「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - わが町のハンバーグ-04

最終更新:

hollow

- view
だれでも歓迎! 編集
「……」「……」

……お父さんお母さん、生まれてきてごめんなさい。どうやら僕は呪われちゃいそうです。
こっくりさんを一人でやるなっていう噂は聞いていたけどまさか……本物のこっくりさんが現れるなんて思わなかったんです。
一見普通の女の子なんだけど、体は半透明だし頭に狐みたいな耳生えてるし浮いてるしこっち睨んでるし…
僕、死ぬな…でも、僕が死んだところでどうせクラスのみんなは悲しんでくれないんだろうな…
どうせ「いらない奴がやっといなくなったな」とか言って笑うんだろうな…


「おい、人をそんな悪霊みたいに思うな…大丈夫だ、呪ったりしない」


「…え?」「そもそも私は人を呪い*す力なんて持ってない…せいぜい人を狂わせるくらい…」
「いやそれ十分こわいよ!?」「…そう?」

……!?Σ(゜д゜;)
え!?てか普通に喋ってる?なんかこう超自然的な人(?)と僕喋っちゃってます!?
え?てか僕いま何も言ってなかったよね?まさか心読まれちゃってる!?
「…心の声のつもりかもしれないが、丸聞こえだぞ…馬鹿が」

少しの静寂。

「…で、なんで私を独りで呼んだの…?こっくりさんは…独りで呼ぶものじゃない」
「…だって僕、友達いないし…」
さっきの文でわかると思うけど僕は生粋のいじめられっ子だ。いじめられっ子歴2年半だ…
こっくりさんを一人で呼ぶのは危険だと知っていても、僕には聞きたいことがあった。

「…事情は理解した。でも独りで呼ぶような真似はするな…わるいこっくりなら即取り憑かれてる…」
「う、うん…ごめん…」「……まぁそれはいいとして、何か知りたいことがあるの?」
「……僕の…僕のお父さんは…いつ帰ってくるの?」



僕には、お父さんがいない。小さい頃にいなくなってからずっと帰ってこない。
お母さんにいつ帰ってくるのか聞いても、いつか帰ってくるとしか言わない。
だからこそ、未来の分かるこっくりさんにいつお父さんが帰ってくるか聞きたかった。


「…じゃあそれを占えばいいの?」「うん、お願いします」
「……でも、占う前に3つの約束がある」「…な、何?魂奪ったりしないよね?」
「するか…馬鹿が…まず1つ、どんな結果が出たとしても絶対に泣いたりしないこと」
「わ、分かった」
「2つ、この後絶対に私に会ったことを人に話さないこと。話した時は…」「わ、分かった!絶対にしゃべらない!!」
なにかものすごい恐怖を感じ取ったので全力で約束した。
「で、3つ……


たまに私に会いに来ること」

「…え?」「君からは…不幸オーラがすごく出てる…だから…」
「だから?」

「私が占ってやれば不幸を取り払える…かもしれない…」
「…それって僕のためなの?」
「……それだけじゃない…それに………しばらく人と喋ってなかったからは、話し相手がほしい…」
「うん、いいよ!僕でよかったら、友達になってあげる!」

「と、友達…?」
「うん!僕のこの学校で初めての友達!」
「…私なんかでいいの…?初めての友達が…」
「うん!こっくりさんみたいなかわいい子なら大歓迎だよ!」「か、かわ…」
「じゃあ今日からぼくとこっくりさん…いや、こっちゃんは友達だね!」「……何?その名前は…」
「友達同士はあだ名で呼び合うものなんだってお母さんが言ってたんだ!だからこっちゃん」

「…何か、今までそんな風に呼ばれたことないからか……違和感を感じる
 だからその呼び方は…止めて」
「え~?いやだよ~。こっくりさんってなんだか他人みたいだし…こっちゃんのほうが仲良しそうでいいじゃん」
「……分かった…でもあまりその名で呼ぶな…」「う、うん」


「…じゃあ…占う…よ?」「う、うん…」
そういうとこっちゃんは僕の用意した五十音表の上に乗った十円玉に向かって念じ始めた…
「むむむ…」

すっ、すすすっ…

ほどなくして、十円玉が動き始めた。
「この子の…父親の行方を…帰宅の未来を…」

何回か動いたり止まったりを繰り返した後、十円玉は動きを止めた。

「…でた」
「わ、分かったの?いつ帰ってくるか」

「…残念だけど、正確にはわからない」

「そ、そうなの…」「でも…いつかは帰ってくる…いつかは」
「ほ、本当!?」「本当。でもいつかは分からないということは多分遠い未来の話…」
「遠くても帰ってくるってことがわかったならいいよ!ありがとうこっちゃん!」
「…だからその名で呼ぶな」
「あ、もう僕帰らなくちゃ!明日も来るからね!ばいばーい!」
「…またね」


「……本当に…いつなんだろう……?」
いままでいろいろなことを占ってきたが正確なことが分からないのは今回が初めてだ。
何故?死んでいるなら帰ってこないと出るはず…不思議…それに…
「……こっちゃん…こっちゃん…」
このあだ名、の響きも不思議だ。初めてのはずなのに、なんだか懐かしい。

あの子となら……一緒にいてもいいかな…?

都市伝説になって、ずっと思うことのなかった思い。
知り合いがみんな人間と契約していって取り残された私の唯一の願い。それが人間との契約。
――こっくりさんは、自分のことを占ってはいけない。それが故にいつ来るかもわからなかった私の契約者。
もしかしたら……彼が…?
そんなことを考えながら夕焼けの空を見上げた。明日もいい天気だ。





タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー