fmn137.wiki
疥癬症
最終更新:
kemonowikii
-
view
疥癬症
概要
疥癬症(かいせんしょう)とは、
皮膚に寄生するダニによって起こる感染性の皮膚疾患である。
皮膚に寄生するダニによって起こる感染性の皮膚疾患である。
英語では、
Scabies
Sarcoptic mange
Sarcoptic mange
などと呼ばれる。
特に問題となるのが、
ヒゼンダニ
Sarcoptes scabiei
Sarcoptes scabiei
による疥癬。
人間だけでなく、
- 犬
- 猫
- タヌキ
- キツネ
- その他の野生哺乳類
などでも確認される。
日本では、
野生のタヌキが疥癬症に感染し、
野生のタヌキが疥癬症に感染し、
全身の毛が抜ける
皮膚が厚くなる
かさぶたができる
衰弱する
といった状態になる例が知られている。
特に、
「毛がほとんどないタヌキ」
を見かけた場合は、
疥癬症に感染している可能性がある。
疥癬症に感染している可能性がある。
疥癬症は、
感染動物との直接接触や、
感染動物が利用した環境を介して
他の動物へ広がる場合がある。
感染動物との直接接触や、
感染動物が利用した環境を介して
他の動物へ広がる場合がある。
犬や猫などのペットにも
感染する可能性がある。
感染する可能性がある。
また、
動物由来のヒゼンダニが
人間へ一時的に移ることで、
動物由来のヒゼンダニが
人間へ一時的に移ることで、
かゆみ
赤い発疹
皮膚炎
などを起こす場合がある。
そのため、
疥癬症が疑われるタヌキや野生動物には
絶対に不用意に近づかないこと。
絶対に不用意に近づかないこと。
触らない。
餌を与えない。
犬や猫を近づけない。
ことが重要である。
- 疥癬症
- 疥癬症とは
- 原因
- 感染症なのか
- タヌキの疥癬症
- 毛のないタヌキ
- タヌキの主な症状
- なぜ毛が抜けるのか
- 重症化
- タヌキには近づかない
- 餌を与えない
- 犬への感染
- タヌキから犬へ
- 猫への感染
- 人間への感染
- 人の疥癬との違い
- タヌキから人へ感染する?
- 直接触らなければ大丈夫?
- 散歩中の注意
- 庭にタヌキが来る場合
- ペットフードを外に置かない
- 野良猫との関係
- 疥癬症は空気感染する?
- ダニはどれくらい生きる?
- 人間の衣類
- 疥癬症の治療
- タヌキを自分で治療していい?
- 保護しようと触らない
- 死んでいるタヌキ
- 疥癬症と動物由来感染症
- 日本のタヌキと疥癬
- 研究
- 冬に危険?
- 疥癬症の歴史
- 古代の疥癬
- アリストテレス
- 古代ローマ
- 硫黄による治療
- 中世
- イブン・ズフル
- 16世紀
- 顕微鏡の登場
- 1687年
- ヒゼンダニの発見
- 感染症史上の重要性
- 18世紀
- 学名
- 19世紀
- 硫黄軟膏
- 20世紀
- 第二次世界大戦と疥癬研究
- イベルメクチン
- 現代の疥癬
- 顧みられない熱帯病
- 動物の疥癬研究
- 日本の野生動物と疥癬
- 日本のタヌキ
- 野生動物間の感染研究
- 遺伝子研究
- 疥癬研究の歴史まとめ
- 2500年以上続く病気
- 医学史上特殊な病気
- かわいそうでも距離を取る
- 毛のないタヌキを見たら
- 犬が接触してしまった
- 猫が接触してしまった
- 人が触ってしまった
- 犬猫人間への感染まとめ
- 見た目だけで診断できる?
- よくある質問
- 検索用関連キーワード
- 内部リンク
- まとめ
疥癬症とは
疥癬症は、
ダニが皮膚へ寄生することによって起こる病気。
ダニが皮膚へ寄生することによって起こる病気。
特に、
ヒゼンダニ
Sarcoptes scabiei
Sarcoptes scabiei
によるものが有名。
ヒゼンダニは非常に小さく、
肉眼で簡単に確認できる大きさではない。
肉眼で簡単に確認できる大きさではない。
皮膚表面や角質層へ侵入し、
そこで生活する。
そこで生活する。
寄生された動物では、
強いかゆみ
皮膚炎
脱毛
皮膚の肥厚
かさぶた
などが発生する。
原因
疥癬症の原因となる代表的なダニは、
ヒゼンダニ。
学名:
Sarcoptes scabiei
である。
ヒゼンダニは、
哺乳類の皮膚へ寄生する。
哺乳類の皮膚へ寄生する。
感染した動物との接触によって、
別の宿主へ移動することがある。
別の宿主へ移動することがある。
感染症なのか
疥癬症は、
感染・伝播する。
細菌やウイルスではなく、
寄生虫であるダニ
によって広がる感染性疾患。
感染した個体との
直接接触
だけでなく、
寝床
被毛
衣類
環境
などを介して
移る可能性もある。
移る可能性もある。
タヌキの疥癬症
日本で特に目立つのが、
の疥癬症。
野生タヌキでは、
ヒゼンダニによる重度の皮膚炎が
各地で報告されている。
ヒゼンダニによる重度の皮膚炎が
各地で報告されている。
日本国内の研究でも、
疥癬症を発症した野生タヌキから
多数のSarcoptes scabieiが
検出されている。
疥癬症を発症した野生タヌキから
多数のSarcoptes scabieiが
検出されている。
毛のないタヌキ
疥癬症のタヌキでは、
毛が広範囲に抜け落ちる
ことがある。
そのため、
「毛のないタヌキ」
「皮膚がむき出しのタヌキ」
「犬のように見える謎の動物」
として目撃されることもある。
しかし実際には、
重度の疥癬症によって
毛を失ったタヌキである可能性がある。
重度の疥癬症によって
毛を失ったタヌキである可能性がある。
タヌキの主な症状
疥癬症のタヌキでは、
- 脱毛
- 激しいかゆみ
- 皮膚の赤み
- 皮膚の肥厚
- 黒っぽい皮膚
- かさぶた
- 体力低下
- やせ
- 衰弱
などが起こる。
重症個体では、
全身の毛がほとんどなくなることもある。
全身の毛がほとんどなくなることもある。
なぜ毛が抜けるのか
ヒゼンダニによって
強い皮膚炎とかゆみが起こる。
強い皮膚炎とかゆみが起こる。
動物は、
かく
噛む
こする
といった行動を繰り返す。
その結果、
被毛が抜ける。
さらに慢性的な炎症によって、
皮膚が厚くなる
色が黒くなる
かさぶたができる
といった変化が起こる。
重症化
タヌキでは、
疥癬症が重症化すると
体力を大きく失う。
疥癬症が重症化すると
体力を大きく失う。
毛がなくなることで、
体温を維持することも難しくなる。
体温を維持することも難しくなる。
さらに、
皮膚炎
二次感染
栄養状態の悪化
などが重なり、
衰弱死する場合がある。
衰弱死する場合がある。
自治体によっては、
疥癬症のタヌキは
数週間程度で衰弱し、
死亡する場合が多い
数週間程度で衰弱し、
死亡する場合が多い
と注意喚起している。
タヌキには近づかない
疥癬症が疑われるタヌキを見つけても、
近づかない。
触らない。
こと。
野生動物は、
病気の有無に関係なく
不用意に接触するべきではない。
病気の有無に関係なく
不用意に接触するべきではない。
疥癬症のタヌキの場合、
ダニ
だけでなく、
免疫力低下による
別の病原体
別の病原体
を持っている可能性もある。
餌を与えない
疥癬症のタヌキを
かわいそうだからといって
餌付けすることは避ける。
かわいそうだからといって
餌付けすることは避ける。
自治体も、
餌を与えない
よう注意している。
餌が存在すると、
病気のタヌキが住宅地周辺へ
長期間滞在する可能性がある。
病気のタヌキが住宅地周辺へ
長期間滞在する可能性がある。
さらに、
他のタヌキ
野生動物
犬
猫
との接触機会が増え、
感染が広がる可能性もある。
感染が広がる可能性もある。
犬への感染
疥癬症は、
犬にも感染する。
犬にも感染する。
犬では、
犬疥癬
Sarcoptic mange
Sarcoptic mange
として知られている。
主な症状:
- 強いかゆみ
- 赤み
- 脱毛
- かさぶた
- 皮膚炎
など。
耳の縁
肘
腹部
脇
などから
症状が出ることもある。
症状が出ることもある。
タヌキから犬へ
感染した野生タヌキと
犬が接触することで、
疥癬症が犬へ広がる可能性がある。
犬が接触することで、
疥癬症が犬へ広がる可能性がある。
日本の自治体も、
疥癬症に感染したタヌキへ
ペットを近づけない
ペットを近づけない
よう注意喚起している。
特に、
散歩中
庭
公園
山林
住宅地
などで
犬が野生タヌキへ接近しないよう
注意する必要がある。
犬が野生タヌキへ接近しないよう
注意する必要がある。
猫への感染
猫にも
疥癬症は存在する。
疥癬症は存在する。
猫では、
ヒゼンダニ類
ネコショウセンコウヒゼンダニ
など、
複数のダニによる疥癬性皮膚炎がある。
複数のダニによる疥癬性皮膚炎がある。
感染すると、
かゆみ
脱毛
皮膚炎
かさぶた
などが起こる。
動物由来の疥癬が
猫から人へ一時的に移ることも知られている。
猫から人へ一時的に移ることも知られている。
人間への感染
動物の疥癬ダニが
人間へ移ることはある。
人間へ移ることはある。
その場合、
強いかゆみ
赤い発疹
小さな丘疹
皮膚炎
などが起こる場合がある。
ただし、
犬や野生動物由来のヒゼンダニが
人間の皮膚で長期間繁殖することは
一般的には難しいとされ、
人間の皮膚で長期間繁殖することは
一般的には難しいとされ、
一過性の皮膚症状になることが多い。
それでも、
強いかゆみや発疹が続く場合は
医療機関へ相談する。
強いかゆみや発疹が続く場合は
医療機関へ相談する。
人の疥癬との違い
人間にも、
人から人へ感染する疥癬
がある。
特に、
長時間の皮膚接触
寝具
衣類
介護施設
家庭内
などで
感染が広がることがある。
感染が広がることがある。
一方、
タヌキや犬などから
人間へ一時的に移るケースは、
人間へ一時的に移るケースは、
人由来疥癬とは
感染の成立状況が異なる。
感染の成立状況が異なる。
そのため、
動物由来疥癬
と
人同士で広がる疥癬
は
区別して考える必要がある。
区別して考える必要がある。
タヌキから人へ感染する?
可能性はあるが、
頻度は高くない。
つくば市も、
疥癬症は人も発症することがあるが、
タヌキから感染することはまれ
タヌキから感染することはまれ
としている。
しかし、
まれ
=
感染しない
ではない。
そのため、
触らない
近づかない
が基本。
直接触らなければ大丈夫?
リスクは下がる。
しかし、
感染動物の寝床
被毛
皮膚片
などへ
ダニが残っている可能性がある。
ダニが残っている可能性がある。
そのため、
感染個体が長期間いた場所
にも
不用意に触れない方がよい。
不用意に触れない方がよい。
特にペットを
その場所へ近づけないよう注意する。
その場所へ近づけないよう注意する。
散歩中の注意
犬の散歩中に、
毛の抜けたタヌキ
衰弱したタヌキ
動かない野生動物
などを発見した場合、
犬を近づけない。
リードを短く持つ。
接触させない。
こと。
野生動物の死体にも
接触させない方がよい。
接触させない方がよい。
庭にタヌキが来る場合
住宅の庭へ
タヌキが来る場合、
タヌキが来る場合、
ペットフード
生ゴミ
果物
餌
などを
屋外へ放置しない。
屋外へ放置しない。
食べ物があると、
タヌキが繰り返し訪れる可能性がある。
タヌキが繰り返し訪れる可能性がある。
特に疥癬症の個体が
居着くと、
居着くと、
周囲の動物への
感染機会を増やす可能性がある。
感染機会を増やす可能性がある。
ペットフードを外に置かない
猫や犬の餌を、
玄関前
庭
ベランダ
などへ
置きっぱなしにしない。
置きっぱなしにしない。
自治体も、
屋外にペットの餌が放置されていると
タヌキが寄り付きやすくなると
注意している。
屋外にペットの餌が放置されていると
タヌキが寄り付きやすくなると
注意している。
野良猫との関係
住宅地では、
タヌキ
野良猫
飼い猫
犬
などの行動範囲が
重なる場合がある。
重なる場合がある。
感染個体と
同じ場所を利用することで、
ダニが移る可能性がある。
同じ場所を利用することで、
ダニが移る可能性がある。
そのため、
屋外へ自由に出る猫では
注意が必要。
屋外へ自由に出る猫では
注意が必要。
疥癬症は空気感染する?
基本的には、
空気感染する病気ではない。
主な感染経路は、
感染個体との接触
感染個体が利用した環境
など。
風邪やインフルエンザのように、
離れた場所から空気中を漂って
感染するものではない。
離れた場所から空気中を漂って
感染するものではない。
ダニはどれくらい生きる?
ヒゼンダニは、
宿主から離れると
長期間生存できるわけではない。
宿主から離れると
長期間生存できるわけではない。
ただし、
温度
湿度
環境
などによっては、
一定期間生存する可能性がある。
一定期間生存する可能性がある。
そのため、
感染した動物が使用していた
感染した動物が使用していた
寝具
ケージ
衣類
などの管理も重要。
人間の衣類
感染動物へ触れた場合、
ダニが衣類へ付着する可能性がある。
ダニが衣類へ付着する可能性がある。
動物病院などでは、
衣服交換
洗浄
加熱
などの衛生管理が推奨される場合がある。
感染動物を保護した場合は、
自己判断せず
獣医師などの指示に従う。
自己判断せず
獣医師などの指示に従う。
疥癬症の治療
疥癬症そのものは
治療可能。
治療可能。
人:
皮膚科など。
犬・猫:
動物病院。
で治療する。
抗疥癬薬などが使用される。
ただし、
薬の種類
投与量
投与方法
は
人と動物で大きく異なる。
人と動物で大きく異なる。
自己判断で
市販薬や動物薬を使用しない。
市販薬や動物薬を使用しない。
タヌキを自分で治療していい?
基本的には
自分で捕獲・治療しない。
自分で捕獲・治療しない。
タヌキは野生動物。
鳥獣保護管理法などによって、
むやみに捕獲することはできない。
むやみに捕獲することはできない。
自治体によって、
野生動物の保護
傷病鳥獣対応
が異なる。
発見した場合は、
自治体
都道府県
野生動物担当部署
などへ相談する。
保護しようと触らない
弱っているタヌキを見ると、
助けたい
と思うこともある。
しかし、
素手で触る
抱き上げる
自宅へ連れて帰る
ことは避ける。
疥癬だけでなく、
咬傷
別の感染症
寄生虫
などの危険もある。
死んでいるタヌキ
道路上で
タヌキが死亡している場合、
タヌキが死亡している場合、
自治体や道路管理者へ
連絡する。
連絡する。
自分で素手で触ったり、
移動させたりしない。
移動させたりしない。
自治体によって
対応窓口が異なる。
対応窓口が異なる。
疥癬症と動物由来感染症
疥癬症は、
動物から人へ
一時的に感染する可能性があるため、
動物から人へ
一時的に感染する可能性があるため、
動物由来感染症
の観点でも注意が必要。
厚生労働省も、
野生動物との
過度な接触を避けること
過度な接触を避けること
は
動物由来感染症予防の基本としている。
動物由来感染症予防の基本としている。
日本のタヌキと疥癬
日本では、
1980年代以降、
1980年代以降、
野生タヌキを中心として
疥癬症の流行が
各地で報告されている。
疥癬症の流行が
各地で報告されている。
都市部
郊外
山林
など、
幅広い環境で確認される。
幅広い環境で確認される。
東京周辺でも、
疥癬症状を示すタヌキの
分布に関する研究が行われている。
疥癬症状を示すタヌキの
分布に関する研究が行われている。
研究
日本の研究では、
疥癬症を発症した野生タヌキから、
疥癬症を発症した野生タヌキから、
多数のSarcoptes scabiei
が確認されている。
また、
重度の皮膚肥厚
角化
脱毛
なども
組織学的に確認されている。
組織学的に確認されている。
冬に危険?
疥癬症で毛を失ったタヌキは、
寒さへの耐性が大きく低下する。
寒さへの耐性が大きく低下する。
特に冬季は、
体温保持
が難しくなるため、
衰弱がさらに進む可能性がある。
衰弱がさらに進む可能性がある。
疥癬症の歴史
疥癬症は、
近代になって突然現れた病気ではない。
近代になって突然現れた病気ではない。
人類は非常に古い時代から、
疥癬と考えられる皮膚病に悩まされてきた。
疥癬と考えられる皮膚病に悩まされてきた。
医学史上では、
2500年以上前
から疥癬に相当する記録が存在するとされる。
そして17世紀には、
顕微鏡による観察によって
顕微鏡による観察によって
「皮膚病の原因が小さなダニである」
ことが明らかになった。
これは感染症・寄生虫学の歴史でも
非常に重要な出来事である。
非常に重要な出来事である。
古代の疥癬
疥癬と考えられる症状は、
古代から記録されている。
古代から記録されている。
古代の文献には、
強いかゆみ
皮膚にできる発疹
皮膚内部に存在する小さな生物
などについての記述が存在する。
現在の医学史研究では、
これらの一部が
これらの一部が
疥癬
であった可能性が指摘されている。
アリストテレス
紀元前4世紀ごろ、
古代ギリシャの哲学者・博物学者
古代ギリシャの哲学者・博物学者
アリストテレス
は、
『動物誌』
Historia Animalium
Historia Animalium
の中で、
皮膚にできた小さな腫れから
針を使って取り出すことのできる
小さな生物
針を使って取り出すことのできる
小さな生物
について記述した。
現代の医学史研究では、
この記録が
この記録が
ヒゼンダニ
および
疥癬
についての非常に古い記述の一つではないかと
考えられている。
考えられている。
つまり、
古代ギリシャ時代には
すでに人類が疥癬らしき病気を
観察していた可能性がある。
すでに人類が疥癬らしき病気を
観察していた可能性がある。
古代ローマ
紀元1世紀ごろ、
ローマの医学著述家
ローマの医学著述家
アウルス・コルネリウス・ケルスス
Aulus Cornelius Celsus
Aulus Cornelius Celsus
は、
皮膚病について記述した。
皮膚病について記述した。
この時代に、
scabies
という名称が
使用されたとされる。
使用されたとされる。
scabiesという言葉は、
「掻く」
という意味に関係する
ラテン語に由来する。
ラテン語に由来する。
これは疥癬患者に起こる
非常に強いかゆみ
を表現した名称。
現代でも英語では、
Scabies
という名称が使用されている。
硫黄による治療
古代ローマ時代には、
疥癬のような皮膚病に対して
疥癬のような皮膚病に対して
硫黄
を利用した治療も行われていた。
硫黄には
ダニなどの外部寄生虫に対する作用があるため、
ダニなどの外部寄生虫に対する作用があるため、
非常に古い時代から
疥癬治療に利用されてきた。
疥癬治療に利用されてきた。
その後も長期間、
硫黄軟膏
は代表的な疥癬治療法の一つとなった。
中世
中世ヨーロッパでも、
疥癬は広く知られた皮膚病だった。
疥癬は広く知られた皮膚病だった。
当時はまだ、
ダニ
微生物
感染症
という現在の医学的概念が
十分に成立していなかった。
十分に成立していなかった。
そのため、
体液の異常
不衛生
その他の病気
など、
さまざまな原因が考えられていた。
さまざまな原因が考えられていた。
しかし、
皮膚から小さな生物を取り出す
という経験的な観察は
長く続けられていた。
長く続けられていた。
イブン・ズフル
12世紀ごろの
アンダルス地方の医師
アンダルス地方の医師
イブン・ズフル
Ibn Zuhr
Ibn Zuhr
も、
疥癬に関連すると考えられる
皮膚寄生生物について記述した人物の一人。
疥癬に関連すると考えられる
皮膚寄生生物について記述した人物の一人。
中世イスラム医学では、
皮膚病についての
詳細な臨床観察が行われていた。
皮膚病についての
詳細な臨床観察が行われていた。
16世紀
16世紀になると、
ヨーロッパで
ヨーロッパで
疥癬の皮膚から
小さな生物を取り出す
小さな生物を取り出す
という観察が
より具体的に行われるようになった。
より具体的に行われるようになった。
この時代には、
疥癬の原因が
疥癬の原因が
シラミとは異なる
非常に小さな生物
非常に小さな生物
である可能性が考えられ始める。
顕微鏡の登場
17世紀になると、
顕微鏡技術が発達。
顕微鏡技術が発達。
それまで肉眼では
ほとんど確認できなかった
ほとんど確認できなかった
ヒゼンダニ
を詳細に観察できるようになった。
これは疥癬研究にとって
大きな転換点となった。
大きな転換点となった。
1687年
疥癬医学史における
最も重要な年の一つ。
最も重要な年の一つ。
1687年、
イタリアの医師
イタリアの医師
ジョヴァンニ・コジモ・ボノーモ
Giovanni Cosimo Bonomo
Giovanni Cosimo Bonomo
と、
薬剤師・博物学者
ディアチント・チェストーニ
Diacinto Cestoni
Diacinto Cestoni
は、
疥癬患者の皮膚から
小さなダニを取り出し、
小さなダニを取り出し、
それを観察した。
そして、
このダニが
疥癬という病気の原因である
疥癬という病気の原因である
と説明した。
ヒゼンダニの発見
ボノーモとチェストーニは、
皮膚に存在する虫
↓
疥癬患者に共通して存在
↓
病気の原因
という関係を示した。
これは非常に重要だった。
当時はまだ、
病気は目に見えない生物によって起こる
という
病原体説
が一般化するより
かなり前の時代。
かなり前の時代。
そのため疥癬は、
「特定の微小生物が病気を起こす」
ことが示された
最初期の病気の一つとなった。
最初期の病気の一つとなった。
感染症史上の重要性
1687年の発見は、
医学史上非常に重要。
医学史上非常に重要。
なぜなら、
病気
↓
原因となる生物
という関係が、
実際の観察によって示されたからである。
実際の観察によって示されたからである。
これは、
パスツール
コッホ
などによって
近代的な病原体説が確立される
約200年前の出来事。
近代的な病原体説が確立される
約200年前の出来事。
そのため疥癬研究は、
感染症学
寄生虫学
皮膚科学
の歴史でも
重要な位置を占める。
重要な位置を占める。
18世紀
18世紀には、
ヒゼンダニの存在について
さらに研究が進められた。
ヒゼンダニの存在について
さらに研究が進められた。
1758年には、
カール・フォン・リンネ
によって
疥癬ダニが分類学的に扱われた。
疥癬ダニが分類学的に扱われた。
現在使用される
Sarcoptes scabiei
という学名へつながる
分類研究が発展していく。
分類研究が発展していく。
学名
現在の代表的な疥癬ダニは、
Sarcoptes scabiei。
Sarcoptesという名称は、
ギリシャ語の
sarx
=肉
=肉
koptein
=切る
=切る
などに由来するとされる。
つまり、
皮膚へ潜り込む
という
ヒゼンダニの特徴を表した名称。
ヒゼンダニの特徴を表した名称。
19世紀
19世紀になると、
顕微鏡を利用した医学がさらに発達。
顕微鏡を利用した医学がさらに発達。
ヒゼンダニの、
成虫
卵
幼虫
皮膚内のトンネル
などが
より詳細に観察されるようになった。
より詳細に観察されるようになった。
また、
疥癬は他人へ感染する
という認識も
医学的に定着していった。
医学的に定着していった。
硫黄軟膏
19~20世紀前半には、
硫黄を含む軟膏
が疥癬治療に広く使用された。
ヨーロッパでは、
Wilkinson's ointment
などの
硫黄を含む外用薬も使用されていた。
硫黄を含む外用薬も使用されていた。
硫黄治療自体は
古代から知られていたため、
古代から知られていたため、
数千年にわたって
疥癬治療へ利用されてきたことになる。
疥癬治療へ利用されてきたことになる。
20世紀
20世紀になると、
寄生虫学
皮膚科学
薬理学
が大きく進歩。
ヒゼンダニの生活環
感染経路
宿主との関係
免疫反応
などが
詳しく研究されるようになった。
詳しく研究されるようになった。
また、
新しい殺ダニ薬
も登場。
硫黄だけに頼らない
治療が可能になった。
治療が可能になった。
第二次世界大戦と疥癬研究
20世紀中頃には、
疥癬の感染実験などを通じて
ヒゼンダニの生態が
より詳しく研究された。
疥癬の感染実験などを通じて
ヒゼンダニの生態が
より詳しく研究された。
特に英国の研究者
Kenneth Mellanby
による研究は有名。
疥癬の、
感染成立
ダニの数
症状が出るまでの期間
免疫反応
などについて
現代医学につながる知見が得られた。
現代医学につながる知見が得られた。
イベルメクチン
20世紀後半には、
イベルメクチン
が登場。
もともとは
寄生虫治療薬として開発された。
寄生虫治療薬として開発された。
その後、
疥癬
にも有効であることが分かり、
重症疥癬
集団発生
などでも
重要な治療薬となった。
重要な治療薬となった。
現在では、
外用薬
内服薬
などを
患者の状態に応じて使用する。
患者の状態に応じて使用する。
現代の疥癬
21世紀になっても、
疥癬は消滅していない。
疥癬は消滅していない。
世界各地で発生。
特に、
高齢者施設
医療施設
家庭
学校
避難施設
人口密集地域
などでは
集団感染が問題になる。
集団感染が問題になる。
世界保健機関
WHOも、
WHOも、
疥癬を世界的な
公衆衛生上の問題として扱っている。
公衆衛生上の問題として扱っている。
顧みられない熱帯病
WHOは疥癬を、
Neglected Tropical Disease
顧みられない熱帯病
顧みられない熱帯病
の一つとして扱っている。
疥癬そのものだけでなく、
掻き傷
細菌感染
敗血症
腎臓病
心臓への合併症
などへつながる場合があるため、
世界的には
依然として重要な病気。
依然として重要な病気。
動物の疥癬研究
疥癬は人間だけの病気ではない。
Sarcoptes scabieiは、
犬
キツネ
タヌキ
ウォンバット
野生の有蹄類
その他多数の哺乳類
にも感染する。
そのため20世紀以降、
獣医学
野生動物医学
でも
重要な研究対象となった。
重要な研究対象となった。
日本の野生動物と疥癬
日本では、
野生動物における疥癬症が
各地で確認されている。
野生動物における疥癬症が
各地で確認されている。
特に知られているのが、
と
ニホンカモシカ
など。
日本の疫学研究では、
野生哺乳類の集団で
Sarcoptes scabieiが
どのように広がるのかについて
遺伝子解析も行われている。
野生哺乳類の集団で
Sarcoptes scabieiが
どのように広がるのかについて
遺伝子解析も行われている。
日本のタヌキ
日本では、
野生タヌキにおける
疥癬症が長年報告されている。
野生タヌキにおける
疥癬症が長年報告されている。
都市部や郊外でも、
全身脱毛
皮膚の肥厚
衰弱
などを示す
疥癬症のタヌキが
確認されることがある。
疥癬症のタヌキが
確認されることがある。
2000年代には、
神奈川県などで
野生タヌキの疥癬症について
獣医学的な研究も行われている。
神奈川県などで
野生タヌキの疥癬症について
獣医学的な研究も行われている。
野生動物間の感染研究
21世紀では、
ヒゼンダニのDNA
を調べることで、
どの動物集団から
どの動物集団へ広がった可能性があるか
どの動物集団へ広がった可能性があるか
を研究できるようになった。
日本でも、
ニホンカモシカ
タヌキ
その他哺乳類
の間で
Sarcoptes scabieiが
どのように伝播しているのかが
研究されている。
Sarcoptes scabieiが
どのように伝播しているのかが
研究されている。
遺伝子研究
現代では、
ミトコンドリアDNA
マイクロサテライト
ゲノム
などを利用して、
ヒゼンダニの系統
宿主との関係
地域間の感染
進化
を研究する。
つまり、
古代
→ 痒い皮膚病
→ 痒い皮膚病
17世紀
→ ダニ発見
→ ダニ発見
19世紀
→ 顕微鏡による詳細研究
→ 顕微鏡による詳細研究
20世紀
→ 感染・免疫研究
→ 感染・免疫研究
21世紀
→ DNA・ゲノム解析
→ DNA・ゲノム解析
という形で、
疥癬研究も進歩してきた。
疥癬研究も進歩してきた。
疥癬研究の歴史まとめ
紀元前
古代から
疥癬と思われる皮膚疾患が存在。
疥癬と思われる皮膚疾患が存在。
紀元前4世紀ごろ
アリストテレスが
疥癬と考えられる
皮膚内の小生物について記述。
疥癬と考えられる
皮膚内の小生物について記述。
紀元1世紀ごろ
ケルススが
「scabies」という名称を使用したとされる。
「scabies」という名称を使用したとされる。
中世
イスラム医学などでも
疥癬に関連する記録。
疥癬に関連する記録。
17世紀
顕微鏡の発達。
1687年
ボノーモとチェストーニが
ヒゼンダニを観察。
ヒゼンダニを観察。
疥癬の原因として説明。
18~19世紀
ヒゼンダニの分類・生活環研究が進む。
19~20世紀
硫黄軟膏などによる
治療が広く行われる。
治療が広く行われる。
20世紀
感染経路
免疫
寄生虫学
の研究が進展。
20世紀後半
イベルメクチンなど
新しい治療薬が利用される。
新しい治療薬が利用される。
21世紀
DNA
ゲノム
免疫学
野生動物疫学
などを利用した研究へ発展。
2500年以上続く病気
疥癬は、
非常に古い病気
である。
古代ギリシャ時代から
記録されている可能性があり、
記録されている可能性があり、
現代でも世界中で
感染が続いている。
感染が続いている。
つまり、
2500年以上前
↓
現代
まで
人類と共存してきた
寄生虫感染症の一つ。
人類と共存してきた
寄生虫感染症の一つ。
医学が発達した現在でも、
完全に消滅した病気ではない。
医学史上特殊な病気
疥癬が医学史で特に興味深いのは、
原因生物の発見が非常に早かった
こと。
1687年には、
疥癬患者
↓
皮膚内のダニ
↓
病気の原因
という関係が
すでに示されていた。
すでに示されていた。
これは、
細菌
ウイルス
などの
近代微生物学が成立するより
はるか以前。
近代微生物学が成立するより
はるか以前。
そのため疥癬は、
「病原生物を直接確認できた
最初期の感染症」
最初期の感染症」
として医学史上重要である。
かわいそうでも距離を取る
疥癬症の動物は、
見た目にも非常に痛々しい。
見た目にも非常に痛々しい。
しかし、
助けようとして直接触る
餌を与える
自宅へ連れてくる
ことが
必ずしも動物のためになるとは限らない。
必ずしも動物のためになるとは限らない。
感染拡大や
人・ペットへの健康リスクにつながる場合がある。
人・ペットへの健康リスクにつながる場合がある。
専門機関へ相談することが重要。
毛のないタヌキを見たら
基本:
1.
近づかない。
2.
触らない。
3.
餌を与えない。
4.
犬や猫を近づけない。
5.
屋外の餌を片付ける。
6.
必要なら自治体へ相談する。
犬が接触してしまった
疥癬症が疑われるタヌキと
犬が接触した場合、
犬が接触した場合、
できるだけ早く
かかりつけの動物病院へ相談する。
かかりつけの動物病院へ相談する。
特に、
強いかゆみ
耳周辺の皮膚炎
脱毛
赤み
かさぶた
などが出た場合は
診察を受ける。
診察を受ける。
猫が接触してしまった
猫でも同様。
野生動物と接触した後に、
かゆみ
脱毛
皮膚炎
などが出た場合、
動物病院へ相談する。
動物病院へ相談する。
人が触ってしまった
野生動物へ触れた後、
強いかゆみ
発疹
赤いブツブツ
などが出た場合、
皮膚科などへ相談する。
その際、
野生動物へ接触したこと
を医師へ伝える。
犬猫人間への感染まとめ
犬
感染する可能性あり。
特に感染タヌキとの接触に注意。
猫
疥癬性ダニによる皮膚病が存在。
動物間で感染する可能性あり。
人間
動物由来ヒゼンダニによって
一時的な皮膚炎を起こす可能性あり。
一時的な皮膚炎を起こす可能性あり。
タヌキから人への感染は
まれとされるが、
不必要な接触は避ける。
まれとされるが、
不必要な接触は避ける。
見た目だけで診断できる?
できない。
脱毛した野生動物には、
疥癬症
真菌症
外傷
栄養不良
その他の皮膚疾患
など
複数の原因が考えられる。
複数の原因が考えられる。
そのため、
「毛が抜けている=100%疥癬」
と断定することはできない。
ただし、
野生タヌキでは疥癬症が
よく確認されているため、
野生タヌキでは疥癬症が
よく確認されているため、
感染個体と仮定して
距離を取る
距離を取る
のが安全。
よくある質問
疥癬症は感染する?
する。
ヒゼンダニなどが
別の宿主へ移ることで感染する。
別の宿主へ移ることで感染する。
タヌキから犬にうつる?
可能性がある。
自治体も注意喚起している。
タヌキから猫にうつる?
可能性があるため、
接触させない方がよい。
接触させない方がよい。
タヌキから人にうつる?
まれだが可能性はある。
直接触らないこと。
毛が抜けたタヌキは全部疥癬?
断定できない。
しかし疥癬症の可能性があるため、
近づかない。
近づかない。
餌をあげてもいい?
推奨されない。
病気の個体が住宅地へ居着き、
感染拡大につながる可能性がある。
感染拡大につながる可能性がある。
捕まえて病院へ連れて行く?
勝手に捕獲しない。
まず自治体などへ相談する。
犬の散歩中に見つけたら?
犬を近づけず、
その場から距離を取る。
その場から距離を取る。
検索用関連キーワード
- 疥癬症
- 疥癬
- 疥癬症とは
- 疥癬 ダニ
- ヒゼンダニ
- Sarcoptes scabiei
- 疥癬症 タヌキ
- 疥癬 タヌキ
- タヌキ 疥癬
- タヌキ 毛がない
- 毛のないタヌキ
- ハゲたタヌキ
- タヌキ 脱毛
- タヌキ 皮膚病
- タヌキ 疥癬症 人
- タヌキ 疥癬 人間
- タヌキ 疥癬 犬
- タヌキ 疥癬 猫
- タヌキ 疥癬 ペット
- 疥癬 犬
- 犬 疥癬
- 犬疥癬
- 犬 疥癬 タヌキ
- 疥癬 猫
- 猫 疥癬
- 疥癬 人間
- 動物 疥癬 人間
- 疥癬 動物から人
- 疥癬 ペット
- 疥癬 感染
- 疥癬 感染経路
- 疥癬 空気感染
- 疥癬 野生動物
- 野生動物 疥癬
- 疥癬症 感染する
- 疥癬症 うつる
- 疥癬症 人にうつる
- 疥癬症 犬にうつる
- 疥癬症 猫にうつる
- 毛のない野生動物
- タヌキ 近づかない
- 疥癬 タヌキ 餌
- 疥癬 タヌキ 見つけた
- 疥癬 タヌキ どうする
- タヌキ 病気
- 野生タヌキ 病気
内部リンク
まとめ
疥癬症とは、
ヒゼンダニなどの寄生によって起こる
感染性の皮膚病。
ヒゼンダニなどの寄生によって起こる
感染性の皮膚病。
人間だけでなく、
犬
猫
タヌキ
その他の哺乳類
でも発症する。
日本では、
野生タヌキの疥癬症が
各地で問題となっている。
野生タヌキの疥癬症が
各地で問題となっている。
重症化すると、
全身の脱毛
皮膚の肥厚
かさぶた
激しいかゆみ
衰弱
などが起こる。
特に、
毛がほとんどないタヌキ
を見つけた場合は、
疥癬症に感染している可能性がある。
疥癬症に感染している可能性がある。
その場合、
近づかない。
触らない。
餌を与えない。
犬や猫を近づけない。
こと。
疥癬症は
ペットへ感染する可能性がある。
ペットへ感染する可能性がある。
また、
動物由来のヒゼンダニによって
人間にも一時的な皮膚炎が起きる場合がある。
動物由来のヒゼンダニによって
人間にも一時的な皮膚炎が起きる場合がある。
感染が疑われる場合、
人間は医療機関。
犬・猫は動物病院。
へ相談する。
野生動物を
自分で捕獲・治療しようとせず、
必要に応じて自治体へ相談することが重要である。
自分で捕獲・治療しようとせず、
必要に応じて自治体へ相談することが重要である。









