「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - わが町のハンバーグ-08

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匿名ユーザー

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「…でかい」「…あぁ」「……なんつーでかさだ」「さすがに…これはちょっと反則かと…」
こんばんは、ハンバーグジジイの契約者です。今回は町中からノミ沢さんと一緒にお送りします。
まずさっそく…今回の敵は、相当でかいです。

ズウゥゥゥゥゥン…ズウゥゥゥゥゥゥン…

今回の敵はほんとにでかい。軽く十メートルは超えてるな…

「あいつは、『ヒトガタ』だ」

そう店長は言っていた。

『ヒトガタ』
―――――南極に存在するといわれる未確認生物。
           正体は巨大な氷山とも言われているが定かではない。

ついでに今回店長は来てるには来てるが、参戦はしてない。
さすがに一般市民にこいつを見せるのはまずいのだろう、こっちゃんと共に結界を張って外から見えないようにしてくれているらしい。

「…それにしてもこんな奴とどう戦えと…」
ヒトガタはまだ俺たちに気づいてないらしく、のそのそと歩いているだけである。それでも地響きはすごいが。
「さすがにここまで大きいと私の力でも…というか私には多分あなたが見えてる大きさの数倍大きく見えてます」とノミ沢さん。
「あまり急に刺激して怒らすのも悪いしのぅ…」「バトルは先制攻撃だぜ」いろいろと無視してマッチョ兄さんが突撃する。
ついでに今回ベートーヴェンの都市伝説には漫画の中の最強と思われる筋肉質な男に憑依してもらっている。
普段はいろんなキャラ(女多し)に憑依してるので、最近は二次元と三次元の境界線が崩壊しかかってます(笑)

「おらぁっ!」筋肉男がヒトガタのすねに豪快にパンチを繰り出す。

「……?」
…効いてる気配がしねぇ。てかそのパンチで奴が俺たちに気づいたんですけど。
俺たちに気づいたであろうヒトガタは、すねにパンチの連打を浴びせる筋肉男に向けてその大きな拳を放った。
「やべぇ!逃げろ!」「ここは私が!」そういってノミ沢さんが筋肉男に手のひらを向けた。
その瞬間、筋肉男は光に包まれたかと思うと消え、そこをヒトガタの拳が通り過ぎ、拳は地面に突き刺さった。
「…転移魔法、です」筋肉男は何が起こったか分からずにただ目の前の拳を見つめている。

…こんなことならもう少し頭のまわる奴に憑依させればよかったかな…

若干の後悔の念。その念を切りはらうように、店長から通信が入った。
「あ、あー。こちら店長ならびこっちゃん。戦況はどーだ?、どーぞ」
「はい、こちら小野沢討伐部隊。ヒトガタ、ダメージを受ける気配ありません、どうぞ」
「了解。そっちに援軍が来たから多分すぐ着くと思う。そいで援軍からの伝言だ、『時間を稼いでくれ』だそうだ、どーぞ」
「援軍?その方はいったい何者ですか、どーぞ」

「あぁ、俺もよくは知らん。だが爺さんの契約者の知り合いだそうだ、どーぞ」

「は?」
思わず声が出てしまった。「ちょっと待ってくれ。俺の知り合いで都市伝説と関わりをもつような奴は知らんぞ」ノミ沢さんからトランシーバーを受けとって店長に聞く。
確かに最近は知り合いとかに都市伝説を聞いて回ってはいるが、契約のことを知る人物はいないはずだ。
「こら、発言の後にはどーぞをつけろ。んでもって俺はお前の知り合いって聞いたから通した。まぁ悪い奴じゃなさそうだったから通した、どーぞ」
「りょ、了解。じゃあそいつが来るまで時間を稼げばいいってことか?どーぞ」
「おそらくそういうことだ。んじゃあ後は頼むぜ」ブツンッ
「…一方的に切りやがって」俺はトランシーバーをノミ沢さんに返す。

「で、俺たちに時間稼ぎしろってのか?」筋肉男は明らかに嫌そうな顔で俺に問う。
「まぁ、どちらにしてもわし達に奴を倒す手段はなさそうじゃ。だったらその援軍とやらを待つほうがよいと思うが?」
「確かに、今の私たちに奴を倒す手段はありませんしね…」「…ぐぅ…」
その点は分かっているのだろう、筋肉男は黙った。「よし、じゃあ俺の知り合いとやらが来るまで、時間稼ぎだ」


………


「おせぇ…うおわっ!」ドカーン!
店長の連絡から30分ほど経過した。だが以前援軍が来る気配なし。
「流石にこれ以上は耐えらんねぇぜ…っ!」筋肉男は足に攻撃を集中させ、極力ヒトガタを動かさないようにしている。
「私も…そろそろ限界、でしょうか」そしてノミ沢さんは相手の手を魔法によって動きを遅くしている。
店長がこの状況でうそをつくとは考えられない。だとしたら何故こんなに遅い…?「考え事しとる暇はないぞ!」バコーン!
遅いといっても動くには動く。しかも威力は普通に動けるときと変わってない。かわせるのが唯一の救いか。

「ぬがっ!」ガシャーン!
不意に筋肉男が吹き飛ばされた。どうやらヒトガタに思い切り蹴られたらしい。
「お、おい!大丈夫か!?」「…どうやらこれ以上は限界だぜ…」連続攻撃で疲れていたというのもあるだろうが、これ以上は動けそうもない。
「そうみたいだな、ありがとう」そう言って俺は筋肉男の元の世界、単行本を男に向ける。
「…面目ねぇ」筋肉男から光が放たれ、男が消えた。そして光の玉が単行本の中に入っていく。
「…くっ!もう…限界ですっ!」バチンッ!
ノミ沢さんは力を使い果たしたらしく。力なく座りこむ。…ヒトガタを…縛るものが無くなった…

「ズオォォォォォゥ!」アカン、完璧に怒っとるわ。

さっきまで筋肉男の打撃を食らいまくっていたことを忘れるくらいの全力ダッシュを見せるヒトガタ。
正直その巨体で走られると怖い。その前に、地響きがやばすぎて動けない…!
「ヌゥゥゥゥゥ!」そして奴の拳が俺に向かって放たれる。
「…まずいっ!…」爺さんやノミ沢さんが俺を助けようと動こうとするが地響きによって立つことさえままならない。

……出来ること…いま、俺に出来ることを…

そう考えていると、無意識のうちにハンバーグを作り始めていた。いつもより厚く、いつもより大きく。
俺はこの肉に最後の希望を託し、肉の盾を作り出す。

――――が、その希望はヒトガタの手によってあっけなく打ち砕かれた。
ヒトガタの拳を受けた肉は衝撃を吸収することも無く崩れ、消えていった。

       もう、終わりか……

俺を含め、全てのものが絶望に包まれかけた。その時だった。



奴が、動きを止めた。
もうすぐで拳が当たるというギリギリのところでヒトガタは動きを止め、俺のほうに向かって倒れてくる!
「危ない!」爺さんが俺のもとへ駆け寄り、俺を抱え、ヒトガタにつぶされないように逃げる。

ズ、ズウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……

南極の伝説の巨体が、落ちた。


「ふいーっ、やっぱり十数メートルってのは時間がかかるねぇ…」
全てが終わった後で何者かがビルの陰から出てきた。…あいつは…!

「…友…?」
そこから出てきたのは俺の小学校からの親友だった。
友には最近都市伝説のことを多く聞いている。元々こいつは怪談とか都市伝説とかそういう類のものが好きだったからだ。

「悪いな、今まで隠してて。んでもって援軍に来たの黙ってて」
「……」とりあえずいろいろ言葉が出ない…

「しかしまぁ時間がかかったな、やっぱり」「…やっぱり?それは一体どういうことですか?」ようやく立ち上がったノミ沢さんが友に疑問をぶつける。
「いや、俺の契約した都市伝説って、倒すのに時間かかるんだよね。特にヒトガタみたいに大きいのだと。
 あ、言っとくと俺の都市伝説は『シャクトリムシが頭のてっぺんまで登ると死ぬ』ってやつだ。理解したかい?」
「…てか、いつの間に契約とか言う話を…?」
「…話せば長くなるんだが…」


要約すると、都市伝説を調べてたところに、シャクトリムシを見つけ、そいつがなんと喋ったんだと。
んでもって契約の話、都市伝説の凶暴化の話、都市伝説との戦いの話。俺たち他契約者の話。全てを聞かされたんだと。
で、成り行き任せに契約。そして虫好きだった友は他にも色々な虫系の都市伝説と契約したんだとかさ。

「―――で、今のところは5個、かな」「わー!そんなに契約してるなんてすごいですねー!」
大分回復したらしい憑依魂は、いまは同じ漫画の女の子に憑依している。
「…しかし、そんなに多く契約していると体への負担も多いのでは…?」
「いや、連続で別の能力を使わない限りは負担は無いぞ。この前は3個同時に使っちゃったからいろいろ大変だったぜ…」


…俺の知り合いが、契約してたのか…
こんなことになるなら、あまり周りに聞くもんじゃなかったかな…
仲間が増えたのは喜ばしいが…あれだけ危険な都市伝説だ。いつ友が怪我をしても不思議ではない。
それに、あの兵隊人形のことも気がかりだ。何というか、またいつか奴らが来る気がする。

「…なぁ」「あ?何だ?」

「…悪ぃな、こんなことに巻き込んじまって」

「…おいおい、そういうセリフはもっと大きな戦いに巻き込んでから言えよ。それに、俺は別に嫌々契約したわけじゃねぇ。
 なんつーか、お前と一緒に戦いたかった、ていうか…こう、お前と一緒の話をしたかった、ていうか何というか…」
友は照れ臭そうにそっぽを向く。
「…まぁ、俺の意思で契約したんだ。だからお前が謝るこたぁねーんだよ、何にも」「そ、そうか」
…まぁこいつがいいのならいいか。そう思おう。うん。



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