「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-37

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匿名ユーザー

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「あぅあぅ、宴会開始なのですよ!お酒を飲むのですよ!」
「赤いはんてんよ、幼女姿で酒はやめておきたまえ」

 赤いはんてんが、酒瓶に手を伸ばして、赤マントに止められている
 うん、全くもってその通りだと思う
 アルコールは20代になってからだろう

「ほら、花子さん。ジュースな」
「み、ありがと、けーやくしゃ!」

 花子さんにジュースを取ってやり、俺も適当なジュースに手を伸ばす
 …ん、見た事内ないジュースの缶だけど、これでいいや

「むむむ…なら!」

 ひらりっ!
 赤マントに酒を止められていた赤いはんてんが、はんてんを翻した
 …おぉう!?
 赤いはんてんの姿が、青いはんてん纏ったナイスバディ姉ちゃんに!?
 っつか、あれだ
 赤いはんてん姿の時は、さらしとスパッツだけでも若干微笑ましさがあったが、今の外見年齢だと何かヤバイものが!?

「これなら、問題ないわね」
「…ふむ、確かに」

 赤マントは苦笑して、赤いはんてん…否、青いはんてんの飲酒を止めようとはしない
 青いはんてんは、満足した様子で酒に手を伸ばしている
 …そこまで飲みたかったんだろうか
 酒って、そこまでして飲みたいもんか?

「ふむ?…あぁ、君は、青いはんてんの姿を見るのは、初めてか」
「あぁ」
「赤いはんてんはね、青いはんてんになるときれーなおねーさんなんだよ!」

 あむむ
 菓子を口に頬張りつつ、花子さんがそう言って来た
 …この宴会、菓子類も豊富と来た
 花子さんみたいな、子供相手を考慮してくれていたんだろうか
 まぁ、酒以外の飲み物が多いのは、俺みたいな未成年も助かるからいいんだが

「…ま、知り合いに会ったら、挨拶するくらいはするかな…」

 そう呟きながら、缶ジュースを空ける
 ぷしゅっ、といい音がしたのを見ると、炭酸系だったか?

「む、少年よ、それは…」
「へ?」

 ぐい、とそれを口に含む
 お、甘くて飲みやすい
 …でも、若干喉がヒリヒリしたような
 気のせいか?

「どうした?」
「……いや、何でもないよ」

 声をかけてきた癖に、どうしたのか?
 赤マントの様子に、俺は首をかしげて
 みー?と、花子さんも真似して、首を傾げてきたのだった



 ……ふむ
 今、この花子さんの契約者の少年が口にした缶だが
 …どう見ても、ジュースではなくカクテルか何かなのだが…
 ……酔っ払った様子は見えない、結構アルコールは強そうなのに
 まぁ、飲んでしまったものは仕方あるまい

 飲んだものをこれ以上止める訳にもいかず、赤マントは花子さんの契約者がそれを飲んでいるのを、止めようとはしないのだった







「ん~…」
「み?けーやくしゃ、どうしたの?」
「あ、いや」

 何だか、変わったジュースを飲みつつ、会場を見回していた俺
 会場内を忙しそうに動き回っている、チャラチャラした格好の兄ちゃんを眺めて…ふと、変な事を思い出していた

「いや、俺の通ってる高校、2,3年前に「狂犬」って呼ばれてた奴がいたらしいんだが」
「どう聞いても不良なネーミングだな」
「うん、不良ってか、あの高校で代々、一番強くて凶暴な奴に送られるあだ名らしい」
「……君の通っている高校には、どんな伝統があるのだね」

 ほっとけ、俺が知るか
 赤マントのツッコミを無視しつつ、興味津々に聞いてくる花子さんに…花子さんにこんな事教えていいものかどうか悩みつつ、続ける

「あそこのチャラチャラした兄ちゃん、2,3年前高校にいたっていう狂犬の特徴に外見一致するな、と」
「ん~?でも、あぁいう格好の人って、夜の繁華街によくいるでしょ?」

 まぁ、確かに
 青いはんてんの言葉に、俺は頷いた
 …まさか、当人ではあるまい
 当人だったら、むしろ驚くわ

「きょーけんって、悪い人なの?」

 かっくん
 首を傾げてきた花子さん
 俺は花子さんの頭を撫でてやりつつ、答える

「いや、当時の狂犬は、むしろ今までの狂犬と比べると格段に大人しかったらしいけどな。売られた喧嘩は買うけど、自分から喧嘩売る事少なかったって言うし……むしろ、それよりも前の前の代だかの、「双頭の狂犬」とか呼ばれてた双子の方がヤバかったとか」
「だから、君の通う高校はどんな不良エリート高校なのだね?」

 だから知るかよ
 赤マントのツッコミを無視しつつ、俺はその缶のジュースを一気に飲み干した

 …うん、まさか
 あのチャラい兄ちゃんが狂犬って事はあるまいし
 それに、その前の「双頭の狂犬」とやらも、まさかいる訳があるまい
 そんな事を、俺はぼんやり考えたのだった


「……っくし!」
「おや、風邪か?」
「ん~?…いや、平気だと思うんだが」

 鼻を啜る「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者
 まさか、自分が噂されていたとは、夢にも思わない




「---っくしゅん!」
「ん?新入り君、風邪か?健康にもいいブラックコーラを」
「ううん、むしろ、体壊しそうだからいらない」

 orz状態になった店長と、その店長を慰めつつ、睨んでくる副店長の視線を、「骨を溶かすコーラ」の契約者の青年はスルーする
 そして、小さく首をかしげた

「う~ん…?何だか、僕と兄さんの昔の事を、誰か噂したような?」

 気のせいかなぁ?と
 青年は小さく首をかしげて…まぁ、実害がないからいいや、と気にしない事にしたのだった



 終わってしまえよ







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