まったんじゃな」
テッシン様が何を言ってるのか、この時の私にはさっぱり理解出来なかった。
□ ■ □
【どっかの基地】
「あー、いくら考えてもトワイス快王の狙いがわからない」
私の名はラーヴァル。テッシン様に仕える虎煉騎の一人。
この地球という星に来る少し前、虎煉騎に欠員が出てグーチェという女性が枠を埋めるはずだった。しかし、色々あって彼女の入隊は白紙化し、私が繰り上がり当選したのである。
だが私はこの程度の地位では満足しない。アムステラ本星で陛下守護の任務に就いている姉ちゃんを追い越す為に日々気を抜けない。
「よっし、トワイス快王の事は考えても仕方ないし、今日は地球の兵器の復習するか」
私は地球の軍事情報に目を通す。最近気になるのはやはりあの地域だ。
「最近、アフリカ南部が騒がしいから、常に最新情報を確認しないと」
アフリカ南部で同盟が結ばれてから、多くのエースパイロットが活躍していると聞く。地球人同士で潰しあってくれたら楽だったのだが、そう都合よくは行かなかった様だ。
「ツムウロゴの大型四脚目撃情報、なーんか気になるな」
最新の敵兵器情報によると、大型ビームを放つ四脚型が南部同盟に加わったとの事。少し前に現れたP国所属の密着した戦闘が得意な奴と連携されたら、足を止められた所をまとめてやられるかもしれない。
勿論、これ以外にも警戒すべきコンビネーションはいくつかある。南部同盟の連中の爆発力は未知数。1+1が2になるどころか、200になる事も十分考えられる。
10倍だぞ10倍。
10倍だぞ10倍。
「だ、大丈夫なんだろうか。アフリカ南部方面の味方は。ギガントだけでも厄介なのに」
敵が秘める爆発力に不安を感じた私はテッシン様に聞いてみる事にした。あの方面の敵戦力の不気味さと、今の戦力のままで対応できるのか。
「ラーヴァルちゃんが心配になる気持ちはわからんでもないが、我らのアフリカ方面軍も決して負けてはおらん。だから、今は彼らに任せてよいじゃろう。よし、丁度いい機会じゃし彼らの会議記録を一緒に見るかの?」
「え!いいんですか!是非お願いします!」
「え!いいんですか!是非お願いします!」
レッドスーツとか鋼鉄の赤ん坊等の異名や実績のデータは知っているが実際はどんな人達なのだろう。
そして、テッシン様と戦略論を語るチャンス到来!!
私は手で髪とスーツを整えてからソファーに座ると、テッシン様が立体映像投影機のスイッチを入れた。
そして、テッシン様と戦略論を語るチャンス到来!!
私は手で髪とスーツを整えてからソファーに座ると、テッシン様が立体映像投影機のスイッチを入れた。
「シークレットペニスでございましゅううう!!!」
「コマネチィィイ!!!」
「コマネチィィイ!!!」
私は最速で立体映像にパンチを放つと停止ボタンを押し、こんなん見せつけたセクハラクソハゲヒゲジジイにバックハンドブロー。その後、他の虎煉騎メンバーが止めに入るまで顔の絆創膏周辺を重点的に攻撃し続けた。
- ラーヴァル
賽の章でエディンのライバルとして登場したものの、ダイス運をモーブに吸収されてあまり活躍しなかった人。
本編世界では虎煉騎羅甲に乗ってテッシン配下になっている。グーチェの虎煉騎入りが無くなった結果選ばれたという形。それ以外は賽の章と大体の設定は同じ。栗頭巾?今はラーヴァルの友人(麻雀好き)が乗ってるんじゃないかな?
本編世界では虎煉騎羅甲に乗ってテッシン配下になっている。グーチェの虎煉騎入りが無くなった結果選ばれたという形。それ以外は賽の章と大体の設定は同じ。栗頭巾?今はラーヴァルの友人(麻雀好き)が乗ってるんじゃないかな?
主役補正が無くなり弱体化したエディンとは大分実力に開きが出来てしまった。
【参考・フィール作品主役級てけとー強さ番付】
横綱 エリカ?、トワイス
大関 城門のやべー奴ら、エディン(賽・嫁込み)
関脇 ロイヤルナイツ六魔人、ムチャウ
小結 ラーヴァル、エディン(賽・単体)、韮、スガタ
前頭 フェミリア、マルー、エデイン(本編)
十両 アナンド、エリカ
横綱 エリカ?、トワイス
大関 城門のやべー奴ら、エディン(賽・嫁込み)
関脇 ロイヤルナイツ六魔人、ムチャウ
小結 ラーヴァル、エディン(賽・単体)、韮、スガタ
前頭 フェミリア、マルー、エデイン(本編)
十両 アナンド、エリカ
- 凶骨、壁画、ドラゴンアント
本作中でも述べたが、共通の先祖から生まれたというのはまだ仮説に過ぎない。だか、彼らの肉体や欲求に共通点が多いのも確かだ。トワイスがジークにジャガられながらも、彼のモコモコした肉体に手を突っ込み壁画の男の毛が紛れ込んでないかを確認した時、ラーヴァルはようやくトワイスの狙いに気づいたのだった。そして、ジークと格闘家の絡みに期待して番組視聴していた腐女子もこの展開にニッコリ。