君への想い忘れないように、胸深く刻み込むから
◇
『……亡き友の……形見だ』
‘彼’が残した鉄扇を握り、仮面越しから此方を見据えるその男は言った。
―――巫山戯 るなッ……! 何が『友』かッ……!
その言葉に激昂し、彼を殴り飛ばしたところまでは記憶に残っている。
しかし頭に血が昇りすぎたのが原因なのか、そこから意識が途切れ、次に気が付いたときは、あのテミスという女が取り仕切る会場の中にいた。
そこで見せつけられたのは、不快極まりない地獄 のような光景であった。ヒトの命を軽んじ、まるで消耗品のように刈り取る主催者に強い苛立ちと嫌悪を覚えた。
しかし、また場面は移り変わり、私 はこうして満天の星空の下に立っている。
しかし頭に血が昇りすぎたのが原因なのか、そこから意識が途切れ、次に気が付いたときは、あのテミスという女が取り仕切る会場の中にいた。
そこで見せつけられたのは、不快極まりない
しかし、また場面は移り変わり、
「私 だけならまだしも、他の皆までッ……!」
月明りを頼りに、名簿を確認すると見知った名前があった。
そのことにまた苛立ちと混乱が生じる。
そのことにまた苛立ちと混乱が生じる。
オシュトル。
ヤマト國右近衛大将であり、皇女の側近。私 たちは彼の下で隠密として働いていた。帝から選ばれた仮面の者 の一人でもあり、ヤマトのみならず諸国にその名を轟かせる名将でもあり、私 も彼のことを武士 として認めていた。だが、其の実友人一人を護ることも出来ない男であった。
もし出会うことがあれば、あの時の続きとして、後何発か殴らないと彼への怒りは収まらない。
ヤマト國右近衛大将であり、皇女の側近。
もし出会うことがあれば、あの時の続きとして、後何発か殴らないと彼への怒りは収まらない。
アンジュ。
ヤマト國の皇女であり、正当なる皇位継承者。ひょんなことから白楼閣に出入りするようになり、親しくなった少女。
帝亡き後の戦禍と混乱により、心と身体を傷つけられていたが、無事に快復。仲間達を伴って元気な姿を見せてきた彼女を打ちのめしてきたのが、記憶に新しい。
皆を戦場から遠ざけるための暴挙であったが、今この姿でアンジュと鉢合わせするのは何かと気まずい……。
ヤマト國の皇女であり、正当なる皇位継承者。ひょんなことから白楼閣に出入りするようになり、親しくなった少女。
帝亡き後の戦禍と混乱により、心と身体を傷つけられていたが、無事に快復。仲間達を伴って元気な姿を見せてきた彼女を打ちのめしてきたのが、記憶に新しい。
皆を戦場から遠ざけるための暴挙であったが、今この姿でアンジュと鉢合わせするのは何かと気まずい……。
ムネチカ。
ヤマト八柱将の一人であり、仮面の者 の一人。皇女アンジュの教育係も兼ねており、アンジュと共に顔を出すようになった女傑。
オシュトルの隠密として一緒に行動することはなかったが、それでも親交を深めた友人の一人である。
今はトゥスクル本土にて捕囚として、過ごしているはずであったが……。
ヤマト八柱将の一人であり、
オシュトルの隠密として一緒に行動することはなかったが、それでも親交を深めた友人の一人である。
今はトゥスクル本土にて捕囚として、過ごしているはずであったが……。
マロロ。’彼’やオシュトルの友人。
特にマロロは’彼’のことを心から慕っていた。あのデコポンポに仕えるなど、何かと気苦労の多い采配師であったが、彼のその後も気になるところではある。
特にマロロは’彼’のことを心から慕っていた。あのデコポンポに仕えるなど、何かと気苦労の多い采配師であったが、彼のその後も気になるところではある。
ミカヅチ。――もまた’彼’やオシュトルの友人。
ヤマト左近衛大将であり、仮面の者 の一人。サコンという仮初の姿で飴家を営み、市中から情報を手にいれるなどの意外な一面も持ち合わせている。
今はアンジュ達と袂を分かち、ヤマト本國を守護していると聞く。
だからこそヤマトへの侵攻を開始すれば、いずれぶつかることになる敵側の人間というこになる。
ヤマト左近衛大将であり、
今はアンジュ達と袂を分かち、ヤマト本國を守護していると聞く。
だからこそヤマトへの侵攻を開始すれば、いずれぶつかることになる敵側の人間というこになる。
そして、もう一人。
「剛腕の……ヴライっ……!」
その名を見たときは、そんなはずは…と、我が目を疑った。
ヴライーー。
八柱将の一人であり、ヤマト最強とうたわれていた仮面の者 。
帝亡き後、『力あるものこそが帝位につくべき』と、自身が帝にとって代わろうと画策し、帝の器に在らずと、アンジュを亡き者にしようとした危険人物。
そして、‘彼’の仇でもある。
八柱将の一人であり、ヤマト最強とうたわれていた
帝亡き後、『力あるものこそが帝位につくべき』と、自身が帝にとって代わろうと画策し、帝の器に在らずと、アンジュを亡き者にしようとした危険人物。
そして、‘彼’の仇でもある。
何故あの漢が生きている?
まさか、オシュトルが討ち損じていた? いいや、あの場所には’彼’やオシュトルだけではなく、ネコネもいたはず。
そのネコネが『討ち取った』と報告しているのだから、オシュトルが仕損じたという可能性は低い。
まさか、オシュトルが討ち損じていた? いいや、あの場所には’彼’やオシュトルだけではなく、ネコネもいたはず。
そのネコネが『討ち取った』と報告しているのだから、オシュトルが仕損じたという可能性は低い。
だとするとーー蘇った?
あのテミスという女が言っていた死者を蘇生するという力によってーー?
あのテミスという女が言っていた死者を蘇生するという力によってーー?
真偽は定かではないが、もしもこの漢と出会うことがあれば……。
いいや、余計なことを考えては駄目だ。
今はそんなことよりアンジュ達の安否の方が大切だ……!
いいや、余計なことを考えては駄目だ。
今はそんなことよりアンジュ達の安否の方が大切だ……!
ひとまず、今私 がどのような状況に置かれているのかと、知人についての情報整理はできた。
何はともあれ、皆を探すことにしよう。
ただし、接触は慎重に……。アンジュやオシュトルも名簿を通して、私 がここに連れていることは認識していると思う。
だけど、私 の正体が自分たちを投げ飛ばし、殴り飛ばしてきた高慢なトゥスクル皇女だと知ったら、どう反応するのだろうかーーー。
何はともあれ、皆を探すことにしよう。
ただし、接触は慎重に……。アンジュやオシュトルも名簿を通して、
だけど、
先行きは不安かな、と私 はふぅと溜息をついた。
「さてと」
そこからコホンと、咳払いをして喉の調子を整える。
目下この場では、もう一つ対処しないといけない問題がある。
目下この場では、もう一つ対処しないといけない問題がある。
「――そこにいるのは分かっている。 出て来い」
皇女として使用する威圧的な口調を以て、私 は背後から漂う気配へと呼びかけた。
◇
草花が夜風に揺れる夜の平原エリアの中。
背後を振り返ることなく言い放ったトゥスクル皇女クオンの耳に入るのは、微風と虫の鳴き声のみであったが、やがて、彼女の後方10メートルほどの距離に黒いフードを被った男が姿を現した。
まるで、それまで夜の闇に溶けていたかのように、突如として姿を現したのである。
男の姿が顕現すると、ようやくクオンはそちらへと振り向く。
背後を振り返ることなく言い放ったトゥスクル皇女クオンの耳に入るのは、微風と虫の鳴き声のみであったが、やがて、彼女の後方10メートルほどの距離に黒いフードを被った男が姿を現した。
まるで、それまで夜の闇に溶けていたかのように、突如として姿を現したのである。
男の姿が顕現すると、ようやくクオンはそちらへと振り向く。
暗闇に塗れたその表情からは好意も敵意も感じ取れない。
男はクオンを品定めするかのようにただひたすら見据えている。
白い皇女服を身に纏うクオンと、黒色でコーディネートされている男が視線を交わせるその光景は一種のコントラストを演出していた。
もっとも男からすれば、対峙するクオンは面紗で顔は覆われているため、その面貌を窺うことは出来ないのだが。
男はクオンを品定めするかのようにただひたすら見据えている。
白い皇女服を身に纏うクオンと、黒色でコーディネートされている男が視線を交わせるその光景は一種のコントラストを演出していた。
もっとも男からすれば、対峙するクオンは面紗で顔は覆われているため、その面貌を窺うことは出来ないのだが。
「――お前、名前は?」
開口一番、ぶっきらぼうに名前を聞いてくる男の態度に、クオンは眉を顰める。
少しムッとして、そういう態度でくるならこちらもと、トゥスクル皇女の尊大な口調のまま応対する。
少しムッとして、そういう態度でくるならこちらもと、トゥスクル皇女の尊大な口調のまま応対する。
「汝、礼儀を知らぬか、ヒトに名を尋ねる時はまずは自分から名乗るべきぞ」
「……リゾット・ネエロだ」
「ふむ……。我はクオン。トゥスクル皇女、クオンぞ」
「クオン……、そうかお前はクオンというのか……」
「……リゾット・ネエロだ」
「ふむ……。我はクオン。トゥスクル皇女、クオンぞ」
「クオン……、そうかお前はクオンというのか……」
リゾットと名乗った男はクオンの名を反芻し、暫く考え込む素振りを見せる。
男の不可解な反応にクオンは頭の中で疑問符を浮かべつつも、核心に迫る問いを投げかける。
男の不可解な反応にクオンは頭の中で疑問符を浮かべつつも、核心に迫る問いを投げかける。
「リゾット・ネエロ……汝に問おう。汝はこの殺し合いにて何を望むか?」
目の前の男は敵か、味方か。
まずは、それを判断する必要がある。
まずは、それを判断する必要がある。
「―――。」
「答えよ、リゾット・ネエロ」
「答えよ、リゾット・ネエロ」
鉛のように重々しい空気が辺りに漂い始める。
リゾットは考える素振りを止めて、ゆっくりとその視線の的をクオンへと定めた。
リゾットは考える素振りを止めて、ゆっくりとその視線の的をクオンへと定めた。
「……復讐だ」
「――ほう」
「――ほう」
リゾットからの無機質な返答。
『復讐』という言葉に、クオンは興味を引かれた。
男の表情は依然として虚無を感じさせるが、その黒紅色の瞳からは強烈な意志を秘めているように見て取れる。
『復讐』という言葉に、クオンは興味を引かれた。
男の表情は依然として虚無を感じさせるが、その黒紅色の瞳からは強烈な意志を秘めているように見て取れる。
「……赤毛で顔にそばかすの目立つ男がこの殺し合いに参加している。 名は『ディアボロ』。 忠告しておく。 そいつには手を出すな」
「その者が汝の『復讐』の対象という訳か……」
「奴は俺がこの手で仕留める。 邪魔さえしなければ、お前を含めた他の参加者には手を出さない」
「成程な、あくまでも復讐を最優先とするか。 ならば安心しろ、我もこの殺し合いに乗るつもりはない。その『ディアボロ』とやらが我や我の友に手を出さぬ限りは、汝とその者の因縁に立ち入るつもりはない」
「その者が汝の『復讐』の対象という訳か……」
「奴は俺がこの手で仕留める。 邪魔さえしなければ、お前を含めた他の参加者には手を出さない」
「成程な、あくまでも復讐を最優先とするか。 ならば安心しろ、我もこの殺し合いに乗るつもりはない。その『ディアボロ』とやらが我や我の友に手を出さぬ限りは、汝とその者の因縁に立ち入るつもりはない」
自身への害意及び己が復讐を邪魔する意思はないと告げられたリゾットは、しばしの沈黙を経て、踵を返す。
もはやクオンに用はないのか、完全に背を向け足早に立ち去ろうとするがーーー。
もはやクオンに用はないのか、完全に背を向け足早に立ち去ろうとするがーーー。
「――待て」
「何だ……」
「何だ……」
皇女の呼び掛けに、背後を振り返ることなくその足を止める。
「一つ聞かせよ。 汝は復讐を成し遂げたその先の未来に何を視ている?」
「……何もない。奴への復讐という目標以外、今の俺には何も残されていない。 戻るべき居場所も、安息の時間も、周囲の喧騒も、何もかもな。その先のことなど考えていない」
「もう一つ……。 復讐は、死者への手向けに足りうると思うか?」
「……何もない。奴への復讐という目標以外、今の俺には何も残されていない。 戻るべき居場所も、安息の時間も、周囲の喧騒も、何もかもな。その先のことなど考えていない」
「もう一つ……。 復讐は、死者への手向けに足りうると思うか?」
その問いに、男は今度こそ振り返る。
この状況――互いのスタンスが判明し、互いの邪魔を行わないことを確認できた今、この一連の質問は無意味なものである。
これ以上互いの領域 に踏み込む必要はないはずだ。
だがそれでも、クオンは問いを続け、リゾットの領域 を侵そうとする。
男もまた、その問いの内容に思うところがあったか、こうして反応する。
訝しむリゾットは視線を落とし、そこでわなわなと小刻みに震えるクオンの握り拳を目に留めた。
この状況――互いのスタンスが判明し、互いの邪魔を行わないことを確認できた今、この一連の質問は無意味なものである。
これ以上互いの
だがそれでも、クオンは問いを続け、リゾットの
男もまた、その問いの内容に思うところがあったか、こうして反応する。
訝しむリゾットは視線を落とし、そこでわなわなと小刻みに震えるクオンの握り拳を目に留めた。
「お前……親しい人間でも殺されたのか?」
「ー―答えよッ!!」
「ー―答えよッ!!」
図星を突かれて声を荒げるクオンではあるが、彼女自身も内心は戸惑っている。
何故見ず知らずの男にここまで食いつくのか。
それはクオンが今胸に秘めている葛藤――。
剛腕のヴライへの憎悪に揺れ動く自身に、踏ん切りをつける材料をこのリゾットという男が提示してくれるーー。
そういった期待があったのかもしれない。
何故見ず知らずの男にここまで食いつくのか。
それはクオンが今胸に秘めている葛藤――。
剛腕のヴライへの憎悪に揺れ動く自身に、踏ん切りをつける材料をこのリゾットという男が提示してくれるーー。
そういった期待があったのかもしれない。
「……死者への手向けとして、何ができるかは残された者の選択次第だ。 だが……俺が、俺と奴等の『誇り』のために取れる選択肢は『復讐 』しかなかった。 ただそれだけのことだ」
「……。」
「……。」
リゾットは、ただ悠然と語る。
その無機質な語調の裏からクオンが感じ取ったのは、奪われたものへの『想い』と、その弔いをたった一つの形でしか果たせないという虚しさ、であった。
口を噤むクオンに、リゾットは指をさし言い放つ。
その無機質な語調の裏からクオンが感じ取ったのは、奪われたものへの『想い』と、その弔いをたった一つの形でしか果たせないという虚しさ、であった。
口を噤むクオンに、リゾットは指をさし言い放つ。
「お前が今後どう動こうが知ったことではないが、選択するのはお前自身だ。 その選択をいちいち他人に委ねるな、お前自身が考えて選べ。 過去を追うか、現在 に縋るか……」
「ッ……!!」
「ッ……!!」
それは、迷える胸中に突き刺さる言葉であった。
クオンは私 は…と素の口調で口籠るが、リゾットはというと、「これ以上は付き合いきれん」と言い残し、明後日の方角へと歩みだす。
待てと呼びかけるが、彼女の声はもはやその耳には届かず。
男は夜の闇へと混ざるように消えていった。
クオンは
待てと呼びかけるが、彼女の声はもはやその耳には届かず。
男は夜の闇へと混ざるように消えていった。
「……はぁ。何をやっているのかな、私 は」
男の気配が完全に消え去ると、同時に深い溜息をつく。
「過去と現在 か……」
先程の男が言い残した言葉はクオンの心に深く突き刺さった。
クオンにとっての過去――。
それは亡くなった’彼’を弔うための復讐への道。
それは亡くなった’彼’を弔うための復讐への道。
クオンにとっての現在 ――。
それは残された仲間達を守るための戦い。
それは残された仲間達を守るための戦い。
優先すべきはもちろん後者。それは勿論わかっている。
だが、それでも胸深く刻み込まれた’彼’への『想い』を忘れることなどできはしない。
復讐を果たしたとしても、’彼’が戻ってくることはない。
だが、それでも胸深く刻み込まれた’彼’への『想い』を忘れることなどできはしない。
復讐を果たしたとしても、’彼’が戻ってくることはない。
だが、それでもーー。
「それでも、私 はーー」
クオンは未だ葛藤の中にあった。
【G-3/平原エリア/深夜/一日目】
【クオン@うたわれるもの 二人の白皇】
[状態]:健康、葛藤中
[服装]:皇女服、面紗で顔は覆われている状態
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、不明支給品3つ
[思考]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。皆と共に脱出を。
0:復讐、か……。
1:皆を探す。でもアンジュにはどう接すればよいか分からないかな
2:着替えが欲しいかな……。
3:オシュトル……やっぱり何発か殴らないと気が済まないかな
4:優勝……ハクを蘇らせることも出来るのかな……ううん、馬鹿なこと考えちゃ駄目!
[備考]
※ 参戦時期は皇女としてエンナカムイに乗りこみ、ヤマトに対しての宣戦布告後オシュトルに対して激昂した直後からとなります。オシュトルの正体には気付いておりません。
【クオン@うたわれるもの 二人の白皇】
[状態]:健康、葛藤中
[服装]:皇女服、面紗で顔は覆われている状態
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、不明支給品3つ
[思考]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。皆と共に脱出を。
0:復讐、か……。
1:皆を探す。でもアンジュにはどう接すればよいか分からないかな
2:着替えが欲しいかな……。
3:オシュトル……やっぱり何発か殴らないと気が済まないかな
4:優勝……ハクを蘇らせることも出来るのかな……ううん、馬鹿なこと考えちゃ駄目!
[備考]
※ 参戦時期は皇女としてエンナカムイに乗りこみ、ヤマトに対しての宣戦布告後オシュトルに対して激昂した直後からとなります。オシュトルの正体には気付いておりません。
◇
「とんだ茶番だった」
リゾット・ネエロは、そのようにして先程のクオンとの邂逅を振り返る。
着飾っている服装や高圧的な物言いーー。
漂わせる荘厳な雰囲気――。
スタンド能力 によって姿を晦ましていた自分を見破る目敏さーー。
漂わせる荘厳な雰囲気――。
腕に相当の自身がある不動の強者と見ていたが、見当違いもいいところ。
その中身は親しい者の死に悲観し、自分のあるべき道を迷い、他者からその答えを見出そうとする脆弱な女であった。
他人の人生相談に付き合う義理もないし、あの女が自分と同じ復讐の道に進むかどうかも一切興味がない。好きにすればよい。
その中身は親しい者の死に悲観し、自分のあるべき道を迷い、他者からその答えを見出そうとする脆弱な女であった。
他人の人生相談に付き合う義理もないし、あの女が自分と同じ復讐の道に進むかどうかも一切興味がない。好きにすればよい。
あの女との会話で得られた収穫はただ一つ。
奴の名前が『クオン』であったということだけだ。
それは即ちーー。
奴の名前が『クオン』であったということだけだ。
それは即ちーー。
(この『顔写真付き名簿』に偽りがないということだ)
リゾットは支給された顔写真付き名簿を握り締める。
そこにはリゾットが、忘れもしないあの男の顔写真が紛れ込んでいた。
そこにはリゾットが、忘れもしないあの男の顔写真が紛れ込んでいた。
長年追い求めてーー
遂に辿り着き、追い詰めてーー
しかし最後は紙一重の差で返り討ちにあった。
遂に辿り着き、追い詰めてーー
しかし最後は紙一重の差で返り討ちにあった。
リゾットが息絶えるその瞬間も、その双眸はその男の姿を捉えていた。
その男の顔写真の隣には『ディアボロ』という名前が掲載されていた。
その男の顔写真の隣には『ディアボロ』という名前が掲載されていた。
「これで、お前がここにいるという確証を得ることができた……」
あのテミスという女は気に食わないが、こうして奴へ再度一矢報いる機会を
与えてくれたことだけは感謝しよう。
与えてくれたことだけは感謝しよう。
元より殺し合いなぞには興味はない。
優勝して、死んでいった仲間達を蘇生させるという選択肢も一瞬だけ思い浮かんだが、それはリゾット達「暗殺チーム」の『誇り』を傷つける愚行にすぎない。
他の参加者が殺し合おうが、主催者へ抗おうが勝手にすればよい。
優勝して、死んでいった仲間達を蘇生させるという選択肢も一瞬だけ思い浮かんだが、それはリゾット達「暗殺チーム」の『誇り』を傷つける愚行にすぎない。
他の参加者が殺し合おうが、主催者へ抗おうが勝手にすればよい。
元より仲間達ともに下克上を果たし、麻薬ルートを牛耳るなどといった将来 は残されていない。
リゾット・ネエロに残された道は、過去の清算――あの男への復讐のみ。
リゾット・ネエロに残された道は、過去の清算――あの男への復讐のみ。
「今度こそ……。 今度こそ、俺はお前を殺すぞ、『ディアボロ』!」
リゾット・ネエロは、静かに復讐の炎を燃やす。
【F-3/平原エリア/深夜/一日目】
【リゾット・ネエロ@ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、顔写真付き参加者名簿、不明支給品2つ
[思考]
基本:ディアボロを探し出し、今度こそ仕留める
1:ディアボロを探す
2:殺し合いなぞに興味はないが、邪魔するものには容赦しない
3:護衛チームの二人(ジョルノ、ブチャラティ)については対応保留
[備考]
※ 参戦時期はディアボロとの戦闘に敗れ、死亡後からとなります。
※ 顔写真付き名簿により、自分を殺した青年(ドッピオ)が『ディアボロ』という名前でこのゲームに参加していることに気付きました。
※ 顔写真付き名簿については、ゲームスタート時の参加者の容姿が写った写真が名前と一緒に掲載されております。
例: ウィキッドについては水口茉莉絵モードの容姿、ディアボロについてはドッピオの容姿が写った写真となります。尚プロフィール等、その他の情報については記載されておりません。
【リゾット・ネエロ@ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、顔写真付き参加者名簿、不明支給品2つ
[思考]
基本:ディアボロを探し出し、今度こそ仕留める
1:ディアボロを探す
2:殺し合いなぞに興味はないが、邪魔するものには容赦しない
3:護衛チームの二人(ジョルノ、ブチャラティ)については対応保留
[備考]
※ 参戦時期はディアボロとの戦闘に敗れ、死亡後からとなります。
※ 顔写真付き名簿により、自分を殺した青年(ドッピオ)が『ディアボロ』という名前でこのゲームに参加していることに気付きました。
※ 顔写真付き名簿については、ゲームスタート時の参加者の容姿が写った写真が名前と一緒に掲載されております。
例: ウィキッドについては水口茉莉絵モードの容姿、ディアボロについてはドッピオの容姿が写った写真となります。尚プロフィール等、その他の情報については記載されておりません。
前話 | 次話 | |
ワイルド・スピード | 投下順 | 殺伐感情戦線 |
前話 | キャラクター | 次話 |
GAME START | クオン | Awake and Alive |
GAME START | リゾット・ネエロ | 病院へ行こう |