「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-35

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 …秋祭りが終わった、その日の夜に
 なんとも盛大な悪夢を見た

 いや、多分、それは誰かが見せてきた夢なのだと思う
 花子さんも、妹も見たって言ったし
 …たった今、不良教師やら人体模型やら骨格標本からも、同じ夢を見た、と聞かされたからには
 それは、確実に、何者かが見せてきた夢なのだろう

 ……そう、誰かが見せた夢
 自分たちを、宴とやらに招待する夢

「…それで」
「はい?」
「お前は、行くのか?」

 タバコを咥え、不良教師がそう言って来た
 …どうしようか
 正直な所、俺は迷っている
 ……「夢の国」と、確かに俺達は戦った
 戦った、けれど
 …はたして、宴などに、正体される資格などあるのだろうか?
 そんな資格が、本当に自分にあるのか?
 それに、悩んでしまう

「…み?けーやくしゃは、行かないの?」
「うん?花子さんは行くのか?」
「うん」

 にぱ、と笑って答えてきた花子さん
 迷いなんて、全くない

「赤いはんてんちゃんがね、行くって言ってたの」

 なるほど
 友達が行くから大丈夫、という奴か
 ……花子さんや
 それって、普通は結構危ないフラグのような気がするから、気をつけような
 …とまれ
 花子さんが行くのなら、答えは決まっていく

「それじゃあ。俺も行くよ」

 俺が、そう一言、そう言うと
 花子さんは、嬉しそうに目を輝かせてきた
 俺の膝の上で、嬉しそうに笑っている

「行くのか」
「先生は?」
「………行かない」

 首筋をさすりながら、不良教師はそう答えてきた
 ……何か、最近、首をさすってる事多いような気がするな、この不良教師
 首筋が寒いんだろうか?
 だったら、髪束ねないで居た方が冷えないと思うんだが…

「…その日は、教職員の歓送迎会がある」
「あぁ、なるほど」

 それなら、参加できないか
 少し納得だ

『せやから、わてらも不参加やわー』
『私達、そう簡単に学校から出るわけに行きませんし…』
「だろうな」

 うん、納得だ
 人体模型も骨格標本も、どう考えても気軽に学校から出られないだろう、常識で考えて
 …まぁ、そうじゃなくても、もしかしたら不良教師が行かないからと、行かなかったのかもしれないが

「まぁ、問題はないと思うが……気をつけろよ」
「はい」

 小さく、頷く
 …大丈夫、だとは思うのだ

 夢の中に出てきた生首、平将門…あれは、嘘を付いているようには見えなかった
 ただ、宴を開けるのが、楽しくてたまらない
 そんな雰囲気を感じ取る事ができたし
 ……将門と言えば、かの有名な都市伝説「首塚」
 そんな存在が開く宴で暴れる馬鹿はいないだろう…そんな命知らず

「だいじょーぶだよ、けーやくしゃ。危ない事なんて起きないよ」

 にぱぱ~、と花子さんは無邪気に笑う
 危険なことなんて、起きるはずがない
 友達も参加するのだから大丈夫、と心の底から信じきっている
 そんな様子だ
 俺はもふもふ、花子さんの頭を撫でてやる

「…あぁ、そうだな。安心して参加しような」
「うん!」

 俺に頭を撫でられて、嬉しそうな花子さん
 …さて、妹も参加を悩んでいたが、どうするか 
 宴の開始時間的に、帰りが遅くなりそうだったら参加を反対する所なのだが…
 花子さんの頭を撫でてやりながら、俺はもやもや、そんな事を考えていたのだった

 …不良教師が、こっそりと携帯を弄っているのに、その時俺は気づいてはいなかったのだ

fin








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