「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-55a

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 はらはらと、桜が舞い散る中
 一人のゴスロリ少女が、黒いレース生地の日傘を差してゆっくりと歩いていた
 桜の花びらが散る光景を見つめる表情は、楽しげだ
 ゆっくり、ゆっくりと、少女は花見会場を歩いて行って

 やがて、己を花見に誘ってくれた友人の姿を見つけると
 嬉しそうに、そちらに駆け寄っていった


「望、遅れてすまぬ」
「あぁ、ヘンリエッタ……いえ、遅れて正解よ」
「??」

 望の言葉に、首をかしげるヘンリエッタ
 …まさか、この花見会場で、都市伝説を越える不条理が暴れていたなどと、露ほどにも思わない

「妾がここに辿り着くまでに、何があったかは知らぬが…とりあえず、ここに座っても良いのかの?」
「えぇ、どうぞ」

 大樹が、ヘンリエッタの言葉に答える
 望のことを考えてか、ヘンリエッタは大樹から少し離れた位置に座った
 …少し離れた位置で、赤い靴が契約者に踏まれている様子は、あまり気にしていないようだ

「あ、ヘンリエッタも来たか……っと、望、友美は?」
「あら?…そう言えば、どこに行ったのかしら」

 駆け寄ってきた翼に尋ねられ、首をかしげる望
 そう言えば、化死窪喪血の騒動の後、どこに行ったっけ?

「ま、その内戻ってくるでしょ。それより、どうかしたの?」
「いや、友美に頼まれてたもの、もってきてたから」

 ピラ、と
 翼がポケットから取り出したのは、チケットのようなもの
 あぁ、と望は納得する

「友美が欲しがってた、フェアリー・モートのデザートフェスタのチケットでしょ?…何、わざわざ手に入れてくれたの?」
「バイト先だし、これくらいは手に入るさ。一枚で二人まで入れるから、お前ら四人来れるだろ?」

 学校町内にあるファミリーレストラン「フェアリー・モート」では、季節の変わり目に、新作デザートの試食会を行う
 デザートフェスタと呼ばれるそれのチケットは入手困難といわれており、ネット上で数十万の価値が突いた事すらある代物だ
 それを、あっさり二枚手に入れて、翼はそれを望に手渡してくる

「4人?」
「私と望と、友美とヘンリエッタ。ほら、4人でしょ」

 首を傾げたヘンリエッタに、詩織がさらりと答えた
 ヘンリエッタは、きょとんとしている

「妾も、行っても良いのかの?」
「当たり前でしょ、そのために2枚用意させたんだから……6月だけど、何か、他に外せない用事でもあった?」

 望の、言葉に
 一瞬、俯いたヘンリエッタだったが、すぐに顔をあげて笑う

「いや、問題ないのじゃ!」
「なら、決まりね。4人で行きましょう」
「うむ、楽しみなのじゃ!」

 無邪気に笑うヘンリエッタ





 無邪気に笑い、その不安を隠す




 果たして、その頃
 自分は、まだ生きていられるだろうか?、と





to be … ?


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