「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち・決戦編-02

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○月×日 20:00 学校町 中央区の高校の屋上にて


「……くけけ………完了した、ぞ」

 「爆発する携帯電話」の契約者が、ノートパソコンから顔をあげた
 よし、とマッドガッサーは頷く

「こっちも準備はできたぜ……つーことで、スパニッシュフライ、一発頼む」
「私はいいけど………いいの?」

 ちらり
 スパニッシュフライの契約者は、似非関西弁の女性に視線をやった
 やや赤くなりつつ、似非関西弁の女性は複雑な表情を浮かべた

「その…しゃあないやん。マッドはん、「はないちもんめ」とか言う能力の子の支配下に、いつ落ちてもおかしゅうないんやろ?」
「契約によって、支配権が上書きされりゃあ別なんだが、俺の契約は上下関係を結ぶ契約とは違うからな」

 ガスマスクの下、マッドガッサーも複雑な表情を浮かべていた
 だが、仕方ない
 万が一の時のことを考え、やってもらうしかないのだ
 …そう考え、ガスマスクを外した
 銀色の、まるで絹糸のような髪も、同時に露になる

「…いつ見ても、すげぇギャップだよなぁ」
「ほっとけ」

 「13階段」の言葉に、マッドガッサーはやや不貞腐れた表情を浮かべた
 自分だって、それくらいはわかっている
 正直、自分でもあまり好きな顔ではない
 この顔のせいで、アメリカにいた頃、どれだけ苦労したか………氏ね、あの時の男共

「うちは好きやけどなぁ?マッドはんの顔」
「はいはい、ごちそうさま」

 スパニッシュフライの契約者は苦笑して…ぷぅん、と
 一匹のスパニッシュフライを…マッドガッサーの口に、侵入させた
 ごくり、マッドガッサーはスパニッシュフライを飲み込み…スパニッシュフライの契約者を、視界に捕らえる

「さぁ、これで、今のあなたは私の虜」
「…そうだな」

 ぎゅ、と
 そう言いながらも、マッドガッサーは似非関西弁の女性の肩を、そっと抱いた
 っぽ、と頬を赤らめる似非関西弁の女性
 くけ?と、その様子に「爆発する携帯電話」の契約者と、それに抱かれるジャッカロープが首をかしげた

「これ、本当に支配下に入ってんのか?」
「一応入ってるわよ……本当、ごちそうさま」

 苦笑するスパニッシュフライの契約者
 スパニッシュフライの支配の力で支配しても…あの二人の絆は揺るがない、ということである
 契約者と都市伝説、と言う関連を抜きにしても、だ

「…ちゅーわけで、マッドはん、堪忍な!」

 っご!!

「おごふっ!?」

 後頭部の一撃に、軽く意識を失うマッドガッサー
 …ぷぅん
 スパニッシュフライが、その口から飛び出し……支配が、解除される
 むくりっ
 マッドガッサーは、すぐに気絶状態から回復した

「…よし、これではないちもんめの支配は解けてる。憂いなし。ガスの精製に集中できる」
「全部作り終えるまで、どれくらいかかるん?」
「……3時間30分、ってとこだな。量が量だから」
「ミサイルの発射にかかる時間は?」

 -----たんっ!!と
 屋上の手すりに、人狼姿のマリが姿を現した
 その手に持っているのは………弓
 ふわり、箒に乗った魔女の一撃とその契約者も、大量の矢を持って姿を現す

「発射まで25分……炸裂まで5分、といったところか。日付変更と同時に炸裂になりそうだな」
「そうか……ほら、弓。使えるんだろ?」
「えぇ、ありがと」

 マリに投げ渡された弓をキャッチするスパニッシュフライ契約者
 屋上に降り立った魔女の一撃の契約者が、その大量の矢と、矢筒を差し出す
 ぴぃん、と、スパニッシュフライ契約者は、軽く弓の弦を弾いた

「…ありがと。これで私も戦えるわ」
「お前、スパニッシュフライで操ってる連中で充分じゃないのか?鰐の他に二人確保しただろ」
「直接指示を出せる訳じゃなし、私だってちょっとは戦わないとね」

 …自分だけ、安全な場所にいるのは御免
 そうとでも言いたそうな表情だ
 特に、マリを見て、彼女はそんな表情を浮かべていたのだが…はたして、マリは気づいているだろうか?

「ひっひっひ、こっちも、陣を書き終えたわよぉ?」
「…よし、これで、この高校の校舎は、俺たちが掌握したようなものだな」
『オレサマニカンシャシヤガレヨ!!』

 唐突に響いた…機械的な、声
 その声は…「爆発する携帯電話」契約者が持っている携帯電話から発せられた
 そして、すぐ傍のノートパソコンには…なにやら、パソコンで作られたであろう、ゲームのキャラのような男性のグラフィックが、にやけた笑を浮かべていた

「…ありがとうな、「スーパーハカー」……けけっ」
『はにーノタメダカラナ、コレクライラクショウダゼ!』
「……おい、こら、いつ、こいつがてめぇのハニーになった」

 ぎゅう!と背後から「爆発する携帯電話」の契約者を抱きしめる「13階段」
 くけっ?と、当の「爆発する携帯電話」本人は首を傾げている

『ソリャア、はにーハオレサマノケイヤクシャダカラナ!ツヨイキズナデムスバレテルンダゼ!』
「こいつをハニーって呼ぶんなら、せめて電脳世界から出てこれるようになってから言いやがれ」

 …バチバチ
 軽く散らされる火花
 「爆発する携帯電話」の契約者が、この都市伝説「スーパーハカー」と契約してから、何度か繰り返された光景である
 …ただし、二人とも完全に対立している訳ではない
 「爆発する携帯電話」の契約者を大切に思っている事は両者共通しているし……最終的な目的は、同じなのだから

「それじゃあ、俺は校舎内を見回ってるぞ」
「俺もー」

 ちまりーん
 幼女姿になったマリが、魔女の一撃契約者の後を、てちてちと付いていく

「ひっひっひ、私は上空から警戒してるわねぇ?」
「…んじゃあ、俺も」

 すくり、「13階段」は立ち上がり…能力を、発動する
 見えている範囲の階段でしか、使えなかった能力を
 発動すれば、誰でも無差別に発動するはずだった能力を…しかし、彼はそれを進化させて

 自分が存在している建物内の階段全てに、能力を同時に発動できるようになった
 彼が意図した相手に対しては、能力が発動しないようになった
 一味が活動を自粛している間、彼は能力を進化させたのだ
 …あの髪が伸びる黒服に教えられて、進化させるための訓練方法は知っていた
 飲み込まれやすくなるから気をつけとけ、とも注意を受けてはいたが
 「爆発する携帯電話」の契約者が、多重契約という無茶をやってのけた時点で、彼は能力を進化させようと、そう決めて
 そして、それを実行したのだ

「一応、俺も校舎の中入ってるぜ」
「…けけっ、俺も、行く…」

 「13階段」と「爆発する携帯電話」も、校舎の中へと入っていく
 ジャッカロープも、「爆発する携帯電話」抱かれていった

『ンジャ、オレサマケイビシステムノナカニイルカラナ。シンニュウシャガキタラオシエテヤルゼェ!!』

 スーパーハカーは、パソコンから声を出してけたけた笑い、電脳空間へと消えていく


 …準備は、整った
 後は、自分がどうにかするだけだ
 マッドガッサーは、ガスマスクを被りなおす

「全員、無理はするなよ?」
「わかっとるよ」
「大丈夫だって」

 似非関西弁の女性も、スパニッシュフライの契約者も笑う

 …この作戦が、成功するかどうか
 それは、正直微妙である
 何分、作戦完了までの時間は4時間もかかるのだ
 正直、時間がかかりすぎる

 …だが、それでも
 自分達は、この作戦にかけよう
 この作戦が成功すれば……ある意味、自分たちは学校町そのものを、人質にとったような状態になる
 その状態で、少しずつ、少しずつ…世界を、変えていってやるのだ
 自分たちの、理想とする世界へ


 なんと荒唐無稽な作戦、計画、そうとられるだろう
 だが、他人の評価等、どうでもいい

 自分達は、本気でそれを実現しようとしている
 それぞれの目的の為に、本気でそれを実現しようとして…今から、それを実行する
 それだけなのだ

「この街の男共、全員女に変えてやる……ここが、理想郷のスタート地点だ」


 さぁ、はじめようじゃないか
 邪魔しようって奴らが来るなら、容赦しない
 俺達の邪魔など、させるものか

 俺達以外に、理解されなくてもいい
 だが、俺たちはそれを実現したいのだ

 仲間の傷を知ったから
 大切な仲間の傷を知ってしまったからには…なおさら、実現しない訳にはいかないだろう


 月明かりの下、マッドガッサーはガスの精製に集中し始めた

 …その目の前に並ぶ、複数のミサイルを、前にして



to be … ?





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