『Emalf lanretE』(Eternal flame, エターナルフレイム、永遠の炎)はスターアイランドがYouTubeで紹介したフリーゲーム作品の一つ。ウディタ製で、作者は不明。DL不可。文章はすべて英語。
2020年に制作されたものとのことで、1年の期間を置いて2021年10月28日、作者の母親のおじの「kin」を名乗る人物がツイッターでスターアイランドへ送り付けた。ゲームをプレイすると、この人物が「作者の母親のおじ」を名乗ったのはゲームの演出の一環だったとわかる。スターアイランドがプレイ後、内容についてkinとやり取りを交わしたが、kinはその後ツイッターアカウントを削除し連絡が取れなくなった。
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内容
同梱テキストに但し書きがあり、下記のようなことが書かれている。
- これは私が初めて作ったゲームだ
- グロテスクな画像が含まれている
- 事実を基にしており、戦死者を美化あるいは侮辱するものではない
- 英語は苦手なので文法に間違いがあるかもしれない
プロローグ
ゲームを開始すると、名前を入力するかどうか尋ねられる。しかし「Yes」を選んだ後、どのような名前を入力しても「Wrong」と返され先に進めない。結局名前入力を諦め、「No」と答えると「That naturally(それは当然だ)」というメッセージ。「KIN」という、ヘルメットと軍服らしき服装のプレイヤーキャラクターが墓の前に立っている白黒の場面に移り変わり、その人物を操作できるようになる。
南へ移動すると「Do you really want to return?(本当にあの場所に戻りたい?)」というメッセージの後、村へ移り、画面がカラーになる。北西の畑のそばに3人の村人が立っており、右から順番に話しかけると「A little.(小さい子)」「A fat.(太った人)」「Next......?(次は…?)」というメッセージ。
村
村の南側に立っている同じ服装の人物に話しかけると、「Are you ready?(準備はいいか)」とのメッセージとともに4つの選択肢。
- 「Sea.(海)」 - 選ぶと水死体の画像が表示され、墓の前に戻る。
- 「Mountain.(山)」 - 選ぶと白骨死体の画像が表示され、墓の前に戻る。
- 「Sky.(空)」 - 選ぶと「Long live ********!!(**万歳!)」のメッセージとともに村が荒れた風景になり、村人のいた場所は血溜まりに変わる。選択肢を出してきた人物にもう一度話しかけると、「トラトラトラ」を表すモールス信号のメッセージ。
- 「No.(いいえ)」 - 選ぶと「You are a big wuss(大した弱虫だ)」「Hikokumin(非国民)」「Apologize to them!(謝れ)」と罵られる。
「Sky」を選択後、村から南に移動しようとすると、「Can forgive?(許せるか?)」というメッセージとともに選択肢が現れる。
- 「Yes.」 - 選ぶと「You idiot.(お前は愚かだ)」「But...... at that time there was no one like you.(だが、あのときお前のようなものはいなかった)」というメッセージの後、墓の周りに草花が茂っている場面へ移る。墓を調べると「Tomb of the unknown soldier.(名もなき戦士の墓)」「Don't Repeat. And don't forget.(繰り返すな。忘れるな)」とのメッセージ。北を調べると「Senshi ya aware.(戦死やあわれ)」とのメッセージの後、ゲームが終了。
- 「No.」 - 選ぶと「Just deserts.(当然の報いだ)」とのメッセージ。続けて戦死者の遺体画像が3枚続けて一瞬だけ表示され、「Remember ***** ******」のメッセージの後、ゲームがひとりでに閉じる。
エピローグ
ゲームを再開すると、「Play(遊ぶ)」「Pray(祈る)」の選択肢。「Play」を選ぶとゲームが最初からに戻る。「Pray」を選ぶと、「KIN...? Big brother......(兄さん…)」とのメッセージの後、再び墓の前へ。墓を調べると「KIN」「He died in ****」のメッセージ。
北へ行くとベッドだけ置かれた部屋があり、そばに「His granddaughter(彼の孫娘)」がいる。話しかけると、「Young, please pray for peace.(若者よ、平和を祈ってくれ)」とのメッセージ。そばの花を調べると「Gardenia. Sure, the dead have no mouth.(クチナシ。そう、死人に口なし)」。
考察
「K」との類似点
- 不特定多数に向けて公開されたゲームではなく、スターアイランド宛てに直接送りつけられた。
- 作者がどこの何者か定かでない。作者との連絡が取れなくなる。
- ウディタで作られている。
- 英語だが、作者は英語に不慣れだというので英語圏の人間ではない。
- 衝撃的な画像を表示するイベントがある。
主人公の設定
作者の母親のおじという設定である主人公のkinは、作中で周囲の人物が発する "Remember ***** ******" (→ "Remember Pearl Harbor"、真珠湾攻撃を忘れるな)、"Long live ********!!" (→ "Long live the Emperor"、天皇陛下万歳)、"Hikokumin"(非国民)というセリフなどから、おそらく太平洋戦争時に旧日本軍側で従軍して戦死したのではないかと考えられる。