「うー…?おねーちゃん、体痛い?大丈夫?…うー」
「え、えぇ…大丈夫、ですよ」
「え、えぇ…大丈夫、ですよ」
心配しないで、と女性は少年に笑いかける
お気に入りのお菓子の箱を持ったまま、少年はうーうーと、心配そうに女性を見つめていた
…この日は、秋祭り三日目
しかし、女性は疲労やら筋肉痛やらで、静かに力尽きていた
少年とて、女性と一緒に走り回ったりしたはずなのだが、こちらは以外と元気そうである
お気に入りのお菓子の箱を持ったまま、少年はうーうーと、心配そうに女性を見つめていた
…この日は、秋祭り三日目
しかし、女性は疲労やら筋肉痛やらで、静かに力尽きていた
少年とて、女性と一緒に走り回ったりしたはずなのだが、こちらは以外と元気そうである
「ほら、静かにしてないと駄目よ?」
「うー、僕、静かにするー」
「うー、僕、静かにするー」
父親……に、言われて、少年はこくこくと頷いた
愛らしいその様子に、女性は和んだ気持ちを覚えた
体中あちこち痛いが、精神的には少し楽だ
てちてちてち
少年は、女性が寝ている部屋から出て行く
愛らしいその様子に、女性は和んだ気持ちを覚えた
体中あちこち痛いが、精神的には少し楽だ
てちてちてち
少年は、女性が寝ている部屋から出て行く
「…本当に、大丈夫?」
「だ、大丈夫です……ちょっと、休めば」
「…ちょっとじゃあ、治りそうに見えないけど」
「だ、大丈夫です……ちょっと、休めば」
「…ちょっとじゃあ、治りそうに見えないけど」
そう言って、少年の父親は苦笑してきた
多分、丸1日は休む必要性がありそうだ
多分、丸1日は休む必要性がありそうだ
「ゆっくり、休んでいって?あなたはあの子の恩人ですもの」
「…すみません、ありがとうございます」
「…すみません、ありがとうございます」
女性の言葉に、少年の父親はいいの、と微笑む
…家の中では、流石に水っぽい格好ではないのだが、それでも、女性物の服を纏っている、その姿
どう見ても、女性そのものである
しかし、少年は、「パパ」と呼んでいるわけで
……間違いなく、男性らしい、のである
少なくとも、染色体的には
…家の中では、流石に水っぽい格好ではないのだが、それでも、女性物の服を纏っている、その姿
どう見ても、女性そのものである
しかし、少年は、「パパ」と呼んでいるわけで
……間違いなく、男性らしい、のである
少なくとも、染色体的には
「…ふふ、私、女性に見える?男性に見える?」
「え?……えっと」
「え?……えっと」
問いかけに、女性が途惑った様子を見せると
くすり、少年の父親は、笑う
くすり、少年の父親は、笑う
「どっちに見えてもいいのよ?私はあの子の父親で、母親だから」
父親であり、母親
どちらでもあろうとする、その様子
本来は男性である事を、隠そうともせず、凛として見せている
どちらでもあろうとする、その様子
本来は男性である事を、隠そうともせず、凛として見せている
「…あの子の傍にいてくれて、本当にありがとう。あの子、昔から色々と「見える」子だから…あぁ言うトラブルにも、巻き込まれやすいのよ」
「そうなんですか…」
「ただでさえ、ここは「学校町」だし、ね」
「そうなんですか…」
「ただでさえ、ここは「学校町」だし、ね」
そう、ここは学校町だから
あまりにも、都市伝説が多すぎる街
だからこそ、少年の父親は心配になる
自分以上に「見える」が故に、息子が事件に巻き込まれはしないか、と
幼い頃から見えすぎたが故に、少年は都市伝説を恐れない
だから、平気で関わってしまう
あまりにも、都市伝説が多すぎる街
だからこそ、少年の父親は心配になる
自分以上に「見える」が故に、息子が事件に巻き込まれはしないか、と
幼い頃から見えすぎたが故に、少年は都市伝説を恐れない
だから、平気で関わってしまう
「何かあったら、呼んでね?今日はお店休みにするから。いつでも対応できるわ」
「…すみません、ありがとうございます」
「…すみません、ありがとうございます」
ぷしぅ
とにかく、疲労がどっぷりと、たまってしまっていらしい
力尽きた様子の女性に、少年の父親は、あらあら、と苦笑して
そっと、ふとんをかけなおしてやるのだった
とにかく、疲労がどっぷりと、たまってしまっていらしい
力尽きた様子の女性に、少年の父親は、あらあら、と苦笑して
そっと、ふとんをかけなおしてやるのだった
おしまい