マッドガッサーと愉快な仲間たち 19
教会の中に持ち込まれている冷蔵庫は、かなり大きい
マリ・ヴェリテが大食漢なせいもあるが、何人かで共同で生活しているのだ、当たり前だろう
元々学校町に住んでいた「爆発する携帯電話」の契約者や「13階段」の契約者は学校町に住居があるが、隣町から来た「魔女の一撃」の契約者などは、こちらで新たに住居を借りる盾間を省く為にも教会で共同生活をしているのだ
…まぁ、そんな事情はさておき、冷蔵庫はかなり大きく、常に食材なり飲み物なりが用意されている
「爆発する携帯電話」の契約者は、何気なく冷蔵庫を開けてペットボトルを一本取り出す
中身をコップに注ぎ、それを飲み干した訳だが……そのペットボトルに、何やら黒のマジックで注意書きが書かれていた事に
さっぱりと、気付いた様子はなかった
マリ・ヴェリテが大食漢なせいもあるが、何人かで共同で生活しているのだ、当たり前だろう
元々学校町に住んでいた「爆発する携帯電話」の契約者や「13階段」の契約者は学校町に住居があるが、隣町から来た「魔女の一撃」の契約者などは、こちらで新たに住居を借りる盾間を省く為にも教会で共同生活をしているのだ
…まぁ、そんな事情はさておき、冷蔵庫はかなり大きく、常に食材なり飲み物なりが用意されている
「爆発する携帯電話」の契約者は、何気なく冷蔵庫を開けてペットボトルを一本取り出す
中身をコップに注ぎ、それを飲み干した訳だが……そのペットボトルに、何やら黒のマジックで注意書きが書かれていた事に
さっぱりと、気付いた様子はなかった
えー………
「爆発する携帯電話」がキッチンに行ったきり戻ってこねぇなー、と思って様子を見に行った訳だが
何、この据え膳状態、どこのエロ神様のくれたチャンス?
…って、そうじゃねぇえええええっ!?
「爆発する携帯電話」がキッチンに行ったきり戻ってこねぇなー、と思って様子を見に行った訳だが
何、この据え膳状態、どこのエロ神様のくれたチャンス?
…って、そうじゃねぇえええええっ!?
「魔女の一撃っ!?お前、媚薬の類をペットボトルに入れて冷蔵庫に入れるのは危険だって前にも言ったろっ!?」
「あらぁ?今度は携帯の子が飲んだのぉ?…ひっひっひ、だって、棚に入りきらないし、ペットボトルに入れた方が便利なんですもの」
「あらぁ?今度は携帯の子が飲んだのぉ?…ひっひっひ、だって、棚に入りきらないし、ペットボトルに入れた方が便利なんですもの」
確かに便利さは認めるがな!
昔ながらの瓶に入れてたんじゃ、持ち運びにくいだろうよっ!
昔ながらの瓶に入れてたんじゃ、持ち運びにくいだろうよっ!
「………熱い……くけっ」
ぎゅう、と
「爆発する携帯電話」の契約者が、服の端を握ってくる
頼むからその潤んだ瞳で見あげてくるのをやめてくれなさい
こっちの理性ゲージギリギリだから!!アウト寸前だからっ!!
「爆発する携帯電話」の契約者が、服の端を握ってくる
頼むからその潤んだ瞳で見あげてくるのをやめてくれなさい
こっちの理性ゲージギリギリだから!!アウト寸前だからっ!!
「ま、まぁ、とりあえず、キスで効果は解けるんでしょ?」
「ひっひっひ、まぁ、そうね。魔女の魔法はキスで解ける。もっとも、魔女自身のキスじゃあ解けないけどね。ひひひっ」
「ひっひっひ、まぁ、そうね。魔女の魔法はキスで解ける。もっとも、魔女自身のキスじゃあ解けないけどね。ひひひっ」
…まぁ、どちらにせよ
キスをすれば直る事に変わりはない
……ただ
それはいいのだが
キスをすれば直る事に変わりはない
……ただ
それはいいのだが
「…お前、キスの経験は?」
「くけっ?……ミケ、とか、タマ、とか、シロとか……ぴょん子やぴー子となら」
「ようは人間とはないってことか」
「くけっ?……ミケ、とか、タマ、とか、シロとか……ぴょん子やぴー子となら」
「ようは人間とはないってことか」
13階段が突っ込む
ようは、そう言う事なのだろう
…って、待て待て待て
ヘタしたら解除の為のキスがファーストキスかこいつっ!?
それは、ちょっと気の毒なような気も!?
ようは、そう言う事なのだろう
…って、待て待て待て
ヘタしたら解除の為のキスがファーストキスかこいつっ!?
それは、ちょっと気の毒なような気も!?
「…?マッド…?」
じぃ、と
こちらを見あげ続けてきている「爆発する携帯電話」
OK、とにかく落ち着けよ、俺
相手は仲間だ落ちつけ俺
こちらを見あげ続けてきている「爆発する携帯電話」
OK、とにかく落ち着けよ、俺
相手は仲間だ落ちつけ俺
「…とにかく、解除させないと駄目だろ、本人の為にも。魔女の一撃は、後で俺がしばいておくから」
「ひっひっひ、主、お手柔らかにねぇ?」
「ひっひっひ、主、お手柔らかにねぇ?」
ため息をつく魔女の一撃の契約者
「爆発する携帯電話」の契約者に近づき、その顎をとって…
「爆発する携帯電話」の契約者に近づき、その顎をとって…
……って
「っちょ、待て!」
「どうした?」
「どうしたじゃねぇっ!?何ためらいもなく実行しようとしてるかっ!?」
「どうした?」
「どうしたじゃねぇっ!?何ためらいもなく実行しようとしてるかっ!?」
何の躊躇いもなくキスしようとするなっ!?
いや、それで解除できるんだけどっ!?
いや、それで解除できるんだけどっ!?
「別に、深いキスじゃなきゃ駄目って訳じゃないんだし。これくらい問題ないだろ。それくらい、俺は小学生の頃に済ませたぞ」
「このリア充めっ!?」
「俺は中学の時」
「俺は生まれた直後だったなぁ?」
「このリア充共めっ!?」
「このリア充めっ!?」
「俺は中学の時」
「俺は生まれた直後だったなぁ?」
「このリア充共めっ!?」
マリはまた別としてリア充二人めっ!?
わりと羨ましいぞ畜生めがっ!!
わりと羨ましいぞ畜生めがっ!!
「で、俺がするのを止めて、お前がやるのか?」
「う、いや、それは」
「う、いや、それは」
さて、相手は元男
それはいいのだが、相手は仲間な訳で
さっきからじっと潤んだ眼差しで見あげられ続けて、こっちの理性ゲージギリギリな訳で
それはいいのだが、相手は仲間な訳で
さっきからじっと潤んだ眼差しで見あげられ続けて、こっちの理性ゲージギリギリな訳で
だが、自分ができないからと言ってリア充二人にこいつのファーストキス奪わせるのは何かムカつく
マリは問題外だ、こいつがキスだけで終わるはずもない
どうする俺!?
どうするっ!?
マッドガッサーが、わりと本気で悩んでいると
…っぴょん、と
座り込んでいた「爆発する携帯電話」の膝の上に、ジャッカロープが飛び乗ってきた
マリは問題外だ、こいつがキスだけで終わるはずもない
どうする俺!?
どうするっ!?
マッドガッサーが、わりと本気で悩んでいると
…っぴょん、と
座り込んでいた「爆発する携帯電話」の膝の上に、ジャッカロープが飛び乗ってきた
「……くけっ?」
ぴすぴすぴす
鼻を鳴らすジャッカロープ
その鼻先を、「爆発する携帯電話」契約者に近づける
その角で「爆発する携帯電話」を攻撃しないよう、そっと近づいていって
鼻を鳴らすジャッカロープ
その鼻先を、「爆発する携帯電話」契約者に近づける
その角で「爆発する携帯電話」を攻撃しないよう、そっと近づいていって
「あ」
ちゅ、と
その口が重なった
その口が重なった
………
…………
……………
…………
……………
「……?けけっ??………落ち着いた」
「え、こいつ、雄だったのか?」
「え、こいつ、雄だったのか?」
ぴすぴすぴす
ジャッカロープは、「爆発する携帯電話」の契約者の膝の上で、鼻を鳴らし続けている
ジャッカロープは、「爆発する携帯電話」の契約者の膝の上で、鼻を鳴らし続けている
「乳が出るんだから、雌だと思ってたが…」
「ひっひっひ、本来は男だから、雌のキスでも直ったのかもねぇ?」
「ひっひっひ、本来は男だから、雌のキスでも直ったのかもねぇ?」
興味深いと言うように、魔女の一撃が笑う
「とにかく…落ち着いたんだな?じゃあ良かった」
「………?けけっ?」
「………?けけっ?」
首をかしげている「爆発する携帯電話」の契約者
…っつか、あれだ
ジャッカロープのでも治るんだったら、悩む必要なかったじゃねぇか
何、無駄に悩んでたんだ、俺
っつか、仲間相手に何理性ゲージギリギリラインまで下げてたんだ俺ぇえええええっ!?
…っつか、あれだ
ジャッカロープのでも治るんだったら、悩む必要なかったじゃねぇか
何、無駄に悩んでたんだ、俺
っつか、仲間相手に何理性ゲージギリギリラインまで下げてたんだ俺ぇえええええっ!?
「………けけけっ?どうした?」
割と本気で自己嫌悪に陥ったのか、落ち込んでいるマッドガッサー
「爆発する携帯電話」だがけその理由を察する事ができず、首を傾げ続けたのだった
「爆発する携帯電話」だがけその理由を察する事ができず、首を傾げ続けたのだった
終わっちまえ