「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-39c

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匿名ユーザー

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 たとえ、不確かで曖昧な情報であったとしても
 わずかな可能性であったとしても、それにすがりたいと思う事もあるのだ


「…それじゃ、さようなら、二人とも」
「あ、う、うん、さよなら」

 学校帰りの、分かれ道
 委員長と、もう一人クラスメイトの女子と、ここからは帰り道が違うから、そう声をかけた
 たまたま、同じ道で同じ時間帯に帰っていただけだったが、一応、これくらいは言ってもいいだろう

「…あ、あの」
「……うん?」

 …委員長に呼び止められて、立ち止まる
 どうしたのだろうか?
 首をかしげるが…委員長は、一瞬、途惑ったような表情をして

「あ、ご、ごめん…何でも、ないの」
「…そうか?」

 よくわからないが、それじゃあ、とそこで別れた
 委員長と一緒にいたもう一人が、何かこっちに言いたげな表情をしていたけど、気のせいだろう

 …そう言えば、彼女
 以前の、「首塚」とやらの宴会の時、姿を見たような…?
 …その時の姿は、どう見ても酔っ払い全開だったような気がしないでもなかったので、見なかった事にしたが

「……さて」

 まぁ、いいや
 帰路に着くと見せかけて…少し、道を外れる
 今日、先生から聞いたあの情報の真偽を、確かめる為に


 向かった先にいたのは…長い、長い髪をした、老婆
 ビニール袋をたくさん下げたベビーカー…間違いない、と思う

「…ロン毛婆さん、か?」
「おや?私に何か用かい?」

 間違いはなかったようだ
 …単に、ビニール袋をたくさん下げたベビーカーを押しているだけの不思議と髪の長い一般人の老婆だったらどうしようかと思った
 正解なら、それでいい

「マッドガッサーの毒ガスで女になった奴を元に戻せる薬を持っている、と聞いた」
「おや…早速、お客さんが来てくれたねぇ」

 ヒッヒッヒ、と少し不気味に笑う老婆
 ごそごそと、下げていたビニール袋から…緑色の液体が入った小瓶を、取りだした

「これがそうだよ」
「何か、すすれよ…とか言いそうな勢いの色をしているんだが」

 飲めるのか?
 それ飲んで大丈夫なのか?
 自分が飲む訳じゃないが、ちょっと心配になってきたぞっ!?

「なぁに、良薬口に苦し、と言うじゃろ?」
「苦いのか。しかも苦いのか……まぁ、いいや。いくら払えばいいんだ?」
「そうだねぇ…………それにしても、坊やはまっどがっさぁとやらの被害を受けたようには、見えないけど…知り合いでも被害にあったのかい?」

 財布を鞄から取り出していたら、そう尋ねられた
 …隠す必要もないか

「知り合いが被害に」
「そうかい、そりゃ災難だったねぇ…ヒッヒッヒ。念のため聞いておくけど、その知り合いは都市伝説かい?」
「いや、人間だ」

 …まぁ、その
 ある意味、都市伝説的貴重な存在かもしれないけどな
 今時、珍しいくらいの昔かたぎの極道な部分があるから

「それならいいんだよ。この薬、何故か都市伝説には効果がなくてねぇ…」
「…そうか」

 …なら、先生の弟さんのバイト先の人とやらには、聞かないか
 そこでも、被害者が出たと聞いていたが…
 この老婆の存在と、解毒剤を持っているという情報は、先生の弟さん経由できた情報だ
 今度、お礼を言っておかないと……あの人、ちょっと苦手だが

「…これで、足りるか?」
「これだけ払ってもらえば十分じゃ……と、言うか、今時の高校生が、よくこれだけ持っているのぅ」
「別に、他に使う目的もないし」

 趣味の出費と言うと、本を少し買う程度だから、毎年のお年玉やら毎月の小遣いやらは大体貯金している
 だから、俺でもこれだけの額をどうにか用意できた
 …まぁ、普通の高校生の財布に入っている金額ではないのかもしれない
 普通の高校生でいたいと思うが…多分、都市伝説と契約している、と言う点を覗いたとしても、きっと俺は普通の高校生とは、どこか違うのだ

「確かに、受け取った。ありがとう」
「いえいえ、毎度あり」

 …とにかく、薬は手に入った
 ロン毛婆さんと別れた俺は、すぐに携帯を取り出す

「………あぁ、御手洗さん?…その、今の御手洗さんの状態、何とかできるかもしれない……………わかった、たまに親父とかが使ってる場所な?すぐに行くよ」

 …さて、御手洗さんを元に戻してやらなければ
 緑色の液体の入った小瓶を鞄の中に放り込むと、俺は指定された場所に向かうべく急ぐのだった





終わる








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