背後から、黒い群れが襲ってくる
なんて可愛そうで、憐れで、愚かで、憎らしい
憐れで愚かな「夢の国」
わからないのだろうか?
今、自分たちが成し遂げようとしている事を成功させたら
わからないのだろうか?
今、自分たちが成し遂げようとしている事を成功させたら
もう、自分たちは二度と、本来のあり方に戻る事はできず
もう、二度と……自分達を受け入れてくれるはずの存在から、拒絶され続けるであろう事が
もう、二度と……自分達を受け入れてくれるはずの存在から、拒絶され続けるであろう事が
わからないのだろう、気付いていないのだろう
なんて可哀想で、愚かなのだろう
なんて可哀想で、愚かなのだろう
「……きひひひっ、でも、大丈夫…何もかもわからなくなったのなら……………きっと、将門様が、哀れんで滅ぼしてくれるよ?きひひひひひ………っ」
ぼそり、一緒に逃げている女性には気付かれぬ程度の、小さな声で
少年は呟き、無気味に笑ったのだった
少年は呟き、無気味に笑ったのだった