マッドガッサーと愉快な仲間たち 03
「しさいさま、さようならー」
「はい、さようなら。気をつけて帰るんですよ」
「はい、さようなら。気をつけて帰るんですよ」
親に手を引かれて、小さな少女が帰っていく
学校町、北区の一角にある小さな、古ぼけた教会
そこに派遣された若き司祭のご近所の評判は上々だった
穏やかな表情に温和な雰囲気
彼は誰からも慕われる存在になるだろうと、近所の住人は信じている
学校町、北区の一角にある小さな、古ぼけた教会
そこに派遣された若き司祭のご近所の評判は上々だった
穏やかな表情に温和な雰囲気
彼は誰からも慕われる存在になるだろうと、近所の住人は信じている
……彼の真実を知らないが為に
「お疲れさーん。大変だな、表の仕事も」
「…来ていたんですか」
「…来ていたんですか」
現れた若者の姿に、司祭はやれやれと言った表情を浮かべた
けたけたと、若者は笑う
けたけたと、若者は笑う
「しっかし、あんたって本当に、姿によって話し方もガラっと変わるんだな」
「姿に相応しい話し方や行動パターンをしないと、あっと言う間に疑われるものですよ」
「姿に相応しい話し方や行動パターンをしないと、あっと言う間に疑われるものですよ」
そう言って、司祭は教会の行動へと入っていく
若者は、その後をついていき…
若者は、その後をついていき…
教会の中に立っていたのは、既に司祭ではなくなっていた
「めんどくせぇけどなぁ、良い子ちゃんのフリしないと、やってけねぇんだよ。ったく、正義面した連中は面倒で仕方ねぇ」
狼男、そんな言葉がピッタリ似合うような、男性と獣が融合した姿をした男
身につけている女物のヴェールが、やや不釣合いだ
マリ・ヴェリテのベート
そう呼ばれる都市伝説の、真の姿である
身につけている女物のヴェールが、やや不釣合いだ
マリ・ヴェリテのベート
そう呼ばれる都市伝説の、真の姿である
「で、何の用だ?『13階段』」
「いや、単にあんたがどんな仕事して人間社会に紛れこんでんのか、見に来ただけだよ」
「学生ってのは暇だなぁ。羨ましいぜぇ?」
「いや、単にあんたがどんな仕事して人間社会に紛れこんでんのか、見に来ただけだよ」
「学生ってのは暇だなぁ。羨ましいぜぇ?」
ヴェールをひらひらさせつつ、マリ・ヴェリテは笑う
一応仲間同士であるこの2人だが、互いの事は知っているようでよく知らない
まぁ、その程度のつながりといえば、その程度のつながりなのだ
一応仲間同士であるこの2人だが、互いの事は知っているようでよく知らない
まぁ、その程度のつながりといえば、その程度のつながりなのだ
「あ、そうそう、聞いたか?マッドガッサーの女体化ガスで、爆乳ねえちゃんができたらしいぞ」
「爆乳?」
「爆乳?」
ほほぅ?
13階段のその言葉に、マリ・ヴェリテは興味を示す
昔から、ありとあらゆる女性を(性的な意味で)食べてきたマリ・ヴェリテ
だが、今のところ…まだ、爆乳といわれるような胸の持ち主相手は、食べた事がない
13階段のその言葉に、マリ・ヴェリテは興味を示す
昔から、ありとあらゆる女性を(性的な意味で)食べてきたマリ・ヴェリテ
だが、今のところ…まだ、爆乳といわれるような胸の持ち主相手は、食べた事がない
「どんな奴なんだ?」
「何か、赤い靴履いた生意気そうな餓鬼の傍にいた異人っぽい都市伝説だってよ」
「異人?……あぁ、異国人、外人って事な」
「異人?……あぁ、異国人、外人って事な」
ようは、自分と似たような場所の出身っぽい奴か、とマリ・ヴェリテは考える
彼は一応、フランス出身だ
彼は一応、フランス出身だ
「面白そうだなぁ……そいつ、見つけたら食っちまってもいいよなぁ?」
「いいんじゃねーの?マッドガッサーは別に初物好きって訳でもないし」
「だよなぁ?ハーレム作りたがってるんだし…どうせなら、開発してやった方が親切だよなぁ?」
「いいんじゃねーの?マッドガッサーは別に初物好きって訳でもないし」
「だよなぁ?ハーレム作りたがってるんだし…どうせなら、開発してやった方が親切だよなぁ?」
神聖な教会で、下衆な話題を和気藹々と話す2人
2人とも、最低である
その点においてはこの2人、完全に気があっている
2人とも、最低である
その点においてはこの2人、完全に気があっている
「あぁ、でも、気をつけろよ。都市伝説は一週間くらいでガスの効果切れるらしいし」
「っち。マッドガッサーも、もうちょいガスが長続きするようにしろよな」
「一応、その方向で修行中らしいぞ」
「っち。マッドガッサーも、もうちょいガスが長続きするようにしろよな」
「一応、その方向で修行中らしいぞ」
どんな修行か、不明ではあるが
…まぁ、いい
男に戻ったら、また女にすればいいのだから
それよりも、爆乳……
…あぁ、楽しみだ
ステンドグラスから差し込む夕日を浴びながら、マリ・ヴェリテはまだ見ぬ獲物に、舌なめずりをしたのだった
男に戻ったら、また女にすればいいのだから
それよりも、爆乳……
…あぁ、楽しみだ
ステンドグラスから差し込む夕日を浴びながら、マリ・ヴェリテはまだ見ぬ獲物に、舌なめずりをしたのだった
to be … ?