
イラストにあわせて作った短編です。
◆◆◆◆◆
「あー、どうしよっかなー」
アーティ・ウーマは悩んでいた。アフリカ南部で大規模な破壊事件の主犯格になってしまい、それによって性と自由と金を失った彼だったが、この度チャンスが訪れた。
近日、修斗大会が行われる事になり、アーティの為に雇用主が枠を用意してくれたのだ。出場するだけでギャラが入るし、優勝したならかなり借金を減らせる。
「出られるなら出たいんだがなー」
チューチュー
「出られない理由があるみょん?」
「吸うな」
「吸うな」
乳首を吸ってくるチームメイト、ジュダ・ミョンウェーの頭を叩きながら説明する。
「この大会さ、俺の先輩が出るかも知れないんだよ。俺にアフリカの魅力を教えてくれた先輩なんだが」
「なんだが?」
「スッゲー口が悪いしスケベなんだ。正直、今は会いたくない」
「そんぐらい我慢するみょん。私がこないだ感じた恐怖に比べたら…」
「なんだが?」
「スッゲー口が悪いしスケベなんだ。正直、今は会いたくない」
「そんぐらい我慢するみょん。私がこないだ感じた恐怖に比べたら…」
ジュダは少し前に個人的に受け持った仕事を思い出し震えだす。アロンズィに使われていたステルス機能の情報を売りに行ったら、怖い人達に目を付けられてしまったのだ。
「まあ、先輩の事はそこまで問題じゃねーんだかよ、この大会はヘビー級推奨なんだわ」
アーティはジュタに参加資格を読ませる。そこには大型修斗限定の大会と書いてある。当然、操縦者も巨漢が揃うと思われる。
「今の俺じゃ、体格がちょーっと見劣りするんだよ。ウェイト増やす時間も無いし…」
女体化して細くなった手足を見ながらアーティは頭を抱える。
と、そこにヘビー級の見た目をした仮面の女がカツ丼を持って現れた。
「居たな、ヘビー級」
「だみょんね。ムチャウ、これやらない?」
「ん?このカツはアダイのだぞ。絶対やらないからな」
「だみょんね。ムチャウ、これやらない?」
「ん?このカツはアダイのだぞ。絶対やらないからな」
その後、ムチャウ・ザイネンの超突貫リングデビュー計画が実行された。
アーティが雇用主に話を通し、急遽専用の修斗ニャミニャミが作られ、リングコスチュームも用意された。
「リングネームは何か希望あるか?」
「無い!」
「んじゃ適当にマサイマンで」
「それはダサいからやだ!」
「うっせえ、こーゆーのは上の人に決定権があるんだよ。俺なんて当て馬から取ってアーティ・ウーマだぞ!俺もブラック少林みたいな名前が良かった!」
「無い!」
「んじゃ適当にマサイマンで」
「それはダサいからやだ!」
「うっせえ、こーゆーのは上の人に決定権があるんだよ。俺なんて当て馬から取ってアーティ・ウーマだぞ!俺もブラック少林みたいな名前が良かった!」
自分と同時期にデビューした男のリングネームを出しながらアーティは叫んだ。ちなみにアーティの本名は有馬ワグナー、ブラジルの血が流れる日系アメリカ人である。
そして、大会当日。アーティの悪い予感は的中した。
「よお、当て馬クン!団体に居た頃は中学時代の刃牙みたいな感じだったのに、すっかりエアマスターかバトゥーキみたいになってるじゃねえか!」
「再会一番にケツ触らないで下さい」
「再会一番にケツ触らないで下さい」
アーティの先輩は相変わらず失礼な男だった。
「で、アフリカはどうだったよ?」
「あんたの口車に乗らなきゃ良かったと心から思ってますよ」
「そーか、やっぱ凄かったんだな!俺がお前の代わりにそっち行けば良かったかもな」
「女になった先輩とかキモすぎですね。ムチャウに半殺しにあって国帰って下さい」
「なんだよ、冷てえなあ当て馬クン!」
「あんたの口車に乗らなきゃ良かったと心から思ってますよ」
「そーか、やっぱ凄かったんだな!俺がお前の代わりにそっち行けば良かったかもな」
「女になった先輩とかキモすぎですね。ムチャウに半殺しにあって国帰って下さい」
「なんだよ、冷てえなあ当て馬クン!」
しかし、アーティの願いは叶わなかった。初戦で先輩と対戦したムチャウは最初こそ押していたものの、DTSの調整不足で呆気なく逆転負け。
「マジかよ、先輩あのまま優勝しやがった。ちくしょー、ちょっとカッコイイじゃねえか」
「恋する乙女みょんね」
「やかましい!」
「恋する乙女みょんね」
「やかましい!」
【終わり】
- マサイマン
ムチャウがリングに上がる為に超適当に付けられたリングネーム。名付けたのはアーティ。
- ニャミニャミ
ケープタウン辺りに伝わる蛇神であり、ムチャウの修斗デビューに使われた機体名。見た目のデザインは大会にギリギリ間に合ったが、DTSは未調整で、案の定ムチャウの動きについて行けず試合中故障した。
添付ファイル