fmn137.wiki
ドクイトグモ
最終更新:
kemonowikii
-
view
ドクイトグモ
ドクイトグモ(学名:’‘Loxosceles reclusa’’、英名:Brown recluse spider)は、主にアメリカ合衆国中西部から南部に分布するクモの一種である。
褐色の体と、頭胸部に見られるバイオリン状の模様で知られることから、英語では「Violin spider(バイオリン・スパイダー)」などとも呼ばれる。
人間に積極的に襲いかかる危険生物ではないが、毒によって皮膚組織が損傷する場合があり、重症例では壊死や全身症を起こすことがある。
日本では外来生物法に基づく特定外来生物に指定されている。2026年現在、環境省では未定着とされている。
- ドクイトグモ
- 概要
- 名前の由来
- 特徴
- 生息地
- 岩の下
- 倒木
- 樹皮の下
- 落ち葉などが堆積した場所
- クローゼット
- 屋根裏
- 靴
- 家具の裏
- 物置
- 長期間動かしていない荷物
- 毒
- ドクイトグモに噛まれたらどうなる?
- 刺されたような感覚
- 局所的な痛み
- 赤み
- 水疱
- 「ドクイトグモに噛まれた」という誤診
- 歴史
- 日本にドクイトグモはいる?
- なぜ日本では特定外来生物なのか
- ロクソスケレス・ガウコ
- ロクソスケレス・ラエタ
- ロクソスケレス・レクルサ
- もしドクイトグモが日本に侵入したら?
- 輸入貨物
- 梱包された物品
- コンテナ
- 倉庫内の荷物
- もし日本に定着したら?
- 倉庫
- 物置
- クローゼット
- 屋根裏
- 靴
- 家具の裏
- 段ボールなどを長期間保管している場所
- ドクイトグモとセアカゴケグモの違い
- ドクイトグモの見分け方
- 褐色の体
- 頭胸部のバイオリン状の模様
- 6個の眼
- 比較的長い脚
- 日本で発見した場合の対策
- 素手で触らない
- 不用意に追い回さない
- 安全な距離から写真を撮影する
- 発見場所や日時を記録する
- 必要に応じて自治体や関係機関へ相談する
- ドクイトグモに噛まれた場合の対策
- ドクイトグモ対策
- 関連項目
- クモ
- 危険生物
- 毒
- 外来種
- 特定外来生物
- 外来生物法
- セアカゴケグモ
- ハイイロゴケグモ
- 生物
- アメリカ
- 外部リンク
- 環境省
- CDC Venomous Spiders at Work
- CDC Yellow Book
- World Spider Catalog
- 参考文献
- Gertsch, W. J. & Mulaik, S. B. (1940), ‘‘The spiders of Texas. I.’’
- World Spider Catalog, ‘‘Loxosceles reclusa Gertsch & Mulaik, 1940’’
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC), ‘‘Venomous Spiders at Work’’
- 環境省「特定外来生物等一覧」
概要
| 名称 | ドクイトグモ |
| 学名 | ’‘Loxosceles reclusa’’ |
| 英名 | Brown recluse spider |
| 分類 | クモ目・イトグモ属 |
| 主な分布 | 北アメリカ |
| 日本での状況 | 特定外来生物・未定着 |
| 特徴 | 褐色の体、6個の眼、バイオリン状の模様 |
| 主な危険性 | 咬傷による局所的な組織障害 |
ドクイトグモはアメリカを代表する毒グモの一つとして知られている。
主な分布域はアメリカ中西部から南部で、暗く乾燥した場所を好む。
屋外では岩、倒木、樹皮などの下、屋内ではクローゼット、屋根裏、靴、物置など、人目につきにくい場所へ潜むことがある。
ドクイトグモは通常、人間へ積極的に攻撃するわけではない。衣服や靴の中などでクモが皮膚との間に挟まれ、圧力が加わった場合などに咬傷が発生することがある。
名前の由来
英名「Brown recluse spider」は「茶色い隠遁するクモ」といった意味を持つ。
「recluse」には隠遁者、世捨て人などの意味があり、人目につかない暗所へ潜む生態に由来する。
頭胸部に暗色のバイオリンのような模様が見られることから「Violin spider」「Fiddleback spider」と呼ばれる場合もある。
特徴
体色
全体的に黄褐色から褐色をしており、派手な警告色は持たない。
そのためセアカゴケグモのような特徴的な赤い模様を持つクモと比べ、外見だけでは危険なクモだと気付きにくい。
眼
ドクイトグモの特徴の一つが眼の配置である。
多くのクモが8個の眼を持つ一方、ドクイトグモを含むイトグモ属では6個の眼が3対に分かれて配置される。
ただし非常に小さな特徴であるため、野外で肉眼だけを使って種類を断定することは難しい。
バイオリン状の模様
頭胸部には暗褐色の模様があり、バイオリンのように見える個体がいる。
この特徴から「バイオリン・スパイダー」と呼ばれる。
ただし模様だけによる判定は誤同定につながるため、茶色くて模様があるクモ=ドクイトグモとは限らない。
生息地
ドクイトグモは暗く、乾燥していて、人間や動物から邪魔されにくい場所を利用する。
屋外では、
岩の下
倒木
樹皮の下
落ち葉などが堆積した場所
などで見つかる。
人家では、
クローゼット
屋根裏
靴
家具の裏
物置
長期間動かしていない荷物
などに入り込むことがある。
この性質が、人間との偶発的な接触につながる。
毒
ドクイトグモが危険視される大きな理由が毒である。
ドクイトグモを含むイトグモ属による咬傷では、局所的な組織障害が発生する場合がある。
咬傷部が赤くなり、その後に水疱、出血、暗色への変色、潰瘍などへ進行する場合がある。
ただし、すべての咬傷で皮膚壊死が発生するわけではない。
ドクイトグモに噛まれたらどうなる?
ドクイトグモに咬まれた際の症状には大きな個人差がある。
初期には、
刺されたような感覚
局所的な痛み
赤み
水疱
などが現れることがある。
重い局所症状では皮膚組織が損傷し、患部が暗く変色した後に潰瘍などへ進行する場合がある。
さらにイトグモ属による咬傷では、まれに溶血などを伴う重篤な全身症が報告されている。
咬傷後に傷や全身症状が現れた場合には、医療機関を受診する必要がある。
「ドクイトグモに噛まれた」という誤診
ドクイトグモについて注意したいのが誤診・誤認である。
皮膚の潰瘍や壊死は、ドクイトグモ以外の原因でも発生する。
実際にドクイトグモがほとんど確認されていない地域でも「ドクイトグモに噛まれた」と診断された例が問題となっている。
そのため、皮膚の傷だけから原因をドクイトグモと断定することはできない。
歴史
1940年 学術的な記載
ドクイトグモは1940年、アメリカのクモ学者Willis J. GertschとStanley B. Mulaikによって学術的に記載された。
原記載では’‘Loxosceles reclusus’’とされ、テキサス州オースティンがタイプ産地となっている。
後に現在使用されている’‘Loxosceles reclusa’’の学名となった。
1950年代 医学的な危険性の認識
北アメリカでは1950年代にドクイトグモが医学的に重要なクモとして認識されるようになった。
1957年頃から医学的な重要性が明確に認識され、その後「Brown recluse」という名称と危険性がアメリカ社会へ広く知られるようになった。
現代
現在ではアメリカで代表的な毒グモの一種として知られている。
一方で知名度が高くなった結果、本来の分布域から大きく離れた地域でも皮膚疾患が「ドクイトグモによる咬傷」と誤診される問題が指摘されている。
そのため現在の医学・昆虫学では、実際の分布域やクモの同定を考慮した判断が重要とされる。
日本にドクイトグモはいる?
2026年現在、環境省の特定外来生物一覧では’‘Loxosceles reclusa’’(ロクソスケレス・レクルサ)は未定着とされている。
つまり、現在の日本でドクイトグモが野外繁殖して定着していることを示す状況にはない。
一方、日本ではドクイトグモを含む一部のイトグモ属が特定外来生物に指定されている。
なぜ日本では特定外来生物なのか
ドクイトグモは人間に対して健康被害を及ぼす可能性がある外来種として、日本の外来生物法による規制対象となっている。
環境省の一覧では、
ロクソスケレス・ガウコ
ロクソスケレス・ラエタ
ロクソスケレス・レクルサ
がイトグモ属の特定外来生物として掲載され、いずれも未定着となっている。
もしドクイトグモが日本に侵入したら?
現時点で日本に定着しているわけではないが、国際物流が存在する以上、国外の生物が貨物などに偶発的に紛れ込む可能性はゼロではない。
ドクイトグモは物陰へ潜む習性を持つため、仮に本来の生息域から移動するとすれば、
輸入貨物
梱包された物品
コンテナ
倉庫内の荷物
などに紛れ込むシナリオが考えられる。
ただし、海外から**1個体が偶然運ばれてくる「侵入」と、日本国内で繁殖を繰り返す「定着」**は区別する必要がある。
侵入した個体が発見されたからといって、日本で定着したことにはならない。
もし日本に定着したら?
仮にドクイトグモが日本国内で繁殖可能となり、定着した場合には、人間の生活圏との接触が問題になる可能性がある。
ドクイトグモは人家内部の暗所も利用できるため、
倉庫
物置
クローゼット
屋根裏
靴
家具の裏
段ボールなどを長期間保管している場所
などで人間と遭遇する可能性が考えられる。
特に物流拠点から住宅地などへ拡散した場合、侵入地域の把握や駆除が課題になると考えられる。
これはあくまで日本へ定着した場合を想定した仮定であり、2026年現在、日本では未定着である。
ドクイトグモとセアカゴケグモの違い
日本で知られる毒グモとしてセアカゴケグモがいる。
両者は毒の作用や生態が異なる。
| 種類 | ドクイトグモ | セアカゴケグモ |
| 学名 | ’‘Loxosceles reclusa’’ | ’‘Latrodectus hasselti’’ |
| 日本での状況 | 未定着 | 定着 |
| 主な毒の問題 | 局所的な組織障害など | 神経毒による疼痛や筋肉症状など |
| 外見 | 褐色で比較的地味 | 黒色を基調として赤い模様を持つ |
| 分類 | イトグモ属 | ゴケグモ属 |
セアカゴケグモでは神経毒による強い痛みや筋肉のけいれんなどが問題になる。
ドクイトグモを含むイトグモ属では局所的な組織障害や、まれな全身症が問題になる。
毒の作用が異なるため、単純にどちらが「強い毒グモ」なのかを順位付けすることは難しい。
ドクイトグモの見分け方
ドクイトグモを疑う特徴として、
褐色の体
頭胸部のバイオリン状の模様
6個の眼
比較的長い脚
などが挙げられる。
しかし、日本にも褐色で脚の長いクモは多数生息している。
写真だけでドクイトグモと断定することは避けるべきである。
特に2026年現在の日本では未定着種であることから、似たクモを見つけただけで「ドクイトグモが日本へ侵入した」と判断することはできない。
日本で発見した場合の対策
日本国内でドクイトグモに似た未知のクモを発見した場合、まず素手で触らないことが重要である。
海外から届いた荷物や輸入貨物を開封した直後に未知のクモを発見した場合には、特に注意する。
安全を確保した上で、
素手で触らない
不用意に追い回さない
安全な距離から写真を撮影する
発見場所や日時を記録する
必要に応じて自治体や関係機関へ相談する
といった対応が考えられる。
特定外来生物の疑いがある個体については、自己判断で飼育・移動させないよう注意する。
ドクイトグモに噛まれた場合の対策
ドクイトグモを含む毒グモに咬まれた可能性があり、痛み、赤み、水疱、皮膚の変色などが発生した場合は医療機関を受診する。
原因となったクモが近くにいる場合でも、捕獲しようとして再び咬まれる危険を冒す必要はない。
安全な場所から撮影できる場合には写真を残しておくと、種類を確認する際の参考になる場合がある。
全身症状が現れた場合には速やかな医療対応が必要となる。
ドクイトグモ対策
ドクイトグモの生息地域では、暗所へ不用意に手を入れないことが基本的な対策となる。
長期間使用していない靴や衣服、保管物などを扱う場合にも注意する。
また、物置や倉庫などを整理して隠れ場所を減らすことは、クモとの偶発的な接触を減らす方法の一つとなる。
日本では現在未定着であるため、国内では未知のクモを過度に恐れる必要はない。
重要なのは、国外由来と思われる未知の生物を発見した場合に、素手で触らず適切に確認することである。









