…焼け焦げた匂いが、辺り一面に漂う
パレードは消滅し、ピンクの子豚の着ぐるみは…真黒に、焼け焦げていた
表面も、中も、全て
ステーキを通り越して、黒こげだ
パレードは消滅し、ピンクの子豚の着ぐるみは…真黒に、焼け焦げていた
表面も、中も、全て
ステーキを通り越して、黒こげだ
「…さて、と」
「……っ!おい!」
「あ……!」
「あ……!」
…「はないちもんめ」の少女を見つけた!
能力で支配下に置いているのだろうか、黒いパレードをいくつか連れて
…そして、怪我をしている
青年は急いで、少女に駆け寄った
能力で支配下に置いているのだろうか、黒いパレードをいくつか連れて
…そして、怪我をしている
青年は急いで、少女に駆け寄った
「大丈夫か?」
「平気よ…」
「平気よ…」
背中から失血している
大してひどい怪我ではないようだが、放っておく訳にも行かない
ざっと、辺りを見回す
…そこの路地なら、大丈夫そうか
大してひどい怪我ではないようだが、放っておく訳にも行かない
ざっと、辺りを見回す
…そこの路地なら、大丈夫そうか
「こっち来い。怪我、手当てしてやるから」
そう言いながら、ごそり、ポケットからそれを取り出す
さんざ、能力を使ってきた後だが…さすがは都市伝説。異常はなさそうだ
さんざ、能力を使ってきた後だが…さすがは都市伝説。異常はなさそうだ
「…それは?」
「蝦蟇の油。昨日、あいつから渡されたんだよ」
「蝦蟇の油。昨日、あいつから渡されたんだよ」
たいした量ではないが…この少女の怪我なら、この量でも問題ないだろう
少女と一緒に路地に入る
……よし、やっぱり、深い傷じゃない
少女と一緒に路地に入る
……よし、やっぱり、深い傷じゃない
「染みるらしいから。我慢しろよ」
「………っ!」
「………っ!」
蓋を開け、中身を少量指にとって、少女の傷口に擦り込む
黒服の言葉通り、かなり染みるのだろう
少女の口から、かすかに苦悶の声が漏れた
…しかし、その直後
傷は、その痕すら残さず消滅する
黒服の言葉通り、かなり染みるのだろう
少女の口から、かすかに苦悶の声が漏れた
…しかし、その直後
傷は、その痕すら残さず消滅する
「どうだ?」
「…痛みは、もうないわ」
「…痛みは、もうないわ」
染みてる感触が残ってるけど、と少女は呟く
なら、大丈夫そうか
…蝦蟇の油も、まだ半分以上残っている
これ以上、使う事にならないといいのだが
なら、大丈夫そうか
…蝦蟇の油も、まだ半分以上残っている
これ以上、使う事にならないといいのだが
「っと、それと……ほら」
「?」
「?」
ばさり
上に羽織っていた上着を、かけてやる
浴衣を着ていた少女
背後から帯ごと切られたのだろう、浴衣もまともに切れている状態ではない
上着くらいは、かけてやるべきだろう
上に羽織っていた上着を、かけてやる
浴衣を着ていた少女
背後から帯ごと切られたのだろう、浴衣もまともに切れている状態ではない
上着くらいは、かけてやるべきだろう
「それと、住む所、なくなったんだって?」
「………えぇ、それはもう、ものの見事に」
「………えぇ、それはもう、ものの見事に」
誰の仕業かは知らないけど、と
少女は、やや不機嫌に呟く
…しかし、寝泊りできる所、って言ってもなぁ、と青年は考え込む
この青年、中学三年の時に家出して以来、実家には寄り付いていない
ずっと、友人や「首塚」組織の仲間の家を渡り歩いたり、拠点で寝泊りしてきていた
…この少女は、「首塚」の一員ではない
そんな彼女を、「首塚」の拠点などに招いていいものか…
少女は、やや不機嫌に呟く
…しかし、寝泊りできる所、って言ってもなぁ、と青年は考え込む
この青年、中学三年の時に家出して以来、実家には寄り付いていない
ずっと、友人や「首塚」組織の仲間の家を渡り歩いたり、拠点で寝泊りしてきていた
…この少女は、「首塚」の一員ではない
そんな彼女を、「首塚」の拠点などに招いていいものか…
(……まぁ、いいか)
…この少女は、「組織」ではないのだ
ならば、問題はないだろう
……もしかしたら、「首塚」の仲間になってくれるかもしれない
それに
…この少女は、あの黒服の契約者という点で、青年にとっては、既に仲間に近い存在なのだ
ならば、問題はないだろう
……もしかしたら、「首塚」の仲間になってくれるかもしれない
それに
…この少女は、あの黒服の契約者という点で、青年にとっては、既に仲間に近い存在なのだ
「この戦いが終わったら、タダで寝泊りできる場所、教えてやるよ」
「……わかったわ」
「……わかったわ」
頷く少女
まずは、生き延びる事だ
今、一番重要なのは、それ
…それ以外のことは、この戦いが終わってから、考えればいい
まずは、生き延びる事だ
今、一番重要なのは、それ
…それ以外のことは、この戦いが終わってから、考えればいい
「動けるか?」
「…動けるけど…あんた、よく息切れ一つ起こしてないわね…」
「体力には自信があるねな」
「…動けるけど…あんた、よく息切れ一つ起こしてないわね…」
「体力には自信があるねな」
こちとら、高校時代は授業がない時はバイト三昧
高校を卒業してからも、いくつものバイトを掛け持ちして…さらに、人に害なす都市伝説退治で稼いで来ている身だ
正直、休む暇などなかった事が多く、体力だけは無駄についた
一日中駆け回りでもすれば流石にきついが…この程度なら、問題ない
高校を卒業してからも、いくつものバイトを掛け持ちして…さらに、人に害なす都市伝説退治で稼いで来ている身だ
正直、休む暇などなかった事が多く、体力だけは無駄についた
一日中駆け回りでもすれば流石にきついが…この程度なら、問題ない
「さ、行こうぜ」
「えぇ」
「えぇ」
…一体でも多く、パレードを潰す
黒服の助けになる為に
青年は少女と共に、再びパレードを探して歩き出した
黒服の助けになる為に
青年は少女と共に、再びパレードを探して歩き出した
to be …?