「た、ただ今戻りました~」
金が仕入れから戻ってきたようだ。本来はノミ沢が仕入れ担当の日なのだが…
金が仕入れから戻ってきたようだ。本来はノミ沢が仕入れ担当の日なのだが…
奴は宴会から一週間、眠り続けている。…いや、別に死んでるわけじゃないぞ?
あいつは酒を飲んだ後は大体そうなのだ。酒の勢いで体を巨大化させてしまうので、体の負担が半端なく大きい。それゆえ一週間ほど爆睡してしまうのだ。
てな訳で今日は代わりに金に仕入れに行ってもらったのだ。
てな訳で今日は代わりに金に仕入れに行ってもらったのだ。
「おーう、お帰り金……え…?金…?」
勝手口に立っていた「それ」は、金ではなかった。
いや、外見が二ノ宮金次郎ではなくなっていた、というのが正しいだろう。
今勝手口に立っていて大量の材料を持っているものは…石像などではない。
今勝手口に立っていて大量の材料を持っているものは…石像などではない。
まるで…精巧な美少女のフィギュア。
「……どうも、あれに遭遇してしまったみたいで…」
遡ること数十分前…
「全く…ノミさんは酒が入るといつもああなんだから…ブツブツ」
材料の購入を終えレストランへと戻る金さん。どうやらノミ沢に対する愚痴を言っているようである。
材料の購入を終えレストランへと戻る金さん。どうやらノミ沢に対する愚痴を言っているようである。
そのせいか、前方不注意だったようで…
彼の進行方向を遮るように、二人。一人は女子。もう一人は……全身黒ずくめにガスマスク、という珍妙な格好。
「…まさか」
先日、新入り君が言っていたあの、マッドガッサーとか言う奴ではなかろうか…
先日、新入り君が言っていたあの、マッドガッサーとか言う奴ではなかろうか…
次の瞬間には、謎のピンク色のアレなガスが、金さんの周りに漂っていた。
「よっしゃ、不意打ち成kおぶちぃ!?」マッドガッサーのガスマスクに、金さんの放った石製の薪がクリーンヒットする。
このまま女子のほうも…そう思った金さんだったが…
このまま女子のほうも…そう思った金さんだったが…
不意に、彼を強烈なめまいが襲った。
「…くっ…これが、ガスの力…?私は…息などしていないはずですが…」バタッ
「…くっ…これが、ガスの力…?私は…息などしていないはずですが…」バタッ
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「ガッサーはん、大丈夫でっか?」「…あぁ、何とか…」
吹っ飛ばされ戻ってきたマッドガッサーに関西弁の女が話しかける。
「よし、じゃあ後はコイツの記憶を失わせて…」「よっしゃ、任しとき!…あぁ!?」
女が叫ぶ。「ん?どうした?」
吹っ飛ばされ戻ってきたマッドガッサーに関西弁の女が話しかける。
「よし、じゃあ後はコイツの記憶を失わせて…」「よっしゃ、任しとき!…あぁ!?」
女が叫ぶ。「ん?どうした?」
「コイツ…石頭やん!衝撃与えられへんやん!」
先ほどガスを吸わせ倒れた奴は、体の一部が変化し始めているものの、頭部は完全な石の状態のままであった。
「何だと!?コイツ石像だったのか!?…ならばスパニッシュフライでエロエロな状態に!」
そういってマッドガッサーが取り出した黒い蝿を石像の口のほうへ…
「何だと!?コイツ石像だったのか!?…ならばスパニッシュフライでエロエロな状態に!」
そういってマッドガッサーが取り出した黒い蝿を石像の口のほうへ…
「…あ、コイツ口開かねぇ…」
「だぁぁぁぁ!こんなところで欠点がぁぁぁ!」「アカン!こいつそろそろ目ェ覚ますで!」
「仕方が無い、ここはいったんずらかるぜ!」
諦めた二人は、恐ろしいまでの逃げ足の速さで石像の前から姿を消した。
「仕方が無い、ここはいったんずらかるぜ!」
諦めた二人は、恐ろしいまでの逃げ足の速さで石像の前から姿を消した。
そして時は戻る…!
「クハハハハハハ!」「わ、笑い事じゃありませーん!」
店長の高らかな笑い声と、金さんであるフィギュアの叫び声がレストラン中に響く。
「いや、だって、なぁ…こっちゃん」「…まさか…無機物にまで効くなんて…プププ」「副店長まで!?」
「まぁ落ち着け。今から爺さんの知り合いの何でも屋に治す薬があるか聞いてみるから」
店長の高らかな笑い声と、金さんであるフィギュアの叫び声がレストラン中に響く。
「いや、だって、なぁ…こっちゃん」「…まさか…無機物にまで効くなんて…プププ」「副店長まで!?」
「まぁ落ち着け。今から爺さんの知り合いの何でも屋に治す薬があるか聞いてみるから」
「あ、もしもし。店長だ…あぁ……そう、無機物……厳しいな…あぁ…おk、了解した」ピッ
「効く薬があるかどうかわからんが、とりあえずこっちに来てみるそうだ、何でも屋」
「…そもそも、飲み薬は飲めないし…ね」「…一体、どんな方がいらっしゃるので「ごめんくださいな~」
「…そもそも、飲み薬は飲めないし…ね」「…一体、どんな方がいらっしゃるので「ごめんくださいな~」
…どうやらきたようだ。「はいは~い、今開けますぜ~」店長が戸をあけると…
そこに立っていたのは、髪の毛が地面に着くまでに長く生えた…仙人のようなお婆さんだった。
「むぅ…流石に無機物の女体化に効く薬はそうないねぇ…」
『ロン毛ババア』と名乗る老婆はベビーカーにぶら下げてある大量のビニル袋をごそごそとあさる。
「やっぱり、厳しいか?飲み薬は無理だし…効くもんといったら塗り薬とかその辺だろ?」
「蝦蟇の油はおそらく効かんじゃろうし…マンドラゴラも飲み薬としての効能がほとんどじゃしなぁ…」
ビニル袋からおぞましい容姿の野菜…?が少し見えた…どこから仕入れてくるのだろう、あんなもの…
「やっぱり、厳しいか?飲み薬は無理だし…効くもんといったら塗り薬とかその辺だろ?」
「蝦蟇の油はおそらく効かんじゃろうし…マンドラゴラも飲み薬としての効能がほとんどじゃしなぁ…」
ビニル袋からおぞましい容姿の野菜…?が少し見えた…どこから仕入れてくるのだろう、あんなもの…
「駄目じゃ、効きそうなものが無い」ビニル袋の中を一通り捜し終えた婆さんが俺たちに言う。
「まぁ自然治癒を待つしかないじゃろうな。幸い都市伝説ならば一週間もすれば元に戻るという話じゃ」
「と、言うことは…一週間このまま…ですと…?」
「まぁ自然治癒を待つしかないじゃろうな。幸い都市伝説ならば一週間もすれば元に戻るという話じゃ」
「と、言うことは…一週間このまま…ですと…?」
……しばらく、厨房からは出られないな…
そう思う金さんであった…
終わり
「…なぁ、この状態で接客に回したら客寄せになるんじゃね?」「…ビッグアイデア」
「!?」
「!?」
…終わりったら終わり。