~遭遇!マッドガッサー編~
こつこつと静かな夜道に足音が鳴り響く。
歩いているのは二人。高校生くらいの少年と小学生くらいの女の子。
兄妹なのか手をつないで話しながら歩く様は、見ている人がいれば微笑を浮かべたかもしれない。
だが彼らを見ていたのは人ではなかった。そして、微笑みも浮かべてはいない。
歩いているのは二人。高校生くらいの少年と小学生くらいの女の子。
兄妹なのか手をつないで話しながら歩く様は、見ている人がいれば微笑を浮かべたかもしれない。
だが彼らを見ていたのは人ではなかった。そして、微笑みも浮かべてはいない。
二人の後ろの路地から出てきた黒ずくめにガスマスクという奇妙な服装の男は、
「兄妹だかなんだか知らんが、女の子と手をつなぎやがって・・・」
と、ボソッと吐き捨てると
「フリーズ!」
と大声で叫んで二人を呼び止める。驚く二人が立ち止まって振り返るより早く、
ぶしゅううっ!と男の手元から発射されたピンク色のガスが二人を包み込んだ。
「っし!!いまだやれ!」 「任せとき!今度は失敗せんで!!」
ガスマスクの男・・・『マッドガッサー』と同じ路地からポニーテールの女性が出てくる。
ハリセンを構えた彼女は、薄れるガスの中へと飛び込んでいき・・・
「いたっ!?」
「どうした?」
「いや、なんかにぶつかって・・・・・・あ」
頭を抑えていた女性は顔を上げ、それを見た。
「・・・出ましたね、『マッドガッサー』」
「なかなか出てこないから体が冷えてきたぞ・・・」
「なぁ!?」
晴れてきたガスの中から聞こえたのは女と、「男」の声。
「んなバカな!!確かにガスを喰らって・・・」
「そりゃあ見えないですよね、こんなに濃い色のガスじゃ」
完全に晴れたガスの中から出てきたのは先ほどの少女と、深緑のスーツを纏った・・・
「か、『仮面ライダー』やて?そんなんアリかいな・・・」 「チッ、都市伝説と契約者だったか!」
「前半に関してはご名答。つーわけでまぁ、ここいらで・・・往生してくれッ!!」
地面を蹴った『仮面ライダー』が『マッドガッサー』に肉薄し、拳を突き出す。
それを横へ身を投げ出すようにしてギリギリ避けた『マッドガッサー』は体勢を立て直し、
「マリ!!」
『マッドガッサー』が叫ぶと、上から狼が落ちてきた。
「ぬおっ!?」
のけぞる『仮面ライダー』の目の前に着地した狼は『マッドガッサー』を口に咥えて距離をとる。
「ったく。で、俺はどっちを先に相手すればいいんだ?」
家屋の屋根に『マッドガッサー』を降ろした狼が、人のような・・・獣人の姿になって問う。
「とりあえず男の方を抑えろ。ガスを精製する時間が欲しい」
「わーったよ。そんじゃま・・・」
よっ、と一声あげて屋根から獣人が地面に降り立った。
「あー、『マリ・ヴェリテのベート』だったか?確か変身能力を持つ、人食い狼の伝承」
「おう!よく知ってるじゃねえか。だからって手は抜かないけどな!!」
ゴウッと『仮面ライダー』に肉薄した獣人は、その爪で肉を引き裂こうと・・・
「させないよっ!」
ガシリ、と獣人は右腕を掴まれる。掴んでいるのは『仮面ライダー』の目の前に現れた少年。
振り払おうとした左腕も同じように掴まれて、動きを止められる。
「なんだお前」 「ただの悪魔さんです!」 「アクマ!」
今の隙に距離をとった『仮面ライダー』。さっさとそっちへ移ろうと獣人は腕に力を込めて
「んぐっ!!」 「おっと、あぶねぇ・・・」
掴んだ腕を振り払うより先に投げられた。しかし、軽い身のこなしで着地しすぐに体勢を立て直す。
「なかなかやるじゃねぇか、お前「うおぉ!?」・・・ん?」
軽く目を走らせると、路地で待機していた『魔女の一撃』の契約者が飛び出してくるのが見えた。
(なんだ?まるでなんかに追い出されたみてぇ・・・だ、な?)
その路地からまたもやなにかが飛び出し、魔女の契約者へ組みつく。
それは真っ黒な体毛で覆われた大きな犬で、その犬は赤い燃えるような瞳で組みついた相手を睨んでいた。
「チッ!」
あいつもそこそこ腕は立つが、体格に差がありすぎる。そう考えて獣人は走り出す。
こちらに気づいた黒犬は組みついた魔女の契約者を口で放り投げると、こっちを向き口をガバッと開いた。
その口腔が、赤く光ったのを見た獣人は「グッ!?」と地面を蹴って空中に飛び出す。
一瞬遅れて、彼のいた空間を紅蓮の炎が薙いだ。
「あぶねぇあぶねぇ・・・」 「うまく避けましたわね」
屋根に降り立った獣人をギロリと二つの赤い瞳が睨んだ。
「この見た目は伊達じゃあねえってことだ・・・よっと!」
屋根から獣人の姿が消える。
「ッ!どこへ!?」
辺りを見回す黒犬、高く高く跳躍しその背後に移動した狼が喉笛に噛みつこうとし
「危ない!」
さっきの怪力少年が間に割って入って狼の体当たりを受け、
「うわぁ!」 「きゃあっ!?」
吹き飛ばされて石塀に叩きつけられた。
ぐう、とうなってはいるが起き上がらない二体を一瞥し
「こいつらは後回しだ」
獣人は再び屋根へと跳んだ。
「兄妹だかなんだか知らんが、女の子と手をつなぎやがって・・・」
と、ボソッと吐き捨てると
「フリーズ!」
と大声で叫んで二人を呼び止める。驚く二人が立ち止まって振り返るより早く、
ぶしゅううっ!と男の手元から発射されたピンク色のガスが二人を包み込んだ。
「っし!!いまだやれ!」 「任せとき!今度は失敗せんで!!」
ガスマスクの男・・・『マッドガッサー』と同じ路地からポニーテールの女性が出てくる。
ハリセンを構えた彼女は、薄れるガスの中へと飛び込んでいき・・・
「いたっ!?」
「どうした?」
「いや、なんかにぶつかって・・・・・・あ」
頭を抑えていた女性は顔を上げ、それを見た。
「・・・出ましたね、『マッドガッサー』」
「なかなか出てこないから体が冷えてきたぞ・・・」
「なぁ!?」
晴れてきたガスの中から聞こえたのは女と、「男」の声。
「んなバカな!!確かにガスを喰らって・・・」
「そりゃあ見えないですよね、こんなに濃い色のガスじゃ」
完全に晴れたガスの中から出てきたのは先ほどの少女と、深緑のスーツを纏った・・・
「か、『仮面ライダー』やて?そんなんアリかいな・・・」 「チッ、都市伝説と契約者だったか!」
「前半に関してはご名答。つーわけでまぁ、ここいらで・・・往生してくれッ!!」
地面を蹴った『仮面ライダー』が『マッドガッサー』に肉薄し、拳を突き出す。
それを横へ身を投げ出すようにしてギリギリ避けた『マッドガッサー』は体勢を立て直し、
「マリ!!」
『マッドガッサー』が叫ぶと、上から狼が落ちてきた。
「ぬおっ!?」
のけぞる『仮面ライダー』の目の前に着地した狼は『マッドガッサー』を口に咥えて距離をとる。
「ったく。で、俺はどっちを先に相手すればいいんだ?」
家屋の屋根に『マッドガッサー』を降ろした狼が、人のような・・・獣人の姿になって問う。
「とりあえず男の方を抑えろ。ガスを精製する時間が欲しい」
「わーったよ。そんじゃま・・・」
よっ、と一声あげて屋根から獣人が地面に降り立った。
「あー、『マリ・ヴェリテのベート』だったか?確か変身能力を持つ、人食い狼の伝承」
「おう!よく知ってるじゃねえか。だからって手は抜かないけどな!!」
ゴウッと『仮面ライダー』に肉薄した獣人は、その爪で肉を引き裂こうと・・・
「させないよっ!」
ガシリ、と獣人は右腕を掴まれる。掴んでいるのは『仮面ライダー』の目の前に現れた少年。
振り払おうとした左腕も同じように掴まれて、動きを止められる。
「なんだお前」 「ただの悪魔さんです!」 「アクマ!」
今の隙に距離をとった『仮面ライダー』。さっさとそっちへ移ろうと獣人は腕に力を込めて
「んぐっ!!」 「おっと、あぶねぇ・・・」
掴んだ腕を振り払うより先に投げられた。しかし、軽い身のこなしで着地しすぐに体勢を立て直す。
「なかなかやるじゃねぇか、お前「うおぉ!?」・・・ん?」
軽く目を走らせると、路地で待機していた『魔女の一撃』の契約者が飛び出してくるのが見えた。
(なんだ?まるでなんかに追い出されたみてぇ・・・だ、な?)
その路地からまたもやなにかが飛び出し、魔女の契約者へ組みつく。
それは真っ黒な体毛で覆われた大きな犬で、その犬は赤い燃えるような瞳で組みついた相手を睨んでいた。
「チッ!」
あいつもそこそこ腕は立つが、体格に差がありすぎる。そう考えて獣人は走り出す。
こちらに気づいた黒犬は組みついた魔女の契約者を口で放り投げると、こっちを向き口をガバッと開いた。
その口腔が、赤く光ったのを見た獣人は「グッ!?」と地面を蹴って空中に飛び出す。
一瞬遅れて、彼のいた空間を紅蓮の炎が薙いだ。
「あぶねぇあぶねぇ・・・」 「うまく避けましたわね」
屋根に降り立った獣人をギロリと二つの赤い瞳が睨んだ。
「この見た目は伊達じゃあねえってことだ・・・よっと!」
屋根から獣人の姿が消える。
「ッ!どこへ!?」
辺りを見回す黒犬、高く高く跳躍しその背後に移動した狼が喉笛に噛みつこうとし
「危ない!」
さっきの怪力少年が間に割って入って狼の体当たりを受け、
「うわぁ!」 「きゃあっ!?」
吹き飛ばされて石塀に叩きつけられた。
ぐう、とうなってはいるが起き上がらない二体を一瞥し
「こいつらは後回しだ」
獣人は再び屋根へと跳んだ。
*
激しい戦闘の行われている道の片隅で、ポニーテールの女性は女の子の足元に転がっていた。
「つ、強いやないの。この子・・・」
「私も一応、都市伝説ですから」
ぎゅーっと結び目を引っ張って固さを確かめていた女の子が、女性のつぶやきに答える。
「せやけど、あかんで!若い女の子がこんな縛り方覚えちゃ!!」
「若いって言ってますけど、私あなたより年上ですよ?精神年齢的には」
「それはウチが子供っぽいっちゅーことかぁあああ!!」
亀甲縛りをされたままゴロゴロ転がって喚く女性の横に、コトンと何かが落ちる。
「・・・携帯電話?」 「ハッ!ちょっと、ウチの状況ちゃんと分かって(カッ
一瞬画面が光ったかと思うと、ドカーン!と携帯電話が爆発する。
女の子がパッと片手を前に出すと、透明な膜のようなものが爆発を遮った。
「くけけけ・・・それで、ガスを防いだのか・・・・・・」
「ちょ、アンタ!少しはウチの心配もせんかぁー!!死ぬかと思ったわ!!」
「でも、今・・・死んでないんだ、別に・・・いいだろ?」
「そういう問題ちゃうわー!!」
今の爆発で縄が焼き切れたのか、女性が立ち上がる。
服に焼け焦げがついてたり、縛っていたゴムが外れて髪が乱れていたりする・・・ちょっと惨めな姿で。
「・・・・・・」
「なんやその目は!」
「いや、その・・・・・・・・・なんでもないです」
「なに言おうとしたん!?隠さなきゃならないようなことやったの!!?」
「いえ、縄がもったいなかったなーって」
「ウチのことやないんかーい!!!」
もうあかん、と女性が懐に手を入れる。
「こうなったらウチのハリセンであんたのことバシィッ!って叩いて・・・あああ!?あかん!!」
「どう、した・・・?」
「ハリセンがボロボロになっとる!!」
おそらくさっきの爆発のせいだろう、紙でできたハリセンは見事なまでにボロボロだった。
「くけけ、なら俺の能力で・・・」
男が女の子に携帯電話を投げつける。が、
「えいっ」
女の子が手を突き出すとまたもや光の膜ができて、携帯電話はそれにコツンと弾かれる。
そして携帯電話はカラカラと女性の足元へ。
「また!?またウチなん!?冗談やない!早く逃げ「無理だ・・・」 え?」
ちょいちょい、と男が後ろを指差すとそこには光の膜。
あわてて周囲を見渡すが、既に二人は光の膜によって狭い空間に閉じ込められてしまっていた。
そして足元には、画面が光り始めた携帯電話。
「ちょ!?これなんとかできへんの!!」
「無理、上も塞がれたし・・・くけけけ、万策尽きた」
「ち、ちくしょー!ウチは、ウチはこんなところでくじけたりはせえへんからなあー!!!」
女性が叫んだ直後、転がっていた携帯電話の画面がカッと強く光り、ドォン!と光の膜の中で爆発した。
「・・・ま、死にはしないと思いますが」
能力を解いて、二人の様子を確認しようと歩き出す。
すると、目の前の爆煙の中から一人の男が飛び出してきた。
「っらぁ!!」 「うっ!?」
喉元目掛けて迫る両腕を、かろうじて能力で弾く。しかし、衝撃を抑えきれず地面に尻餅ついてしまう。
(しまっ!?) 「もらったぁ!!」
男の腕がもう一度女の子へ迫り・・・
「はい、そこまで」
その腕は、女の子が後方へ引っ張られて移動したことにより空振りした。
「ごめんねー妹ちゃん。肉まんが思いのほか熱くて」
「肉まんなんか買ってたんですか、どうりで遅いと・・・」
妹ちゃんと呼ばれた女の子の襟を掴んで持ち上げている少女を、男は油断なく睨みつけた。
「ん?なになにやる気?まぁ元々こっちもやる気だったんだけどさ」
女の子を降ろして、少女が軽く拳を握る。
「それじゃ遠慮なくやるからね・・・せいやッ!!」
一瞬で距離を詰めた少女が男にローリングソバットを仕掛ける。
普通ならば反応できない一撃、しかし
「遅い!」
男はその一撃を避け、彼女の後ろを取る。そして反撃しようと・・・
「なんの!」 「・・・む!?」
後ろから聞こえた声、さらに背後を取られたことによって男の何かが切れた。
(アイツに勝つまで・・・・・・それまで負けるわけにはいかねぇ!!)
「遅い!!」
再び背後を取り直す、当然少女も
「なんの!」
そこからは、お互いの意地の張り合いだった。
「遅い!!」 「なんの!」 「遅い!!」 「なんの!」 「遅い!」 「なんの!」 「遅い!!!」 「なんの!!」
「なにやってるんですかっ!!」
背後の取り合いで徐々に移動していく二人、しかし男には勝算があった。
(・・・よし、いまだ!) 「キヒヒッ!」
移動する先に己の契約する『魔女の一撃』を待ち伏せさせておいたのだ。
だが、その能力が発動する前に
「やっ!」
少女が飛び跳ねて大きく位置をずらす。発動の瞬間に目標を見失えば確かに能力は使えない、だが
「避けるだろう事は、読んでいたさ。やってくれ!!」
ぶしゅううっ!っと屋根の上から少女に向けてピンク色のガスが発射される。
「よし!今度こそ直撃したぞ!!」
屋根の上で『マッドガッサー』はガッツポーズを決めた。
あの光の膜を使う女の子も、離れた位置から急にはあれを展開できまい・・・
そう思ってはいたが、案の定彼女は今のガスから少女を守ることはできなかったようだ。
「これであの少女もエロエロに・・・って、んん?」
おかしい・・・なんだか、ガスが晴れるのがいつもより早いような・・・・・・
「あー、俺がいることを忘れてもらったら悲しいんだが」 「げぇ!『仮面ライダー』!!」
ちょうど『マッドガッサー』と少女の間の位置で『仮面ライダー』が立っていた。
ピンク色のガスは、その頭についた二枚の板状の突起の方へ急激に吸い寄せられている。
だが顔のすぐ近くでガスを吸い取った『仮面ライダー』と違い、少女は少量ながらガスを吸っているようだ。
「・・・ごめん、ちょっと吸っちゃった」 「気合でなんとかできるだろ、お前なら」 「・・・うん、私頑張ってみるね」
少女を地面に座らせ、『仮面ライダー』は少女と戦っていた男に相対した。
「・・・いくぞ」 「ああ、こいよ!」
『仮面ライダー』が地面を蹴って男に向かって走り出し・・・
「おまえら、俺のこと忘れてねえかぁ!?」
そう言いながら『マッドガッサー』とは反対の屋根から、獣人が跳んだ。
その先には・・・座り込んだ少女。
「しまった!?」
「ひゃっはぁー!女の肉!!いっただっきまー
「つ、強いやないの。この子・・・」
「私も一応、都市伝説ですから」
ぎゅーっと結び目を引っ張って固さを確かめていた女の子が、女性のつぶやきに答える。
「せやけど、あかんで!若い女の子がこんな縛り方覚えちゃ!!」
「若いって言ってますけど、私あなたより年上ですよ?精神年齢的には」
「それはウチが子供っぽいっちゅーことかぁあああ!!」
亀甲縛りをされたままゴロゴロ転がって喚く女性の横に、コトンと何かが落ちる。
「・・・携帯電話?」 「ハッ!ちょっと、ウチの状況ちゃんと分かって(カッ
一瞬画面が光ったかと思うと、ドカーン!と携帯電話が爆発する。
女の子がパッと片手を前に出すと、透明な膜のようなものが爆発を遮った。
「くけけけ・・・それで、ガスを防いだのか・・・・・・」
「ちょ、アンタ!少しはウチの心配もせんかぁー!!死ぬかと思ったわ!!」
「でも、今・・・死んでないんだ、別に・・・いいだろ?」
「そういう問題ちゃうわー!!」
今の爆発で縄が焼き切れたのか、女性が立ち上がる。
服に焼け焦げがついてたり、縛っていたゴムが外れて髪が乱れていたりする・・・ちょっと惨めな姿で。
「・・・・・・」
「なんやその目は!」
「いや、その・・・・・・・・・なんでもないです」
「なに言おうとしたん!?隠さなきゃならないようなことやったの!!?」
「いえ、縄がもったいなかったなーって」
「ウチのことやないんかーい!!!」
もうあかん、と女性が懐に手を入れる。
「こうなったらウチのハリセンであんたのことバシィッ!って叩いて・・・あああ!?あかん!!」
「どう、した・・・?」
「ハリセンがボロボロになっとる!!」
おそらくさっきの爆発のせいだろう、紙でできたハリセンは見事なまでにボロボロだった。
「くけけ、なら俺の能力で・・・」
男が女の子に携帯電話を投げつける。が、
「えいっ」
女の子が手を突き出すとまたもや光の膜ができて、携帯電話はそれにコツンと弾かれる。
そして携帯電話はカラカラと女性の足元へ。
「また!?またウチなん!?冗談やない!早く逃げ「無理だ・・・」 え?」
ちょいちょい、と男が後ろを指差すとそこには光の膜。
あわてて周囲を見渡すが、既に二人は光の膜によって狭い空間に閉じ込められてしまっていた。
そして足元には、画面が光り始めた携帯電話。
「ちょ!?これなんとかできへんの!!」
「無理、上も塞がれたし・・・くけけけ、万策尽きた」
「ち、ちくしょー!ウチは、ウチはこんなところでくじけたりはせえへんからなあー!!!」
女性が叫んだ直後、転がっていた携帯電話の画面がカッと強く光り、ドォン!と光の膜の中で爆発した。
「・・・ま、死にはしないと思いますが」
能力を解いて、二人の様子を確認しようと歩き出す。
すると、目の前の爆煙の中から一人の男が飛び出してきた。
「っらぁ!!」 「うっ!?」
喉元目掛けて迫る両腕を、かろうじて能力で弾く。しかし、衝撃を抑えきれず地面に尻餅ついてしまう。
(しまっ!?) 「もらったぁ!!」
男の腕がもう一度女の子へ迫り・・・
「はい、そこまで」
その腕は、女の子が後方へ引っ張られて移動したことにより空振りした。
「ごめんねー妹ちゃん。肉まんが思いのほか熱くて」
「肉まんなんか買ってたんですか、どうりで遅いと・・・」
妹ちゃんと呼ばれた女の子の襟を掴んで持ち上げている少女を、男は油断なく睨みつけた。
「ん?なになにやる気?まぁ元々こっちもやる気だったんだけどさ」
女の子を降ろして、少女が軽く拳を握る。
「それじゃ遠慮なくやるからね・・・せいやッ!!」
一瞬で距離を詰めた少女が男にローリングソバットを仕掛ける。
普通ならば反応できない一撃、しかし
「遅い!」
男はその一撃を避け、彼女の後ろを取る。そして反撃しようと・・・
「なんの!」 「・・・む!?」
後ろから聞こえた声、さらに背後を取られたことによって男の何かが切れた。
(アイツに勝つまで・・・・・・それまで負けるわけにはいかねぇ!!)
「遅い!!」
再び背後を取り直す、当然少女も
「なんの!」
そこからは、お互いの意地の張り合いだった。
「遅い!!」 「なんの!」 「遅い!!」 「なんの!」 「遅い!」 「なんの!」 「遅い!!!」 「なんの!!」
「なにやってるんですかっ!!」
背後の取り合いで徐々に移動していく二人、しかし男には勝算があった。
(・・・よし、いまだ!) 「キヒヒッ!」
移動する先に己の契約する『魔女の一撃』を待ち伏せさせておいたのだ。
だが、その能力が発動する前に
「やっ!」
少女が飛び跳ねて大きく位置をずらす。発動の瞬間に目標を見失えば確かに能力は使えない、だが
「避けるだろう事は、読んでいたさ。やってくれ!!」
ぶしゅううっ!っと屋根の上から少女に向けてピンク色のガスが発射される。
「よし!今度こそ直撃したぞ!!」
屋根の上で『マッドガッサー』はガッツポーズを決めた。
あの光の膜を使う女の子も、離れた位置から急にはあれを展開できまい・・・
そう思ってはいたが、案の定彼女は今のガスから少女を守ることはできなかったようだ。
「これであの少女もエロエロに・・・って、んん?」
おかしい・・・なんだか、ガスが晴れるのがいつもより早いような・・・・・・
「あー、俺がいることを忘れてもらったら悲しいんだが」 「げぇ!『仮面ライダー』!!」
ちょうど『マッドガッサー』と少女の間の位置で『仮面ライダー』が立っていた。
ピンク色のガスは、その頭についた二枚の板状の突起の方へ急激に吸い寄せられている。
だが顔のすぐ近くでガスを吸い取った『仮面ライダー』と違い、少女は少量ながらガスを吸っているようだ。
「・・・ごめん、ちょっと吸っちゃった」 「気合でなんとかできるだろ、お前なら」 「・・・うん、私頑張ってみるね」
少女を地面に座らせ、『仮面ライダー』は少女と戦っていた男に相対した。
「・・・いくぞ」 「ああ、こいよ!」
『仮面ライダー』が地面を蹴って男に向かって走り出し・・・
「おまえら、俺のこと忘れてねえかぁ!?」
そう言いながら『マッドガッサー』とは反対の屋根から、獣人が跳んだ。
その先には・・・座り込んだ少女。
「しまった!?」
「ひゃっはぁー!女の肉!!いっただっきまー
「あらあらダメですよ、食べたりしちゃ」
・・・あ? ん!うぐ、がァアアアアアアアアア!!?」
宙を舞っていた獣人が、突然地面に叩きつけられた。
さらに、まるで巨大な手で押さえつけられるかのように獣人の周りの地面まで何かで押しつぶされていた。
「マリ!?」
困惑した『マッドガッサー』は声のした方向・・・空を見上げ、それを見た。
「困ります。ただでさえ迷惑しているのに、さらに人殺しだなんて・・・」
宙に浮かぶ若い女性。月の光を受けたその体はどこか神々しく・・・そして半透明であった。
「幽霊系の都市伝説か!?」 「「盟主さん!」」
盟主と呼ばれた都市伝説が微笑む。
「あなた方のおかげで随分と困ったことになっていまして」
スッと彼女が右手を挙げると、その手からバチバチィと紫電が漏れた。
「それで、このままだと一般市民にも多大な影響が出ると思うんです」
彼女の右手の上で、紫電が球状に形成されていく。
「ですから、これ以上の被害が出る前に・・・・・・」
大玉のスイカくらいになったその電気の球から、
「消えてくださいね」
ズドォオン!と、雷が落ちた。
「マリ!!」
「ウァアアアアアアアアア!!」
獣人が力の限り身をよじった。さらに、その体が急に縮んだかと思うと、可愛らしい幼女になった。
「―― ッ!!」
かろうじて雷の直撃を避けたものの、余波で吹き飛ばされた小さな体を魔女とその契約者が受け止める。
「・・・く、くそ!戦略的撤退だ!!」
「逃がすと思います?」
屋根から飛び降りて仲間と逃げようとした『マッドガッサー』の横を稲妻が走りぬけた。
「・・・・・・ぐ」
いつの間にか彼らの仲間が復活している。普通に逃げても無駄・・・捕まって殺される!
「さぁ逃げるなんて諦めて、おとなしく往生してください」
「くそっ・・・・・・こ、この手だけは絶対に絶対に使いたくなかったが・・・やむをえんっ!」
『マッドガッサー』は彼らの方を向くと自らのガスマスクに手をかけた。そして、
「お前ら!この顔が目に入らねえかぁ!!」
バッとガスマスクを取って素顔をさらけ出した。
宙を舞っていた獣人が、突然地面に叩きつけられた。
さらに、まるで巨大な手で押さえつけられるかのように獣人の周りの地面まで何かで押しつぶされていた。
「マリ!?」
困惑した『マッドガッサー』は声のした方向・・・空を見上げ、それを見た。
「困ります。ただでさえ迷惑しているのに、さらに人殺しだなんて・・・」
宙に浮かぶ若い女性。月の光を受けたその体はどこか神々しく・・・そして半透明であった。
「幽霊系の都市伝説か!?」 「「盟主さん!」」
盟主と呼ばれた都市伝説が微笑む。
「あなた方のおかげで随分と困ったことになっていまして」
スッと彼女が右手を挙げると、その手からバチバチィと紫電が漏れた。
「それで、このままだと一般市民にも多大な影響が出ると思うんです」
彼女の右手の上で、紫電が球状に形成されていく。
「ですから、これ以上の被害が出る前に・・・・・・」
大玉のスイカくらいになったその電気の球から、
「消えてくださいね」
ズドォオン!と、雷が落ちた。
「マリ!!」
「ウァアアアアアアアアア!!」
獣人が力の限り身をよじった。さらに、その体が急に縮んだかと思うと、可愛らしい幼女になった。
「―― ッ!!」
かろうじて雷の直撃を避けたものの、余波で吹き飛ばされた小さな体を魔女とその契約者が受け止める。
「・・・く、くそ!戦略的撤退だ!!」
「逃がすと思います?」
屋根から飛び降りて仲間と逃げようとした『マッドガッサー』の横を稲妻が走りぬけた。
「・・・・・・ぐ」
いつの間にか彼らの仲間が復活している。普通に逃げても無駄・・・捕まって殺される!
「さぁ逃げるなんて諦めて、おとなしく往生してください」
「くそっ・・・・・・こ、この手だけは絶対に絶対に使いたくなかったが・・・やむをえんっ!」
『マッドガッサー』は彼らの方を向くと自らのガスマスクに手をかけた。そして、
「お前ら!この顔が目に入らねえかぁ!!」
バッとガスマスクを取って素顔をさらけ出した。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
(・・・・・・ダメか!?)
長い沈黙にあせる『マッドガッサー』。しかし、その沈黙は
「・・・・・・・・・くく」
怪力少年の笑い声を境に終わりを迎えた。
「あーっはっはっはっはっはっは!!!」
「・・・ちょ、それ・・・その顔はないわ・・・あはははははは!!!」
「・・・・・・ひくっ!・・・ひぃっく!!・・・くくくく」
(あぁ・・・今すぐベッドに潜って泣きたい)
予想はしていた。だが、それでもやっぱり凹むものは凹む。
「・・・ん?」
最初に目を付けた二人だけ、反応が違っていた。
犬の反応がないのはまだいい、人間の顔のことなんてよくわかんないだろうし。
ただ、二人の・・・・・・この、複雑そうな表情はなんだ。
「・・・・・・あの」
やがて、女の子の方がおずおずと口を開いた。
「こ、こんなことを言うのはすごく・・・・・・失礼かもしれないんですが」
「まぁ、その・・・なんだ。えーっとだな・・・・・・ご」
「ご?」
「「ご愁傷様です」」
「・・・ちくしょぉおおおおおおおおおお!!!」
ガスマスクを付け直しながら叫び、ガスを噴射する。
すぐに光の膜が張られるが問題ない、これの目的は目くらましだ。
全力で、走る。殺されないために、『マッドガッサー』は走る。
別に自分の顔を赤の他人に見せて大笑いされたのに空しさを感じたり、
さらに別の人から憐れまれたことにつらさを感じたりしてその場から逃げ出しているわけでは、ない!
そう、私は・・・・・・輝く明日へと向かって走っているのだ!輝かしい、ハーレムへの道のりを!!
というかそうでも思わないと、無事にアジトへたどり着けそうになかった。
長い沈黙にあせる『マッドガッサー』。しかし、その沈黙は
「・・・・・・・・・くく」
怪力少年の笑い声を境に終わりを迎えた。
「あーっはっはっはっはっはっは!!!」
「・・・ちょ、それ・・・その顔はないわ・・・あはははははは!!!」
「・・・・・・ひくっ!・・・ひぃっく!!・・・くくくく」
(あぁ・・・今すぐベッドに潜って泣きたい)
予想はしていた。だが、それでもやっぱり凹むものは凹む。
「・・・ん?」
最初に目を付けた二人だけ、反応が違っていた。
犬の反応がないのはまだいい、人間の顔のことなんてよくわかんないだろうし。
ただ、二人の・・・・・・この、複雑そうな表情はなんだ。
「・・・・・・あの」
やがて、女の子の方がおずおずと口を開いた。
「こ、こんなことを言うのはすごく・・・・・・失礼かもしれないんですが」
「まぁ、その・・・なんだ。えーっとだな・・・・・・ご」
「ご?」
「「ご愁傷様です」」
「・・・ちくしょぉおおおおおおおおおお!!!」
ガスマスクを付け直しながら叫び、ガスを噴射する。
すぐに光の膜が張られるが問題ない、これの目的は目くらましだ。
全力で、走る。殺されないために、『マッドガッサー』は走る。
別に自分の顔を赤の他人に見せて大笑いされたのに空しさを感じたり、
さらに別の人から憐れまれたことにつらさを感じたりしてその場から逃げ出しているわけでは、ない!
そう、私は・・・・・・輝く明日へと向かって走っているのだ!輝かしい、ハーレムへの道のりを!!
というかそうでも思わないと、無事にアジトへたどり着けそうになかった。
「くっ・・・ひっく!・・・・・・くくく!!」バチン! 「盟主さん!笑いながらプラズマ出さないでください!」 ~閉幕~