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INMU KING ・YAJU-MC
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INMU KING / YAJU-MC
INMU KING vrchatエモート

概要
''INMU KING''(インム・キング)は、YAJU-MC名義で発表された楽曲、およびAIを活用して制作されたミュージックビデオである。
2026年8月10日0時、インターネット上で「野獣の日」として知られる8月10日に合わせて公開された。
MVの長さは4分7秒。
MVの長さは4分7秒。
日本のインターネット・ミーム「真夏の夜の淫夢」、とりわけ野獣先輩を題材としており、
長年にわたって形成されてきた多数の語録・人物・場面・ネットミームを、
現代的なポップミュージックのMV形式へ再構成している。
長年にわたって形成されてきた多数の語録・人物・場面・ネットミームを、
現代的なポップミュージックのMV形式へ再構成している。
映像面では生成AIを大胆に利用。
従来のMAD動画的な編集とは異なり、
野獣先輩をあたかも実在するスター歌手のように描く映像表現が特徴となっている。
従来のMAD動画的な編集とは異なり、
野獣先輩をあたかも実在するスター歌手のように描く映像表現が特徴となっている。
タイトルの「INMU KING」は文字通り「淫夢の王」を意味するものとみられ、
野獣先輩を長年インターネット上で消費・再解釈され続けてきたミームの象徴として扱う。
野獣先輩を長年インターネット上で消費・再解釈され続けてきたミームの象徴として扱う。
公開後はニコニコ動画を中心に急速に拡散し、
2026年8月13日にはニコニコ動画の総合ランキング1位を記録した。
2026年8月13日にはニコニコ動画の総合ランキング1位を記録した。
楽曲
楽曲は、ネットミームを題材としながらも、
映像・歌唱・ダンスを組み合わせた本格的なポップMV風の構成となっている。
映像・歌唱・ダンスを組み合わせた本格的なポップMV風の構成となっている。
特に特徴的なのは、淫夢語録を単純に音MADとして反復するのではなく、
ひとつの「歌詞」として再構築している点である。
ひとつの「歌詞」として再構築している点である。
歴代の淫夢ミームを大量に取り込みながら、
「INMU KING」という架空のスターを中心とした楽曲として成立させている。
「INMU KING」という架空のスターを中心とした楽曲として成立させている。
ミュージックビデオ
MVでは、従来の低解像度素材で知られる淫夢文化を、
生成AIによって現代的なミュージックビデオ風の映像へ変換している。
生成AIによって現代的なミュージックビデオ風の映像へ変換している。
豪華なステージ、ダンス、スター歌手を思わせる演出などが登場し、
元となったネットミームとの落差そのものが笑いの一部となっている。
元となったネットミームとの落差そのものが笑いの一部となっている。
一方で映像内には、長年の淫夢文化を知る視聴者向けの人物・語録・場面などが多数配置されている。
そのため、
「初見では謎のAIポップMV」
「淫夢を知っている視聴者には大量の元ネタを探すMV」
「淫夢を知っている視聴者には大量の元ネタを探すMV」
という二重構造を持つ。
K-POP・J-POP風の演出
本作の大きな特徴として、
ネットミーム作品でありながら、現代のK-POP・J-POP系ミュージックビデオを連想させる
「スターを中心に据えた豪華なMV」の形式を採用している点が挙げられる。
ネットミーム作品でありながら、現代のK-POP・J-POP系ミュージックビデオを連想させる
「スターを中心に据えた豪華なMV」の形式を採用している点が挙げられる。
野獣先輩が単なるMAD素材ではなく、
''「YAJU-MC / INMU KING」という架空の音楽スター''
として扱われることで、
従来の淫夢MADとは異なる独特の雰囲気が生まれている。
''「YAJU-MC / INMU KING」という架空の音楽スター''
として扱われることで、
従来の淫夢MADとは異なる独特の雰囲気が生まれている。
ただし、特定のK-POP/J-POP作品を直接パロディしたものと断定するより、
「現代的なポップスターMVの文法を淫夢へ持ち込んだ作品」
と見るのが適切だろう。
「現代的なポップスターMVの文法を淫夢へ持ち込んだ作品」
と見るのが適切だろう。
YAJU-MC
本作で使用されるアーティスト名義。
「YAJU(野獣)」と「MC」を組み合わせた名称であり、
野獣先輩を音楽アーティストとして扱うための架空名義として機能している。
野獣先輩を音楽アーティストとして扱うための架空名義として機能している。
そのため、一般的な音楽情報サイト風に表記すると、
| アーティスト | YAJU-MC |
| 楽曲 | INMU KING |
| 公開日 | 2026年8月10日 |
| MV時間 | 4分7秒 |
| ジャンル | AI MV/ネットミーム/ポップ |
| 題材 | 真夏の夜の淫夢・野獣先輩 |
となる。
公開後の反響
公開直後からニコニコ動画やSNS上で拡散された。
2026年8月13日17時のニコニコ動画総合ランキングでは1位を記録。
8月15日前後の記録では約45万再生、2万4000件を超えるコメントが確認されている。
8月15日前後の記録では約45万再生、2万4000件を超えるコメントが確認されている。
また「踊ってみた」などの派生動画も登場しており、
単独のAI動画から二次創作・ミームへ再拡散する動きも見られた。
単独のAI動画から二次創作・ミームへ再拡散する動きも見られた。
淫夢コンテンツとしては珍しく、
「楽曲→MV→ダンス→派生動画」
という一般的なポップソングに近い拡散経路を形成している。
「楽曲→MV→ダンス→派生動画」
という一般的なポップソングに近い拡散経路を形成している。
使用AIについて
『INMU KING』のMV制作に使用された具体的な動画生成AIは、公式には明言されていない。
一方、公開時期や映像表現などから、
Seedance系の動画生成AIが使用された可能性が高いと推測する記事も存在する。
Seedance系の動画生成AIが使用された可能性が高いと推測する記事も存在する。
ただし、これはあくまで外部からの推測であり、
使用モデルがSeedanceであると断定できる公式情報は確認されていない。
使用モデルがSeedanceであると断定できる公式情報は確認されていない。
なお、やじゅまん氏本人は制作時の生成コストについて、
「3万〜5万クレジットを溶かした」とする趣旨の発言をしているとされる。
「3万〜5万クレジットを溶かした」とする趣旨の発言をしているとされる。
この点については、本人発言の一次資料が確認できた場合に出典を追記する。
生成AIによる動画制作では、
1本の完成映像を得るまでに大量の試行錯誤が必要になる場合があり、
実際の制作コストは「1回生成しただけ」では済まないことがある。
1本の完成映像を得るまでに大量の試行錯誤が必要になる場合があり、
実際の制作コストは「1回生成しただけ」では済まないことがある。
つまり、
プロンプト入力 ↓ 動画生成 ↓ 失敗 ↓ 再生成 ↓ 別カット生成 ↓ 修正 ↓ 再生成 ↓ 編集 ↓ 完成
という工程を繰り返すことで、
大量のクレジットを消費する場合がある。
大量のクレジットを消費する場合がある。
『INMU KING』のような長尺MVでは、
多数のカットを用意する必要があるため、
生成AIを利用していても制作コストが小さいとは限らない。
多数のカットを用意する必要があるため、
生成AIを利用していても制作コストが小さいとは限らない。
元ネタ
MVおよび楽曲には、長年の淫夢文化から多数の要素が引用・再構成されている。
代表的なものとして、
- 野獣先輩
- 野獣邸
- 「王道を征く」
- 「いいよ!こいよ!」
- 田所浩二
- 常夏のおっさん
- MUR
- TNOK
などが挙げられる。
特に「王道を征く」は野獣先輩のインタビューに由来する著名な語録であり、
「KING」という作品コンセプトとも非常に相性の良い言葉となっている。
「KING」という作品コンセプトとも非常に相性の良い言葉となっている。
使われたAIの仕組み(推測)
『INMU KING』で使用された具体的な動画生成AIは公表されていない。
一方、映像の特徴や制作時期などから、
Seedanceなどの高性能な動画生成AIが使用された可能性が指摘されている。
Seedanceなどの高性能な動画生成AIが使用された可能性が指摘されている。
以下では、Seedance 1.0の公開技術資料をもとに、
『INMU KING』のようなAI動画がどのような仕組みで生成されるのかを解説する。
『INMU KING』のようなAI動画がどのような仕組みで生成されるのかを解説する。
※実際に同作品がSeedanceを使用したことを断定するものではない。
1. まず動画をそのまま計算しているわけではない
動画生成AIは、数百万画素×数十~数百フレームという巨大なデータを
そのまま処理すると計算量が大きすぎる。
そのまま処理すると計算量が大きすぎる。
そこでSeedanceではVAE(Variational Autoencoder)を使い、
動画を一度「潜在空間」と呼ばれる圧縮されたデータへ変換する。
動画を一度「潜在空間」と呼ばれる圧縮されたデータへ変換する。
イメージとしては、
元動画・画像 ↓ VAE Encoder ↓ 圧縮された映像情報(Latent) ↓ AIがここで映像を生成 ↓ VAE Decoder ↓ 完成動画
という構造。
つまりAIは最初から1080pの各ピクセルを直接描いているわけではなく、
一度圧縮した「映像の設計図」のような情報を生成している。
一度圧縮した「映像の設計図」のような情報を生成している。
Seedance 1.0では、
時間方向も含めて動画を圧縮する
「temporally causal VAE」が採用されている。
時間方向も含めて動画を圧縮する
「temporally causal VAE」が採用されている。
2. プロンプトをAIが理解する
ユーザーが入力した、
「青いスーツの人物が踊る」
「カメラが近づく」
「映画風」
「複数カット」
「カメラが近づく」
「映画風」
「複数カット」
などの文章は、
テキストエンコーダによってAIが扱える数値情報へ変換される。
テキストエンコーダによってAIが扱える数値情報へ変換される。
Seedance 1.0では、
ファインチューニングされたDecoder-only LLMが
テキストエンコーダとして使用されている。
ファインチューニングされたDecoder-only LLMが
テキストエンコーダとして使用されている。
つまり、
プロンプト ↓ LLM ↓ 「人物」 「衣装」 「動作」 「背景」 「カメラワーク」 「画風」
などの情報を数値表現へ変換
という処理が行われる。
3. Diffusion Transformerが映像を作る
Seedanceの中心部分は
Diffusion Transformer(DiT)と呼ばれるモデル。
Diffusion Transformer(DiT)と呼ばれるモデル。
画像生成AIのDiffusion Modelと、
LLMなどで使われるTransformerを組み合わせたような仕組みである。
LLMなどで使われるTransformerを組み合わせたような仕組みである。
生成開始時には、
映像の潜在空間はほぼノイズ状態。
映像の潜在空間はほぼノイズ状態。
そこからAIが何度も、
「このノイズを少し人物らしくする」
「次のフレームと動きが繋がるようにする」
「服装を維持する」
「背景を一致させる」
「次のフレームと動きが繋がるようにする」
「服装を維持する」
「背景を一致させる」
と修正し続ける。
ノイズ ↓ 少し映像らしくなる ↓ 人物の形が出る ↓ 動きが形成される ↓ 背景や服装が安定する ↓ 完成映像
という流れ。
Stable Diffusionなどの画像生成と基本思想は似ているが、
動画ではさらに「時間」を処理する必要がある。
動画ではさらに「時間」を処理する必要がある。
4. 1枚の絵だけでなく「時間」を理解する
動画生成で難しいのは、
「1フレームだけ綺麗」
では不十分な点。
例えば人物が踊る場合、
フレーム1:右手が上 フレーム2:少し下がる フレーム3:さらに下がる
という連続性が必要になる。
Seedance 1.0では、
Transformer内部を
Transformer内部を
- 空間方向(Spatial)
- 時間方向(Temporal)
に分けて処理している。
Spatial Layer
→ 1枚のフレーム内で
「顔・服・背景・手足の位置」を処理
→ 1枚のフレーム内で
「顔・服・背景・手足の位置」を処理
Temporal Layer
→ フレーム同士を比較して
「動き・姿勢・カメラ移動」を処理
→ フレーム同士を比較して
「動き・姿勢・カメラ移動」を処理
する。
これによって、
「前のフレームでは青いスーツだったのに
次のフレームでは突然赤い服になる」
次のフレームでは突然赤い服になる」
といった破綻を減らしている。
5. 元画像を使ったImage-to-Video
『INMU KING』のような
特定人物・特定衣装を維持した映像では、
特定人物・特定衣装を維持した映像では、
Text-to-Videoだけでなく、
Image-to-Videoが使用された可能性も考えられる。
Image-to-Videoが使用された可能性も考えられる。
例えば、
野獣先輩を元にした画像 ↓ AIへ入力 ↓ 「踊る」 「歩く」 「カメラに近づく」 ↓ 動画化
という方式。
Seedance 1.0は、
Text-to-VideoとImage-to-Videoを
同じモデルで扱えるよう設計されている。
Text-to-VideoとImage-to-Videoを
同じモデルで扱えるよう設計されている。
そのため、
「まず画像生成AIで1枚作る」
↓
「その画像をSeedanceへ渡す」
↓
「動画化する」
↓
「その画像をSeedanceへ渡す」
↓
「動画化する」
という制作工程も可能。
6. 複数カットもAIが生成できる
Seedanceの特徴の一つが、
「Multi-shot Generation」。
「Multi-shot Generation」。
通常の動画生成AIでは、
1回の生成
=
1つのカメラショット
=
1つのカメラショット
になりやすい。
Seedanceでは、
全身ショット ↓ カット ↓ 顔のアップ ↓ カット ↓ 横から踊る
といった複数ショットを、
1回の生成内で処理できる。
1回の生成内で処理できる。
Seedance公式では、
10秒程度の動画中に2~3回程度のショット切り替えを
生成できる例が公開されている。
10秒程度の動画中に2~3回程度のショット切り替えを
生成できる例が公開されている。
『INMU KING』のようなMVでは、
こうした機能を使うことで
映画・MV風のカメラワークを作りやすくなる。
こうした機能を使うことで
映画・MV風のカメラワークを作りやすくなる。
7. なぜ人物が比較的安定するのか
Seedanceでは学習データに対して、
単に
単に
「男が踊っている」
という短い説明だけでなく、
- 人物の特徴
- 服装
- 背景
- 動作
- カメラ移動
- 時間的変化
などを詳細に記述したCaptionを使用している。
つまり学習時から、
「誰が」
「何をして」
「カメラがどう動いて」
「映像がどう変化するか」
「何をして」
「カメラがどう動いて」
「映像がどう変化するか」
を細かく学習している。
これが、
複数人物や複雑な動作でも
比較的指示に従いやすい理由の一つ。
複数人物や複雑な動作でも
比較的指示に従いやすい理由の一つ。
8. RLHFで「人間が好む動画」に調整
Seedance 1.0は、
事前学習だけで完成しているわけではない。
事前学習だけで完成しているわけではない。
つまり大量の生成結果について、
- 映像が綺麗か
- 動きが自然か
- プロンプトに合っているか
- 人物が壊れていないか
- カメラワークが自然か
などを評価し、
人間が好む方向へモデルを調整している。
人間が好む方向へモデルを調整している。
9. なぜ大量のクレジットを消費するのか
動画生成AIは、
1回生成すれば必ず使える映像が出るわけではない。
1回生成すれば必ず使える映像が出るわけではない。
例えば、
生成 ↓ 顔が崩れる ↓ 再生成 ↓ 手がおかしい ↓ 再生成 ↓ 動きが違う ↓ 再生成 ↓ カメラが気に入らない ↓ 再生成
という試行錯誤が発生する。
さらにMVでは、
数十~数百のカット候補を生成し、
その中から使える映像だけを選ぶことになる。
数十~数百のカット候補を生成し、
その中から使える映像だけを選ぶことになる。
そのため、
数分の完成MVでも
実際には完成映像の何十倍もの動画が
生成・廃棄されている可能性がある。
数分の完成MVでも
実際には完成映像の何十倍もの動画が
生成・廃棄されている可能性がある。
これが生成AI動画で
大量のクレジットが消費される理由の一つ。
大量のクレジットが消費される理由の一つ。
推測される制作工程
『INMU KING』のようなAI MVでは、
既存の動画生成AIの一般的な使い方から考えると、
以下のような制作工程だった可能性がある。
既存の動画生成AIの一般的な使い方から考えると、
以下のような制作工程だった可能性がある。
元ネタ・人物資料 ↓ キャラクター画像生成 ↓ 使用画像を選別 ↓ Image-to-Video ↓ 動作・ダンス生成 ↓ カメラワーク生成 ↓ 失敗 ↓ 再生成 ↓ 使えるカットを選別 ↓ 編集ソフトで並べる ↓ 音楽と同期 ↓ エフェクト・字幕などを追加 ↓ 完成MV
つまり、
AIがMV全体を一発で自動制作したというより、
AIがMV全体を一発で自動制作したというより、
''大量の短いAI動画を生成し、
人間が選別・編集して一本のMVへ仕上げた''
人間が選別・編集して一本のMVへ仕上げた''
可能性が高い。
まとめ
動画生成AIは、
「文章を入力すると動画が突然完成する魔法」
ではない。
内部では、
テキスト理解 ↓ 映像圧縮 ↓ Diffusion Transformer ↓ 空間処理 ↓ 時間処理 ↓ ノイズ除去 ↓ VAEによる動画復元
という複雑な処理が行われている。
さらに実際のMV制作では、
AI生成 + 大量の試行錯誤 + 人間による選別 + 動画編集
が必要になる。
したがって『INMU KING』のような作品も、
仮にSeedanceなどの動画生成AIを使用していたとしても、
単純な「ボタン一発のポン出し動画」とは異なり、
多数の生成結果を取捨選択する制作工程が存在した可能性が高い。
仮にSeedanceなどの動画生成AIを使用していたとしても、
単純な「ボタン一発のポン出し動画」とは異なり、
多数の生成結果を取捨選択する制作工程が存在した可能性が高い。
動画生成AIではどんなプログラミングが使われているのか
『INMU KING』で実際に使用されたAIや実装言語は公開されていない。
主に使われる言語
動画生成AIの研究・推論コードでは、
主にPythonが中心となる。
主にPythonが中心となる。
代表的には、
- Python
- CUDA
- C++
- Shell
- YAML / JSON
などが利用される。
Pythonはモデル構築・推論・学習・データ処理を担当し、
CUDAやC++はGPU上の高速演算や低レベル最適化を担当する。
CUDAやC++はGPU上の高速演算や低レベル最適化を担当する。
つまり概念的には、
Python ↓ PyTorch ↓ CUDA ↓ NVIDIA GPU
という流れ。
Pythonでは何をしているのか
Python側では主に以下を制御する。
- モデルの読み込み
- プロンプトの入力
- テキストエンコーダの実行
- VAEによる圧縮・復元
- ノイズの生成
- Diffusion Transformerの実行
- スケジューラによるノイズ除去
- 乱数Seedの管理
- フレーム数
- 解像度
- FPS
- Guidance
- 生成Step数
- 動画ファイルへの書き出し
例えばHugging Face Diffusersでは、
Pythonから
Pythonから
torch.randn()
を使って最初のランダムノイズを作り、
Schedulerとモデルを何度も呼び出すことで
少しずつノイズを除去して画像や動画を生成する。
Schedulerとモデルを何度も呼び出すことで
少しずつノイズを除去して画像や動画を生成する。
CUDAとは
CUDAはNVIDIA GPU上で大量の並列計算を行うための技術。
動画生成AIでは、
- TransformerのAttention
- 行列演算
- Convolution
- VAE
- ノイズ予測
- 潜在表現の計算
などに非常に大きな計算量が必要になる。
PythonだけでこれをCPU計算すると非常に遅いため、
PyTorchからCUDAを呼び出してGPUへ処理を投げる。
PyTorchからCUDAを呼び出してGPUへ処理を投げる。
そのためローカル動画生成AIでは、
GPU性能とVRAM容量が非常に重要になる。
GPU性能とVRAM容量が非常に重要になる。
C++はどこで使われるのか
ユーザーが直接書くことは少ないが、
PyTorchやCUDA関連ライブラリの内部では
C++が大量に使われている。
PyTorchやCUDA関連ライブラリの内部では
C++が大量に使われている。
例えば、
- GPUメモリ管理
- 高速テンソル演算
- CUDA Extension
- Flash Attention
- 高速VAE
- 動画デコード
- カスタムOperator
など。
そのため表面上はPythonアプリでも、
実際には
実際には
Python ↓ C++ Runtime ↓ CUDA Kernel ↓ GPU
という構造で動いている場合が多い。
動画生成AIの基本プログラム構造
概念的には以下のようになる。
プロンプト ↓ Text Encoder ↓ テキスト埋め込み ↓ ランダムノイズ生成 ↓ Diffusion Transformer ↓ Scheduler ↓ ノイズを少し除去 ↓ 再びDiffusion Transformer ↓ 何十回か繰り返す ↓ Latent Video完成 ↓ VAE Decoder ↓ RGB動画 ↓ MP4へ保存
つまり動画生成AIの中核は、
「完全なノイズから映像を少しずつ復元する」
処理である。
ノイズ生成メカニズム
最初はほぼ砂嵐
Diffusion系動画生成AIでは、
最初にランダムな数値で満たされたテンソルを作る。
最初にランダムな数値で満たされたテンソルを作る。
Pythonでは概念的に、
#疑似コード
noise = torch.randn(
batch, channels, frames, height, width
)
のように生成する。
このtorch.randn()は、
平均0・標準偏差1の正規分布から
ランダム値を生成する。
平均0・標準偏差1の正規分布から
ランダム値を生成する。
つまり生成開始時点では、
「動画」
ではなく
ではなく
「多次元のランダムノイズ」
しか存在しない。
Seedとは
乱数生成にはSeedと呼ばれる初期値を使う。
seed = 12345
のように固定すると、
同じ条件・同じモデルなら
ほぼ同じ初期ノイズを再現できる。
同じ条件・同じモデルなら
ほぼ同じ初期ノイズを再現できる。
そのためSeedは、
- 生成結果の再現
- 比較
- デバッグ
- バリエーション作成
に使われる。
Seedを変えると、
最初のノイズが変わり、
最終的な動画も大きく変わる。
最初のノイズが変わり、
最終的な動画も大きく変わる。
Forward Diffusion
学習時には、
本物の動画に少しずつノイズを加えていく。
本物の動画に少しずつノイズを加えていく。
元動画 ↓ 少しノイズ ↓ もっとノイズ ↓ さらにノイズ ↓ ほぼ完全なノイズ
という過程を作る。
数式的には、
元データx0にノイズεを混ぜ、
元データx0にノイズεを混ぜ、
xt = α(t) x0 + σ(t) ε
のような形で、
時間tに応じてノイズ量を増やす。
時間tに応じてノイズ量を増やす。
AIは、
「このノイズ状態から元の映像をどの方向へ戻せばいいか」
を学習する。
Reverse Diffusion
生成時は逆に、
完全なノイズ ↓ 少し映像らしいノイズ ↓ 人物の輪郭が出る ↓ 背景が出る ↓ 動作が安定 ↓ 完成動画
と復元していく。
このときDiTは、
現在のノイズ状態とプロンプトを見て、
現在のノイズ状態とプロンプトを見て、
「次にどの方向へ修正すれば良いか」
を予測する。
現在はFlow Matching系も多い
例えばWan 2.1のDiffusers実装では、
flow_predictionを利用するSchedulerが使われている。
flow_predictionを利用するSchedulerが使われている。
これは、
「毎Stepでノイズを予測して除去」
というより、
「ノイズ空間から完成映像へ向かう速度ベクトルを予測」
する考え方に近い。
概念的には、
ノイズ点 ↓ AIが「完成動画方向」を予測 ↓ 少し移動 ↓ また方向予測 ↓ 最終的に動画Latentへ到達
という処理。
動画ではノイズも5次元になる
画像生成では主に、
Batch Channel Height Width
という4次元テンソルを使う。
動画では時間軸が追加され、
Batch Channel Frame Height Width
という5次元データになる。
そのため動画生成AIは、
「1枚の画像を生成するAI」より
はるかに計算量が多い。
「1枚の画像を生成するAI」より
はるかに計算量が多い。
特に、
- フレーム数
- 解像度
- モデルサイズ
が増えるほどVRAM使用量が急増する。
時間方向の処理
動画では各フレームを別々に作るだけでは、
人物や背景が毎フレーム変わってしまう。
人物や背景が毎フレーム変わってしまう。
そのためDiT内部で、
Spatial Attention Temporal Attention
を使う。
Spatial
→ 同じフレーム内部の関係を見る
→ 同じフレーム内部の関係を見る
Temporal
→ 前後フレームの関係を見る
→ 前後フレームの関係を見る
Seedance 1.0では、
空間層と時間層を分離したDiffusion Transformerが採用されている。
空間層と時間層を分離したDiffusion Transformerが採用されている。
これによって、
「顔が毎フレーム別人になる」
「服の色が突然変わる」
「背景が崩れる」
「服の色が突然変わる」
「背景が崩れる」
などを減らしている。
ローカルで応用するなら
Seedance自体はローカルで自由に動かせるモデルではないため、
仕組みを試したい場合は、
公開モデルを使うのが現実的。
仕組みを試したい場合は、
公開モデルを使うのが現実的。
代表例として、
などがある。
最も簡単な構成
ローカルでは、
Windows ↓ Python ↓ PyTorch ↓ CUDA ↓ Diffusers または ComfyUI ↓ Wan系動画モデル
という構成が分かりやすい。
Wan 2.1は公式にローカル推論コードとモデル重量が公開されており、
1.3Bモデルは比較的小型で、
480p生成が推奨されている。
1.3Bモデルは比較的小型で、
480p生成が推奨されている。
ComfyUIでも、
- Text Encoder
- VAE
- Diffusion Model
を別々に読み込んで動画生成できる。
Pythonで理解したい場合
ComfyUIだけで使うより、
一度PythonでDiffusersを直接動かすと
動画生成AIの構造を理解しやすい。
一度PythonでDiffusersを直接動かすと
動画生成AIの構造を理解しやすい。
重要なのは、
1. モデル読み込み
2. VAE読み込み
3. Scheduler設定
4. Prompt Encode
5. Noise生成
6. Denoising Loop
7. VAE Decode
8. Video Export
2. VAE読み込み
3. Scheduler設定
4. Prompt Encode
5. Noise生成
6. Denoising Loop
7. VAE Decode
8. Video Export
の8工程。
最小構造の疑似コード
import torch
seed = 1234
torch.manual_seed(seed)
torch.manual_seed(seed)
noise = torch.randn(
1, latent_channels, frames, latent_height, latent_width, device="cuda"
)
latent = noise
for t in scheduler.timesteps:
prediction = model(
latent,
timestep=t,
prompt_embedding=text_embedding
)
latent = scheduler.step(
prediction,
t,
latent
)
video = vae.decode(latent)
save_video(video)
実際のモデルはこれより遥かに複雑だが、
基本構造はこの考え方。
基本構造はこの考え方。
ローカル実験で改造しやすい部分
動画生成AIを自分で研究・改造したい場合、
以下は比較的触りやすい。
以下は比較的触りやすい。
Seed
同じPromptでSeedだけ変更し、
生成結果の差を見る。
生成結果の差を見る。
Scheduler
ノイズ除去アルゴリズムを変更する。
Steps
生成Step数を変える。
Guidance
Promptへの従い方を調整。
FPS
生成後の再生速度を変える。
Frames
動画長を変更。
Resolution
計算量と品質を調整。
Image-to-Video
自分で描いた画像を初期条件として使用する。
LoRA
特定キャラクターや画風を追加学習する。
Control系
ポーズ・Depth・Edge・Trajectoryなどを入力して、
動きを制御する。
動きを制御する。
自作動画AIへ進む場合
いきなりSeedance級モデルをゼロから学習するのは現実的ではない。
巨大動画モデルでは、
- 大量の動画データ
- 大量GPU
- 分散学習
- 高速ストレージ
- 動画Caption生成
- VAE学習
- DiT学習
- SFT
- RLHF
- Distillation
まで必要になる。
個人なら、
公開モデル ↓ 推論コード理解 ↓ LoRA ↓ Control機能 ↓ Scheduler改造 ↓ 小型DiT実験
の順が現実的。
まとめ
動画生成AIは、
単に「画像を何枚も描いている」だけではない。
単に「画像を何枚も描いている」だけではない。
Python ↓ PyTorch ↓ CUDA ↓ VAE ↓ Text Encoder ↓ Diffusion Transformer ↓ Noise / Flow ↓ Scheduler ↓ VAE Decode ↓ 動画
という巨大な計算パイプラインで動いている。
ローカルで研究する場合は、
Seedanceそのものを再現するより、
Seedanceそのものを再現するより、
を使って、
「ノイズから動画が作られる処理」
を直接触る方が理解しやすい。
インターネット文化として
INMU KINGは、
2000年代の映像作品を起点として形成された淫夢文化が、
2020年代の生成AI技術と融合した作品とも捉えられる。
2000年代の映像作品を起点として形成された淫夢文化が、
2020年代の生成AI技術と融合した作品とも捉えられる。
低画質の実写映像
↓
切り抜き素材
↓
BB先輩劇場・音MAD
↓
ネットミーム
↓
AI生成映像
↓
ポップMV
↓
切り抜き素材
↓
BB先輩劇場・音MAD
↓
ネットミーム
↓
AI生成映像
↓
ポップMV
という、約四半世紀にわたるネット文化の変化が
ひとつのMVに集約された格好である。
ひとつのMVに集約された格好である。
従来なら素材加工によって成立していた淫夢MADが、
生成AIによって「存在しなかった豪華な映像そのものを生成する」段階へ移行した点でも特徴的である。
生成AIによって「存在しなかった豪華な映像そのものを生成する」段階へ移行した点でも特徴的である。
余談
タイトルだけを見ると海外アーティストの楽曲のようにも見える。
さらに「YAJU-MC」というアーティスト名、
豪華なAIミュージックビデオ、
ダンス動画への派生まで含めると、
豪華なAIミュージックビデオ、
ダンス動画への派生まで含めると、
「存在しない日本のネットミーム系ポップスター」
のような様相を呈している。
野獣先輩が長年「正体不明の人物」として大量の二次創作を生み続けてきた結果、
2026年にはついにAIによって「MVを持つ歌手」にまでなった、ともいえる。
2026年にはついにAIによって「MVを持つ歌手」にまでなった、ともいえる。









