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戦場のフーガ
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概要
『戦場のフーガ』は、サイバーコネクトツーが開発・発売するドラマティックシミュレーションRPG。
2021年7月29日にPlayStation 4、PlayStation 5、Nintendo Switch、Steam、Epic Games Store、Xbox One、Xbox Series X|S向けに発売された。
サイバーコネクトツーにとって初の自社パブリッシング作品でもある。
『テイルコンチェルト』『Solatorobo それからCODAへ』などと世界観を共有する「リトルテイルブロンクス」シリーズの一作品であり、イヌヒトやネコヒトと呼ばれる獣人たちが暮らす世界を舞台としている。
従来のリトルテイルブロンクス作品と比較して戦争、死、復讐、家族など重いテーマを前面に出しており、かわいらしいケモノの子どもたちと過酷な戦場という強烈な対比が特徴。
シリーズは、
- 『戦場のフーガ』
- 『戦場のフーガ2』
- 『戦場のフーガ3』
の三部作として展開され、『戦場のフーガ3』で完結した。
基本情報
| タイトル | 戦場のフーガ |
| ジャンル | ドラマティックシミュレーションRPG |
| 発売日 | 2021年7月29日 |
| 開発・発売 | サイバーコネクトツー |
| プレイ人数 | 1人 |
| シリーズ | リトルテイルブロンクス |
| 対応機種 | PS4 / PS5 / Nintendo Switch / Steam / Epic Games Store / Xbox One / Xbox Series X | S / Windows / iOS / Android |
ストーリー
物語の舞台は、「イヌヒト」と「ネコヒト」という2種類の獣人種族が暮らす世界。
ある日、ベルマン帝国軍がガスコへ侵攻し、主人公マルトたちが暮らす村を襲撃する。
村は焼かれ、大人たちはベルマン軍によって連れ去られてしまう。
逃げ延びた子どもたちは山中の洞窟で、巨大戦車「タラニス」を発見する。
家族や村の人々を救うため、子どもたちはタラニスへ乗り込み、ベルマン帝国軍との戦いへ身を投じていく。
世界観
『戦場のフーガ』は「リトルテイルブロンクス」と呼ばれる世界を舞台としている。
この世界では人間ではなく、犬型獣人の「イヌヒト」と猫型獣人の「ネコヒト」が社会の主要な住民となっている。
キャラクターたちは単なる動物マスコットではなく、
- 家族を持つ
- 農業を行う
- 学校へ通う
- 国家を形成する
- 軍隊を組織する
- 戦争を行う
といった文明社会の住民として描かれる。
本作では、牧歌的な農村生活と巨大戦車、軍隊、古代兵器などが同じ世界に存在しており、「かわいいケモノ」と「戦争」という大きなギャップが作品の特徴となっている。
ガスコ
主人公たちが暮らす地域。
自然豊かな土地で、多くのイヌヒトやネコヒトが生活している。
マルトたちもガスコ辺境の村で平和に暮らしていたが、ベルマン帝国の侵攻によって戦争に巻き込まれる。
後のシリーズではガスコの地形や社会そのものにも大きな変化が起きる。
ベルマン帝国
ガスコへ侵攻した軍事国家。
強大な軍事力と多数の戦車を保有しており、ガスコ各地を制圧していく。
主人公たちはタラニスに乗り、ベルマン軍の戦車部隊と戦うことになる。
ベルマン側にも多数の人物が登場し、単純な善悪だけでは説明できない戦争の背景も物語の中で描かれていく。
タラニス
主人公たちが発見する謎の巨大戦車。
子どもたちはタラニスの内部で共同生活を送りながら、各地を移動してベルマン帝国軍と戦う。
戦車内部には、
- 操縦設備
- 武器
- 居住区
- 農園
- 食堂
- 休憩設備
などが存在し、単なる兵器ではなく子どもたちの「移動する家」のような役割も持つ。
戦闘だけでなく、タラニス内部で仲間たちと交流することもゲームの重要な要素となっている。
ソウルキャノン
タラニスに搭載された特殊兵器。
極めて強力な威力を持つ一方、その使用には非常に大きな代償を要求する。
本作を象徴するシステムの一つであり、「勝つために何を犠牲にするのか」という作品のテーマそのものと直結している。
戦場のフーガが単なるかわいいケモノの戦車ゲームではないことを象徴する存在でもある。
ゲームシステム
戦闘は巨大戦車タラニスを操作するターン制のシミュレーションRPG形式。
敵との行動順を確認しながら、
- 機関砲
- グレネード
- 大砲
などを使い分けて攻撃する。
敵ごとに弱点となる武器が異なり、味方キャラクターの配置や攻撃順を変更しながら戦うことが重要になる。
キャラクター同士を組み合わせることで戦闘能力が変化するため、単純な火力だけではなく仲間同士の関係も攻略要素となっている。
子どもたち
タラニスに乗り込むのは、軍人ではなく村で暮らしていた子どもたちである。
主なメンバーには、
- マルト・マジパン
- メイ・マジパン
- ハンナ・フォンダン
- カイル・バヴァロア
- ボロン・ブリオッシュ
- ソックス・ミリオン
- チック・モンブラン
- ハック・モンブラン
- シーナ・ファラフェル
- ジン・マキアート
- ワッパ・シャルロット
- ブリッツ・シュトゥルーデル
などがいる。
種族、年齢、性格、家庭環境などもそれぞれ異なり、戦車内部での共同生活を通して関係が変化していく。
マルト・マジパン
本作の中心人物。
ガスコのプチ・モナ村で暮らしていたイヌヒトの少年。
妹のメイや仲間たちとともにタラニスへ乗り込み、連れ去られた家族を救うためベルマン帝国軍と戦う。
シリーズを通して重要な役割を担う人物である。
メイ・マジパン
マルトの妹。
幼いながらも兄や仲間たちとともにタラニスに乗り込む。
子どもたちが戦争へ巻き込まれているという『戦場のフーガ』の過酷さを象徴するキャラクターの一人でもある。
イヌヒト
犬をモチーフとした獣人種族。
マルトをはじめ、多くの登場人物がイヌヒトに分類される。
犬種を意識したデザインも存在し、シェパードなど現実の犬をモチーフとした特徴がキャラクターへ反映されている。
ネコヒト
猫をモチーフとした獣人種族。
『テイルコンチェルト』から続くリトルテイルブロンクス世界の主要種族であり、本作でもイヌヒトと共に社会を形成している。
イヌヒトとネコヒトが同じ村や国家で生活している姿が自然に描かれている。
ケモノ作品としての特徴
『戦場のフーガ』は現代の国産ゲームの中でも、ケモノキャラクターを作品の中心に置いたタイトルである。
単に主人公が獣人というだけではなく、
- 主人公たちが全員ケモノ
- 一般住民もケモノ
- 兵士もケモノ
- 敵側の人物もケモノ
- 国家や文明そのものがケモノ社会
という構成になっている。
人間キャラクターを中心とした世界に獣人が混在している形式ではなく、最初からケモノが標準的な住民である。
また、人間の顔に動物耳だけを付けた「ケモミミ」型ではなく、マズル、鼻、毛皮、動物型の耳などを持つ獣人デザインが基本となっている。
そのため、ケモナー界隈から見ても非常に分かりやすいケモノ作品である。
かわいさと戦争の対比
本作最大の特徴の一つ。
登場人物は丸みを帯びたかわいらしいケモノの子どもたちだが、物語では戦争、侵略、家族との離別、死など非常に重い題材を扱っている。
このためビジュアルだけを見ると明るい作品に見えるが、実際の物語はかなりシリアス。
「かわいいキャラクターだから安全な物語」という構造を意図的に崩している。
リトルテイルブロンクスとの関係
『戦場のフーガ』は、サイバーコネクトツーが長年展開してきた「リトルテイルブロンクス」世界の作品。
代表的な関連作品には、
- 『テイルコンチェルト』
- 『Solatorobo それからCODAへ』
- 『リトルテイルストーリー』
- 『戦場のフーガ』
- 『戦場のフーガ2』
- 『戦場のフーガ3』
などがある。
『テイルコンチェルト』や『Solatorobo』で描かれたイヌヒト、ネコヒト、巨大兵器、古代文明などの設定を引き継ぎながら、『戦場のフーガ』では戦争を中心とした物語が描かれる。
テイルコンチェルトとの関係
1998年発売の『テイルコンチェルト』は、サイバーコネクトツーの前身であるサイバーコネクトの開発処女作。
イヌヒトとネコヒトが暮らす世界や機械文明など、『戦場のフーガ』につながる世界観の原点となった。
作品の雰囲気は大きく異なり、『テイルコンチェルト』が明るい冒険活劇寄りなのに対し、『戦場のフーガ』は戦争を正面から扱った作品となっている。
Solatoroboとの関係
『Solatorobo それからCODAへ』は2010年に発売されたリトルテイルブロンクス作品。
獣人社会、浮遊大陸、巨大機械、古代文明などシリーズ共通の要素がさらに拡張された。
『戦場のフーガ』を含めて各作品の設定を追うことで、リトルテイルブロンクス世界全体の歴史を知ることができる。
戦場のフーガ2
2023年5月11日発売。
前作から1年後を舞台とした続編。
巨大戦車タラニスが突如暴走し、子どもたちは新たな戦車「タラスクス」に乗って仲間を追うことになる。
前作で戦争を経験した子どもたちが再び戦火へ巻き込まれ、復讐をはじめとしたより重いテーマが描かれる。
戦場のフーガ3
2025年5月29日発売。
『戦場のフーガ』三部作の完結編。
マルトの突然の失踪をきっかけに、子どもたちは再びタラニスへ乗り込む。
ベルマン帝国領へ進入した一行の前には「魔血騎隊」が立ちはだかり、シリーズを通して描かれてきたタラニスや世界の謎が明かされていく。
サイバーコネクトツーも『戦場のフーガ3』を「戦争×復讐×ケモノ『戦場のフーガ』シリーズ3部作完結」と紹介している。
復讐三部作
『戦場のフーガ』は、サイバーコネクトツーが企画した「復讐三部作」プロジェクトから生まれた作品。
その中でも実際にシリーズ化され、『戦場のフーガ2』『戦場のフーガ3』へと発展した。
戦争によって日常を奪われた子どもたちを描き、「復讐」「犠牲」「家族」「生き残ること」といったテーマを扱っている。
コミカライズ
公式コミカライズとして『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』が存在する。
2021年12月より連載が開始された。
ゲーム本編とは異なる媒体から『戦場のフーガ』の世界やキャラクターを楽しむことができる。
スマートフォン版
2026年7月29日にはiOSおよびAndroid向けスマートフォン版の配信も開始された。
これにより家庭用ゲーム機やPCだけでなく、スマートフォンでもプレイ可能となった。
シリーズの展開
2026年7月時点でシリーズ全世界累計ダウンロード数・出荷本数は55万本を突破している。
初代発売から5周年を迎え、記念企画や関連商品の展開も続いている。
ケモナー界隈での位置づけ
『戦場のフーガ』は、日本発の本格的なケモノゲームを探す場合に非常に目立つ作品の一つ。
特徴は「ケモノキャラクターがいる」のではなく、「世界そのものがケモノによって構成されている」こと。
さらに、
- ケモノの子どもたちが主人公
- 犬種や猫を意識したキャラクターデザイン
- ケモノ社会そのものを描く
- 巨大戦車というメカ要素
- 戦争を扱う重いストーリー
- かわいい絵柄との強烈なギャップ
など、他のケモノ作品とはかなり異なる個性を持つ。
『テイルコンチェルト』から続く日本のケモノゲーム文化を現在までつないでいるシリーズともいえる。
余談
初代『戦場のフーガ』はサイバーコネクトツー初の自社パブリッシング作品。
同社はそれまで『.hack』や『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズなど多数の作品を開発してきたが、本作では開発だけでなく販売まで自社で担当した。
また、キャラクターデザインだけでなく、巨大戦車タラニス、敵戦車、背景、イメージボードなどにも時津祐介が携わっている。
2026年にはシリーズ5周年を迎え、スマートフォン版の配信や記念企画も行われた。
関連項目
外部リンク
- 『戦場のフーガ』公式サイト
- サイバーコネクトツー公式サイト









