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連載 - わが町のハンバーグ-03c

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「行くぞ牛!”肉 陣 展 開”!」

わしの周りに浮遊する数十個のハンバーグ。

「ハッハッハッハッ!そんな肉があなたの真の力か!とんだハンバーグ専門店だねぇ!」
「試してみるか?このふぉーめーしょんの力」「ふん、一瞬だよ、そんな陣」
先ほどと同じく全力で突進してくる牛男。芸が無いというか何というか…若干あきれるわい。

「さぁ!吹き飛べ!タウロス・ハリケー…!?」
猛烈な速さで突進してくる牛男は、浮遊するハンバーグ3枚によって止められた。


そのハンバーグは…黒い。

まさしく黒焦げになり硬くなったハンバーグはいとも簡単に牛男の突進を止めた。
「なっ…馬鹿な!私の力で…こんな肉を崩せ…ない!?」「ウェルダンの焼き方を甘く見るでないぞ…若牛よ」
わしはさらに2枚のハンバーグを牛男に寄せる。そしてなつかしき必殺技を叫ぶ。

「爆ぜるがよい!”肉芯炎爆”!」ボハァァン!
「!?ぬぐぁぁ!!」わしが叫ぶと、ウェルダンの3枚とミディアムレアの2枚、合計5枚が爆発を起こす。

「くぅ…ぬぐぅ…」「ほぅ、まだ立てるか。ならばこれでとどめと行こうかの」
そう言ってわしは真の切り札に力を入れる。

「…さすがにこれはちとキツイのぅ…!ぬんっ!”大肉塊移動”!」
わしの言葉の後、すぐに牛男の悲鳴が聞こえる。

「!!?ぬっ!?ぬおぉぁぁぁお!」

…契約者の作りだした、特大ハンバーグにつぶされて。

わしの切り札。それは意図せずに生み出されたものではあるが活用し甲斐のある物だ。
何kgあるだろうか。そんなのんきなことを考えながらわしは目覚めを待つ。
「…ぐっ!こんなもの・・・っ!すぐに吹き飛ばして…!」「…そうはイカ下足の唐揚げってもんだな」


爺さんでも、牛男でもない声。そう、まさしく『俺』の声。
「馬鹿なッ!君はさっき気絶したはず…」「爆発とかの音がうるさくてな。目が覚めちまったよ。…まぁこの状況ならこれで十分か」
いつの間にか雨はやんでいる。俺はハンバーグから降り、指を構え…そして、  弾く。

「丸焼けだぜ!”包 炎 焼 肉”!」

俺の指が鳴るとともに牛男の上のハンバーグに火が灯る。さっきの比じゃないくらいの剛炎をあげ…不審火で通報されないか?
「うあぁ!ぬあぁ!熱い!くあぁ!あの時と…あの時とぉ同じぃ!」メラメラと燃え盛る炎はハンバーグと牛男を燃やす。
そして力尽きた牛男は投げ飛ばそうとしていた巨大なハンバーグに押しつぶされ――――消失した。…この場合の表記は焼失のが正しいのかもしれないが。


「爺さんよ…あんな技あるなら最初からやってくれよ…」「いや、あれをやるとお主がつまらなくなるからのぅ」
…俺、死にかけたんだけど。つまらないとかいう問題じゃないんだけど。
「まぁ、1回目の速さにわしが追いつけんかった、というのが本音じゃ。あやつがもうちょいと遅ければ肉を挟めたのじゃが…」

ぐぅ。話をしていると、俺のおなかが鳴った。まぁあんだけのハンバーグを作れば当たり前だが。
「まぁとりあえず店長たちに報告だ。腹が痛いし腹減ったし」「食うか治すかどっちかにせんか、莫迦者」
…あの店で食う気は何となく無い。この前の『つくばぁぐ』の二の舞な気がする。

とにもかくにも報告のため、俺たちはレストランのある南地区へと向かった。





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