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リンフォン

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秘封霖倶楽部 > リンフォン

リンフォン」(RINFONE)は『秘封霖倶楽部』のエピソード。2016年1月21日公開 pixiv 。もしくは、そのエピソードに登場する同名の骨董品。

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概要

このエピソードは2ちゃんねるのオカルト板に投稿された怪談を基にしているが、既存の怪談を基にしたほかのエピソードと同様、元の怪談と設定が大きく異なっている。元ネタの怪談では、「リンフォン」の綴りである「RINFONE」が「INFERNO(地獄)」のアナグラムであり、即ち骨董品店で入手した「リンフォン」というパズルが実は「凝縮された地獄」だったという形でオチを付けているが、『秘封霖倶楽部』では「凝縮された地獄」という設定だけ流用しつつもアナグラムには一切触れておらず、代わりに「人知を超えた正式名称や用途を持つ」という独自の設定を付け加えている。

また、『秘封霖俱楽部』ではリンフォンに凝縮されたものが単なる「地獄」ではなく「世界そのもの」で、その世界こそが地獄なのだということになっており、そこからさらに何やら哲学的な展開が続いていく。そこから結末にかけての部分は、珍しく読み応えもあって綺麗にまとまっている内容のようにも見える。ただし、「どこでもドア」回のようにこの発想をどこからか借りてきたのかどうかは定かでない。

作中のアイテムとしての「リンフォン」は、「正20面体」であるのに対し、『秘封霖倶楽部』では「どこにでも有るような正十二面体のパズル」と記されている。作中でリンフォンの形状を描写しているのは冒頭の元ネタ説明ともう一箇所だけのため、誤字で正12面体になったのかどうかは不明。

あらすじ

骨董品店*1に魅力を感じて通うようになった霖之助は、そこで正十二面体 Wikipedia *2の立体パズルを見つけるが、彼の能力をもってしてもその正しい名前と用途を把握することができず、店主曰くそれは「リンフォン」という名前だという。また、霖之助はそこで女子高生ほどの少女と出会い、彼女はリンフォンを解き始める一方、霖之助の妖気を看破して能力を見せるように乞う。しかし、蓮子たちが現れて霖之助と話し始めると、その少女は姿を消していた。その後、蓮子たちは霖之助を連れて墓場へと行き、数年前に死亡したという秘封倶楽部のOB・宇佐見菫子(うさみ すみれこ) ニコニコ大百科 の墓の下に異世界への入り口があるなどと言ってあちこちの墓を暴き始める。しかし、目当てのものは見つからず、代わりにリンフォンらしきものを見つけるが、それは骨董品店で見かけたものより遥かに脆くなっており、手に取るとバラバラに壊れて風に飛ばされて行く。

それ以降、世間では人々が謎の失踪や集団自殺を遂げるようになり、一説によるとテレビCMに紛れ込んだサブリミナル映像の暗示効果がこのような現象を起こしているのではないかということを受けて、蓮子たち一同はそれを調査しようとする。しかし、調査するまでもなく、結局のところサブリミナル映像は2ちゃんねるで発見されるが、それはノイズまみれの場所で女性が何かを訴えるように叫んでいるもので、霖之助はその女性が骨董品店で出会った少女であると確信する。また、2ちゃんねるの投稿によると彼女は「知りたくなかった」と連呼している*3そうだが、その核心は分からず、考察するうちにメリーまでもが同様なことを言い始め、挙句には気を失ったまま目を覚まさなくなる。

その後霖之助が骨董品店に行くと、例の少女はリンフォンを弄りながらそこにいたが、サブリミナルの映像については知らない様子で、また、話している最中に不可解な瞬間移動を遂げる。霖之助はそれ自体は気にせず、彼女にサブリミナル映像を見せるが、彼女には他の人々にとって見えるものとは全く別の映像が見えているという*4。また、どうやってリンフォンを入手したのかと彼が問うと、少女は霖之助に貰ったのだと答え、もうすぐキリンの形が完成すると話す。そのパズルがどうやってもキリンの形にはなり得ないように思えた霖之助はパズルを調べようとするが、それに触れた瞬間に彼もまた不思議な場所へ瞬間移動を遂げる。

彼は時間の飛躍に気付き、そこが異世界ではないかと感じる一方、自分から遠く下の方の世界が「凝縮」されているように感じ、その後も複数の頽廃的な光景を目の当たりにしたり、脈絡のない会話を体験したりする。そうした体験を通して、彼は物事の「0」という始まりと「1」という終わりやその狭間についてだんだんと悟りを深めていき、やがてリンフォンが「この世のすべて」と「『0』と『1』を凝縮したもの」だと分かると、少女との再びの会話でそれを彼女に渡し、同時に彼女が宇佐見菫子なのだと知る。さらにリンフォンによってもたらされる体験は続き、それを通して彼はリンフォンに凝縮された世界が地獄でしかないことを知ると、それを知ったことを後悔する。見ると菫子は闇の中を漂いながら人知を超えた知識によって世界の存在を批判しており、霖之助は彼女が次元を超越しながら複数存在するところを目の当たりにすると、彼女たちが現代の人々に乗り移って無意味な自殺を繰り返していたということを知る。また、その世界の終わりと始まりは繰り返されており、かつて墓から発見されたリンフォンは彼女が長いループから解放された後に埋めたものであって、彼女がその日に自殺する光景を霖之助は目の当たりにする。そして、過去と未来のすべてが収束する中で、彼は再び菫子にリンフォンを差し出す時間まで回帰するが、そこで差し出そうとしたリンフォンを握り潰す。

霖之助が再び骨董品店を訪れると、リンフォンはすでに何者かが購入していたため店内からなくなっていた。あとからやってきた見覚えのある客もリンフォンを入手することができず落胆するが、店にやってきた秘封倶楽部と顔を合わせると、蓮子はその女性を「菫子先輩」と呼び、これから墓場で埋蔵物の調査を始めようとしていることを彼女に見破られて動揺する。その後、蓮子たちは墓場でボロボロのリンフォンを掘り当てるが、それはバラバラになって風に飛ばされて行く。それを見た霖之助は、このような調査が始まりも終わりも意味を持たないと考える一方で、その狭間が一番楽しいときなのだと感じ、物語は幕を閉じる。

元ネタ

基となった怪談は2006年5月13日、2ちゃんねる・オカルト板のスレッド「 死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?129 」(レス183~)に投稿された。

語り手はつい先日、アンティーク好きの恋人とともに車で骨董店やリサイクルショップを巡っていた。小さな古い店で、彼女はバスケットケースの底から正20面体の置物を見つけ出し、見たこともない置物だと言いながらも購入することに決めた。それをレジに持っていくと、店主の老人は店の奥でしばらく妻らしき老女と言い争った後、黄ばんだ説明書を持ち出してきて、それは「RINFONE(リンフォン)」という玩具だと説明した。説明書は英語とラテン語で記されており、それによるとリンフォンは熊から鷹、鷹から魚に変形する仕組みを持つという。彼女は1万円の価格から6,500円に値切ってリンフォンを購入し、家へ持ち帰ると徹夜で弄り回して熊を完成させた。彼女は熊の形になったリンフォンを語り手に直接見せ、その後に一睡挟むと鷹も完成させた。しかし、そこから魚を完成させる過程で、彼女のもとには見知らぬ連絡先から電話がかかってくるようになり、通話に出ると雑踏のような大勢の話し声が聞こえた。彼女を手伝った語り手もその夜に悪夢を見た。

その後、語り手と恋人は気分転換に、有名な猫おばさんという占い師を訪ねた。猫おばさんの飼い猫たちは語り手たちを見ると、威嚇したり逃げたりという反応を見せた。猫おばさんに尋ねると、猫おばさんは恋人の後ろに動物のオブジェのようなものが見えるといい、今すぐ捨てるように言った。語り手たちがそれ以上のことを尋ねると、猫おばさんはそれが「凝縮された極小サイズの地獄」、「地獄の門」だとだけ告げ、帰るように言い放った。帰ってから語り手と恋人はリンフォンを捨て、その後恋人は、リンフォンの綴りの「RINFONE」が「INFERNO」のアナグラムになっていると指摘した。

コトリバコやこれを始めとして、洒落怖に投稿された「開けると呪いがある箱」の話にはいくつもの種類がある。ただ、中でも「RINFONE」は映画『ヘルレイザー』に似ていると指摘された。

外部リンク

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注釈

*1 作中では「雑貨店」と書かれているが、細かい描写を見る限り雑貨屋というよりは明らかに骨董品店なので、本項ではこのように表記している。

*2 冒頭ではリンフォンを「正20面体」と解説しているが、本文中では正12面体になっている。

*3 サブリミナル効果は1フレーム単位で紛れ込む画像によって引き起こされるとされているので、本来なら連呼は無理だし、喋っていることなど読み取りようがない。ちなみに身も蓋もないことを言えば、サブリミナル効果そのものもデタラメとされている。

*4 彼女曰く「ただ老婆が行ったりきたりを繰り返してるだけ」の映像が見えるとのことだが、一方で「Persephone Numbers Station」というYouTubeの動画について、匿名掲示板のとある利用者にだけ全く異なる「裸の女性が行ったり来たりしながらウネウネし続けるエロい映像」に見えたという都市伝説があり、これを連想させる。