「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - わが町のハンバーグ-05

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
あの客は…俺が新作メニューを作ろうと奮起しているところにやってきた。そう、突然に。

「店長、あなたにお客様が来てます」
「あ?俺に客?今忙しいから断っとけ」
「それが…店長を出さないといろいろと恐ろしいことが起こるとか何とか」

紹介が遅れていた。この礼儀正しいおじさん…まぁ普通の人間より幾分かサイズの小さいおっさんはうちの店員、小野沢さん(通称ノミ沢)だ。
まぁ分かっているとは思うが、この店で働いてる奴はみんな、都市伝説か都市伝説の関係者である。
そしてこのおっさんは、都市伝説『ちっさいおっさん』だかなんだからしい。
そして…都市伝説との契約者であるが、何と契約したかは触れないでおこう。多分触れてほしくない…俺も触れたくない部分である。

しかしまぁ、”俺”に客ねぇ…店への客ならノミ沢とかが対応してくれるんだが…
めんどくさがりながらも店内へと出る。
そこにいたのは7月だというのに暑苦しい黒のスーツを着たマ○リックスに出てきそうな男だった。

「あなたが、ここの店長…そして契約者様ですか」



「何か頼むかい?お勧めは店長の気まぐれ定食だが」「じゃあアイスコーヒーを頼もう」
即答された。そこまで評判悪いのか…俺の気まぐれ料理は…orz
「…で、用ってのはなんだ?できれば手短に済ませてほしいんだが。営業中だし」
「では手短に済ませましょう。
 我々『組織』の一員となっていただけませんか?」
「『組織』?なんだそりゃ」
「簡潔にいえば凶暴な都市伝説を撃退、消滅させる組合です。」
「……無理だな。俺たちの能力は戦い向きじゃねぇ」「承知の上です」

…承知の上?つまりこいつ、俺たちの能力を知っている…?
「あなたたちの役目は情報収集。つまりあなたたちの能力で都市伝説の情報、出現場所、時刻などを予言し、私たちに伝えてほしいのです。
 もちろん、報酬はご用意いたします」
……こいつ、俺たちの力、分かってやがる…
「どうです?悪い話ではないでsy「断る」……何故です?あなたに拒否するメリットはないはずですが」
「考えてもみろ。得体の知れない怪しい一味にそう易々と協力できるか。それにだな…」「それに?」

「この店に危害の及ぶ危険性が増える。俺一人ならまだしも、この店にゃ、バイト、お客さん…
 それにこっちゃんがいる。この店が戦場になることは…店長であるこの俺が許さん」

「…それなら私どもが最善のd「お待たせいたしました、アイスコーヒーでございます」…ありがとう」
ノミ沢に運ばれてきたアイスコーヒーを男が口にしようとした。…その瞬間、ノミ沢の手がわずかに動いた。
「っ!?」
男の顔の前まで運ばれていたアイスコーヒーは俺の意思を反映したかのように男の顔へ飛び散った。

ノミ沢の契約した都市伝説…それは『三十歳まで童貞だったら魔法が使える』というものである。
こちらとしても語りたくはないので深くは聞かないでいただきたい。

「…ここのバイトは客にコーヒーをかけるのですか?」「時と場合による。そして今は問題ない」
「……わかりました。また後j「次来たら気まぐれ定食フルコースで食わしてやるぞ」…もう来ませんよ」
…なんだか自分で言ってて悲しくなってきた…
「そうだ、ちょっと待て」「…まだ何か?もうここに用はないので早く次のところへ行きたいのですが」
「ハンバーグの爺さんとその契約者さんとは接触すんな」

「…それはどういうことですか?」
「…あいつらはあいつらで戦ってる。それにまだあいつらを死なせたくねぇ。
 昔馴染みの爺さんをなくすのは悲しいしな。断るっていうんなら…」
「やれやれ…困った店長さんですね…とはいっても、私の身…主に味覚が危険、というのなら…その約束、のみましょう…」
「よし、ならもう行っていいぞ。コーヒー代はいいから」「もちろんですよ。店員のせいで飲めなかったんですから」


「ノミ沢、助かったぜ」「いえいえ、私もこの店が無くなったら行き場が無くなってしまいますので」
こいつが俺の考えを読み取ってくれるのは今に始まったことではない。
俺が表情に気分が出やすいというのもあるが、やはりノミ沢がここで長年働いてるからだろう。

「終わった…?終わったなら…早く持ち場に戻って…」
この店の実質店長であるこっちゃんに厳しく言われたのでノミ沢は接客、俺は厨房裏へと戻る。

 ――――やっぱり、こういった日常は、守らねぇとな。
そう思いながら、新メニューの開発へと意識を向ける午後のティータイムであった。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー