生きたかった
望まずして得た生であったとしても
生きたかった
他の生物達と共に、ただ、自由に生きたかった
本来の姿では、それは叶わぬと知って
自分達は、力を捨てた
記憶を捨てた
そうすることで、姿かたちの似た生物達に混じって、生きる事ができたから
自分達は、力を捨てた
記憶を捨てた
そうすることで、姿かたちの似た生物達に混じって、生きる事ができたから
もう
もう二度と、この力を振るいたくはなかった
もう、二度と、あの記憶を思い出したくはなかった
もう二度と、この力を振るいたくはなかった
もう、二度と、あの記憶を思い出したくはなかった
だが
この恩義を返すため
この恩義を返すため
今一度、この力を振るおう
雄叫びが響き渡る
ビリビリと空気を振動させるかのようなその雄叫びを、山田は半ば他人事のように聞いていた
目の前で、百獣の王が二頭、睨みあい、激しく威嚇しあっている
その片割れは……目の前で巨大化した、猫
否、子ライオンだった存在だ
ビリビリと空気を振動させるかのようなその雄叫びを、山田は半ば他人事のように聞いていた
目の前で、百獣の王が二頭、睨みあい、激しく威嚇しあっている
その片割れは……目の前で巨大化した、猫
否、子ライオンだった存在だ
……あぁ、やっぱり猫じゃなかったんだ
ライオンの子供だったんだ
うん、でもまぁ、あんだけ小さけりゃ猫って呼んでもいいよな、うん
だとしても、あんなに大きくなるとか反則だろう
普通のライオンより明らかにデカいって、あれ
つーか、俺の周りにいるのは人間ペット問わず都市伝説関係者ですかそうですか
ライオンの子供だったんだ
うん、でもまぁ、あんだけ小さけりゃ猫って呼んでもいいよな、うん
だとしても、あんなに大きくなるとか反則だろう
普通のライオンより明らかにデカいって、あれ
つーか、俺の周りにいるのは人間ペット問わず都市伝説関係者ですかそうですか
山田の思考が、全力で現実逃避の方向に向かう
それほどまでに、子ライオンの正体が、都市伝説…それも、どう見てもダークネスと同じ姿
…つまり、人食いの都市伝説であったことに、衝撃を受けているのだ
それほどまでに、子ライオンの正体が、都市伝説…それも、どう見てもダークネスと同じ姿
…つまり、人食いの都市伝説であったことに、衝撃を受けているのだ
「山田さん、山田さんっ!?」
『オラ、イツマデ呆ケテンダ、へたれ。正気ニ戻レヤこら』
『オラ、イツマデ呆ケテンダ、へたれ。正気ニ戻レヤこら』
がくがくがく
ぺちぺちぺち
ぺちぺちぺち
未来に体を揺さぶられ、頭の上に実体化したデビ田にぺちぺち尻尾の先で叩かれて、正気に戻る山田
……前方では、子ライオンだった存在が、飛び掛ってくるダークネス相手に応戦している
…わぁお、ダークネスの振るった前足が、柱に直撃して粉砕した
ライオンの腕力超えてる、確実に
そりゃあ、自分の腕も吹き飛ばされる訳だ、もう再生したけど
再び彼方へと旅立ちそうになった意識を、山田は寸でのところで抑えた
現実逃避をしている場合ではない
……前方では、子ライオンだった存在が、飛び掛ってくるダークネス相手に応戦している
…わぁお、ダークネスの振るった前足が、柱に直撃して粉砕した
ライオンの腕力超えてる、確実に
そりゃあ、自分の腕も吹き飛ばされる訳だ、もう再生したけど
再び彼方へと旅立ちそうになった意識を、山田は寸でのところで抑えた
現実逃避をしている場合ではない
「あの子……ゴースト、だったんですね」
ぽつり、呟く未来
子ライオン…ゴーストが、本来の姿に戻った事で、今まで読み取る事ができなかった情報が、はっきりと読み取れるようになったのだ
そして……未来には、わかる
ゴーストと、ダークネス
本来ならば、互角のはずの実力が……今は、ダークネスの方が、わずかに勝っている、事実
悪魔の囁きがとり憑いている事によって、ダークネスの力が増している
このままでは…
子ライオン…ゴーストが、本来の姿に戻った事で、今まで読み取る事ができなかった情報が、はっきりと読み取れるようになったのだ
そして……未来には、わかる
ゴーストと、ダークネス
本来ならば、互角のはずの実力が……今は、ダークネスの方が、わずかに勝っている、事実
悪魔の囁きがとり憑いている事によって、ダークネスの力が増している
このままでは…
『……オイ、へたれ。コノママジャ、ごーすと……オ前ガ猫ッテ呼ンデタ奴ガ、死ヌゾ』
山田の頭に上にいる、デビ田が
その、残酷な現実を口にする
その、残酷な現実を口にする
「っやっぱり、悪魔の囁きが憑いている方が、強いからか!?」
『マァ、ソレモアルケドヨォ…』
『マァ、ソレモアルケドヨォ…』
ゴーストは、明らかに己の後方の、山田や未来を意識して戦っている
…ダークネスがそちらに向かわないように、引き付けながら戦っているのだ
それもまた、ゴーストを不利な状況に追い込んでしまっている
…ダークネスがそちらに向かわないように、引き付けながら戦っているのだ
それもまた、ゴーストを不利な状況に追い込んでしまっている
『ソレダケジャネェ、アノ勝負、ドチラガ勝ッテモ……ドッチモ、死ヌゾ』
「------っ!!??」
「------っ!!??」
どちらが勝っても
どちらも、死ぬ?
どちらも、死ぬ?
ゴーストが
子ライオンが
死ぬ?
子ライオンが
死ぬ?
「ま、待てよ、それはどう言う事だっ!?」
「…もしかして…あの子達が、ツァボの人食いだから……ゴースト&ダークネスという、都市伝説だから、ですか?」
「…もしかして…あの子達が、ツァボの人食いだから……ゴースト&ダークネスという、都市伝説だから、ですか?」
山田の疑問の声に、未来がぽつり、続いた
ツァボの人食い
ゴースト&ダークネス
それが、あの子ライオンの、正体
ゴースト&ダークネス
それが、あの子ライオンの、正体
『ソウサ。アイツラハ二頭デ一ツノ存在ダ……ここまで言えば、わかるな?』
「……な」
「……な」
二頭で一つの都市伝説
ならば
その片割れが死ねば?
ならば
その片割れが死ねば?
『ごーすとガ死ネバだーくねすガ死ヌ。だーくねすガ死ネバごーすとガ死ヌ。アイツラハソウ言ウ存在ナンダヨ』
「ゴーストちゃんは、ダークネスを殺さないように戦っているみたいですけど……でも、ダークネスの方は…」
「ゴーストちゃんは、ダークネスを殺さないように戦っているみたいですけど……でも、ダークネスの方は…」
…山田でも、わかる
ダークネスの全身から湧き上がっている、その殺意が
ダークネスは、完全にゴーストを殺すつもりで戦っている
事実、ゴーストの体には、何時の間にかいくつかの傷が出来ていた
ゴーストは唸り声を上げながらダークネスを睨みつけながらも、しかし、積極的に攻撃しようとはしていない
ダークネスの全身から湧き上がっている、その殺意が
ダークネスは、完全にゴーストを殺すつもりで戦っている
事実、ゴーストの体には、何時の間にかいくつかの傷が出来ていた
ゴーストは唸り声を上げながらダークネスを睨みつけながらも、しかし、積極的に攻撃しようとはしていない
「…っそれじゃあ、加勢しようにも、どうすれば…!」
せめて、未来だけでも逃がすべきか?
そう考える山田
そう考える山田
だが
ダークネスは、そんな思考を走らせる暇すら、与えてくれようとしない
ダークネスは、そんな思考を走らせる暇すら、与えてくれようとしない
雄叫びを上げるダークネス
その胸元に……ぽつん、と黒い染みが現れた
それは、ダークネスの全身を、覆いだす
その胸元に……ぽつん、と黒い染みが現れた
それは、ダークネスの全身を、覆いだす
「…っんな、なんだあれ!?」
「あ、悪魔の囁きが、実体化しようとしてるんじゃ…?」
『アァ、ソウダナ………コリャア、やばいゾ』
「あ、悪魔の囁きが、実体化しようとしてるんじゃ…?」
『アァ、ソウダナ………コリャア、やばいゾ』
ダークネスの全身を、黒いそれが覆っていく
悪魔の囁きに完全に体を覆われたダークネスの姿は……まるで、恐ろしい化け物のように変貌していた
悪魔の囁きに完全に体を覆われたダークネスの姿は……まるで、恐ろしい化け物のように変貌していた
短い鬣が、長い鬣に……否、鬣のように、無数の蛇が頭から生えている
尻尾も、まるで長い蛇のようになっていて、そこについている蛇の顔が、ケタケタと笑った
尻尾も、まるで長い蛇のようになっていて、そこについている蛇の顔が、ケタケタと笑った
『---アァ、ソウダ、殺セ!!本能ノママニ暴レマワレ!!!』
-----ぉおおおおおおおおおおん!!!
己に憑いた悪魔の囁きの言葉に答えるように、ダークネスが咆えた
…………片割れよ
そんなものに、お前は惑わされたのか
それが、お前を狂わせたのか
そんなものに、お前は惑わされたのか
それが、お前を狂わせたのか
ならば
我輩が、それを払おう
お前を解放してやろう
我輩が、それを払おう
お前を解放してやろう
それによって、我輩がどうなろうが、知った事ではない
片割れ、お前を救おう
それが、全てを忘れていた我輩を支えてくれた者達の為にも、なるのだから
片割れ、お前を救おう
それが、全てを忘れていた我輩を支えてくれた者達の為にも、なるのだから
to be … ?